2016年3月31日木曜日

2015.03.29 早坂周鴻 『成功する人だけが知っている金運と異性運の法則』

書名 成功する人だけが知っている金運と異性運の法則
著者 早坂周鴻
発行所 すばる舎
発行年月日 2005.03.25
価格(税別) 1,500円

● 次のようなことが書いてある。
 女性は社会で成功し,経済的に裕福になったからといって名誉や人気は得られない。女性はお金では,人気を高めることができないようになっているからである。(p20)
 銀座のクラブのママさんにはきっぷのいい女性が多く,世間の人が思っているほど蓄財はない。彼女たちは貯蓄するよりも,自分の容姿や地位の維持に,稼いだお金をつぎ込むからだ。(p21)
 「さげまん」の女性は正常な感覚の持ち主なら,なんとなく嗅ぎ分けられる。キーワードは「不潔感」だ。これは身なりが粗末だとか,不潔な服を着ているといった次元ではもちろんない。いくらブランド品で着飾っていても,どことなく汚らしい印象を受ける女性がいる。会話や仕草に不潔感が漂っているといおうか。そんな女性の共通点は,「思考法が底辺」である。(p68)
 さげちんにしろ,さげまんにしろ,もうひとつの見分けるポイントは,相手の過去にある。何度も離婚した,パートナーが若くして亡くなった,あるいは一緒になった異性が次々と病気になった,というような過去を持つ人(p70)
 運気を上げて,上昇気流に乗り,逆転する方法はないのだろうか。とっておきの方法を教えよう。それは,いったん自らどん底に落ちてしまうことである。具体的にいえば,例えば行商をする。(中略)靴磨きもいいだろう。(中略)路上に座って,靴を磨く。これまた下から人を見上げる。自分が落ちるところまで落ちたと実感できる。そうなると腹が据わる。プライドも捨てられる。プライドがなくなれば,なんでもできる。(p97)
 貧乏な生活を続けている人がいる。なぜ,彼はずっと貧乏なのか。貧乏に耐えられる人間だからである。(p101)
 貧乏な生活のなかにも楽しさがあるなどと考えてしまうと,その環境からは一生抜け出せない。(p102)
 自分が買いたい商品やサービスという発想から始めたビジネスなら,成功を信じて突き進める。セールストークも上っ面ではなくなり,心から商品をすすめられる。それが説得力や迫力となって,相手の心を動かす。「自分は興味がないけれど,儲かりそうだからやってみよう」では,言葉にも空々しさが残る。(p105)
 お金は最初は遅々として殖えないが,ある一定のまとまった額までいくと,投資によって得られる利益もおもしろいほど殖えてくる。(中略)苦労してその段階まで到達したのに,家を買ってしまえばおしまい。手持ちのカネはなくなり,また一万円から始めなければならない。(p108)
 ギャンブルでも負けが込む人は,賭け方がちぐはぐだ。例えば,競馬。前半のレースで馬券が的中して少し懐が潤うと,儲けを確保したいばっかりに,賭ける額を落とす。逆にちっとも当たらず迎えた最終レース。一発大逆転を狙って,残りのカネをすべて賭けてスッカラカンになる。 ツイている時に慎重になり,運気が下がっている時に大金を張る。これでは,みすみす大損したいと言っているようなものだ。投資も同様,ここぞという時には,弱きにならず大勝負に出ることが,大金をつかむ秘訣だ。 金儲けはリズムが大切である。一回儲けたら,テンポよく儲けるのがコツ。いったんいいリズムができたら,それを崩してはいけない。(p109)
● ここから先,後半があるんだけれども,ここまででダウン。後半は読むのをやめた。

2016.03.26 番外:Bicycle Navi 2016〔Spring〕大人の自転車遊び!

編者 河西啓介
発行所 ボイス・パブリケーション
発行年月日 2016.04.20
価格(税別) 1,111円

● 復刊号に続いての購入。で,復刊号の力の入り方に比べると,早くも息切れあるいは企画枯れの趣あり。難しいものだ。

● 団長安田と小島よしおの対談が載っている。ふたりともお笑い界きっての自転車乗りなのだろう。が,どうもこの対談,あまり面白くない。テープ起こしがよろしくないのか。内容がどうこうではなく,話そのものがどんどん転がっていくようであって欲しいのだが,プツンプツンと切れている感じがする。
 石田ゆうすけさんと山下晃和氏の対談は,何というのかトリビアが詰まっている感じ。

● 常連の登場人物のひとりがドロンジョーヌ恩田。彼女の役割は,女性ライダーの誘い方,一緒に走るときの心得伝授といったものなのだけども,彼女自身,そろそろそういう役割に飽きているかもしれない。
 だいたい,女性を誘おうとする男性ライダーがいるのかね(いるんだろうな)。そんな面倒なこと,ぼくは御免だけどね。女性の方もあんたじゃねと思うだろうけどさ。
 
● 以下にいくつか転載。
 己の足で前へ前へと進んでいるうちに,汗とともに余計なものが流れていって,生きているという“核”だけが残る。シンプルだからこそ,純粋でおもしろい。(石田ゆうすけ p17)
 自転車旅って,強制的に人とコミュニケーションを取る状況になりますよね。(中略)自転車旅は,知らない場所で,知らない人に話しかけるところから始まるから,そのチャレンジは面白かったですね。(山下晃和 p100)
 でも日本人のチャリダーは,おとなしい人が多いかも。(中略)欧米人と日本人て,自転車旅行に対する向き合い方がちょっと違うよね。欧米人はレジャーというか,アウトドアを楽しんでるという感じだけど,日本人は自己鍛錬的な求道心みたいなものがある。(石田ゆうすけ p100)
 治安が悪いと言われる国は,その全域が危険に思われがちだけど,田舎に行ったらたいていどこも安全ですよ。(石田ゆうすけ p101)
 バックパック旅行だと,観光客慣れした中国人を相手にするから,嫌な思いをする人も多いみたいだけど,田舎を巡る自転車旅行だと,人の印象がまったく違う。(石田ゆうすけ p102)
 自転車旅行の良さを突き詰めると,「手軽さ」だと思うんです。簡単に冒険ができるし,必ず心に残る体験ができる。(石田ゆうすけ p103)

2016.03.26 プレジデント編集部 『仕事ができる人の文具術』

書名 仕事ができる人の文具術
著者 プレジデント編集部
発行所 プレジデント社
発行年月日 2016.03.17
価格(税別) 800円

● 雑誌『PRESIDENT』のいくつかの特集記事を集めて1冊のムックにしたんでしょ。巻頭は大前研一さんの取材記事。書斎の様子,使用済みのノートやメモ帳の紹介。パソコンはThinkPadを使用。ここだけはぼくと同じ。

