2015年8月19日水曜日

2015.08.14 塩田泰久 『呼吸力で人生に勝つ』

書名 呼吸力で人生に勝つ
著者 塩田泰久
発行所 講談社
発行年月日 1996.09.09
価格(税別) 1,553円

● 副題は「合気道の達人塩田剛三の健康と成功の極意」。塩田剛三とは合気道の達人らしい。著者はその息子。
 呼吸の仕方が解説されているわけではない。何秒で吐いて,何秒止めて,何秒で吸う,なんていう解説はない。
 いわゆる気についても何も出てこない。塩田剛三氏は生前から,気について語ることはほとんどなかったらしい。

● では,本書はどういう本かといえば,人生論ということになる。正調人生論。

● 以下にいくつか転載。
 人に好かれる好かれないなど気にする必要はないのだ。とにかく自分を磨いて,日々,完成に向かって研鑽する。人間は修養によっていくらでも変わるものだぞ。変われば,その器に応じた人たちが自然と寄ってくるものだ。(p79)
 カッときたり,恐れが生じたら,何はともあれ深呼吸。(中略)この呼吸力の根本にあるのが「中心力」です。それは身体の中心線-つまり,頭,膝,腰,足の爪先を結ぶ軸-を,どんな姿勢のときでもまっすぐに保つ力のことです。(p86)
 「小能く大を制す」が可能な理由としては,剃刀と錆びた出刃包丁を考えてもらえばいいでしょう。(中略)理由は切れ味の違いにありますが,もう少し突き詰めていえば,刃の面積の差です。(中略)同じ力でも道具の接触部分の面積が広いか狭いかで,威力には格段の差が出るのです。(p87)
 人間を動かすのは,金でもなければ,政治でもありません。その人間の魅力です。魅力とは人格,その人の仕事・行動など,すべてを含めたものと考えていいでしょう。人間はその人に感動してはじめて動くのです。(p90)
 漢方医学では「喜」の感情が増せば,全身の「気」の巡りが促進され健康になるとしています。(p128)
 人間,心次第です。私も経験がありますが,“駄目だ”と思ってしまうと,本当に駄目になるのです。(p132)
 敵だらけになるか,それとも味方を増やすか。ひとえに自分を捨てられるかどうかです。自分を捨てられる人に,敵は出ません。戦わずして勝つことになるのです。(p138)
 どんな人でも,なんらかの美点は必ず持っています。折に触れて,その美点を誉めていれば,美点がやがて全身に広がり,素晴らしい人になるでしょう。(p139)
 他人の短所をいつも非難している人がいますが,よほど暇な人だと思います。私も過去に何度か他人を非難したことがありましたが,そのたびに父にいわれたものです。「そんな暇があるならば,もっと自分を磨け。他人の悪口をいうのは,自分を見失い,自身を失っている証拠だ」(p140)
 オランダの画家レンブラントは,画家志望の若者に「絵を上手に描くには,どのようにすればよいか」という質問を受けたとき,「絵筆をとってはじめなさい」と答えたといいます。とにかく書いてみるのです。 方法を考えることは大切ですが,「下手な考え休むに似たり」。動いていく過程でよい方法も見つかるものです。(p143)
 実力だけでは小成に甘んじるのが関の山でしょう。(中略)大成に人を導くチャンスは必ずやってきます。肝心なことは,チャンスが来たとき,十分に飛躍できるだけの実力を養うことにふだんから専心することではないでしょうか。つまりは,「待つ」ことの重要さでしょう。(中略)むろん,自分からチャンスを作り出すことも不可能ではないでしょう。しかし,自身で作ったチャンスは,私の経験からすれば跳ねる程度には導いてくれても,飛躍までには到らないようです。(p153)
 私は「こんな単純なことを繰り返して,いったい何になうrのか」と心の中で呟いていましたが,今になって考えてみれば,単純な技を心を空っぽにしてやることが,技を体得する上でどれだけ大切なことか,身にしみてわかります。 素直になるとは,器を空にすることに似ています。新たな水を受け入れるためにも,一度満たした水を捨てるのです。(p165)

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