2016年1月31日日曜日

2016.01.31 水木しげる 『がんばるなかれ 小さなことを笑い飛ばすコトバ』

書名 がんばるなかれ 小さなことを笑い飛ばすコトバ
著者 水木しげる
発行所 やのまん
発行年月日 2008.09.25
価格(税別) 1,300円

● 水木しげるさんの箴言集。

● 箴言集から転載するのは愚の極みと思いつつ,いくつか転載。
 不幸の中にも 何らかの 幸せの芽は きっと あるはずだよ(p37)
 急ぐことは死につながり,ゆるやかに進むことは 生を豊かにする(p50)
 私はね,賢くなったのは七十六歳からなんですよ(p60)
 周囲の目や評価を気にして 「世間のルール」に あわせようとするのはバカです(p83)
 人生なんてしょせん,その人は一生のうちで どのくらい笑ったかが 問題なのかもしれない(p135)

2016.01.31 長谷川慶太郎 『今世紀は日本が世界を牽引する』

書名 今世紀は日本が世界を牽引する
著者 長谷川慶太郎
発行所 悟空出版
発行年月日 2016.01.27
価格(税別) 1,400円

● 長谷川さんのものの見方の特徴は,アメリカという国の意思決定の様式に対する信頼と,現在の日本の政治リーダーである安倍総理に対する評価にある。
 特に,安倍総理に対しては全幅の信頼を置いているように思われる。他国の大統領や首相と比べても,安倍総理は傑出していると考えているようだ。

● もうひとつは,日米以外の国(つまり,欧州と中国,ロシア)に対する徹底的な悲観。韓国もそうだ。未来はないと切って捨てる。
 そうした中国や韓国に対して,日本はどうすべきか。何もするな,という。何もしないのが最善の策だ。

● 以下にいくつか転載。
 日本は毅然として中国が設立を目指すAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加を見合わせたが,イギリスを皮切りに欧州諸国が参加を表明すると,「このままでは日本は遅れを取ってしまう。日本もAIIBに参加すべきだ」と主張する国内メディアも現れる始末だった。(p1)
 EU諸国の経済衰退と混乱も著しい。もはや過去の栄光で生きているといってもいい状態で,経済成長を促す新たな成長エンジンを生み出せる活力などとうの昔に失っている。(p7)
 財閥は目先の,自分たちが儲かる事業にしか投資をしない。そのため,韓国の産業の幅は極めて限られてしまっている。その一方で他の企業が新しく事業を始めようとしても,財閥の力に押しつぶされてしまう。それでは新しいビジネスモデルは創出できない。(p110)
 そんな両班文化が根強く残っているせいか,韓国には「モノづくりの精神」がない。日本人は何代も続く職人や商店をリスペクトするが,韓国人はまったくリスペクトしない。(中略) 一握りの両班が多くの民衆から生産の果実を収奪するような文化の中では,本当の意味での文化の継承は起こらない。働かない人が威張り,汗を流す人を馬鹿にする社会に,工夫と努力を積み重ねて,よりよい生活を追求していこうというムーブメントは起きてこないのだ。(p116)
 日本は1億2000万を超える人口と,そのほとんどが中流階級という恵まれた環境があったため,海外における戦略が疎かになるという面があった。「日本で売れてナンボ」という感覚で,国内シェアを争うことばかりに目が向いていたのだ。 その結果,激化していく国際規模での競争に,あっという間に乗り遅れてしまった。(p222)
 援助したのにそれがその国の国民に知らされることもなく,妬みや怨みを買うという愚は二度と犯してはならない。日本は,これまでの中国に対するODAや韓国に対する援助がすべて無駄となり,反日攻撃が延々と続いていることを肝に銘じるべきなのである。(p247)

2016.01.31 遠藤 隼 『ユーラシア横断自転車旅日記』

書名 ユーラシア横断自転車旅日記
著者 遠藤 隼
発行所 下野新聞社
発行年月日 2015.10.31
価格(税別) 1,500円

● この本に出てくるのは,神戸から上海にフェリーで渡り,陸路をポルトガルのロカ岬まで陸路を走るユーラシア大陸横断の記録。
 実際には,このあと南米に渡ってペルーから帰国したそうだ。その分も続編として出るのかもしれない。

● 下野新聞社から発行されたもので,宇都宮の本屋には置いてあるけれども,東京で見かけたことはない。栃木県限定ということになっているようだ。

● 若いときに,こういう冒険(?)ができた人が羨ましい。それ自体は歳をとってからでもできるはずだ。できるはずだけれども,その行為が持つ意味合いはずいぶん違ってくるだろうね。
 でもね,ぼくもやりたいなぁ,自転車での世界旅。できれば世界一周。70歳を越えてからかなぁ,やるとしても。

● その頃は,ミャンマーも走れるようになってくれているといいな。タイからミャンマー経由でいったんインドに入って,バングラデシュから再びインド。何とかトルコまで陸路でつなげられそうだ。
 今はそうなっていないので,著者は飛行機を使っている。

● あと,アフリカをどうするか。南米も治安を含めて難敵という気がする。

● でもなぁ,ぼくは一人で外国を歩けるか。われながら疑問だ。もちろん,歩いたことはある。初めての海外旅行は韓国への一人旅だったから。
 でも,ビビリ続け,縮こまり続けだったなぁ。

