2015年7月23日木曜日

2015.07.22 成毛 眞 『実践! 多読術』

書名 実践! 多読術
著者 成毛 眞
発行所 角川ONEテーマ21
発行年月日 2010.07.10
価格(税別) 724円

● 副題は“本は「組み合わせ」で読みこなせ”。語られているのは,でも,「組み合わせ」の勧めというよりも,読書や本に関する四方山話的なものだ。これが面白いわけだが。

● 以下にいくつか転載。
 限られた時間の中で良い本をたくさん読むためには,まず多くの本を手に取ってみなければならない。読む覚悟を決めるためにも,お金を惜しまず,自腹で買わなければいけない。せっかく買ったからと言って,あるいは読み始めたからと言って,無理に最後まで読むべきではない。途中で失敗したと思ったら最後まで読むことを諦めるか,必要なところだけを選んで読むべきだ。そうした読書スタイルを身につけることが大切だと思うのだ。(p3)
 中には,最近の本より昔の本のほうがおもしろいと言い続けている人もいるが,そういう人は最近の本をあまり読んでいないのではないか,といつも思うのだ。(p31)
 今の子どもたちは決して活字を読まないわけではない。第一に販売部数では雑誌ほどに書籍は影響を受けていないように思う。一点あたりの平均部数は減ったのかもしれないが,出版点数はむしろ増えているのではないか。第二にケータイ小説の影響で,女子高校生などは歴史上もっとも活字を読んでいる可能性がある。(p32)
 そもそも翻訳ものの古典に問題があると思う。まず昔の人の訳が下手なのだ。しかも,原典の文章も上手くないことが多い。それを組み合わせて考えればわかるように,何を書いてあるのか皆目わからないことがある。皆がなぜそういう感想を持たないのか,不思議でならない。 多くの昔の人は,じつは文章が下手だったのではないかと疑っているのだ。(p39)
 常識と言われているものは,すべて疑ってかからなければいけない。いわゆる経営書や入門書を読んでいる人たちは,常識の虜である場合が多い。(中略)それではいけない。(中略)疑う余地がないような論に対してこそ,疑うことをせずして,平均から逸脱できるはずはない。(p87)
 白洲次郎も微妙なところだ。庶民感覚から完全に逸脱した価値観があったからこそ,大きなことを成しえた。(p91)
 予定調和は,むしろ成長機会をなくした大人の好むものだ。(中略)子どもが汚いものや下品なもの,怖い話や悪人が活躍するストーリーが嫌いである場合は注意したほうがよい。(p92)
 私はお勧めしたい本しか紹介しない。五冊読んで一冊紹介するかどうかである。時間がかかる道楽のようなものだ。(中略) バカになりきらなければこんなことはできない。金銭的に合わないのだ。いつの時代でも文化は余剰から生まれてくるものだ。世の中に金と時間の余剰があるからこそ,王朝文学も歌舞伎も狩野派も生まれてきたのだ。(p107)
 書評も速報性が命だという点を忘れないことだ。発売から一年後に書評を書いても遅い。(p110)
 有名な『ご冗談でしょう,ファイマンさん』が良い例だ。書かれていることすべてを素直に信じ込んでいる人も少なくない。それはいくら何でも真面目すぎる。私は面白い逸話こそ,ファイマンの作り話が入っていると疑っているのだ。逆に真実を追究するはずの物理学者が,あそこまでストーリーを練り上げていると想像することこそが楽しいのだ。(p117)

0 件のコメント:

コメントを投稿