● 「経営トップ告白 わが体験,ルーズな自分をこう変えた」は,社長さんたちの(主に)手帳の使い方の紹介。
 社長は孤独な仕事といわれるけれど,じつはトップに立ってしまうとけっこう楽なのではないか。そんなことはないのかね。

● 文具メーカーの社員が他社の文具を推薦する記事があって,これも面白い。

● 以下にいくつか転載。
 一〇〇円ショップのビジネスモデルは単純明快で,「五〇円台で仕入れて一〇〇円で売る」。これが基本です。大手チェーンでは,これを逸脱することはあまりありません。逸脱すると商品管理が複雑になり,コストがかかってしまうからです。(金子哲雄 p22)
 (100円ショップでは)値上げしないで,一人の顧客にいかに多く買ってもらえるかを考えています。そして,騒動買いを促すような売り場づくりをしています。(金子哲雄 p22)
 現代の経営は度を越した能率・効率の追求により,戦争以上に人の心を痛めつけていると私は思う。(鍵山秀三郎 p50)
 「ゼロから一への距離は,一から一〇〇〇までの距離より遠い」という格言がある。これだと思う。掃除もハガキもまず始めることが大切なのだ。(鍵山秀三郎 p51)
 誰にでもできることを,誰にもできないくらいやる。平凡なことを徹底的にやれば非凡になる。(鍵山秀三郎 p51)
 平安時代の貴族には「後朝の文」という習慣がありました。当時の通い婚では,ご婦人の閨に通う男性は夜明け前に引き揚げるのが礼儀でしたが,自邸に帰ったらすぐに歌を詠んで,まだ一夜の余韻が残っているうちに女性のもとへ届けなければなりませんでした。(林望 p58)

2016.03.26 高野秀行・角幡唯介 『地図のない場所で眠りたい』

書名 地図のない場所で眠りたい
著者 高野秀行
   角幡唯介
発行所 講談社
発行年月日 2014.04.24
価格(税別) 1,500円

● 早稲田大学探検部OBによる対談。学生時代の思い出話から,これまでの探検履歴を語りあう。さらに,書く作業や文章について,情報のとり方など,創作についても。

● 各章の末尾で「探検を知る一冊」を紹介している。次の5冊。
 ディヴィッド・グラン『ロスト・シティZ』(日本放送出版協会)
 高井 研『微生物ハンター,深海を行く』(イースト・プレス)
 ジョン・ガイガー『奇跡の生還へ導く人』(新潮社)
 ショーン・エリス ペニー・ジューノ『狼の群れと暮らした男』(築地書館)
 ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン』(みすず書房)
 お二人の作品はまだどれも読んだことがない。ということは,それらを読む楽しみができたということだ。あわせて,上の5冊も読めるといい。読みたくさせる紹介をしている。

● 以下に,転載。
 探検部って,そんなサバイバルみたいなことばかりしているように思われてるよな。いちいち火起こしなんてしてたら活動ができないって。(高野 p39)
 俺が入ったころは,タクラマカン横断みないに念入りな準備をしてやっている活動はあまり多くなくて,わりと気軽に行ってしまうものが多かった。そういうのを見てると,こんなすごいことをこんな気軽にやっちゃえるものなのかと最初は思ったね。(高野 p45)
 交渉して自分のやりたいことを伝えていく。それをしつこくやっていく。そうすると道は開けるということ。(中略) 日本人より外国人のほうが話せばわかるということもわかった。日本人はルールが先にあるから,話して解決することがなかなかない。(高野 p49)
 僕がやりたいことというのは,やり方が決まっていないことなんです。登山は好きですけど,登山ってルールとかモラルがすでにあって,ある程度やり方がきまっているんですよね。そういうものがまったくないところに行って,その場所にいったい何が必要なのかとか,一から自分でやり方を考える。そういうことが楽しいわけですよ。(角幡 p86)
 自分の中のモチベーションが高くないと俺は文章を書けないということと,すごくおもしろいことはそのへんには転がっていないんだということもやっとわかった。俺がパッと思いついて,パッと行けて見られるようなものなんて,所詮たいしたことないんだよね。(高野 p112)
 「日ごろノンフィクション作品では書けない雑談を自由に書けるのがストレス発散になる」みたいなこと。それだよ,ブログというのは。(高野 P124)
 難民がいるところでもそうだけど,ニュースで報道されることというのは,いちばん派手なところを切り取って,それを水増しして伝えてるのでしかないということがよくわかった。それは現実と全然違うんだよ。日常とか文化みたいなこともあるわけだし,(中略)おもしろいことも,笑えることもたくさんあるし。(高野 p158)
 角幡の本は現地の人の話がすごく少ないよね。現地の人に話を聞いていくと泥沼になっていくんだよ。(中略)ものすごく多種多彩な話が出てきて,もう自分がなにをしているのかもよくわからなくなってくるんだよね。(高野 p170)
 探検って,自分たちが属している社会なりコミュニティの知識や常識の外側に行くことだと思うんです。(角幡 p176)
 書くことを意識している時点で,それに引きずられる部分ってどうしても出てきますよね。今やっている旅をどうやって書こうかとかいうことを考えた瞬間に,その旅は純粋ではなくなると思うんです。(中略)だから(中略)ゴールを設定するのはよくないなと思ったんです。(角幡 p188)
 予定調和に終わるより,自分の構想がぶち壊されるぐらいのことが起きたほうが,書くときだってノルじゃないですか。そういうのが欲しい。でも,自分の行きたいのは人がいないとか人が行ったことがないところなので,準備はかなりしなくちゃいけないし,そういう準備作業もおもしろかったりするんですよね。行為自体の完成度と作品のおもしろさを一致させるのはなかなか難しいなと思って。(角幡 p189)
 その「行くしかない」っていう感じが,本を書くうえでもいちばんいいんだよね。「行っても行かなくてもいいけど,行きたいから行った」というよりは,「行くしかない」と思って行ったほうがはるかにおもしろくなるんだよ。(高野 p193)
 集英社文庫の担当が堀内倫子さんという人で,その人にすごく言われたんだよね。「高野さんの芝居は小さすぎる」って。小劇場とかそういうところではすごく受けるけれど,武道館か東京ドームでやると「動きが小さすぎて遠くの人が見えない」と言うわけだよ。(中略) その堀内さんによく言われたのが,「高野さん,これ,いったいなんの話なの?」ということ。それが「ひと言で言えないとダメだ」と言うんだよね。(高野 p194)
 文章ってのはだいたい若いころのほうがおもしろい。ちょっとぎごちないほうが駆動力がありますよね。うまくなってこなれてくると,きれいな文章なんだけどパワーがなくなってしまう。(角幡 p197)
 吉田一郎という人の『国マニア』っていう,変な国がたくさん載っている本があるんだよ。俺,それをけっこうネタ本にしていて,その本を読んでインドとバングラディシュの飛び地に行ってみたりとかもしてるんだ。(高野 p209)
 情報がたくさんあると急に嫌になってやめたりすることも多い。「ああ,情報すでにあるんだ」と思って。だから,そもそも情報があるところには行かないほうがいいんだよ。(高野 p215)
 高野 でも,書くことによって自分の頭の中が整理されていくというのはあるじゃない。 角幡 というか,書かないと整理されない。 高野 されないよな。書かないと,どんどん忘れていくし,深まらないしね。(p255)
 モガディシュの人間はソマリランドがすごく平和だってことを知らないんだよね。俺が「誰も銃なんか持って歩いてないよ」と言うとビックリする。それもジャーナリストとかがだよ。結局,平和な部分というのはニュースにならないからわからないという,根本的な欠陥だよね。(高野 p263)
 角幡 歴史を動かすような大きな変化って,一昼夜で起こるわけではなくて,事態は少しずつ進んでいきますよね。でも,そういうことってニュースになりにくいから,あとから振り返って初めて,あのとき,一線を越えていたんだなというのがわかるんですよ。これはもうマスコミの宿痾みたいなもんで・・・・・・。 高野 でもね,ニュースといっても物語の一種だと思うんだよ。やっぱりストーリーを作らなきゃいけないわけでしょう。とのときに悲惨な話というのは,ストーリーを作るのがすごく簡単。(中略)悲惨な中にも日常をキープしていくのが人間の力だと思うんだけど,そういう話を書けるかというと,すごく難しいわけでね。(p265)
 素材を変形させたらダメだとも思っているんです。会った人とか取材した人とか,言葉の内容とか,自分の体験とか,書く素材になるものを変形させてしまうと,なし崩しになっていくから。(中略)だから取材対象の心の内側を推測して書くようなことってどうなんですかね。(角幡 p266)
 行って半分,書いて半分だよね。後半の半分をどうするかというのは,現地でやることに匹敵する大問題なのに。(高野 p273)
 書き方とか表現で開拓したいという気持ちはものすごく強いから,なにを言われていちばん嬉しいかというと,やっぱり「文章がおもしろい」と言われることなんですよ。「すごいことやってるね」と言われても別に嬉しくない。(角幡 p275)
 現地では病気,事故,犯罪,戦闘,対人トラブル,自然災害,一文無しになるなどトラブルの可能性が無限大だ。先のことを深く考えていたら出かけられない。また,過去の痛い目にあったことは速やかに忘れないと,次の活動にとりかかれない。間違っても懲りたりしてはいけないのだ。(高野 p289)