● 著者は当然,陽性の人だ。人間が好きで,知らない人と話を交わすことを苦にしない。
 このヒッチハイクという旅はとてもフィットしていた。相手のことを知りたいし,自分のことも話したい。とにかくいろいろな人に興味があったのだ。(P3)
 旅の醍醐味は出会いである。見ず知らずの僕に手を差し伸べてくれる優しさは,普段の生活では感じられないだろう。(P124)

2016.01.31 番外:monmiya2月号-旨い魚

発行所 新朝プレス
発行年月日 2016.01.25
価格(税別) 352円

● 海なし県の栃木でも,旨い魚は食べられる。宇都宮には魚市場もある。
 その昔はそうじゃなかったよ。魚っていえば,干物か大量の塩につけて保存食にしたものだった。
 そうじゃないのは,行商(オート三輪で来ることが多かった)のおじさんが売るサンマくらいのものだったよ。
 あと,鯨の肉。鯨肉って魚屋さんが扱っていたよね。

● 今では,刺身もスーパーで売っているんだからね。冷凍技術をはじめとして,流通においても技術革新はあったんだろうね。そのおかげを被っているわけだろう。
 特にホッケ。昔話ばかりで申しわけないんだけど,昔はホッケってパサパサした魚の代表じゃなかったでしたっけ。ところが,今は油の乗った旨いホッケがスーパーでも買える。

● 逆にあれだね,たとえば茨城に行ったときに,魚を買って帰ろうとはあんまり思わなくなったな。かえって持てあましてしまうんだよね。一匹丸ごとだったりすると。捌けないし。
 じゃあってんで,切り身になってるのを必要な分だけってことになると,スーパーで買ったほうが安いみたいな。じつは鮮度もそんなに変わらないんじゃない,とか。

● この雑誌ではマグロ丼や海鮮丼を出すお店が紹介されているんだけど,そういう玄人筋(?)のお店じゃなくて,普通の食堂や居酒屋で充分に旨い魚が食べられる。
 そうした店の刺身定食とか焼き魚定食で,ぼくは充分かな。

2016.01.30 茂木健一郎 『記憶の森を育てる 意識と人工知能』

書名 記憶の森を育てる 意識と人工知能
著者 茂木健一郎
発行所 集英社
発行年月日 2015.10.31
価格(税別) 1,700円

● 「現象学的オーバーフロー」がキー概念になっている。では,それをおまえの言葉で説明してくれと言われても困る。本書を読んでもらったほうが間違いなく伝わるだろう。

● 久しぶりに読み応えがある本を読んだ感じ。スイスイスラスラと読めるものしか読んでこなかったような気がする。
 たまには,自分の容量を超える本も読んだほうがいいですよね。

● 以下に,いくつかを転載。
 意識や記憶において,普遍とは個別の総体である。個別を離れた普遍など,存在しないのだ。(p13)
 生物学上の知見は,生物のさまざまな種が長い時間をかけて進化してきたという事実の中でとらえた時に,初めてその意味がわかる。(p30)
 私たちの言語と記憶は,意識という無尽蔵な「資源」を活かすために進化してきた。私たちは皆,意識の採掘人だ。(中略)意識の資源のうち,掘り出されて活かされる資源はごく一部で,ほとんどのものはその場で消えていく。(p51)
 チクセントミハイの独創は,幸福を,受け身のものでも,所有するものでもなく,意識の流れの中で能動的にかかわることで体験する一つの状態として位置づけた点にあると言えるだろう。(p90)
 チクセントミハイのフロー理論が革命的なのは,経済学において人間行動を導く要因とされるインセンティブさえもが,自分と課題の間の壁になり得るということを見抜いている点だろう。(p97)
 オリンピックや世界選手権のような多くのことが懸かった舞台で,世界新記録を出すような最高のパフォーマンスが,緊張よりもむしろリラックスした意識の流れの中で生み出されることは,私たちの日常の中における行為規範に対しても示唆的である。(p99)
 最高のパフォーマンスをもたらすものが,苦しい努力の境地ではなく,時間の流れを忘れ,我を超えて,行為そのものが報酬となるような境地であることは,私たちの人生観に大きな影響を与えざるを得ないだろう。仕事と遊びは対立するものではない。むしろ,フローにおいて,仕事と遊びは一致する。(p100)
 クオリアは,過去に人類が到達した,断片的な「フローの頂点」が蓄積され,脳の回路の中に制度化されて定着した,痕跡であるのかもしれない。(p104)
 忘れられないのは,そんな経験をした男の子の最後の一言である。「もう一度,あの場所に住みたい」と男の子は言うのである。いつかまた津波が来るかもしれないというのに,住み慣れた,海辺の土地に戻りたいというのである。(中略)そんな土地に育まれたその男の子を,うらやましい,頼もしいと思った。(p113)
 長い旅路を厭わず,苦労を重ねて「聖地」を目指す人々の直覚の中には,場所の持つ力に対する信仰がある。 「その場所にいることの価値」こそが,人々を旅へと駆り立てるのだ。(p144)
 私たちの脳は,水槽の中に浮かんでいるのではない。脳は,身体に接続し,その中でこそ機能する。身体は環境と相互作用して,その文脈の中で「意識」を持つ。すなわち,私たちの「意識」は,「身体性」を持つことで,初めて実体化する。(p145)
 いのちは,クラウドの中をふわふわと浮く情報などでは断じてない。脳の情報をすべてコンピュータに移せば,もう一人の「私」ができるなどというのは,考えの浅いテクノロジー信者の妄想に過ぎない。(p149)
 意識は,私秘的なものだと考えられがちであるが,実際にはその本質において社会性を帯びている。自己認識は,他者の認識と双対である。(p212)
 ニーチェの思想は,高校生の私にとっては,劇薬だった。しかし,それと同時に,不思議なほど心を落ち着かせ,しっくりとくる,柔らかな考え方であるようにも感じられた。つまりは,偉大な哲学がすべてそうであるように,そこには「本当のこと」が書かれていたからだろう。(p237)
 アメリカの大学でも,面接が重視されている。面接とは,つまりは「雑談」である。日本人はペーパーテストの点数こそが「公正」であると長い間洗脳されてきたが,考えてみると,雑談ほど,その人となりが伝わり,知性が明らかになるものはないのではないか。(p264)
 人間は,忙しくなると,ついつい雑談をしている暇などない,となりがちである。そういう発想になった時点で,すでに,脳の働きのバランスは失われ始めている。(p269)
 「知性」の本質は,「狭い」ということころにこそあるのかもしれない。人口知能を待たなくても,そもそも,人間の知性そのものが,その世界における存在形態としては「狭い」のではないか。(p285)
 歩くと,世界の多様性を感じることができる。世界の多様性を感じる方法は,さまざまあるだろう。しかし,速度を落とすことは,そのうちの確実なものの一つである。(p293)

