2017年2月8日水曜日

2017.02.07 宇野功芳 『ベートーヴェン 不滅の音楽を聴く』

書名 ベートーヴェン 不滅の音楽を聴く
著者 宇野功芳
発行所 ブックマン社
発行年月日 2013.07.01
価格(税別) 1,900円

● ベートーヴェンの楽曲を録音したCDについて語っている。もちろん,それを通してベートーヴェンについて語るところもあるんだけど,基本はCDの名盤案内だ。

● 著者はカラヤンは嫌いなようだ。著者に限らず,評論家先生はカラヤンはダメだと言うことで,評論家としての立ち位置を確保するという性癖があるようだ。
 なので,本書においては,カラヤン&ベルリン・フィルのCDはまったく推奨されていない。

● 本書で推奨されるのは古いCDが多い。しかし,例外を3人ばかり登場させている。
 まず,ピアノ三重奏曲第7番「大公」において,鳥羽泰子を激賞。ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」においては,佐藤久成を。佐藤に合わせる鳥羽も再び。ピアノソナタにおけるHJリム。
 鳥羽と佐藤のCDは手当てした。さっそく聴いてみることにしよう。

● 以下にいくつか転載。
 最近はピアノ,ヴァイオリン独奏などの技術向上が著しく,オーケストラもマーラーなど一昔前には考えられなかったくらい演奏水準が上がった。そういうCDを聴き慣れた現在,カルミナ(四重奏団)へのおどろきが今回の試聴ではややうすれたのも事実だ。(p176)
 レコード界不況のせいで,最近はオペラの録音がめっきり減ってしまったが,弦楽四重奏の世界も淋しい。いつまでもスメタナ(四重奏団)が推薦盤に名を連ねるのでは,書く方も気が引ける。(p181)
 ベートーヴェンの後期の四重奏曲,それは深い思索とファンタジーが曲のすみずみにまで浸透し,融通無碍な形式の自由さを獲得した幽玄ともいえる精神の声である。彼のモットーである〈苦悩を克服して歓喜へ〉の思想はもはや表面に現れず,孤独の影が深い。(p187)
 バックハウス盤を久しぶりに聴き始めたとたん,なんという美しい音,なんという美しい音楽だろうと思った。80歳をすぎた老音楽評論家には耳タコのこの作品が,若き日の熱情とともに蘇り,感動させてくれたのである。音楽における演奏とは実にすばらしい行為なのだ,と改めて思い知った。(p250)

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