2015年12月30日水曜日

2015.12.28 長谷川慶太郎・田原総一朗 『2020年世界はこうなる』

書名 2020年世界はこうなる
著者 長谷川慶太郎
    田原総一朗
発行所 SBクリエイティブ
発行年月日 2016.01.04
価格(税別) 1,500円

● 田原さんは話の引きだし役。しかも,議論をふっかけるというやり方で引きだすのではなく,言葉どおりの引きだし役を務めている。

● したがって,本書で述べられる見解はすべて長谷川さんのもの。具体的な事実情報がどんどん開陳される。
 国際経済,国際政治は,やりようによってはミステリを読むより面白くできそうだ。が,そのやりようが誰でもできるというわけではなくてねぇ。

● 以下にいくつか転載。
 田原 過去にエズラ・ヴォーゲルという人が,『現代中国の父 鄧小平』という本を出版しました。(中略)私はこの頃,中国経済は大成功すると思ったのですが,長谷川先生はこの本をお読みになった感想はいかがでしたか。 長谷川 中国のキャンペーンにどっぷり浸かったな,と思いました。ハッキリ言えば,中国の経済路線は失敗する事になるからです。それが読めていない。(p12)
 そうした事態に備えて人民解放軍は,鴨緑江のところに鉄条網を三重にして敷設しています。「水の中」「水際」「内陸」を三重に張っているのです。(中略)北朝鮮から難民が入って来られないように,三重に鉄条網を張っているわけです。(p49)
 日本企業は技術改良して中国からレアメタルを購入しなくても,電子部品が製造できるようになりました。(p62)
 アメリカは空白地帯で自然発生的に,治安を回復するための組織が出てくると思ったのです。アメリカでは西部で自然発生的に,シェリフ(保安官)が出てきます。シェリフに全権を渡して,治安を守るという形がアメリカでは一般的でした。それが 地元の警察になってくるわけです。そいういうものがイラクでも出てくるとアメリカ人は勝手に錯覚をしたのです。(p89)
 ゲリラには正規軍では勝てないのです。(中略)警察でないとダメです。(p89)
 田原 ヒラリー・クリントンはダメですか。 長谷川 ダメです。問題になりません。 田原 何でダメですか。 長谷川 機密ですよ。機密保持ができない。個人の通信口座を公的な通信に使うわけです。あんな不用心な人をどうして大統領にできるでしょうか。(p96)
 東芝の場合を言いますと,旧役員を含めて,今,役員は,外国旅行ができないのです。海外に行く事を当局が止めるからです。警察が手を回しています。間もなく捜査の手が入ると思います。(p123)
 資本主義がなくなったら何があるのですか。また,封建主義に戻るのですか。そんな事ができますか。もちろん今さら社会主義になるわけではない。できるわけがないじゃないですか。やっぱり資本主義でいくしかないのです。ポスト資本主義は資本主義なのです。(p124)
 田原 中国のバブルははじけていますが,結構,中国経済は強いという見方があります。(中略)瀬口清之さんがそうです。(中略)それと遠藤誉さんもそうです。 長谷川 みんなそうです。中国が伸びることで,自分たちのメリットが出てくるからです。だから客観的ではないのです。願望を含めているのです。(p139)
 共産主義国家では人間を大切にしません。相手の事などまったく考えていないのです。個人でも国家でも同じです。つまり自分さえ良ければいいという極端な考え方をして,無責任な体制となってしまいます。こうした国家が繁栄するはずがないのです。「人のために」という発想が人類発展のキーワードになる事は間違いありません。今の共産主義体制はその流れに逆行しています。(p171)
 日本でもどの国でもそうですが,バブルというものは一度発生したら破裂するところまで,行き着くところまで行くしかないのです。途中で止められません。(p196)
 金融の運用は多少頭を使えばいいだけで,儲ける事は簡単でした。だけど,研究開発はそういうわけにはいきません。実際,物をつくらないといけないわけですから。これは容易な事ではありません。アイデアができてもそれを実際に具現化するのは,大変な作業と努力が必要となります。その作業が嫌なのです。面倒くさいわけです。GEを御覧なさい。(p206)
 田原 投資効率というのは怖いですね。投資効率,投資効率といって追求したら,第二次産業はどんどんなくなるわけですね。 長谷川 その可能性は十分にあります。第二次産業を温存するためには,別の発想が必要となるのです。具体的には経済の構造的な発展を考える。それが必要なのです。(p207)

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