2015年2月8日日曜日

2015.02.06 成毛 眞 『成毛眞の超訳・君主論』

書名 成毛眞の超訳・君主論
著者 成毛 眞
発行所 メディアファクトリー新書
発行年月日 2011.12.31
価格(税別) 740円

● いい人は君主(リーダー)に向かない。
 よく「誰からも好かれる人になれ」といった本を見かけるが,これは君主になるのを説いている本ではない。従者の論理を説いているのだ。誰からも好かれる人は八方美人である。人によって意見を変えないと好かれるはずなどないのだから,自分の意見など持っていないに等しい。(p21)
 実際には嫌われておいたほうが楽である。嫌われ者になれば,自分のやりやすいように仕事を進められる。「ワンマンだ」と叩かれても,「ワンマンだけど,何か?」と開き直っていれば,やがて周りの人は諦める。(中略) 周りの顔色をうかがい,機嫌をとっていたら,いつまでたっても本物のリーダーになどなれない。それは御用聞きだ。(p23)
 味方が多いタイプより,敵が多いタイプのほうが大成しやすい。(中略) 99人から嫌われてもいい人は,敵には冷淡であっても,たった1人の味方に対しては徹底して愛情を注ぐ。その1人がいつか10人になれば,1千人とゆるいつながりを持つより,強力な味方となる。(p98)
 裏表のない人間など,君主には向かないだろう。腹の中は真っ黒でも,誠実さを装えるような人でなければ,外交では渡り合えない。(p170)
 部下にとってわかりやすい上司であったら,部下に操縦されるだけである。(p186)
 そもそも空気を読める人間が成功した例などほとんど聞かない。(中略)空気は読まないほうがいいどころの話ではない。外交では空気を読むのは命取りなのだ。(中略)世界は今も昔も弱肉強食でなりたっているのだから,空気を読む側に回ったらおしまいである。(p186)
● 上司の心得。
 リーダーは人の差配が仕事なのだから,人に働かせて自分は忙しいふりをしていればいいのである。上司が仕事をサボっているのを不満に思う部下も多い。それは,上司のサボり方がへたなのである。(p33)
 制度を持ち込むときに重要なのは,一度決めた戦略は,結果がでるまで徹底させるという点である。(中略)部分的に微調整するのは構わないが,ちょっとやってみてダメだったらやめるのは最悪である。(p120)
● ビジネスで大切なのは貪欲さとケチであること。
 ビジネスの世界では貪欲なほうが間違いなく勝つ。(中略) 民主党の蓮舫議員が「2位じゃダメなんですか」と発言して,マスコミからバッシングを受けていたが,ビジネスの世界では2位ではダメである。1位を狙った結果,2位になるのならいいが,2位を狙ったらせいぜい5位ぐらいにしかならないだろう。(p28)
 多くの場合win-winとは,どちらか一方にとってお得なwinであり,もう一方はちょっとだけ利益を得るぐらいの話だろう。(p16)
 ビル・ゲイツがけちだというのは有名な話だが,もちろん,彼がそんなことを気にかける様子はまったくない。(中略) 年間売上が2兆円といわれていた時期なのに,3千円をカットするのに躍起となる。この話から,「金持ちはやっぱりケチだな」と結論づける人もいるかもしれないが,経営とはそういうものなのである。企業の経営で利益を追求するには,ムダを省いて節約するのは基本中の基本だ。経営者にとっては,3千円だろうが3千万円だろうが同じことである。(p63)
● では,何が一番大事なのか。著者は「気概」だという。
 いちばんダメなのは,目の前にチャンスが巡ってきているのに,躊躇してしまうこと。まさに,気概がないせいでチャンスをムダにする典型である。そういう人は運と縁がないのだ。(p84)
 多くの人は争いを避けるし,トラブルも避けようとする。だが,それでは人生を楽しむ機会を逃している。簡単に攻略できるゲームなど面白くない。(p148)
 そもそも,実社会で平等はあり得ない。人よりいい暮らしをしたい,人よりいい思いをしたい。そのような思いがエネルギーとなって,みな成功を目指すのである。逆説的だが,不平等や格差の存在こそ,資本主義社会のエネルギー源なのだ。(p175)
● さらに,いくつか転載。
 ガンジーの秘書を長年務めていた女性が,ガンジーの死後述懐したところによると,「あのガンジーに貧しい暮らしをさせるために,周囲がどれくらいお金を使ったかしれやしない」そうだ。(中略) ガンジーがあえてそのような恰好をしていたのは,極貧生活を送っているのだというイメージ戦略のためだろう。(p27)
 多くの経営者や政治家,スポーツ選手や芸能人は,占い師やスピリチュアル系の教祖に傾倒している。実力勝負の世界に生きている人たちが,なぜ運に頼るのか。それは,自分ではどうにもできない運命の力を痛感しているからだろう。(p48)
 私の経験則で言うと,人は貸しをつくった相手を覚えているが,借りをつくった相手はあまり覚えていない。(中略)だから,借りをつくっておいたほうが,相手に覚えてもらえるのだ。(p105)
 バブルが崩壊してから入社した若い世代は,上の世代が頼りにならないことを知っている。そして,自分より下の世代が自分と同様,簡単には言うことを聞かないのもわかっている。やる気を引き出すといわれているコーチングなど,あまり役に立たないのも経験則として知っているだろう。もし私が何かにつけ上司から「君はどうしたいの?」「どう思う?」と尋ねられたら,「何をするのか決めるのがあんたの仕事だろ!」と言いたくなってしまうだろう。(p173)
 人生は短い。成功しても失敗しても短いのだ。(中略)たとえ事業に失敗してホームレスになったとしても,人生の尺度で考えればたいしたことはない。(p183)

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