2016.01.27 ジェームズ・ウォード 『最高に楽しい文房具の歴史雑学』

書名 最高に楽しい文房具の歴史雑学
著者 ジェームズ・ウォード
訳者 関根光宏・池田千波
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2015.11.30
価格(税別) 2,200円

● 歴史雑学といっても,驚くようなトリビアが登場するわけでもなく,わりと退屈だったかな。
 これがイギリス流のユーモアなのかと思われるところも,ポンポン出てくるんだけど,あんまり面白くもないんだよな。

● とはいえ,いくつか転載しておこう。
 万年筆人気が何度も復活しているあいだに,「われわれにとって,万年筆は仕事の道具からアクセサリーへと変化した」。(p71)
 この小さなノート(モレスキン)は,それを使う人の心の中にほとんど宗教に近い情熱をかきたてる。いっぽうで,このノートは虚飾の象徴として冷笑の対象にもなる。(p90)
 モレスキンは最初から中国で製造されていたが,その事実がどこにも記載されていなかっただけなのだ。(p96)
 書いたものをいつでも消せるので,日記や手帳に書くときも気負わずに何でも書ける。鉛筆にはいつも逃げ道があるのだ。(p145)
 僕自身も含めて一部の人にとって,文房具を買うのは喜びそのものだ。文房具店というのは可能性の宝庫であり,そこに逝けば新しい人生を歩むきっかけをつかめる。このカードとこの付箋を買えば,ずっとそうなりたいと思っていた人間,そう,整理整頓ができる人間になれるかもしれない。このノートとこのペンを買えば,ついにあの小説が書けるかもしれない・・・・・・(p194)
● モレスキンが最初から中国で生産されていたとは,この本で初めて知った。ネットを見ると,ある時期を境に品質劣化が始まり,それがどんどん進んで,もはやモレスキンを使う気にはならない,という指摘をわりと目にするんだけど,その“ある時期”が中国生産に切り替えた時期なのだろうと思ってた。
 どうも,そうじゃないらしい。

2016.01.23 番外:GO OUT 2月号-私的良品。

編者 梅田顕弘
発行所 三栄書房
発売年月日 2015.12.29
価格(税別) 630円

● 物欲刺激の雑誌をもう1冊。こちらは主にアウトドア用品ですか。車を含めて。
 “100人の「買って,良かった」物カタログ”という記事もある。タイトルどおりの内容の記事。ブーツ特集も。

● でもダメだ。これ欲しいと思うモノはない。こだわりっていうのが,ぼくにはないのだろうと思うんですよ。あるいは,かっこつけるってことを知らない。
 アウトドアに使う車? スズキのジムニーでいいじゃん,と思ってしまうタイプなんですな。そもそも,車でアウトドアなんてやらないだろうしなぁ。

● 所ジョージさんの世田谷ベースなんてもの凄いと思うんですよね。資源多消費型の暮らしって,基本,かっこいいなぁと思うんだけど,自分にはそこに向かうだけの活力,精力がない。
 であるからして,低水準でバランスが整ってしまってて,もうこのまま行くしかないのかなと思ってはいるんですが。

2016.01.23 番外:OCEANS 3月号-夢あるオッサンの欲しいモノカタログ2016

編者 太田祐二
発行所 ライトハウスメディア
発行年月日 2016.03.01
価格(税別) 722円

● 夢あるオッサンの欲しいモノカタログ? 最近,というよりだいぶ前から,ほんとに欲しいモノがない。
 最新型のスマホが欲しいとか,ハイレゾ再生できるデジタル音楽プレーヤーが欲しいとか,その程度のものだ。
 それも,正直,是非にということではない。なけりゃなくていい。今使っているスマホをそのまま使い続ければいいだけのことだから。