2016.03.19 堀江貴文責任編集 『堀江貴文という生き方』

書名 堀江貴文という生き方
責任編集 堀江貴文
発行所 宝島社
発行年月日 2016.04.12
価格(税別) 920円

● 今をときめく何人かの一人が堀江貴文さんであることに異を立てる人はいないだろう。ライブドアの不正経理の嫌疑で東京拘置所に収監されたとき,これで終わりだと誰もが思った。
 ところがどっこい。見事な復活。そこに彼の強さを見て,自分もそうなりたいと思う人は多いはずだ。
 が,そういう人たちは「フワッとした人」(本書に出てくる言葉)で,つまるところ何もできない人たちでもあるんだろうな。

● 以下にいくつか(というのは多すぎるのだが)転載。
 中1のとき,パソコンに出会った。パソコンに関しては完全にリミッターが外れた。許されるなら24時間,触っていたかった。(中略)徹底的に,好きなことを好きなだけ,何も考えず,遊び尽くすことだ。そうすれば遊びの向こうにある,新しい何かを見つけられることを,私は早い段階で学んでいた。(p13)
 メンタルがしっかり整っていない人は,親や先生に「遊んでばかりいてはダメだ!」と言われると,従ってしまう。私は親にも先生にも一切,従わない。(中略)私の楽しい時間を邪魔する,邪悪な連中だと思っていた。バカにしている部分もあった。偉そうに言うけれど,俺の方が頭がいいんだから,バカは黙っていろと思っていた。(p14)
 最低限のベーシックな知識を国民みんなが教養として学ばなければ,格差や貧困など,日本社会の深刻な問題を根っこから解決するのは難しい。そのベーシックな知識は,大学に行かずとも読書や,インターネットの良質な情報を浴びることで身につくというのが,私の意見だ。(中略)簡単な時代だ。みんな,インターネットの有用な活用が全然できていない。(p30)
 スマホがひとつ手元にあるだけで,人生を劇的に変える情報がいくらでも集まる世界に,私たちは生きている(p31)
 「人からどう思われたって,別に大したことじゃないよね」という耐性を持った人は,どこに行っても強い。ハートの強さというか,我が道を平気で進める耐性は,経験がつけてくれるのだ。(p35)
 あるニュース番組に梶田(隆章)さんが出演されたとき,「あなたの研究をどうやって社会に活かしますか?」という質問があった。呆れてしまった・・・・・・サイエンスの本質が,まるでわかっていない質問だ。ニュートリノはサービス商品ではないのだ。(中略)質問力が低い。教養と知識が足りないから,つまらない質問しかできず,本質を学ぶところに行き着けない。(p36)
 TwitterやFacebookなどSNSを活用して,アウトプットを繰り返していれば,多用な情報が集まるから質問力は自然に上がる。だけど多くの人は,SNSさえも満足にやろうとしない。(p37)
 私としては『嫌われる勇気』一冊を読めば,マインドは一気に変わると思ったのだが。あれだけわかりやすく他人に振り回されず成功できるメソッドを説いた本がベストセラーになっても,世の雰囲気は変わらなかった。(p37)
 芸能人の多くの頭の古くささは何だろうか? 役者は役者のことだけを考えられたら幸せで,演じる以外の仕事はなるべくしたくない,役者としてテレビにたくさん出られるようになりたい・・・・・・みたいな。(p38)
 プライドも邪魔していると思う。一度はテレビの第一線で活躍していたというプライドが,自分の可能性を小さくしている。(p38)
 思いつきに価値はないのだ。思いついたことを,形にした人が本当に評価される。(p38)
 私が人と少しだけ違うところがあるとすれば,「折れない」ことだ。(中略)たくさん叱られたし,批判もされたけど,気にしなかった。「人はいろいろ言うけれど,そのうち飽きる」「他人は自分になんか興味ない」ということが,わかっていた。事実そうだったし,今でも変わらない。(p42)
 後年,電通の部下は小谷に,「今は広告もイベントもやり方が決まってしまって,つまらない。時代の過渡期に,真っ白なキャンパスに思い通りに絵が描けた,小谷さんの若い頃がうらやましくて仕方ありません」というようなことをグチった。 すると小谷は部下の目を真っ直ぐ見て,「いまも昔も関係ない。いつだって時代は過渡期だし,キャンパスは真っ白なんだよ」と答えたという。(p43)
 いくらでもチャンスはある。キャンパスは余白だらけなのだ。余白が見えないのだとしたら,適正な情報に触れていないか,マインドセットがかかっているだけだ。(p48)
 仕事でも趣味でも「○○にハマっています!」という人がいるけれど,聞いてみたら全然ダメだ。(中略)家族とか日常生活とか,頭からきれいさっぱりなくなるまで,何かにハマりきる経験を多くの人はしていないと思う。日曜など休日に家族サービスを優先して,やりたいことをやらない人もいるけれど,私には理解できない。(p44)
 会いたい欲をかきたてられるような優秀な人はたいてい,著書やSNSなどで,情報を発信している。彼らは伝え方がうまい。思考やビジネスメソッドを,シンプルにまとめて,誰でも読めるようにしてくれている。だから別に会いに行かなくても,それらを読めば事足りる。(p50)
 突き抜けたノリの人に共通しているのは,昔話をしないことだ。常に,今の瞬間を楽しみ尽くし,新しいことに目を向けている。(p52)
 人生を時価換算して考えれば,大学を4年かけて卒業して,その辺の一般企業に勤めるほど,効率の悪いことはないとわかるはずだ。(p56)
 なくなったお金は,潔く諦めよう。今ある財産を,どのように活用していくか。いかにして変わっていけるか。どうせ悩むなら,損した分でくよくよするより,取ることのできる選択肢のなかで,悩んでいこう。(中略)人はなくなったものばかり意識してしまいがちだ。しかしなくなったものは,所詮は過去。過ぎ去ったものに価値はないし,取りもどすこともできない。時価換算上では価値ゼロだ。(p57)
 2枚1000円で売っている,ユニクロのパンツでもいい。自分の身に着けるものを,自分の感性で選ぶという思考の機会を失ってはいけない。(p62)
 「楽しい」で稼いでいる人たちのほとんどは,才能に恵まれているわけではない。楽しさと仕事をいかに結びつけていくか,思考を止めず試行錯誤して,自分たちのやり方を見つけ出した。(p65)
 できないものをできないと断る人より,やれそうもないことを引き受けて,やってしまった人の方が信用されるのが,ビジネスの世界だ。(p68)
 毎日更新するのは大事だよね。それもある意味で趣味の延長が仕事になるってことだし。(p88)
 失敗をしないために打席数を少なくして打率を上げるのではなくて,打率は低いけど打席数に多く立って板法が絶対にいい。(p95)
 みんな失敗したときのイメージとか記憶を持ちすぎているんだよ。(p95)

