2017年7月2日日曜日

2017.07.02 岡田光永 『20歳の「日本一周」』

書名 20歳の「日本一周」
著者 岡田光永
発行所 廣済堂出版
発行年月日 2011.02.10
価格(税別) 1,500円

● 副題は「元不登校児が走った列島縦断1万1667キロの旅」。

● 20歳でこれだけの文章を書けることに,まず驚いた。20歳でしか書けない文章だろう。若さが躍動している。
 キーワードは「絆」。「みんなの気持ちがひとつになった」「仲間と力を合わせれば,できないことはなにもない」という表現がわりと頻繁に出てくる。
 自身が中学生のとき不登校だった。その反動というわけではないのだろうが。

● しかし,いつまでも「絆」に頼っているわけにはいかないだろう。なぜなら,死ぬときは仲間と一緒にというわけにはいかないから。一人で死ななくてはならない。
 ただ,「個」に傾く人と,「絆」に行く人と,二項対立的には考えない方がいいのだろう。個がなくては仲間の一員にもなれないはずだからだ。

● 以下にいくつか転載。
 出発1日目の今日はものすごく疲れた。旅というのは,出発のときが一番疲れるのかもしれない。(p58)
 一歩は積み重ねなければいけないものではなくて,後になって振り返ってみたときに積み上がっているものなのだ。先に進もうとあせって進んだその道に,どんな意味が残るのか。(p65)
 旅ではふとしたことから,人と出会う。出会いは,ガソリンみたいなものだ。出会った人に力をもらうから旅を続けることができる。出会いがなきゃ,僕は走り続けることはできない。(p97)
 東京で過ごしていたときは持て余していた,僕のエネルギー。しかしそれを全力で注ぎ込むことでこんな感動を味わえるのかと思うと,東京でいかに自分を持て余していたのか,今さらながら実感する。(p102)
 荷物を取り外した自転車にまたがり,稚内の市内を猛スピードで駆け抜ける。今まで,自分がいかに重い荷物を積んで,旅をしていたかがわかった。まるで羽が生えたかのように自転車が軽い。どんどん前に進んでいく。(p105)
 人は,本当の優しさを受けたとき,心から誰かに優しくできるんじゃないかと思う。(p154)
 悪いことが立て続けい起きてモチベーションが下がりかけているときに,キャリアの全壊が重なるなんて,つらすぎる。(中略)今まで幾度となく苦しい思いや逆境を経験してきたが,ここまで心が折れそうになったことはなかった。手も足も出ない。(p160)
 自分って,こんなに強かったっけ?と思う。どうやら困難とは,乗り越えることができれば,成長に変わるものらしい。(p162)
 危うく泣きかけたが,どうにか耐える。昔から涙もろい僕は,明日確実に号泣することがわかっていたからだ。(p198)
 そうなのだよ。冷静でどんなときにも表情を変えないヤツより,涙もろかったり,感情家の方が,何事かを為す人なんだよ。
 選べないような選択を迫られたときは,楽しいほうを選択する。これは,昔から決めている自分の信条だった。(p261)
 日本は美しく,優しく,楽しい国だ。そして,世界は広く,まだまだ知らないことが溢れている。それを知らずに死ぬのは,いくらなんでももったいなさすぎる。(中略)どうして世界は,こうも広いのだろう。どうして人生は,こうも短いのだろう。好奇心が,爆発する。(p274)
● 同じ出版社から同じ著者の『15歳の「お遍路」』も出ている。図書館で探してみよう。

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