2015年12月18日金曜日

2015.12.16 茂木健一郎 『人工知能に負けない脳』

書名 人工知能に負けない脳
著者 茂木健一郎
発行所 日本実業出版社
発行年月日 2015.09.01
価格(税別) 1,300円

● 再び,人工知能が脚光を浴びつつある。その人工知能がどんどん発展し,ぼくらの周りにあたりまえのように存在するようになったとき,人工知能といかに対峙していくか。人口知能に埋もれないでいられるためには何が必要か。
 そういう話が本書では展開される。

● ただし,人工知能と違っていればそれでいいというわけでもなく,人口知能的なものを具備していることが重要でもあるらしい。

● 以下に多すぎる転載。身体性というのが,ひとつのキーワードになってるようだ。
 もともと私たち人間の脳は,論理(ロジック)と感情(エモーション)という二つの軸のうち,感情のほうに重点を置いて発達してきました。 そのため,論理的な思考は苦手な傾向がある一方で,非常に豊かな感情表現を備えています。だからこそ,対人関係において巧みなコミュニケーションをとることができるのです。(p33)
 ここで重要なポイントとは,Googleは研究論文などひとつも発表していないということです。なぜなら,そのようなことは何の意味もなさないという現実を彼らは知っているからです。(p38)
 ルールを逸脱しても大丈夫なように,人工知能が後始末してくれる,要するに“ケツもち”は人工知能がやってくれる時代になることで,私たちはより一層,仕事でも勉強でも冒険やチャレンジができるというわけです。 英語のスペリング一つを取ってみても,ミススペルしてもコンピューターが瞬時に正しいスペルにしてくれます。そういう「人生のミススペルを恐れない」イメージで,自分たちの生き方を捉えていくことが大切なのです。(p43)
 スイスの名門寄宿舎学校で世界一学費が高いといわれている「ル・ロゼ」では,年間約1500万円かかるといいます。 それこそ,各国の王族やセレブといった世界中のお金持ちの子息,子女たちが集まり,非常に細かい個人別のカリキュラムで勉学に励んでいるわけですが,おそらく人工知能が発達していくと,このような名門学校で提供しているサービスと同じものが100円ほどのアプリで実現できてしまうかもしれません。(p51)
 人工知能の発展によって,私たちが働く速度,生きる速度がどんどん加速しています。これについていけない人は,やはりチャンスを活かすことが難しいでしょう。(p59)
 人工知能に対しても,おそらく“ラッダイド運動”が出てくると思います。なぜなら,現状でさえテクノロジーの進化に何らかの不安を抱えている人たちがいるからです。(p68)
 知性というのは,すなわち「危うさ」であるとも言えるのではないでしょうか。なぜなら,危うさを制御するために知性があるからです。そこで何もしないでじっとしているのであれば,知性など要らないのです。(p65)
 最近,私のまわりで成功している一流のビジネスパーソンを観察している中で,ある傾向を発見しました。それは,富と名声を手にした成功者の究極の自己啓発として,「身体性の向上」が挙げられるということ。(p74)
 経済的な格差社会と言われているようでも,実はネットが登場して以来,自分の脳を鍛えるリソースにアクセスするコストは限りなくゼロに近づいてきているということ。つまりは,お金の格差が元になって格差を生み出しているのではないということです。 では何が原因かというと,実は,持っている情報やマインドセットの格差です。(p75)
 ツイッターやFacebookを使いこなして積極的にコミュニケーションを取れない人というのは,「違う世界」で生きていると言わざるを得ません。 ここで何が言いたいかといえば,現状でもすでにITを使いこなせる人と使いこなせない人の間には,「生きている感覚」に大きな差が生まれてしまっているということです。(p84)
 そのような外部性ノイズへの対応策として私が提唱したいのが,「基本的に無視する」ということ。これに尽きます。(中略) しかし,私たち日本人は意外とそのようなノイズにムキになって付き合ってしまう傾向があります。(p96)