2016.03.19 伊藤まさこ 『あした,金沢へ行く』

書名 あした,金沢へ行く
著者 伊藤まさこ
発行所 宝島社
発行年月日 2015.03.11
価格(税別) 1,300円

● どういう切り口で金沢を紹介するか。結局,お店(寿司屋,甘味処,そば屋など)と人。人というのは,伊藤さんの知り合い。
 こういうふうにならざるを得ないものでしょうね。

● ただ,こうなると,金沢ならではというのがなかなか浮きでてこない憾みが残る。こういうお店は京都にもありそうだし,東京にもありそうだ。ホントにどこにもないよ,ここだけだよ,なんてお店はちょっと想定しにくいわけだから。
 登場する人たちも皆すばらしい人たちなんだけど,すばらしい人って,やはりそちこちにいるんだと思うんだよね。

● 結局,金沢にしかないものは金沢の風土である,ってことになるんだろうか。あとは兼六園とかそいういうものになってしまう。
 それだけでは1冊にならないだろうし,なったとしても読者がつかない。

● 金沢の酒蔵で仕込み水を飲ませたもらって,その柔らかさとまろやかさにびっくりした,という話が出てくる。
 これは栃木でも体験できるよ。山あげ祭(7月)のときに,烏山に来ればね。島崎酒造が仕込み水を飲ませてくれるよ。真夏なのにひんやり冷たくて,トロッとした濃くがある感じの水。酒にしないでこのまま売ればいいのにと思ったり。

2016年3月21日月曜日

2016.03.12 中村将人 『今日が「最後の1日」だとしたら,今の仕事で良かったですか?』

書名 今日が「最後の1日」だとしたら,今の仕事で良かったですか?
著者 中村将人
発行所 経済界
発行年月日 2011.11.07
価格(税別) 1,400円

● タイトルの問いにYesと答えられる人の割合は10%? 5%? 1%? もっと少ないかもしれない。

● ただ,それは仕事の選択を誤ったからだとは限らないところがあるでしょうね。どんな仕事でも,その仕事に就いたあとにその仕事を手なずける,馴染む,その仕事に潜りこむという作業が必要になる。
 初期にその努力をしたかしなかったか。これもけっこう大きいような気がする。

● 仕事に好かれなければならない。そのためには,まず自分が仕事を好きにならなければならない。その仕事が自分に合うかどうか,社会的にどれほど役に立つのか,そんな勝手な判断をする前に,好きになる努力をしたかどうか。
 ちなみに,ぼくはその努力をするってことにまったく思いが及ばなかった大馬鹿者だったので,ずっと仕事に好かれないままだった。

