2015年2月18日水曜日

2015.02.17 柴田英寿 『クラウド化とビッグデータ活用はなぜ進まないのか?』

書名 クラウド化とビッグデータ活用はなぜ進まないのか?
著者 柴田英寿
発行所 東洋経済新報社
発行年月日 2012.12.20
価格(税別) 1,600円

● 「個人,あるいは,企業がもっている個のデータを囲い込まないことがクラウドをおもしろくする決め手」(p30)というのが本書の提言だ。

● いくつか転載。
 みんなで同じことをしていてはおもしろいことは生まれない。それぞれが違うアイディアと違うやり方で競うから学びがあり進歩が起こる。多様性があって競争があるほうが断然おもしろいことが起こる。(p145)
 インターネットの隆盛の中,パーソナライゼーションという手法がとられることになった。これは本来的には,自分が欲しいものを教えてくれるということにつながるはずのものだ。しかし,現実には,自分がインターネットで見る情報は自分の好みに合ったものに絞られ,興味のないものは目にしなくなるという,視野を狭める結果を引き起こしている。我々はコンピュータに使われているのではないか。(p152)
 情報を個人に迷惑がかからない状態で共有し,世界中の英知を集めて分析する方式が一番社会を進歩させる。(p162)
 アレキサンドリアの図書館への蔵書の蓄積は,WWW上で行われていることに近いものがある。強制的に蔵書を供出させていたのだ。(中略)我々はWWW上で我々が何かを買ったり,何かを調べたりすると,その記録を全部吸い上げられ利用される。(中略)アレキサンドリア図書館の時代は,武力に抗しがたく蔵書を提供した。現在は,利便に抗しがたく履歴を提供している。(p168)
 武力と利便を同列に置くのはどうかと思う。Googleを便利に使わせてもらっているけれども,履歴を提供することにまったく抵抗はない。その理由は複数あるけれども,その第一はぼくが何者でもないことだ。 ぼくの履歴でよければいくらでも使ってくれと思っている。
 Googleがぼく一個に注目して,何かを仕掛けてくるなどいうことは,100%の確率であり得ない。
 ギリシャ神話の神々の世界は,きわめて猥雑だ。横暴,嫉妬,裏切り,奸計,淫行のるつぼできわめて創造的だ。(p176)
 どうせやるならありえないくらいのものがいいと思ってやっている。(p177)
 今現在は,個人情報を売買することには多くの人が抵抗を感じる。自分の個人情報は絶対公開したくないという人がいてもまったく問題ない。経済として考えると,抵抗を感じる人が多い中に,個人情報を活用する選択肢を導入することに価値がある。新しい価値の源泉を掘り当てることだからだ。(p220)
● 教育のオープン化(MITのオープンコースウエア,iTunes Uなど)を紹介する中で,「世界はますますパッド化社会に向かっている」(p102)と書いているんだけど,ここだけちょっと違ってきているようだ。
 いや,違ってないか。大型化するスマホもタブレットの一種だと見れば,基本,この方向だろうか。

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