2016年4月29日金曜日

2016.04.12 かとうちあき 『野宿入門』

書名 野宿入門
著者 かとうちあき
発行所 草思社
発行年月日 2010.10.01
価格(税別) 1,000円

● 再読。
 テントを張って寝袋で寝るというのじゃない。基本的に徒歩で野宿旅行をするという前提があるようだ。テントなんかもって歩けない。テントなしで寝袋だけで寝る。そういう野宿だ。

● どうやって野宿をすればいいのか。心得や技術を指南するものではなくて,野宿を素材にしたエッセイのようなもの。
 あるいは,野宿をするということとそれをする自分を,上の方から少々斜に構えて眺めているという感じの文章だ。

● 以下にいくつか転載。
 「野宿はワイルドなものだ」,などといった幻想を抱いてはいけません。野宿こそ,小さな積み重ねがモノを言う世界なのですから。(p31)
 公衆トイレというのはその周辺の治安をあらわすものでもあるからです。(中略)汚かったりやたらと落書きがあった場合,なるべくその公園やその公園の周辺に野宿をすることは,控えようと思います。(p59)
 しかしどちらかと言ったら,「貧弱な装備でそう愉しんでゆくか」とか「手持ちの少ないモノの中でどう工夫をして夜を乗りきってゆくか」というところに,野宿の面白さはあると思いたい。(p90)
 野宿している者にとってここで重要となってくるのは,野宿をしている公園でみなさんがラジオ体操を行っているのなら,迷うことなく「自分も参加をしようとする」という姿勢です(というか,ラジオ体操に限らず,遠巻きにみているよりはなんにでもとりあえず参加することです。そうすれば,なにかしら面白いことが起こるかもしれません)。(p116)
 野宿をするときは,自分の出したゴミはちゃんと片付ける,など,至極当たり前のことも大切ですが,その場にいる人に好かれないまでも,嫌われないということは,とても重要です。(p118)
 「トイレに寝れば,すぐトイレに行けて,便利である」 それが,わたしが初めてトイレに寝たときの,一番の驚きであり,感動だった。(p161)
 さっそく「ブルーシート」を探しに行きました。そして購入して使ってみたのですが,これが本当に暖かかった。あるとないとでは,ぜんぜん違う。(p194)
 野宿旅行において緊急時にひらきなおれるってことはたいへんに重要な能力であり,またひらきなおれるようなところがないと,つづけてゆくのはたいへんかもしれません。(p206)
 もしも遠くへ行ったとしても,閉じこもったままで,ただスムーズに一人粛々と野宿をすることをよしとしているようでは,なんだかツマラナイ。 それでは,どんなに非日常である「野宿」というものを行っていたとしても,家で寝ているのと,そんなに大きく代わりがない。(p212)

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