● 以下にいくつか転載。
 みなさんが「本当にやりたいこと」を考える際には,今着けている鎧を一度はずしてから考えてください。みなさんが置かれているさまざまな問題を気にしたままでは,考えるにしても制約だらけになってしまい,いずれ考えることをやめてしまうでしょう。(p60)
 どうやったら今の会社に勤めながらも,自分の人生を充実させられるのでしょうか? この問題の答えは,「シンクロ率を上げる」ことこそが一番の方法だと思っています。では,シンクロ率を上げる,とは一体どういうことなのか? 簡単に言えば,仕事と夢(やりたいこと)との共通点を見つけ,その2つをできるだけ近づけていく,そして重なる部分をとにかく増やしていく=つまりシンクロ(重ね)させていく,ということです。 「今の仕事を自分事としてとらえてみる」というのも1つの方法として有効です。営業職や事務職で働く会社員の方であれば,将来自分がその会社の経営者になることを約束されていると考えてみてください。(p109)
 結局は99%の人と違う方向に行ける勇気ある人だけが,勇気に見合った富を築いていく(p116)
 人間は,見たものや知ったもの以外をほしがることは不可能です。知らないことは,その人にとって存在していないことと同じなのですから。(p120)
 「おれ・・・・・・,営業に向いてないのかなぁ・・・・・・。もうダメかもなぁ」などと考えながら,公園のベンチでボーッと過ごしていると,先ほどかなりの勢いで断られたばかりの会社に,なんなく入ってしまう人を偶然見かけたのです。 「こんちわ~,毎度どうも~,○○急便で~す!」(中略)これはもしかして,「毎度~○○で~す!」と言って入っていけば,むげに断られることはないのかも知れない。そう思った私は,それからと言うものの,「毎度~」と言って飛び込み営業を続けていくことにしたのです。 その結果,契約数がドンドン伸び,1年が経過するころには全国の同期の中でもっとも早く昇進の話をいただけるようになっていったのです。(p134)
 私自身も過去に4億円もの借金を抱えたことがあります。生きていても仕方がないのか? と考えたこともあり,本当に地獄の苦しみを味わいました。しかし,結果的に私は4億円の借金があっても死にませんでした。(中略)しかし,3000万円の借金を抱えていた不動産屋さんは自ら命を絶ってしまいました。 この違いは一体何なのでしょう?(中略)その違いとは,「最終的に成功していく人というのは,どんなにドン底にいる状態であったとしても,それでもなんとかデキルと思っている人」なのです。(p152)
 「お金がないから,やりたいことができない,というのはウソなのです」 ただし,そのお金を調達するために必要になってくるのが,その事業に対する当事者の「情熱」になってくるのです。(p160)
 人生において「やりたくないこと」をやり続けるということはマイナスでしかない(p186)
 菅野(藍)さんは明治41年生まれの102歳のおばあちゃんですが,現在1人暮らしでごはんも自分でつくって毎日きちんと食べているそうです。この菅野さん,50歳のときに始めた書道を今でも続けていて,すでにこの道52年の大ベテラン。今現在では70代・80代のお弟子さん数十人が通っている書道教室の師範なのです。(中略)菅野さんのお話を聞いて50代で「やりたいこと」に気がつく人も充分に早いと感じることができたのです。恐れるべきは我々が勝手につくりあげている固定観念のほうなのかも知れません。(p190)
 国税庁の調査によると,年収1000万円以上の人の割合は,日本の全人口のたった5%だそうです。(中略)「いいね」と思ったことをすぐに実行できる人の割合も,じつは同じくたったの5%なんです。(p200)
 その時々の常識が変われば,人の命の行方さえも変わってしまう。それが常識の本当のところです。じつにフラジャイル(=壊れやすく不安定)なものだと思うのです。私たちは大抵,こういった「常識」というフラジャイルなものに毒されてしまっているのです。(中略)生きている間に成功し,最後の1日に素敵な人生だったと感じる人になるためには,「いつでも常識を疑ってかからなければならない」ということです。珍しいモノやコトを生み出すことで,希少性を発揮します。その結果あなたの生み出すモノに世の中の需要が集中し,あなたはおのずと成功していく人になっていくのです。(p204)
 まだ「やりたいこと」が見つかっていない人,または,キッカケさえもみつけられないという人においては,目の前のことを今,できるだけのスピードで取り組んでみてもらいたいのです。(中略)人間は単に「早くやる」ということを意識するだけで確実にモチベーションが上がり,仕事に対するやる気も上がっていくものなのです。(p219)
 「もう今年で40歳,せめて10年前の30歳のあのころに戻れたらなぁ・・・・・・」 こういうセリフを耳にすると,人はつくづく失ったものを数えたがる生き物だなぁと痛感します。(中略)しかし,これは50歳になっても,60歳になっても同じように思うことなのです。自分が今まさに立っている今日が,10年後の「あのころ」だとはなかなか気づかないものなのです。(p222)
 人は,弱い生き物です。自分1人のためだと思う目的だと,なかなか持っている以上の力を発揮することはできないものなのです。あなたの頑張りが他の多くの人の助けになると感じたとき,あなたは,あなた自身でも信じられないくらいの力を発揮することがあります。(p226)
 フォード自動車の創始者ヘンリー・フォードは成功するまでに5回破産し,ウォルト・ディズニーは,務めていた新聞社をクビになり,何度となく破産。俳優のハリソン・フォードは,高校時代にいじめられ,駆け出しのことには才能がないと言われ,第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンは,何度も選挙に落選している。みなさんなかなかのカッコ悪さを経験していると思うのです。(p231)

2016.03.12 ウィリアム・レーネン 『幸せになれるスピリチュアル・ティーチング』

書名 幸せになれるスピリチュアル・ティーチング
著者 ウィリアム・レーネン
訳者 伊藤仁彦
発行所 角川文庫
発行年月日 2015.12.25(単行本:2009.12)
価格(税別) 800円

● 次のようなことが書かれている。
 もし,あなたがそれを違うと感じても,相手に求められてもいないのに,そう伝える必要はないのです。(p35)
 精神病は,患う人に魂の成長があるだけではなく,その人の家族に必要とする経験も与えることになります。(p40)
 スピリチュアルな考えを引用できる人はたくさんいますが,実際にあり方を実践していません。感情はノーと言っているのに,頭で考えていいと思ったことをしようとして自分をだます人たちは,長期にわたってネガティブな感情に最も傷つくことになります。(p50)
 多くの人が与えることは好きですが,受け取ることは苦手です。しかし,遠慮したり,謙遜して受け取ることを拒否したら,それをあなたに贈ろうと思った相手は,傷つきます。受け取ることを学ぶことが重要です。宇宙の法則が機能するためには,優雅に受け取る必要があるのです。(p55)
 この時代に成功を求めるなら,お金や名声を得た場合,それでどうするかということです。得たお金を人を助けること,環境を救うことに使うといったポジティブな動機からの成功かどうかということです。つまり,他者も勝者にしてあげる動機が持てるかどうかなのです。(p57)
 仕事,人間関係を心地よく感じないのであれば,何がおかしいのかその理由や原因をつきつめて考えようとはしないでください。自分に正直になり,あなたの反応と感情に注目してください。(p65)
 ホームレスの人たちを見ると,ホームレスの人たちは同じだと包括的な判断をしてしまいます。しかし,型にはめ,そのイメージをいつまでも維持するのではなく,それぞれのホームレスの人たち,そしてその家族の現実を知るほうが価値があると思うのです。ホームレスの人たちに対するネガティブなイメージが,私たちが実際に行動を起こすための大きな足かせになっていると思います。(p118)
● 2000年続いた魚座の時代は終わり,西暦2000年から水瓶座の時代に突入したのだという。
 このあたりから読む気が削がれ,見出しだけを見ていくようになり,後半はまったく読まないで放り投げる形になった。

