2016年11月25日金曜日

2016.11.25 川上弘美 『神様2011』

書名 神様2011
著者 川上弘美
発行所 講談社
発行年月日 2011.09.20
価格(税別) 800円

● 川上弘美さんの作品を読むのは,この本が初めて。1993年に発表された『神様』に東日本大震災の原発事故を受けて,一部の文章を手直ししたのが『神様2011』。

● 『神様』の方が面白い。細かいディテールが流れるように自然だ。放射能の話が入ると,とってつけた感が混ざってしまう。

● 主人公が散歩に出て帰ってくる。それだけの話だ。ただし,一人じゃなくてお連れの方がいらっしゃる。そのお連れの方というのが,熊だ。動物の熊。
 この熊が主人公と同じアパートに住んでいる(マンションかもしれない)。どういうわけで主人公と知り合ったのか,そんなことは問題じゃない。
 要は,熊だけれども,人間と同じコミュニケーション能力を持っているのだ。日本語で語り合えるのだし,日本語で思考できるのだ。

● 廉直で誠実で控えめな熊だ。何かが起こりそうになると,自分の方からスッと身をかわしてしまうところがあるようだ。友だちがたくさんいるようには思えない。むしろ交友は得意じゃないようだ。
 孤独を愛するというのではないけれど(主人公を散歩に誘っているくらいだから),孤独を苦にしないタイプではあるようだ。宮澤賢治的というか。

● で,神様とはこの熊のことなんだろうか。熊は作者の分身でもあるんだろうか。

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