2017年6月18日日曜日

2017.06.18 牧 壮 『iPadで65歳からの毎日を10倍愉しくする私の方法』

書名 iPadで65歳からの毎日を10倍愉しくする私の方法
著者 牧 壮
発行所 明日香出版社
発行年月日 2014.11.23
価格(税別) 1,500円

● まず,2つほど転載。
 フルタイムジョブからリタイアした直後は,新しい自由時間とたくさんの友人もいて愉しい毎日を過ごすことができます。体力・気力とも充実しており,経済的にもゆとりがあるため,永年やりたくてもできなかったことをやれる感動に浸れます。しかし,これも歳とともに大きく変化していきます。(p72)
 103歳の日野原重明先生はフェイスブックの効用を「シニアにとってのコミュニケーション革命」「脳を活性化する新しい刺激」「日々の張り合いが人生の時間を伸ばす」と仰っており,自らフェイスブックを始められたのです。(p91)
● 内容は,iPadがどうこうというより,Facebookの勧め。EverNoteの使い方も解説されている。
 ただし,どちらも高齢者向けにわかりやすくという配慮は感じない。パソコン雑誌にあるようなごく普通の解説だ。
 難しいのかもしれないけどね。正確さとわかりやすさはなかなか両立しないから。

● 申しわけないけれども,ここに書かれていることは絵空事ではないかと思う。
 今までFacebookやEverNoteと無縁ですんでいたのなら,無理に始めることもあるまい。特に,Facebookはすでに旬を過ぎているかもしれない。

● この年代の人たちがFacebookについて抱いている漠然としたイメージには,2つの誤解があると思う。
 ひとつは,Facebookをやっているなんてすごい,時代の先端を走っている,自分にはとても無理だ,というもの。
 違う。こういうものははしりの時期には,若者の世界になる。まず,飛びつくのは彼らだ。中高年は様子見を決めこむ。
 が,今や,そういう時期はとっくに過ぎて,若者はFacebookから去っている。メインユーザーは中高年だ。メジャーになっている人たちが先端のはずがない。
 それに,実際にやってみればわかることだけれども,Facebookを始めるのに,難しいことは何もない。そうでなければ,中高年がメインユーザーになるわけがないのだ。

● Facebookをやらないと情報社会に取り残されるのではないか,という不安。
 ぜんぜん当たっていない。Facebookでやりとりされていることの大半(95%以上)は,およそどうでもいいことなのだ。
 晩飯に○○を食べた。今,誰それさんとスタバでお茶している。話題になっている○○というレストランに来てみた,評判どおりでとても美味しかった,感動。という具合だ。
 言葉を選ばすに言ってしまえば,バカ丸出しの投稿ばかりだ。もちろん,自分もそうなのだが。

● では,Facebookなんてやっても仕方がないか。さよう,然り。やっても仕方がないと思う。
 ただし,リアルのコミュニケーションもまた,どうでもいいことのやりとりでできている。どうでもよくないことをやりとりしなければならない局面は,多少なりとも緊張を強いられるものとなる。場合によっては胃が痛くなることもあるだろう。
 どうでもいいことのやりとりだから,コミュニケーションはコミュニケーションたり得ているのだ。

● 歳を取るということは,自分より年下の人たちが増えるということだ。若い人は年寄りと話などしたがらない。自分が若かった頃を思いだしてみればいい。
 若い人にしてみれば,年寄りと話してて楽しいことなどひとつもない。最初から対等の立場に立てることがない。対立すれば内容にかかわらず年寄りの意見が通ってしまう。
 年寄りの話は説教じみている。自慢話が多い。自分は正しいと信じて疑わない。どうにもタチが悪い。
 しかも,年寄りは言うだけですむが,若い人たちは現場で走り回らなければならない。汗を流すのは若い人たちだ。

● ゆえに,若い人たちと話をしたいのであれば,以上の諸点について,年寄りは自分の構えを変えなければいけない。が,それができる年寄りはまずもっていないだろう。
 ということは,歳を取るにつれて,どうでもいいことがらをやりとりする機会が減ることになる。そのことによって,フラストレーションを溜めることがあるかもしれない。

● それを解消する手段としてFacebookを使うのはありだと思う。もの言わぬは腹ふくるるわざ。ふくれた腹を元に戻すのにFacebookを利用する。これは賢いやり方であろうと思う。
 逆にいえば,腹がふくれていないのであれば,わざわざFacebookを始める理由に乏しい。

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