2016年3月11日金曜日

2016.03.11 番外:The Dish 創刊号-一度は行っておきたい栃木のいい店美味い店

発行所 新朝プレス
発行年月日 2015.12.12
価格(税別) 1,093円

● 「価値ある一皿,価値ある時間。ワンランク上の栃木グルメガイド」。グルメガイドって次から次へと出る。
 いつでも出せば一定の売上げが見込めるのだろうし,対象となる店そのものも入れ替わりが激しいから,いつでも新鮮なネタに出会えるのかも。

● と,斜めなもの言いをするぼくにしたって,結局買ってしまうんだからね,こういうものを。性懲りもなくね。
 食というのは生活の大きな部分をしめることは間違いない。だから1食たりともおろそかにせず,グルメを追求する人もいるのかもしれないんだけど,それを完璧にやれてる人は,ある種の求道者といっていいだろうね。

● 食は大事だけれども,質素なほうが飽きないのもたしかだものね。あぁ旨いって思うものは,たまに食べればいいと思っている。もちろん,経済の問題もあるわけだけれど。
 毎晩ご馳走を食べなければならない人もいるかもしれず,そういう人は気の毒だなぁと思ったりもする。

● さて,このムックで紹介されているお店で,ぼくが行ったことがあるところは,わずかに2カ所しかない。
 さくら市氏家の「Niwa」。料理の実質と店の雰囲気に比して,料金がじつにリーズナブル。
 ランチもやっているが,まず入れないと思ったほうがいいと人に言われた。ので,ランチに行ったことはない。
 夜でも予約をいれたところ,その日のその時間帯は満席だと断られたこともある。

● 烏山の「クローバー STEAK HOUSE」。「この店で学んで卒業し,それぞれの夢を叶えてほしいというオーナーの意向」って紹介文が出てくる。ホールスタッフを含めて,人の入れ替わりはわりとあるほうかも。
 で,こういう言い方はどうかと思うんだけども,ホールスタッフの中には,いわくありげな,たとえば家庭に恵まれなかった,普通の幸せが届かないところで生きてきた,のかもしれないと思わせる人が少なくないような印象。

● そういう人たちが,しかし,健気にというより一人前のスタッフとしてキビキビと動いているのを見ると,ここは大人の学校なのかもしれないと思う。給料を払って,仕事を教え,一人前に働けることを本人に自覚させるという,難しい教育を実践している学校。
 きちんと卒業していったのか,中退だったのか。そのあたりは何ともわからないところではあるのだけど。
 そういう目で見てしまうのは,ぼくの偏見なのか。
 料理については,ぼくも太鼓判を捺す。ぼくなんかが捺しても仕方ないんだろうけどさ。

● ふらっと行ったものの,満席で入れなかったのが,イタリア料理の「バリトン」。ワインを飲みたい気分でね,ちょうどこの店が目に入ったので,近づいてみたら,若い人たちの楽しそうな喧噪が満ちているっぽかった。
 ロートルが入っては申しわけないかと一瞬考えたんだけど,思い切ってドアを開けてみた。が,自分で見ても空いてる席がなかった。店員さんに申しわけありませんと言われて,すごすごと退散した。

● 「焼肉グレート」も身近な人に勧められていた。美味しかったよぉ,って。だったらオレを連れてもう一回行けよ。
 焼肉店は一人で行くところじゃない。店にとっても迷惑だろう(と勝手に思っている)。一人焼肉もないわけでもあるまいとは思うんだけどね。

● 二期倶楽部の「ガーデンレストラン」と「ラ・ブリーズ」の2つも紹介されている。二期倶楽部といえば,栃木県きっての高級リゾートホテルというイメージを持ってたんだけど,ここはいわゆるオーベルジュなのか。
 ま,ぼくには永遠の憧れ。

● 氏家の「甘味処 京源」も紹介されている。氏家はなかなか食の水準が高いところだと思っているんだけど,この店もその拠点の大きなひとつなのだろう。
 ただ,さすがにぼくは行ったことがない。

● ところで,このムック,これが創刊号だっていうんだけど,続刊を出すんだろか。そんなに紹介できる店があるのか。
 まぁ,こういうものは創刊号だけ見ておけばいいものだと思うんだけど。

2016年3月10日木曜日

2016.03.06 番外:GOETHE 2016.4月号(創刊10周年特別記念号)-究極の贅沢と成功の因果関係

編者 二本柳陵介
発行所 幻冬舎
発売年月日 2016.04.01
価格(税別) 741円

● 今月号の「GOETHE」に登場している人たちは,いわゆる成功者。青年実業家というかね,志のある青年実業家。
 だけども,成功者であり続けることはかなり難しいことだ。10年後,彼らがどうなっているかは誰もわからない。“まさか”という坂がいつ彼らを襲うか,神のみぞ知る。

● が,いったんではあっても“成功者”に登りつめたっていうのは,大したものだよ。たいていの人にはできないことだから。
 もちろん,ぼくなんかでは及びもつかない。

● その彼らの発言からいくつか転載。
 出会いに臆するな。(中江康人 p70)
 文化を支援するという“遊び方”が,もっと広まればいいと思う。(石川康晴 75)
 印象派などの近代美術は,ひと目で美しいと感じますが,現代アートは一見,よく分からないものが多い。見えた目を楽しむだけじゃなく,その裏にある概念にも着目するものだからです。つまり,観る側がクリエイティヴィティを働かせて,あれこれ考え妄想してこそ面白さが立ち上がる。(石川康晴 75)
 「必要」を満たすだけの生活で,何かデカいことが起こる可能性は低い。規格外の成功者が見ている世界は,「必要な限度を超えた」場所にこそある。(p81)
 クラシックカーのリスクをわかりつつ,それにかまけることができる本物志向の大人たちがいるんです。57歳のぼくが,「ああなりたい」と憧れるかっこいいジジイが。(東儀秀樹 p85)
● キングジムの宮本彰社長の取材記事から。
 こういう市場(「ポータブック」)なら1割どころか,数パーセントの人の心に刺さればいい。(p156)
 確かに大手企業は,市場が縮み始めると商品開発をしなくなりますよね。代わりに,伸びている市場ばかり狙う。でも,伸びている市場は競争が激しいと思うんですよ。(p157)
● この雑誌のエッジのひとつは,巻末の郷ひろみの連載エッセイだろう。本人が書いているのか,本人の話を別の人が文章にしているのかはわからないけれど(どっちだっていい),たしかに面白いのだ。
 郷ひろみが郷ひろみになり得た所以は,彼の徹底した負けず嫌いと凝り性にあるのかもしれない。たぶん,それだけではないはずだけど。

2016.03.06 下川裕治・阿部稔哉 『週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分』

書名 週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分
著者 下川裕治
    阿部稔哉
発行所 朝日文庫
発行年月日 2016.01.30
価格(税別) 700円

