2015年8月27日木曜日

2015.08.22 中西大輔 『放浪哲学』

書名 放浪哲学
著者 中西大輔
発行所 SBクリエイティブ
発行年月日 2014.07.14
価格(税別) 1,500円

● この本は再読(一度目の感想はこちら)。

● 自転車での世界一周も,いまではだいぶハードルが下がってきたようで,けっこうな数の日本人が只今現在も実行中であるらしい。
 しかし,中西さんは西サハラを通過し,赤道ギニアも走っている。ヨーロッパではアイスランドも走った。この旅で植村直己冒険賞を受賞した。

● 人との出会いが多い。頻繁にいろんな人と会っており(11年間の記録の中から1冊を編みあげているのだから,決して頻繁ではないんだろうけど),その様子が本書の肝のひとつになっている。
 だいたい,出発するところから台湾の友人が同行したいと付いてくるわけで。このネットワークの細かさはどこから来るものなんだろうか。

● これだけの旅をやり遂げるその源はどこにあるんだろうか。たしかにペダルをこいでいれば前に進む。ずっとこいでいればいつかは世界も一周できるだろう。
 が,ずっとはこいでいられらない出来事やトラブルが発生しないはずがない。そこをうっちゃってさらに前に行かせる源。

● それを探したいと思ったのが,再読した理由。以下にいくつか転載。
 貧乏旅行も慣れてしまうと楽しいのだが,やはり快適な生活を味わうとその心地よさから抜け出すのに勇気がいる。(p61)
 私は警官としばらく押し問答を繰り返した。私もこんな類の場数を幾度か踏んできた。一歩たりとも引かない私の姿を見て,別の警官が仲裁に入る。(p63)
 ヨーロッパにきて初めて親切にされ,心が熱くなった。なにもお返しできないので,私は彼に旅の話をした。言葉は通じないのだが,再び身振り手振りを交えて一生懸命に説明すると,彼はとても楽しそうに聞き入ってくれた。(p89)
 折り紙で鶴を折ってあげ,新聞紙で株との折り方を教えると,子どもたちはうれしそうにはしゃいでいた。(p172)
 地元(赤道ギニア)の人々は悪徳官憲たちとは対照的に明るく親切な人が多い。(p177)
 機体下のコンゴや中央アフリカを前進していたら,おそらく官憲との対決に疲弊し,悪路にへたばり,さらに暑さで熱帯病にかかり,動物や盗賊の恐怖にもおびえていただろう。一方で,そういう危険な環境下を乗り越えることに自転車旅のロマンがある。(p181)
 自転車旅は楽しい。頑張って自転車をこいえで進めば,景色が次々と変わっていく。ひとこぎひとこぎの努力で,確実に先へと進んでいける。暑さや寒さを肌で感じ,苦しい峠に一人涙し,未知の世界へと踏み込んでいくのにワクワクする。今晩はどこに泊ろうか,明日はどこを目指そうか,危険をいかに乗り越えるか,すべては自分の判断次第だ。(p382)

0 件のコメント:

コメントを投稿