● 足るを知ったのか,オレよ。素晴らしいぞ。って,物欲がなくなるってのは,生命力の水準が下がってきているってことではないのか。
 で,本書を眺めて,これはと思えるモノに行き会えればと思ったんだけど。なかった。

2016.01.21 田坂広志 『なぜマネジメントが壁に突き当たるのか』

書名 なぜマネジメントが壁に突き当たるのか
著者 田坂広志
発行所 東洋経済新報社
発行年月日 2002.04.25
価格(税別) 1,600円

● 本書を読むと,自分がいかにダメな仕事人だったかがわかる。三度生まれ変わっても,やはりダメだろうと思う。
 ビジネスマンとして真っ当な人生を生きるのと,仕事はほどほど(あるいは,ほどほど以下)にしてヌーボーとしたうだつの上がらない生き方をするのと,どちらがいい。
 いいも悪いも,ぼくはヌーボーとしか生きられなかったので,そういうことを考えても仕方がないのだけど。
 ヌーボーとして生きるのがいいとまでは行かなくても,ヌーボーと生きてもいいのだという結論を得て安心したいと思っているんだろうな。

● 「言葉」や「論理」で表現できないもの,割り切れないもの。割り切ってしまうと,そこからこぼれ落ちてしまう,何か大切なもの。
 本書ではそれを「暗黙知」と呼んで,いくつもの側面から光をあてる。

● その成果を以下に転載。
 要素還元主義にもとづく「分析」という手法は,(中略)二〇世紀の後半において,一つの根本的な問題に直面したのです。(中略) その理由は,「ものごとが複雑化すると,新しい性質を獲得する」という「複雑系」の特性にあります。この特性のため,複雑な対象を単純な要素に還元した瞬間に,獲得された「新しい性質」が失われてしまうのです。(p38)
 言葉も論理も,その本質は「世界を分節化するロゴス」なのです。そして,言葉や論理によって断片化されて見失われた部分や,単純化されて排除された部分にこそ,「大切な何か」があるのです。(p42)
 多くのマネジャーが,このことを誤解しているようです。直観力や洞察力とは,論理とは対極にある間隔や感性の世界を深めていくことによって獲得されるものであると誤解しているのです。 不思議なことに,真実は,その逆にあります。 一つの極に徹すると,その対極に突き抜ける。 それは,我々が生きる世界の「理」に他ならないのです。(p53)
 そもそも「創造性を身につける」といった発想そのものが,ある種の「倒錯」であり,真の創造的な芸術からは対極にある発想と言えるでしょう。(p59)
 なぜ,これほど直観力や洞察力を身につけたいと願うマネジャーが溢れているにもかかわらず,それを身につけるマネジャーが少ないのか。(中略) その原因は,「直観力や洞察力を身につけるための特別な方法がある」「その方法を知ることによって手軽に直観力や洞察力を身につけたい」と考えるマネジャーの「精神の安易さ」にこそあるのです。(中略) なぜならば,安易な方法を選んで得られるものは,その精神の安易さを鏡のごとく映し出してしまうからです。(p61)
 深い直観力が求められる重要な意思決定の場面において,最も大切なことは「何を選ぶか」ではありません。最も大切なことは「いかなる心境で選ぶか」なのです。(p69)
 なぜ,我々マネジャーは,「矛盾」と対峙し続けなければならないのか? 「矛盾」とは「生きたシステム」の本質に他ならないからです。(中略)複雑系のような「生きたシステム」は,相対立する「矛盾」の狭間の絶妙のバランスの中にこそ出現するのです。従って,その「生きたシステム」の「矛盾」を解消してしまうと,そのシステムは文字通り「生命力」を失ってしまうのです。(p108)
 会議は,最終的には,それぞれの組織のマネジャーが「責任」を持って意思決定をしていくための場に他なりません。それにもかかわらず,ある種のマネジャーは,こうした原則を忘れ,会議の雰囲気に流され,無意識に多数決の意思決定を行ってしまうのです。(p118)
 分析力や推理力については,「一人の個人」が単独で発揮する能力よりも,「複数の人間」が集団で発揮する能力のほうが一般に高いと言えます。 しかし,直観力や洞察力については,優れた「一人の個人」が発揮する能力のほうが,「複数の人間」が集団で発揮する能力よりも高いことが多いのです。(中略) そして,このことが,現代の企業においては,多数の意見が必ずしも成功を保証しない理由に他ならないのです。(p123)
 決断力を持ったマネジャーとは,いかなるマネジャーでしょうか?(中略) 勘が鋭く,腹がすわり,言葉に力のあるマネジャーです。(p126)
 これからの「複雑系の時代」が,「未来がどうなるか?」との客観的予測よりも,「未来をどうするか?」との主観的意志にこそ,大きな価値が置かれる時代になっていくということです。(p128)
 「未来に何が起ころうとも自分の責任である」という覚悟。こうした「結果責任」という覚悟を持つことのできる力,すなわちコミットメントする力こそが,決断力の要件となっていくのです。(p130)
 言葉に力を与えるものとは何でしょうか? それを適切に表現する言葉はないのですが,敢えて言葉を選びましょう。それは「信念」です。 その企画が必ず成功するという確信,その企画を絶対に成功させるという決意,そうした意味での「信念」をどれほど持っているか。そのことが,実は,隠しようもなく言葉に表れてしまうのです。(p132)
 「普遍的な成功方法は存在しない」ということです。(中略)なぜならば,「成功」とは常に「個性的」なものだからです。(p156)
 深い暗黙知とは,現場での悪戦苦闘と,それを通じた成功体験の中からのみ,体得されるものです。マネジャーは,その真実から目を背けるべきではありません。(p174)
 「経験の豊富さ」を持っていながら,「知恵の貧困さ」を感じさせるビジネスマンが,なぜ生まれてくるのでしょうか? その理由は,明らかです。彼は,「経験」はしても,「体験」をしてこなかったからです。(中略) 別な言葉で言えば,「経験を突きつめる姿勢が弱い」,さらに言えば「経験に徹する姿勢に欠ける」ことを意味しているのです。(p182)
 もし,「経験を突きつめよう」「経験に徹しよう」と考えているにもかかわらず,それができないビジネスマンがいるとするならば,その原因はひとつです。それは「基礎体力」がないからです。(中略)では,ビジネスマンの基礎体力とはなんでしょうか? 「集中力」です。(p189)
 「集中力」を鍛えるための方法は,一つしかありません。それは,「集中力」が求められる場面を数多く体験することです。(中略)いかなる小さな会議においても精神を集中して臨むという訓練を自己に課することです。しかし,このことは極めて難しいことです。(p192)
 操作主義のマネジメントは,その人間集団の持つ,精神的に未熟な部分や,権力追随的な部分や,打算的な部分を引き出してしまうのです。 なぜならば,マネジャーの「こころの世界」と,組織のメンバーが創り出す「こころの生態系とは,あたかも「一対の鏡」となっていくからです。(p223)
 「部下の共感を得よう」という発想によって,部下との間に共感が生まれることはないのです。では,マネジャーと部下との間に共感が生まれるときというのは,いかなるときでしょうか?マネジャーが,部下に共感したときです。(p227)
 若き日に,私は,ある著名な画家に聞いたことがあります。「なぜ,パリでは,あれほど多くの優れた若い画家が育つのですか?」 (中略)その画家から返ってきた答えは,私の予想外のものでした。「パリには,本物の絵がたくさんあるからだよ」 それが,答えでした。(p252)
 新入社員だからこそ,最も「高み」にあるものを見せなければならないのです。(p255)
 マネジャーは,「部下が育たない」と嘆く前に,「自分が成長しているか」をこそ問わなければなりません。そして,もし,我々マネジャーが成長し続けているならば、そこには必ず、メンバーを成長させる「空気」が生まれてきます。そして,その「空気」こそが「成長の場」が生まれるための,最も大切な条件なのです。(p259)
 我々が為すべきことは,無理に「エゴ」を消し去ろうとするのではなく,ただ静かに「エゴ」を見つめることなのです。(中略) 不思議なことに,無意識の中にある劣等感や恐怖感は,それを意識の世界に浮かび上がらせ,静かに光を当てるだけで,その力を弱めていくのです。(p273)

