2015年3月10日火曜日

2015.03.08 和田秀樹 『自分は自分 人は人』

書名 自分は自分 人は人
著者 和田秀樹
発行所 新講社
発行年月日 2012.08.27
価格(税別) 800円

● 副題は「争わない生き方」。要諦は「まえがき」に述べられている。
 わたしたちが日ごろ感じるストレスの多くは,人間関係を,勝つか負けるかという次元でとらえてしまうことから生じています。(p4)
 (争うのが嫌いな人は)たった一つの価値観にとらわれて,人生を勝った負けたと騒ぐことがありません。結果から見ると「『争わない』生き方をする人」はいつも勝つ人といえます。(p5)
● 負けず嫌いや競争が好きな人は,いかにもアクティブに見えるものだ。活動的に生きているなと思わせる。のだけれども。
 負けず嫌いな人は,争うことが自分を奮い立たせると思うかもしれませんが,仕事でも勉強でも,自分がやるべきことをきちんとできるかどうかが大事なのですから,マイペースがいちばん気持ちを楽にさせてくれます。(中略)いっときの闘争心だけでは長続きしません。(p20)
 当たり前のことを当たり前に実行できる人であればいいのです。むしろ競争に負けまいとしてオーバーワークになってしまい,自分のペースを守れなくなった人のほうが脱落していきます。(p23)
 わたしは,世の中が競争社会だというなら,「争いは争い好きに任せておけ」という考え方のほうが,はるかに健全で,現実的だと思っています。(p24)
● いくつか具体的なアドバイスをしているんだけど,一番目はスタートを早くすること。ギリギリまでやらないで火事場の馬鹿力を期待するより,できるだけ早く始めること。
 「もう始めるのか」とか,「ずいぶんやる気だな」といった冷やかしや皮肉のことばは気にしなくていいです。というより,自分が真っ先にスタートしてみればわかることですが,そういった周囲の反応はかえって気分がいいのです。「イチ抜けた」と思えるからです。(p32)
 じっとしていればいるだけ,いろいろな不安や想像がまとわりついてきます。スタートさえ切ればすべて消えます。早いスタートは早くマイペースをつかんで楽になるための技術なのです。(p37)
 「面倒だなあ」と思ってためらっているうちは,その作業量が膨大に見えるだけのことです。したがって,ここでも一つの有効な考え方を提示しますと,すべての作業や課題は着手するまでが大きく見えるということです。(p38)
● 気さくな人間になれと提言。難しいことではない。
 「敵対」さえしなければいいのですから,「争いの嫌いな人」がめざすのはまず,「広く浅く」でいいと思います。 そのコツとしてわたしが真っ先に提案したいのは,気さくな人間になろうということです。(p44)
 ではふるまえばいいのでしょうか? だれに対しても,きちんと受け答えするだけでいいのです。(p45)
 人間関係はそれで十分なのです。挨拶には挨拶を返し,笑顔には笑顔を返し,尋ねられたことには答え,無視する人は気にしないで放っておく。たったこれだけです。こちらからサービスすることは何もありません。(p50)
● その他,役に立ちそうなところを転載。
 自分を売り込むってどういうことでしょうか? 自分の能力やセンスを見せびらかしたり,受け狙いのパフォーマンスを演じることですね。自分が主役になろうとすることです。これが礼儀を忘れた態度です。(p77)
 聞く作業に時間を割けば割くほど,トップが下した判断は部下を納得させることができます。ろくに話も聞かないで自分の判断を押しつければ部下は不満をもちますが,十分に自分たちの話を聞いてもらえれば,たとえ望む結論が出なくても自分たちの意見がわかってもらえたことで満足できるからです。(p79)
 日常生活の大部分は「こっちがダメなら別の方法を考えよう」というものばかりです。(中略)仕事だって同じで,やってみてダメならプランを変更するだけのことです。時間のムダや経費のムダといったところで,見極めが早ければそれほどの被害は生まれません。それよりむしろ,一度決めたことにこだわってどこまでも突き進むほうが傷口を広げてしまうのです。(p86)
 めざす目標を「これしかない」と決めるのはいいのですが,それが閉ざされたり,実現できないとわかったときに,「次善の策」を選べない人ほど,たった一度の負けで大きな敗北感を味わってしまうのです。(p90)
 自分の思うようにものごとが運ばないと不機嫌になる人間はしばしばいます。(中略)ひとことでいえば,「幼児性」が強いのです。勝ち負けにこだわる人には,幼児性がたしかにあります。思うようにいかないことがあっても,気を取り直してふたたび目標に向かって歩き出せる人のほうが,はるかに大人なのです。(p92)
 わたしが受験生のころ,本もよく読んでいて映画や美術にも詳しく,おまけにゲームセンターで遊んでいるくせに成績はトップクラスという友人がいました。最初のことは,「世の中にはほんとうに頭のいいやつがいるんだな」とただ感心していたのですが,その友人が下宿している部屋に遊びにいって,ものすごく納得したことがあります。 彼はほどんどの科目でたった1冊の参考書しかもっていなかったのです。「だって何冊読んでも覚えることはおなじじゃないか。だったら1冊だけ読み込んだほうが頭に入るよ」(p138)
 会社というのは不思議なもので,仕事内容の見えない他人の部署が気楽そうに見えてしまいます。(p148)
 他人とうまくやっていく最大のコツは,その人の取り柄となる部分とつき合うことです。人にはだれでも長所と短所がありますが,人間関係につまずきやすい人にかぎって,相手の短所にばかり目をやってしまうことが多いのです。(p151)
 自分で自分の生き方を窮屈にする人には,他人を色分けするクセがあります。(p176)

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