● 下川さんの著作はほぼすべて読んでいる。朝日文庫の週末シリーズも読んでいないものはない。

● そこで思うのは,下川さんの真骨頂は,その国や地域の現在がなにゆえに今あるような現在なのか,そこを歴史を遡って素描する際に発揮される。
 本書では,プラナカン(海峡華人)やプミプトラ政策(マレー人を優遇するマレーシアの政策)について,鮮やかに切り取って見せてくれている。

● 貧乏旅行,お金を使わないでどこまでやれるか,という旅でデビューしているから,そっち方面についてのノウハウも膨大にお持ちのはずで,それも披瀝される。
 だけれども,それよりも文章の妙と,この歴史素描の冴えが,下川作品の魅力だと思う。

● 以下にいくつか転載。
 (シンガポールでは)少なくとも,タクシーに乗るときに,「運賃メーターを使え」などという必要はない。だいたい,客待ちをするタクシーもほとんどない。民度がここまであがるということは大変なことなのだ。(p18)
 シンガポールに限らず,窓のない部屋は少なからずある。台湾,上海,香港,カンボジアのシェムリアップ,マレーシアのマラッカ・・・・・・華人が多い街の傾向のようにも思う。(p42)
 宿の予約をすることが性に合わない。決められた日に,その街に着くことができるかどうかわからない旅が多いという事情もあるが,予約を入れてしまうと,そこに行かなくてはならないということが面倒なのだ。しかしシンガポールは事情が違った。ネットを通して予約したほうが安いのだ。(p45)
 シンガポールで節約すること。それは庶民の世界になると,セントの世界の攻防だった。バス運賃といい,ホーカーズといい,一ドル以下,八十六円以下の積み重ねが安くあげるコツだった。(p78)
 シンガポールの一日目は快適だ。堪えるのは物価の高さだ。そのなかで二日目,なんとか抗ってみた。しかし二日目の晩になると,収まりのつかないものがむくむくと頭をもたげてきてしまう。(p90)
 歩くのもままならないような人混みのなかを,ぐいぐい歩くのは,大陸の中国人の得意技である。(p154)
 国家という枠組みは,海峡植民地に生まれたプラナカンのおおらかさを削いでいくことになる。それは国家というものがもつ宿命でもある。(p165)
 (イスラム圏の)アルコールを禁止するという戒律は,かなり揺らいでいる。(中略)国によっての違いはあるが,アルコールは財力に結びついているようなところもある。国際社会で成功し,英語を口にするイスラム教徒というイメージには,アルコールがついてまわる。(p186)
 LCCは中距離や短距離では,目を疑うような運賃を導くことができる。しかし長距離になると,一気に精彩を欠いてしまう。LCCには運賃を安くするさまざまなノウハウがある。しかしその多くは,中短距離で機能する。(p268)

2016.03.04 小山薫堂 『明日は心でできている』

書名 明日は心でできている
著者 小山薫堂
発行所 PHP文庫
発行年月日 2016.02.15(単行本:2009.01)
価格(税別) 640円

● 箴言集ではないけれども,それに近い短文集。サラッと読めるし,読み終えると自分が賢くなったような気分になれるというお得な本。
 その気分というのはもちろん錯覚に決まっている。でも,ここは考えようで,学者が自分の専門分野の論文を読むとか,ビジネスマンが自分が担当している仕事の参考書を読むのはべつとして,たいていの読書って,錯覚抜きには成り立たないのではあるまいか。
 上手に錯覚させてくれる本がいい本だ,という命題が成立しそうな気もする。

● ともあれ,そういう本から引用するのも何だかなと思いながらも,いくつかを以下に転載。
 「得意じゃないな」と思ったものには,手を出さない。得意じゃないことで悩むのは意味がないから。(p25)
 人をどう喜ばせるか,感動させるか,ハッピーにするか・・・・・・。それが仕事の原点。つまり仕事とは相手を幸せにするためのサービスなんだと思います。(p33)
 そんなふうに「あ,自分って優しい人だな」って思える瞬間を意識的に作る。そのうち本当にいい人になって神様が味方してくれるようになる気がします。つまり運がよくなるんです。(p39)
 最初のアイデアといのはやっぱり,絞り出すものよりも降りてくるものだと思います。ただ,それを形にする,そのアイデアを商品にするには,悶絶しながら考えなきゃけないと思うんですけど。(p45)
 サプライズにコツがあるとすれば,自分をプレゼント体質にすることから始まると思います。僕は日々,無意識のうちに誰かへのプレゼントを探しています。(p78)
 なにか新しいものを産み出そうというときは,逆にさまざまな情報を遮断した状態で発想するようにしています。最新からは最新のものは創れない。(p89)
 恥なんて,かいたとしても一瞬です。「今日はどんな恥をかいてやろうか」 それくらいの気持ちで毎日を過ごしていたら,いまよりもずっと面白いことが起きるようになると思います。(p103)
 「いろんなエピソードであふれたものにしよう」 そう決めたときから,僕の人生が変わり始めたような気がします。なにかしようとするとき,僕は自分に問いかけます。それって後々エピソードになる? 別に大きなことじゃなくていいんです。(p135)
 最近出会ってハッとした名言があります。日本最高峰のセレクトショップ「ビームス」の設楽社長の言葉です。努力は夢中に勝てない。(p154)

2016.03.03 林 真理子・見城 徹 『過剰な二人』

書名 過剰な二人
著者 林 真理子
   見城 徹
発行所 講談社
発行年月日 2015.09.29
価格(税別) 1,300円

● 宇都宮駅ビルの八重洲ブックセンターで購入して,しばらく読まないでいた。読み始めてみれば一気通貫。第一級の人生訓が収められている。

● 見城さんがしばしば書いていることが,本書にも登場する。
 彼らとの付き合いが深まるにつれ,僕ははっきりとあることを自覚した。それは,「この人たちは,書かずには生きていけない」ということだ。彼らは自分の中に,侵み出す血や,それが固まったかさぶたや,そこから滴る膿を持っている。それらを表現としてアウトプットしなければ,自家中毒を起こして死んでしまうのだ。 それだけのものは,僕にはない。書かなくても,僕は生きていける。(見城 p48)
 創造するとはどういうことか。創造には何が必要なのか。それをここまで簡潔明瞭に解き明かしている文章を,ぼくはほかに知らない。