2016.01.16 船井幸雄・中丸 薫 『いま二人が一番伝えたい大切なこと』

書名 いま二人が一番伝えたい大切なこと
著者 船井幸雄・中丸 薫
発行所 徳間書店
発行年月日 2007.03.31
価格(税別) 1,600円

● アセンションだとか,フォトンベルトだとか,地底都市だとか。そういうものを信じられる人たちは,ぼくらと何が違うのか。

● いくつか転載してみるか。
 そういう根源的なことを真剣に一生懸命研究してきたんです。そうなると,「偉大なる存在(サムシング・グレート)」が世の中をつくって動かしているというふうに見たほうが正しいような気がしてきたんですね。(船井 p27)
 こう言われると,反論のしようがないな。そうですか,と返して,そっとその場を離れるしかない。「気がした」んだからそれに対する論理的反駁は不可能だ。
 私は招待だったので無料でしたが,その会費はなんと30万円だった。にもかかわらず,会場にはお金のある企業経営者とかそういう人たちはいなくて,みな普通の青年たちばかりでした。本当に心からゴアさん(アル・ゴア元米副大統領)の語る真実を直接聞きたくてやってきた有為の若者たちだったのです。(中丸 p29)
 そいういう若者から30万円もふんだくったのか,ゴアさんは。これって相当にタチの悪い似非宗教の教祖気取りじゃないのか。
 だいたい,そんなものに30万円も払って行くなんてのは,有為どころか,その時点で救いようのない愚鈍さを感じさせるだろうよ。鴨にされていることに,少しは敏感になれよ。
 私も2012年12月の冬至の日は要注意だと思っています。ただし,フォトンベルトはないと思っています。(船井 p39)
 2012年の冬至? 何かあったっけ。
 一見権威のある一流の出版社の本には今私が興味を引かれるようなものが実はあまりない。トンデモ本といわれている本をよく出しているのは,学研と徳間書店です。こういう出版社の方が私の頭を何倍も刺激してくれることが体験上明らかになってきている(p41)
 その自分の頭のベクトルの向きを変えてみようという発想はないようなんだな。

