2015年6月27日土曜日

2015.06.26 すなみまさみち・古山浩一 『万年筆クロニクル』

書名 万年筆クロニクル
著者 すなみまさみち
    古山浩一
発行所 枻出版社
発行年月日 2007.08.10
価格(税別) 3,200円

● すなみさんはどうやら日本一の(世界でも有数の)万年筆コレクターであるらしい。万年筆本体のみならず,カタログとか広告とかといった資料も収集してきたらしい。

● 本書はその成果の一部をまとめたものだ。万年筆百科全書的な趣。万年筆についての蘊蓄を語ったものは,これまでにもいくつか読んでいるけれど,これほどの情報量が詰まっているのは初めて読んだ。
 万年筆の魅力や奥深さ。技術開発競争の裏面史のようなもの。いろいろ勉強になる。

● コンウェイ・スチュワートって,高名なイギリスのメーカーらしいんだけど,ぼくは知らなかったもんね。って,これは無知が過ぎるというものですか。
 夏目漱石の随筆に出てくるペリカンは,ドイツのペリカンとは別物。何かで読んだことがあるかもしれないけれども,すっかり忘れている。初めて知ったといっていいね。
 同じく夏目漱石で有名なオノトについても,まとまった知識が入った。

● だから何なのと言われると,まぁ,そこで終わるんだけど。
 が,趣味というのはそういうもので,興味のない人にとっては,“だから何なの”という世界だ。
 蝶々を捕るのもそうなら,野球をやるのもそうだし,旅行もしかりなら,酒も煙草もそうだ。煙草なんか吸わない人には迷惑だ。
 逆に,万年筆や文房具に関心がある人にとっては,この本は面白いはずだ。著者の情熱がこもっているから。

● 以下に,3つほど転載。
 人間は基本的に快楽を追求して生きるものである。紙に筆記する行為は最も根源的な自己表現であり,快楽である。ならば心の機微に敏感に反応して自在な変化が可能なものは万年筆をおいてない。(p1)
 すなみさんにコレクションとは何か?という質問をしたことがある。答えは単純で「コミュニケーションに他ならない,コミュニケーションの深まり無しにコレクションはありえない」である。だから若きコレクター達への言葉も「ただ集めるのはすぐに限界が来る。深い人間関係を築くことこそ重要です」になる。(p6)
 コレクションは60本ほどで,外国製のオールドファッションの中字,太字がほとんどである。しかし,使うのは国産に限るという。「品質は国産が一番,ペン先は日本のが最高だね」とおっしゃっていた。(p361)

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