● 以下に,長すぎるであろう転載。
 小説は,文章描写の芸術である。しかし,ただの描写ではいけない。細部を描くことによって,人物なら人間性や肉体を感じさせ,その人の人生まで表現しなければならない。(見城 p56)
 細部にこだわることの大事さは,小説に限らないと僕は思う。ビジネスもそうだ。ビジネスとは一般的に,合理的な経済活動と思われている。そのため,人間的な要素を軽視する人が少なくない。しかし,ビジネスは,何よりまず,人間の営みである。それは多くの感情的な細部から成り立っている。(見城 p58)
 僕はとにかく,才能のある人間が好きだ。僕が編集の仕事をしているのも,いろんな才能に出会えるからだ。(中略) すべての素晴らしい作品は,たった一人の熱狂から生まれるのだと思う。逆に,熱狂のないところに,創造はない。熱狂のないところから出てきた作品は,結局,人の心に響くことはないだろう。(p67)
 匿名のジャーナリズムなど,ありえない。匿名である限り,ネットが正当性を認められることは,絶対にない。(見城 p75)
 人間は,便利さがすべてではない。僕などは,劣等感をバネにして仕事をし,生きてきた。もし僕の少年時代からネットがあり,そこで憂さ晴らしをしていたら,僕の人生はもっと薄っぺらなものになっていただろう。 人間は,負のエネルギーを溜めなければだめだ。それが醸成されて,何かを成し遂げ,人生を豊かにできるのである。(見城 p76)
 仕事の一番重要な点は,嫌なことでも我慢しなければならないこと。給料は,ガマン代と言っていいでしょう。この我慢が,忍耐力という,生きてゆく上で何より大事な力を身に付けさせてくれるのです。(林 p84)
 若い頃は,モテたい気持ちが強かったが,年齢を重ねると,そうではなくなったと言う人がいる。そういう人は,仕事に対する意欲も落ちているのではないだろうか。僕はいつまでも女性に振り向いてもらうために,仕事を頑張り続けたい。(見城 p88)
 自己顕示欲が,仕事の原動力になるのは,間違いない。しかし,それだけではだめだ。僕は,一方で,同じ分量の自己嫌悪が必要だと思う。(中略)自己顕示と自己嫌悪の間を揺れ動くから,風と熱が起きる。それがその人のエロスであり,オーラなのだ。(見城 p88)
 仕事は,あくまで生活の手段であり,家族との時間など,プライベートを充実させることが,人生の目的だと言う人もいる。僕には,そのような仕事との向き合い方が信じられない。(見城 p90)
 僕は角川書店の社員の中で,一番稼いでいたと思う。入社1年目から退職するまで,それは続いた。誰よりも仕事をしている自信もあった。ギリギリまで頑張っている手応えが,僕を支えていた。(p121)
 仕事のできる人には特徴があります。それは,見た目がシンプルだとうこと。(中略)私は,プロとアマチュアの違いとは,無駄の差だと思います。プロはとにかく無駄がありません。これは女性の場合,とくに顕著です。ファッションや立ち居振る舞いがすっきりとし,どことなく引き締まった感じがします。(林 p123)
 私自身,型やスタイルの大切さに気付いたのは,大人になってからです。日本舞踊を始めたり,着物を着るようになったりして,ようやくわかりました。姿勢がよくなったり,動作ががさつでなくなったり,見た目がよくなることは,大変な自信を生みます。(林 p126)
 僕自身,仕事のできる女性には,とても魅力を感じる。仕事とは厳しい半面,正直でもある。打ち込めば,必ず実りがある。そこに,男女の違いはない。(見城 p131)
 人の心をつかむには,努力しかない。それもただの努力ではない。自分を痛めるほどのものでないと,意味はない。この痛みが,人の心を動かすのだ。自分を痛めない表面的な努力では,決して人の心はつかめない。(見城 p143)
 売れるコンテンツには4つのポイントがある。オリジナリティ,明快,極端,そして癒着である。僕はこれを,「ベストセラー黄金の4法則」と呼んでいる。(見城 p151)
 自分が生きるべき場所への嗅覚が,働いたのだと思います。この嗅覚は,誰にでもあるのではないでしょうか。ただし,自信のある時しか働きません。そのためにも,自信を持つことは,とても大事だと思うのです。(林 p155)
 僕は編集という仕事を選んで,本当によかったと思う。とりわけ僕は,相手が書きたくないものを書かせることに,心血を注ぐのが大好きだ。編集者の一般的なイメージは,作家から原稿を受け取り,それに赤を入れて本にするというものだろう。間違いではないが,ほんの一部でしかない。それよりもっと大事なのは,作家に刺激を与えることだ。(見城 p161)
 何でもいい,自分が好きで,熱狂できるものを仕事にしなければダメだ。熱狂していれば,苦痛はもとより,退屈も虚しさも感じない。そこから必ず,結果という実りが生まれるのだ。 これはとても大事なことである。好きではないことを仕事にしても,本当にいいものが生まれるはずがない。それは人生という限りある貴重な時間の,とてつもない空費である。(見城 p162)
 日本人は,野心を剥き出しにすることを嫌います。「分相応」「身の程を知る」といった言葉も,そうした土壌から生まれたのでしょう。それは建て前にすぎません。建て前を鵜呑みにしてしまっては,損をするのは自分です。 人は常に上を目指していないと,充足感のある人生を送れないのではないでしょうか。「身の程」を知りすぎることは,この充足感を奪ってしまいます。(林 p187)
 私は,運命の正体を知っています。それは意志なのです。(中略)その人はチャンスに,間違いなく自分から近づいて行ったはず。それが運や運命と言われるものの正体ではないでしょうか。運は,自分からつかみに行こうとすれば,必ずつかめます。(林 p194)
 運と意志は,相乗効果を起こします。強い意志を持つ人のところに幸運は,やってきます。するとその人は,ますます強い意志を持つことになるのです。逆に,運はいったん離れると,どんどん遠のいてしまう。(林 p197)
 いい結果に導くのは,どこまでも努力である。努力とは,意志の持続のことだ。多くの人は,簡単に諦めすぎだと僕は思う。(見城 p199)
 僕が会社を始めた時,出版界はすでに斜陽だった。死んでもいいと思うくらいの覚悟がなければ,始められなかったのだ。出版界が下り坂であることを,僕は逆手に取ろうと考えた。(中略)逆風だからこそ,圧倒的努力をして結果を出せば,鮮やかに見えるのだ。(見城 p200)
 「ゆとり教育」とは,個性は余裕の中から生まれるという考え方だと思いますが,私はまったく逆だと思います。個性は厳しさの中からはみ出そうとして生まれるものだと思います。甘やかしの中からは生まれません。(林 p227)
 仕事が,滞りなくすらすらと進んでいるとしよう。たいていの人は,安心するだろう。しかし,僕は,かえって不安になる。そのスムーズさこそ,危険の兆候にほかならない。スムーズに進んでいるとは,自分が楽をしているということだ。そんな時,僕はより辛いほうへ,より困難なほうへと舵を切る。当然,負荷が生じるが,それがいい仕事の実感なのだ。(見城 p231)