● 船井幸雄さんが世に紹介してきた人たちは,次のような方々だ。
 まず,“脳内革命”の春山茂雄さん,強制的に脳波をθ波にする機械を作ったという政木和三さん,超速読の七田眞さん,いわゆる2000年問題で最も極端な悲観的予想を書き散らした藤原直哉さん,EM菌の比嘉照夫さん,そして愚かな大衆から儲けさせてやると言ってお金を騙しとった増田俊男さん。
 その船井さんが,今回,紹介したそうな人は,神坂新太郎,飛鳥昭雄,エハン・デラヴィ,だという。

● ところで,著者の一人,中丸薫さんは明治天皇の孫で,5歳まで北京の紫禁城で暮らしたと紹介されている。本当かね。

2016年1月15日金曜日

2016.01.12 番外:仕事に活用!! iPhone6/6Plus flick!特別編集

編者 村上琢太
発行所 枻出版社
発行年月日 2015.07.10
価格(税別) 722円

● 発行されたのは半年前。iPhone6の販売にあわせてね。当然,書店で目にしていた。が,買わないでいたんですよ。この種のもの,特にflick!特別編集ものは,出ると買ってしまうんですよねぇ。
 それで,何か役に立つのかといえば,どうもねぇ。人は人,自分は自分っていうか。ぼくはiPhoneユーザーではないわけだし。

● でも,やはり買ってしまった。しかも,今頃になって。
 次の5人のユーザーが紹介されている。インタビュー記事。
  ロバート・ハリス
  福田登文(コンサルタント)
  池田美樹(編集者)
  堀江賢司(営業職)
  中山智(フリーライター)
 iPhoneをバリバリ使いこんでいる人たちなんだけど,職業が自分とは違う。これが決定的。あまり参考にならん。

● 紹介されているアプリの中では「Evernote Scannable」が目にとまった。「iPhoneをかざすと紙を認識し自動スキャン」するというアプリ。スキャンしたのをEvernoteに転送する。
 ま,自分では使わないと思うんだけどね。Evernoteを使ってないんだし。

● あとは特に目新しい情報もないわけでね。買う必要なかったじゃん。
 こうなることはわかってたんだけどねぇ。買ってしまうんだよねぇ。

2016.01.10 居田祐充子 『あなたの部屋に幸運を呼びこむCDブック』

書名 あなたの部屋に幸運を呼びこむCDブック
著者 居田祐充子
発行所 総合法令出版
発行年月日 2007.09.04
価格(税別) 1,500円

● 「付属のCDをあなたの部屋に流すだけで,部屋は清浄な居心地のいい空間に変わり,あなたにツキを呼ぶ部屋になるのです」(p3)という。
 「15万部突破のベストセラー」になったらしい。

● この世はバカで溢れているというのは簡単だ。実際,そのとおりだと不遜ながら思ってもいるわけで。
 不遜ながらそう思っているわけだけれども,ぼくもまたそのバカの一人でもある。だって読んだんだからね,この本を。

● いや,やっぱり世の中はバカで満ちているんだろうな。バカというか幼稚というか。
 苦労せずに(CDを聴くだけ),短時間で,即効性を求める,というわけだからね。欲の皮だけが突出していて,自らコストを差しだすのはイヤだというんだから。

2016.01.09 銀座・伊東屋監修 『銀座・伊東屋 文房具 BETTER LIFE』

書名 銀座・伊東屋 文房具 BETTER LIFE
監修 銀座・伊東屋
発行所 マガジンハウス
発行年月日 2015.10.08
価格(税別) 1,400円

● 新装なった伊東屋の紹介本。それを1,400円で販売できるのが,伊東屋の実力なのだろう。

● 本書で紹介されている数多くの文具のうち,ぼくが持っているのは,三菱鉛筆のユニホルダー,コクヨの測量野帳,ジークエンス360°の3つだけ。その3つとも常用しているとは言い難い。

● 伊東屋の原稿用紙は満寿屋製であるらしい。「執筆に限らず,隅に一言書き添えて気軽なものを包んでもよさそう」(p36)とは,なるほどそういう使い方もあるかなと思った。
 これ,コクヨの原稿用紙でやったのではダメなんだろうね。

● 昔はよく使っていたのに,今はめっきり使わなくなった文具。本書に出てくるものでいえば,便箋とアルバムだ。
 学生時代,友人と手紙のやり取りをしていた。社会人になってからもしばらく。友人の父親が,よくそんなに書くことがあるものだと友人に言ったことがあったらしい。
 便箋に書くという行為をしなくなってから30年がたつ。

● メールが手紙に置き換わったということでは,必ずしもないと思う。手紙で用件のやり取りをしていたわけじゃないからだ。
 手紙的なものを必要としなくなっているのだろう。このあたりをちゃんと説明してくれる人はいないか。

● アルバムに写真を配置して,キャンプションを入れ,コラージュをつくるように整理するのは,子供の頃から好きだったかも。デジタルカメラになる前は,こんなに写真が増えたんじゃいちいち整理なんかしてられないなぁと思いながらも,時間がかかるのを厭わずにそんな作業にいそしんでいた。
 が,デジカメになってからは,パタッと止んだ。しばらくは紙の写真にしてたんだけどね。せっかくデジタルになっているものを,何でわざわざアナログにしなければならないのだ。そう考えるようになるのに,さほどの時間は要しなかった。多くの人がそうだったと思う。

● 今や,写真はパソコンのハードディスクに置くものですらなくなり,ブログやSNSでネットに上げておくものになった。
 ブログやSNSがアルバムがわりという人も多いのではないか。

