2016年2月17日水曜日

2016.02.11 長谷川慶太郎・小原凡司 『米中激突で中国は敗退する』

書名 米中激突で中国は敗退する
著者 長谷川慶太郎
    小原凡司
発行所 東洋経済新報社
発行年月日 2016.02.18
価格(税別) 1,500円

● 中国の軍事力を分析したもの。
 中国の軍事費の伸びは世界でも突出している。けれども,装備においても,軍人の練度においても,ありていにいえばお粗末を極めている。
 さらに問題なのは,人民解放軍というのは陸海空の間に一体感がなく,陸海空それぞれの内部においても仲が悪く,合同演習ができない。

● かつての中越戦争で,中国はベトナムに完敗した。ポル・ポトを攻撃したベトナムに対して,懲罰と称して56万人をベトナム国境に集結させた。ベトナム軍主力はカンボジアにあって,中国軍に対したのは,いわばベトナムの二軍。
 が,規模においてはるかに小さなこの二軍に対して,中国軍は手を焼くことになる。その理由は,中国軍内部で言語が通じなかったことにある。
 そいういうことも本書では語られている。

● 中国というのは,開放路線以来,急速に経済成長をなしとげ,国家もその果実を公共投資に投じてきた。公共投資というのは,そもそもが無駄を含むものかもしれないけれども,中国の場合はその無駄がやはり突出しているようだ。鬼城と呼ばれる誰も住まないマンション群。空気を運ぶだけの高速鉄道。
 一方で,やらなければならない公共投資が行われていない。環境対策だ。

● 以下にいくつか転載。
 これまでの高度成長持続の成果も,民意を無視し,党幹部の私利私欲,格差拡大の結果によるものであった。当然,腐敗・汚職は各界に蔓延し,人命軽視の事故や災害の多発,大気汚染,水質汚濁など生活環境の汚濁は深刻化こそすれ是正の兆しさえない、国民の生活と健康は無惨にも破壊し尽くされている。(p6)
 実は近代戦争というのは,たしかに兵器の性能は重要であるが,それ以上に重要視すべきは,下級指揮官の補充がきちんとできているか否かが重要になる。その原則をきちっとやり抜いたのはスターリンである。ヒトラーはそれができなかった。(p30)
 中国は文革で士官学校をつぶしたんです。(中略)士官学校が復活するまで,何年空白期があったと思いますか。一五年です。だからいまの中国人民解放軍の将官クラスの人間は大半は基礎教育を受けていないのです。(中略)中国では英語をしゃべれる将官はほとんどいません。全部通訳がつく。それくらい知的レベルで劣っているのです。(p78)
 原子力エンジンと航空母艦というのは切っても切れない関係で,原子力エンジンをつけられない空母は,それだけで死に体なのです。(p92)
 なぜ共産主義国家が勝手に倒れていくかと言うと,鍵は技術革新です。技術革新を推進しようとすれば,絶対に必要な要因が二つある。一つは,自由。自由がなかったら技術革新はできません。もう一つは競争です。ライバルとの自由な競争に晒されることで技術革新が進むのであって,自由な競争のないところでは技術革新は不可能なのです。(p94)
 共産党の一党独裁体制ではソフトランディングはあり得ない。なぜなら,ソフトランディングに成功し民主化が進めば進むほど,共産党の一党独裁体制は必要ないというきわめて明快な結論が出てきてしまうからである。(p128)

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