2016年6月28日火曜日

2016.06.28 高畑正幸 『究極の文房具カタログ』

書名 究極の文房具カタログ
著者 高畑正幸
発行所 河出書房新社
発行年月日 2015.06.30
価格(税別) 1,300円

● 文具王厳選の文房具が紹介されている。その中でぼくが一度でも使ったことがあるものは次のとおり。
 PILOTのドクターグリップ
 モレスキンPocket
 トンボのMONO消しゴム
 NT A-300GR(カッター)
 トンボのスティックのり
 Scotch透明粘着テープ
 CASIOの電卓

● トンボの消しゴムやNTカッターは,小学生や中学生でも使っているものだろうし,CASIOの電卓も事務員なら使わないですます方が難しいくらいのものだろう。
 そうしたその分野を代表する製品も紹介されている。要は,いいものを紹介しましょう,と。

● 著者は千葉大学の機械工学科を卒業し,大学院では工業意匠を専攻している。そのゆえか,材質も含めた工学的側面の解説が詳しい。ぼくなどが読んでもよくわからないところだ。
 それと,「切る」ことについて,相当なこだわりをもっているように思われた。
 刃物はどんなものでも,切りたい方向に対してまっすぐ力をかけることが基本。ぜひ練習して刃を繰る楽しみを感じてほしい。(p53)
 切れる刃物をしっかりした台の上で使う。これが美しい仕上がりへの一番の近道である。(p55)
 切れ味の良いブレードは,今切られてゆく紙の繊維の感触を手に伝え,切る紙ごとに,新雪や霜柱,芝生や枯れ葉などを踏みしめて歩くときに足の裏で感じるような,それぞれの紙が持つ心地よい振動を感じることができ,ただ新聞を切り抜くような作業がぞくぞくするほど楽しいものになる。(p58)
● ノートについては次のように述べている。
 ノートや手帳を購入するとき,私は脳の一部を購入するのだ。自分にとって使いやすくて愛着を持てるものがいい。ここ数年私の主な外部記憶装置として働いているのが,この「モレスキン」の手帳だ。(中略)手帳サイズで1冊1,800円,ノートサイズのラージになると2,600円。どちらも年に何冊も使用するので,実際出費としてはたやすくはない。しかし,外部記憶装置としてこのノート1冊に書き込める価値は,自分にとってその何倍も大きいと確信している。(p39)
 ぼくはアンチモレスキン派なんだけれども,文具王がここまで言っているからには,ぼくには感じとれない良さがモレスキンにはあるのかなと思ってしまったり。

● 他にもいくつか転載。
 私はこの本の文章を手書きメモから始め,最終的にはすべてパソコンのワープロソフトで書いている。アイデア段階では,逃げやすい思いつきを素早く定着させるために,機動性の高い筆記具を使って,ノートやメモに書く。それらのメモを今度はカードに落とし,それを手で繰り,並べたり崩したりしながら醸成していく。(p37)
 私は(中略)片づけができる人とできない人の最大の違いは,物の置き場所を決めているかどうかだと確信している。これについてだけは,ほとんどちゃんと語られていないと思う。(p81)
 取ることが簡単だから,躊躇なく綴じられる。取る機能が逆に綴じる行為を促進することさえあるのである。(p85)
 超多機能マシンが目の前にありながら電卓がなくならないことに私は,大半の文房具をはじめとする単機能の製品が,実は人間にとって不可欠であることを確信する。そして,単機能の製品であるからこそ,その製品にはこだわる必要があると思う。(p101)
 私は金をかけるところとそうでないところが多少アンバランスだと,同僚には言われることがある。私はさほどに気にしていないが,道具やパソコンなどにはかなり派手に金を使うが,未だにテレビはモノラル。冬寝るときはペットボトルを湯たんぽにし,車はただみたいな値段で譲ってもらった,クーラーもカセットプレーヤーも動かないのを愛用している。(p105)
 収納用具を使うコツは,最初に購入するときに考えに考え抜いて,「いける!」と思ったら思いきってすべて同じものを,可能な限り大量に購入することだ。(p107)
 ピンセットで拡張され,100倍の精度を持った指先で適当に貼ったラベルは,素手で慎重に貼ったラベルよりきれいに貼れて当然。たったそれだけか,と言わないでほしい。この差が,何かちょっとした作業の仕上がりを決定的に左右することは日常茶飯事。この手間を惜しまないか否かが,「手先が器用な人」と呼ばれるか否かの差だったりするのだ。(p115)
 ゴミ箱を探したり,ゴミ箱まで移動するという些細な動作や,あふれそうな紙くずを押し込む作業ほど,クリエイティビティにブレーキをかけるものはない。いらないものにはほとんど無意識に消えていってもらいたいのだ。(p125)

0 件のコメント:

コメントを投稿