2016年1月8日金曜日

2016.01.08 アンジェデザイン室 『カメラ手帖』

書名 カメラ手帖
制作 アンジェデザイン室
発行所 アンジェ
発行年月日 2012.09.20
価格(税別) 477円

● 文具を中心とする雑貨のセレクトショップ,ANGERSが作成した。書籍というよりは冊子。デジカメではなく,銀塩カメラ,それも比較的コンパクトなカメラを被写体にした写真集。
 とはいえ,女性モデルを合わせないと絵(写真)にならない。

● レトロな色合いを出している。レトロ=環境配慮=知的=手作り生活,といった一連の連想が働くんですかね。
 昔のものって,環境に与える負荷は大きいと思うんですけどね。カメラだってデジタルで撮って現像しないでスマホやパソコンで見るほうが,紙に焼くよりずっとエコ。特有の薬品も使わなくてすむわけだし。

● 「似たり寄ったりなデザインのデジタルカメラとは違い,機能的,技術的にきちんと考えられつつも,ひとつずつが独特の表情を持つフィルムカメラのデザインに惹かれるようになった」とある。
 デジタルカメラになってから,カメラのデザインが似たり寄ったりになったとは思わないんだけどなぁ。

● 経済学でいう貯蓄のパラドックスのようなものが,社会生活にもあるんだと思う。個々の人がたとえば自然の中で暮らしたいと思い,そのように行動し,そうする人が次から次へと登場すると,社会全体としてはかえって自然から遠ざかってしまうというようなこと。
 フィルムカメラにこだわる人がごく少ないうちは,ま,趣味だからね,ですむけれど,これがひとつの潮流になってしまうと,また別の問題が出そうだな。

● もちろん,そういう潮流は現れる道理がないわけだけど。
 ある意味,目立ちたがり,自分は人とは違うもんね,を満足させる趣味。それが潮流になってしまったら,そういう趣味として成立しなくなってしまうしね。

2016年1月7日木曜日

2016.01.04 美崎栄一郎 『こんどこそ! やめる技術』

書名 こんどこそ! やめる技術
著者 美崎栄一郎
発行所 あさ出版
発行年月日 2010.07.29
価格(税別) 1,200円

● よく,“はじめに人が習慣を作り,それから習慣が人を作る”と言われる。良い習慣を作り継続することが重要だけれども,悪い習慣をやめることがさらに重要だろう。
 何をするかよりも,何をしないか。そちらが重要だ。

● そこで本書の登場。が,本書をもってしても,よろしくない習慣を断ち切ることはなかなか困難でありましょうね。

● 以下にいくつか転載。
 写真を現像に出すと付いてくるミニアルバムが便利です。そこに写真のようにレシートを入れるだけ。30枚くらい入るので,1日1シート,1冊でちょうど1ヵ月。12冊で1年の家計簿です。 透明なフィルムなので大体見えますけど,ざっくりと使った合計金額を暗算して,マジックで「2000円くらい」と書いておけば,それで家計簿の出来上がり。(p81)
 誰人も見られていないところで継続できる人は,なかなかいません。芸能人やモデルがスタイルを維持できるのは,「見られる仕事」をしているからです。(p86)
 どうでもいい内容なのに,そうとわかっていても,ついついテレビを見続けちゃう。それは,くだらないことをおもしろく伝えてくれるのがテレビの役割だからです。(中略)できるビジネスパーソンは,ほとんどテレビを見ないといいます。ホントかなと思いますが,テレビの現場で番組を作っている人もテレビをほとんど見ないそうです。(p89)
 ストレスは伝播していきますから,自分がストレスを溜めたら,自分のところでストレスを解消しておかないと周りの人に伝わってしまいます。(p105)
 悪口が言いたくなったら,ストレスが溜まったアラーム。そんなときは,まず体を動かしてみましょう。そして,そのストレスの連鎖,悪口の連鎖をあなたのところで止めてくださいね。(p202)
 忘れちゃいけないと頭で考えるより,考えないでもいいしくみを作ること。(p114)
 (すみません,という言葉に関して)感謝の気持ちと謝罪の言葉が一緒なんて・・・・・・。何だか「とりあえず感」がありませんか?(p123)
 得意分野は好きじゃなければ生まれてこない(中略)どんなにつまらないことでもいいから,好きなことを追求すること。(p139)
 商売じゃないなら,お返しは一切期待しちゃいけません。そう,一切です。(p167)
 レストランで私がやっている習慣は,必ず人の注文と違うモノを注文するということ。(中略)次は,誰よりも速くメニューを頼むことができるように,即決する練習。(中略)大丈夫,失敗しても,美味しくない料理を食べるだけですから。(p184)
 冷静に考えてみてください。世の中には,いろんな代替物が転がっています。A社のパソコンを使わなくても,N社のパソコンを使うことができます。A社の携帯を使わなくても,S社の携帯もありますよね。 そうです。あなたをいう選択肢を選ばなくても,ほかの人に頼むという選択肢があるのですよ。残念ながら,あなたが思うほど,あなたしかできないことはありません。(中略)世の中って,そういうものなんです。(p216)

