2015年9月8日火曜日

2015.09.04 疋田 智 『自転車ツーキニストの作法』

書名 自転車ツーキニストの作法
著者 疋田 智
発行所 ソフトバンク新書
発行年月日 2010.10.25
価格(税別) 760円

● 自転車通行をめぐる法規やその運用の実態,野次馬(自転車にのったことがない)としか思えない自転車政策の担当者,など話題はもりだくさん。
 だけども,いつもの疋田節でスイスイ読めるところが味噌。

● 基本的には,面白い面白いと文章を味わいながら読んでいけばいいものだと思った。

● 以下にいくつか転載。
 自転車こそが人類の未来を救うかもしれません。環境にも,医療費の削減にも,幸福な老後にも,交通事故の低減にも効くんです。何より愉しいですよ,自転車というものは。ただし,そのためには,自転車はルールを守らなくてはならない。まず自転車は車道の左を走らなくてはならないのです。(p7)
 世界の人々と比較しても,こんなに遵法精神が豊かな日本人なのに,こと自転車に関してだけは支離滅裂なのだ。 欧米諸国にお住まいの人々には,自転車が歩道を走るなんてこと自体,野蛮すぎて想像の埒外である。(p9)
 乗るときには,どんなに「おえー」であっても,着いた頃には,しゃっきりしている。自転車には,血液を循環させ,早めに体調を立ち直らせ,次の行動に移させてくれるという,そういう効用があるのである。 つらいのは漕ぎだしだけ,なのだ。(p51)
 高齢者や子供,ベビーカー,車椅子,視覚障害者などが,安全に通行できるスペース,それこそが歩道だ。自転車は道路交通法上「軽車両」であり,その歩道にいる資格が本来はない。(p114)
 環境,健康,経済,他の要因から,自転車というものがブームとなり,あまつさえ「知的なモノ」としてすら語られるようになった。そこで,すり寄るように「自転車っていいね」「エコだね」「もっと自転車が普及するといいね」などと言い始める人がどこからともなく湧いてきたのだ。ところが,そういう人々が自転車のことを理解しているかというと,さにあらず。(p183)
 そもそも,「自分が知りもしないことについて,平気でゴタクをたれる」というような人は,鈍感に決まっているわけで,そういう人に「あんたは鈍感だ」と言っても仕方がない。我々としては,早めにこの「贋者自転車人」を見分け,早めに敬して遠ざける,極力自転車に興味を持たせない,ましてや自転車政策などには触れさせない,それしか対処法はないのだ。(p185)
 パリのベリブも1ヵ月に8000台(現在の台数のおよそ半分)が修理に回るという。 これはつまり「共有の自転車は大事にされない」という,人間の根源的な欠陥を示していると言えるだろう。モラルとかマナーの問題ではない。人は自分のものであって初めてモノを大切にするのだ。 ということで,普通にちょっと考えるだけで,さまざまな疑問が湧いてくる「自転車シェアリング」なんだが,しかしまぁ,何だ。昨今「推進したい!」と言う人がホントに引きも切らない。(中略) 勉強が足りない,と思う。私は別に「失敗すること」自体が悪いと言っているわけじゃない。「失敗に学ばない」のが悪いのだ。(中略) もしくは,学ぶべきだということに気付かない。それは,自転車について知らないからであり,知ろうとしないから。さらに言うと,自転車というもの自体には興味がないのに,何か社会の中でプレゼンスを発揮したいという思いだけで,自転車シェアリングをやるからだ。(p202)
 ちょっとでも自転車に慣れた者なら誰でも知っていることだが,本来,自転車で日本一周なんてのは「頑張る」話じゃない。ヒマさえあれば誰にでもできる。努力も根性も要らず,単に楽しく有意義な娯楽だ,しかも非常に廉価。(p220)
 「テントで寝ることが可能」なんて国は数えるほどしかない。(中略)海外の場合は,安宿でもいいから宿をとるべきだろう。テントは,まったくおすすめでない。(p226)
 輪行袋を持って行く際,微妙な重量差が大きくモノを言ってくる。 私の経験では,11㎏でもかなり重く感じられる。(中略)それが9㎏未満の自転車だと,体感が大幅に変化する。(p256)

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