2015年7月23日木曜日

2015.07.21 高橋源一郎 『還暦からの電脳事始』

書名 還暦からの電脳事始
著者 高橋源一郎
発行所 毎日新聞社
発行年月日 2014.07.25
価格(税別) 1,300円

● 著者はワープロやゲームパソコンにはいち早く乗ったらしい。にもかかわらず,本流には乗り遅れたと語る。その理由は次のごとし。
 いや,ほんと,その頃は電脳戦線の最先端にいたのではないかと思う。手違いが生じたのは,ぼくが使っていたのが,富士通の親指シフトキーボードのワープロだったからだ。(中略) ぼくのような,取り残された「親指シフター」たちは,もはやガラパゴスゾウガメのような絶滅危惧種となった愛機と共に生きてゆくしかなかったのである。(p8)
● ぼくもワープロは親指シフトで始めた。たしかに,親指シフトは優れた日本語入力法だったと思う。当時,ぼくは親指と人差し指(ときどき,薬指も)の2本指入力(左右で4本指)でやっていた。今はローマ字入力でほぼタッチタイプができるんだけど,今よりも当時の4本指親指シフトのほうが速かったし,タイプミスも少なかったのではないかと思うことがある。
 だから,それなりに親指シフトにこだわった。自分で買った最初のパソコンは富士通のFM-TOWNSⅡFreshだったけど,これは親指シフトで使っていた。そもそもが,親指シフトキーボードが使えるからTOWNSにしたのだった。

● が,著者と比べれば,諦めが早かった。ワープロも職場に導入されたのが使い始めたキッカケだったからだ。その職場が,何食わぬ顔で,パソコンはNECにしてくれた。
 親指シフトは捨てるしかなかった。ローマ字入力に切り替えるのに,それなりにストレスと闘うことにはなったけれども,まだ若かったんだろうな,さほど苦労せずに切り替えられた。

● が,著者も親指シフトのパソコンを特注して使っていたらしい。『還暦からの電脳事始』というのは,看板に偽りがあるかもしれない。

 iPadを使いだして,たとえば次のような変化があったという。
 CDを買うことが明らかに減ってしまった。(中略)じゃあ,音楽を聴かなくなったかというと,「自分史上最高」の頻度で聴いているのである。電車の中でも,仕事中でも,iPadにイヤフォンを突っ込んで(家にいる時は,ヘッドフォンを繋いで)聴いているのである。そりゃあ,せっかく組み上げたオーディオ装置+CDの方が音はいいのはわかっている。わかっているけど,面倒くさい・・・・・・。(p54)
● これもひじょうによくわかる。ぼくはスマホだけれども,スマホを買ってから,音楽を聴く時間が格段に増えたから。聴き方も同じだ。
 違うのは,「せっかく組み上げたオーディオ装置」なんてのを,ぼくは所有したことがないことだ。スマホ以前は,ノートパソコン+外付けスピーカがぼくの唯一のオーディオ装置だった。

● ほかに,ひとつだけ転載。
 ぶ厚い取扱説明書のないこのマシンは,子どもだって一人で,直感的に動かし方を学ぶことができる。竹刀を持った教師が,子どもたちを恫喝しながら,iPadの操作法を教えている・・・・・・なんて想像できない。日本の家電製品のあのぶ厚い取扱説明書には,なんだかイジメや受験勉強のにおいがするんだよね。(p169)

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