2016年1月4日月曜日

2016.01.03 中山真敬 『グーグル携帯〈Android〉最強活用術』

書名 グーグル携帯〈Android〉最強活用術
著者 中山真敬
発行所 朝日新聞出版
発行年月日 2010.07.30
価格(税別) 1,400円

● docomoとソフトバンクの「W-CDMA」方式に対して,auは「CDMA2000」方式。ゆえに「auでiPhoneが使える可能性はないのだ」という文章が出てくる。そうだった,そういうことが言われていた。
 日本ではまだガラケーが主流で,スマートフォンのシェア1位は,iPhoneでもAndroidでもなく,ブラックベリーだった。
 ずいぶん,昔のことのような気がするけれども,本書はわずか5年前の出版。この分野の5年前は,ひと時代前ってことになるのだね。

● ガラケーに比べると,スマホはとにかくバッテリーがもたない。そうだった。基本,今もそうなんだけど,ずいぶん改善はされたように思う。
 バッテリーをできるだけ長くもたせるために,Wi-Fiをオフにすること,メールやツイッターの自動チェック機能をオフにすることが提唱されている。

● しかし,この時点ですでに,今できることは同じようにできるようになっていた。SNSもあって,スマホ用のアプリも出ていた。
 「そのとき面白いと思ったことでも,後になるとつまらないことに思えてしまうことは多い。その場,その場で,思いついたことを気軽に公開するには,これらのサービスをモバイルで使うのが便利なのだ」(p115)という文章が出てくる。
 後につまらないと思えてしまうようなことは公開するな,ではなく,思いついたときに,その場で公開してしまったほうがいいという価値観なのだね。

● 「ブログやツイッターなどは,人間の表現欲求を満たすものだといわれる。間違いではないが,そう説明されても,あまり魅力を感じない人は多いだろう。私から言わせれば,これらのサービスは,表現することが楽しいのではなく,自分が書いたことを受けて他の人が返してくれる反応がうれしいのだ」(p115)とも説かれているが,ぼくはそうは思っていない。
 表現欲求が満たされることが肝であって,他の人の反応はあってもいいけれど,なくたって構わない。ないから淋しいとかつまらないとかっていうのは,ぼくの場合はない。

● 書いたあと,自分のパソコンのハードディスクに保存するか,ネットにあげるか。他の人からの反応はなくてもいいというなら,ネットにあげるまでもないのではないか。
 そうではない。誰かに読まれるかもしれない状態に置くこと。自分ひとりで囲いこまないこと。それが,表現欲求が満たされるか否かに関わるのだな。

● ともあれ,5年前のこの種の本を読んでも,あまり(あるいは,ほとんど)役に立つことはないようだ。そういう時代があったということを確認できること以外には。

2016年1月3日日曜日

2016.01.02 アスキー書籍編集部編 『Facebook,LINE,Twitterの“本当の”活用法』

書名 Facebook,LINE,Twitterの“本当の”活用法
編者 アスキー書籍編集部
発行所 アスキー新書
発行年月日 2013.06.10
価格(税別) 743円

● SNSというのを自分でも始めてみた。先月にTwitterとGoogle+を。
 自分にしか意味がないと思われる,埒もない日々の些事をネットにあげていく。これがけっこう面白くて,ハマってしまった。埒がないことでも,自分にとってのログには違いない。
 人生のたいていのことは埒のないことに属するのかもしれない,とも思う。

● 今のところ,Google+をメインに使っているんだけど,その使い方はまったくTwitter的。つまり,些事をつぶやくだけだ。
 だったら,Google+よりもTwitterをメインにしたほうがいいんじゃないかと思った。

● 詳しい解説はいらない。それは使いながら実地に覚えていけばいい。Twitterの基本的なところだけをざっくり教えてもらえばいい。
 と思って,本書を購入。

● で,ざっと読んでみたんだけど,普通の解説書。タイトルの“本当の”っていうのはピンとこなかったね。

2016.01.01 糸井重里 『ふたつめのボールのようなことば。』

書名 ふたつめのボールのようなことば。
著者 糸井重里
発行所 ほぼ日文庫
発行年月日 2015.08.08
価格(税別) 740円

● “「ほぼ日刊イトイ新聞」に書いた原稿から,こころに残ることばを厳選”した「ベスト・オブ・糸井重里」。箴言あり,詩あり,エッセイあり。
 巻末のは重松清さん。

● そういうものから転載するのも何なんですけど,以下にいくつか転載。
 毎日のように,何度でもトライできると思ったほうが,のびのびと,じぶんのなかの新しい能力を発見できる。(p20)
 いちばん大事なことっていうのは,基本的に「みんなが持てるもの」のなかにあるんだと,ぼくは思っているんです。(p39)
 力って,使うほどついていくものだ。「だれかの力になりたい」というのは,本能に近いようなことなんじゃないかと思う。(p57)
 おそらく「集中して死ぬほど考える」ということよりも,「しっかり感じる,そして毎日やすみなく考える」ことのほうが,難しい問題を解決に近づけてくれる。(p59)
 目がじぶんに向いているうちは,ふらふらと不安定でしかいられないんだよなぁ。目をじぶんから離さないと,力は出せない。(p77)
 上機嫌というのは,ある意味,最大の美徳じゃないかなぁ。(p143)
 未来から見て「あきらめなかった」人間に,こころからなりたいと思う。(p169)
 リーダーは,じぶんのことは棚に上げている。そうでないと無理,そして,それができるのがリーダー。(p205)