 身体性で伸び悩んでいる人というのは,まさに脳への負荷をかけることから逃げている人が多く見られます。(中略)誤解を恐れずに言えば,負荷をかけるというのは本来楽しい作業です。なぜなら,それは自分の成長をもっとも実感できる機会だからです。(p118)
 ネットの情報にしても,科学や技術,文化的なものも,最高のレベルは英語圏に集まっているということも覚えていてほしいと思います。(中略) これが何を意味するかと言えば,英語で参加しなければ最高の舞台には上がることができないということ。(p117)
 大半の人はToDoリストを“外”に持っている,つまり,手帳やスマホで管理しているのではないでしょうか。 ところが,私の経験から導き出した結論として,成功している経営者や優秀なビジネスパーソンとうのは,ToDoリストを常に頭の中に持ってその情報をリアルタイムで書き換えているのです。これは,まさに人工知能のアルゴリズムと似た発想です。(p121)
 人間の仕事もコモディティ化してしまったものは,どんどん価値を見出せなくなってくるでしょう。それを私自身が肌で感じているのが,大学の非常勤講師という仕事です。(p123)
 トラブルというものの本質を分析してみると,意外とチャンスだったり,リスクをヘッジできるものであったりすることが多い(p127)
 人間は制約を設けられたときに,「できる理由」よりも,「できない理由」を見つけることが得意だと言えます。 また,「できない理由」といっても,人工知能的な発想で考えれば,できない理由にすらなっていないケースも見られます。なぜなら,たいていの場合は感情が邪魔して思考停止に陥ってしまい,ひとつでも「できる理由」を見つける努力をしていないからです。(p130)
 人間の判断はたったの2秒,その直感やひらめきによって,人は物事の本質を見抜いていることが多いという数多くの事例や学術的根拠が存在することがわかったのです。 このようなことから導き出される答えとは,データを蓄積しなくても結論がすぐに出せるというのが人間の強みでもあるということです。(p133)
 実は,人工知能的なアプローチ,すなわち論理的で網羅的,緻密で非常に公平な思考ができる人のほうが,かえって直感をうまく使うことができるということが脳科学の研究でも明らかになっています。(p136)
 とにかくこれからの時代はスピード感を持って直感を信じて行動してみるべきなのです。それこそが,直感力を磨いていく最良の方法でもあるからです。(p139)
 私がよく受ける質問に,次のようなものがあります。「茂木さんのおススメの本を教えてください」 このような質問もまた,自分の直感やセンスを磨くうえでの足かせになっていくことを知ってほしいと思います。そもそも,自分で読みたい本は自分の直感で選ぶべきなのです。(p144)
 人工知能がなかなか追いつけない人間の感性こそ,「好き嫌い」なのです。(中略)とにかく自分の気持ちに正直に,「好き嫌い」を大事にしてみる。(中略)特に,「嫌い」という感覚よりも,まずは「好き」という感覚を磨いてほしいと思います。(p148)
 自由というのは「何も束縛がない状態」ではなく,むしろ「制約が存在することを自覚していることが,一番の自由だ」ということです。(p158)
 安定した人生にはそれほどの知性は必要ありません。知性を養っていくためには,リスクがあって浮き沈みのある,不確実性が多い人生ほどよく,それは同時に,脳にとって成長を遂げていくチャンスだということ。(p159)
 ITを中心にして,技術的進歩が加速化していくのが,まぎれもなく人工知能時代の非常に大きなトレンドです。(中略)だからこそ,できることは瞬時に済ませるという癖をつけることが大事です。(p178)
 実際にどのようなときに人間は落ち込んだり,ストレスを感じるのでしょうか。脳科学者として言うならば,「飽きる」ということです。 「飽き」というのは,新鮮なことがないという状態。それは人間の脳が活動していない証拠なので,気持ちを落ち込ませる元になるのです。(p179)
 人間というのは多少不便でも我慢して,それが当たり前だと思って受け入れてしまう習性がある。いわゆる「我慢の美学」みたいなものです。 でも,そんな美徳はなるべく捨てたほうがいい。そうなれば,それだけ人生を楽しめる時間の余裕ができるのです。(p189)

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