2017年6月28日水曜日

2017.06.28 齋藤敦子 『コクヨ式机まわりの「整え方」』

書名 コクヨ式机まわりの「整え方」
著者 齋藤敦子
発行所 KADOKAWA
発行年月日 2014.05.30
価格(税別) 1,300円

● 机まわりを整頓しろ,片づけろ,というのではない。要は,楽しさオーラが出るような机にしろ,ということ。会社のデスクだけじゃなくて,個人の書斎についてもあてはまることだろう。
 発想術の指南書でもある。

● この本を読んだ人はたくさんいると思うんだけど,著者が説くようにやった人は,限りなくゼロに近いのではないか。
 まぁ,それはそういうもので,であればこそ,このジャンルの本が次から次へと登場できる。メシの種が残るわけだ。

● が,実際に役に立てるという視点を外して,読み物として読んでもこの本は面白い。著者自身の仕事は半ば研究職で,管理業務の煩わしさを別にすれば(それが8割を占めるのかもしれないけど),面白い仕事をしているように思える。
 それが文章に出ているような気がする。

● 次に少なくない転載。
 「片づけない」のも「片づけすぎる」のも良くないようです。どちらも仕事場として最適ではないし,何よりもワクワク感が生まれません。すると,会社に来てもワクワクしないし,つまらなく感じてしまうのです。(中略) これは,とても重要なポイントですが,いい仕事をしたいなら,「仕事場は楽しくなくてはならない」のです。(p14)
 人間はオフィスにいて座っているだけではありません。歩いたり移動したりすることで,人との交流が生まれるのです。(p23)
 考えてみてください。あなたが楽しそうにしていることは,会社にとってマイナスでしょうか? あなたが楽しそうなら周囲も楽しい気分になります。楽しければ,笑顔がこぼれるでしょう。これは結構重要なことですが,良い会社,成長する会社の共通点は,そこで働く社員の笑顔が素敵なことです。(p33)
 仕事におけるアイデアや,イノベーションは,“非連続”の状態から生まれるものです。日常の“延長線上”にはなかなか生まれません。(p37)
 あなたは,自分の机を通して,いろいろなことを周囲の人々に伝えることができます。逆に言えば,周囲の人々は,あなたの机を通して,あなたが想像している以上のものを読み取っています。(p48)
 自分の机まわりが乱れていたら,それは単に「片づけていない」とか「散らかっている」という問題だけではないのだと考えましょう。それは,その机に向かっている人の,心の乱れ,モチベーションの乱れなのかもしれません。日々の仕事に忙殺され,どうしたらいいのかわからないという,潜在意識からの重要なメッセージかもしれません。(p87)
 私たち人間は退屈に耐えられない生き物です。ワクワクすることや何か楽しいことに直面したとき,もともと持っている創造性が呼び覚まされるのです。(p90)
 私たちの遠い祖先が,創意工夫してさまざまな道具を発明していったのは,日々,命を脅かす危険と戦わなければならなかったから。(中略)「仕事も同じ」です。野性が必要とされない,安定しすぎた状態では,発展的なアイデアは浮かばない(p97)
 古くから哲学者の多くが「歩きながら考える」という手法をとっているのも,座りっぱなしではいいひらめきが得られないということを体験的に知っていたからでしょう。(p99)
 以前,コクヨが大学と共同研究したとき,ずっと同じ光の下にいるよりも,光の種類が変化するほうが効率性(スピードと正確さ)が向上することがわかりました。(中略)その色なら仕事の効率や創造性が高まる,という差はなく,浴びる光の種類を「変える」ことには意味があったのです。(p106)
 私たち人間の仕事には,適度なノイズが必要なのです。(中略)企画を練り上げるような創造的な仕事は,会社の自席でパソコンに向かう,という限定された環境では難しいのです。パソコンのモニターに見入っていると,その画面の中だけで解決しようとしてしまう。(p143)
 アイデア出しをするときは,ストップウォッチやアラームを使って,短く時間を区切って行うと効果的です。慣れないとつらいかもしれませんが,スピードとリズムが必要なのです。(中略)発散段階でたくさんのものを出せなければ,贅沢な「編集」もできません。時間に制約をつけて自分を追い詰め,本数を出していきましょう。(p146)
 書くことが決まっていれば,限られたフレームの中に収めることは容易なのですが,発散や練り上げのときは自由に描けるスペースが必要です。(p149)
 時間は規制をかけたほうがいいけれど,空間に関してはできるだけ自由に使える環境をつくる。これは,ひらめきを生む「整え方」の中でも重要なポイントです。(p150)
 何かを根本的に改善したり,方向転換をしたいときは,まず課題発見・探求が重要です。このとき,よい「問い」さえ見つかれば,「答え」は出たも同然とも言えるでしょう。これは,新しい商品やサービスをつくりだすときも同じです。(p163)
 アイデアを発散し,収束するには,他人の頭をうまく使うのです。(中略)他人を通して自分たちが陥っている狭い考え方に気づき,新しい切り口を見つけ出すことで,個人の生産性はまったく変わってきます。(p165)
 ブレストなどグループワークでありがちな失敗が,「このメンバーでなにかいいものを『1つ』まとめようじゃないか」と合意形成を図ることです。(中略)そうではなくて,あくまで1人ひとりが他の4人の頭を上手に利用して,自分のアイデアを醸成することができたら,もしかして面白いものが5つ生まれるかもしれません。(p166)
 ひらめきを逃さないために気を付けたいことは,「思いついたことをその場で書く」という習慣と,そのためのツールを持ち歩くことです。「アイデアの“急襲”に備えて」準備をしておくのです。(p169)
 この場合のツールには何が適しているか。ぼくはダイスキンを持ち歩いているんだけど,ダイスキンでは,たぶん,とっさのときに遅れを取るだろう。ロディアのようなメモブロックとノック式のボールペンを持っておくのがいいと思う。
 そのようにしたこともあったんだけど,結局,あまり役に立たなかった。ツールが悪いのではなくて,こちらが“ひらめき”を必要とするような生活をしていないからだ。
 ノンベンダラリとやっていてもすんでしまう人には,“ひらめき”など来るわけもないから,それに備える必要もないということ。
 オフィスがなぜ単調で無機質に見えてしまうのか。大勢の人たちが働いているのに,なぜ活気がないのか。それは,圧倒的に「直線」に支配されているからです。(p189)
 プロジェクトの遅延や,小さなトラブルの原因は,「コミュニケーション不足」が50%以上を占めます。(中略)とはいっても,コミュニケーションを密にしようと思っても,仕事環境がそういう雰囲気でなければ,なかなかうまくいかないものです。(p209)
 せめて,「同じ姿勢で仕事をし続ける」ということがないようにしましょう。それは,「アイデアが出ない姿勢」です。(p211)
 今はモノからコトの時代,といわれていますが,私たちの実体がなくなるわけではありません。頭の中=コンピューター上で考えるよりも,身体をつかって,モノを触りながら,何か新しいモノをつくりだしたいという欲求は変わりません。(p213)

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