2015年7月31日金曜日

2015.07.29 日垣 隆 『つながる読書術』

書名 つながる読書術
著者 日垣 隆
発行所 講談社現代新書
発行年月日 2011.11.20
価格(税別) 760円

● 日垣隆さんが読書術について語ったもの。
 まず,現状はどうなっているか。それだと何が問題なのか。著者の認識は次のとおり。
 全体として読書量が急降下していることは,私のまわりの編集者を見ていてもよくわかります。彼らの大多数は,子どもの頃から本が好きで,本を仕事に選んだ人たちのはずですが,「ちょっとした空き時間には,ついiPhoneを出してしまう」という声が圧倒的です。(p31)
 毎月数冊の本を読む人は,世界でも有数の読書大国である日本の働き手ですら,いろいろな統計を見ても,一パーセントもいません。(p232)
 三〇歳から四九歳までの社会人が読書(自主的な学習や研究)に使っている時間は七分半ほどでしかありません。 現代は,何が起きても不思議ではない激動の時代です。ものを知らないこと,あるいは自分で熟慮しない習慣は,失業や生命の危険に直結せざるをえません。(p234)
● 読書はまず,批判を抜きにして,素直に書き手のいうことに付いていくことから始めることが大切だと説く。
 本を読むという行為の基本は,著者がどのように述べているかを,まず正確に読み取るということです。著者の思考回路に入り,その主張にいったん飲み込まれてこそ,素直な読み方ができます。(p65)
● しかし,いつまでもその段階にとどまっていていいわけではない。というか,自ずと次の段階に移行する。
 何冊か同じ手法で読んでいるうちに,「疑問が生じ,そのために簡単な本を読んでもみたが,まだわからない」という事態も生じます。それは読み手の理解力に問題があるわけではなく,その分野のいいポイントを突いている可能性が大です。(p68)
 ほとんど彼(佐高信)の頭になりきって読んでいくうちに,本能的であれ自覚的であれ,彼の隠したい部分や逃げたい部分,触れられたくない部分までわかってきます。 「こう言うときには,こう言い返すだろう」「ここで詰むな」という仮説をもとに実際の佐高さんの言動を見ていると,ぴたりと当たる。(p69)
● “書く”ことについても。
 一人で考えず,本を読んで多面的に考えることが,問題の海で溺れない方法ではないかと。そして,思考の海で溺れない方法が,文章を書くことです。同僚との議論は,それからです。(p132)
 具体的には三~六語の単語だけ抜き出して,手早く書き留めるようにしましょう。映像的思考回路の持ち主であれば,図式化したものを,さっと記してもいいと思います。 「メモは詳しく書かなければならない」と思っている人がいるかもしれません。しかし,それは思い込みです。そういう人に限って,長い文章を書けないのです。(p146)
 メモを細かく書くというのは,自分の考えが一つのメモににじみ出ていない,ほとばしっていない状態。つまり,そのテーマは自分の中でまだ成熟していないということです。(p146)
● ほかに,いくつか転載。
 「ベストセラーなんか絶対に読まない」という人もいますが,私の勝手な調査によると,その多くは硬派なインテリというより,モテそうになり頑迷な人です。(p46)
 知的好奇心は学問によって満たされるというのは,明治までの話でしょう。今は「学校を捨てよ,本を読みに出よう」です。(p92)
 「どう書くか」を最初に考えてしまうのは,仕方がないことではあります。しかし,最優先して考えなければならないことは,どう読まれるかということのほうです。(p163)
 私は図書館で本を読む人に好意的ではありません。敵とも思いませんが,勝手にやってくださいというスタンスです。 図書館で丁寧に私の本を読んでくれるひとを大切にしたいとも思いませんが,購入したうえで私の本を乱暴に読む人は大切なお客さんだと思っています。(p213)
 ブックオフの愛好者は,著者には何の利益ももたらさないとは言え,何かの妨害者ではないでしょう。ただ,客層が貧乏臭いだけです。失礼。ただし,ブックオフにしょっちゅう「お宝」を探しにいっていながら,ブックオフを敵と見なす偽善的な古本屋は,早く消えてほしいと思います。(p219)

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