2015年2月2日月曜日

2015.02.01 長谷川慶太郎 『アジアの覇権国家「日本」の誕生』

書名 アジアの覇権国家「日本」の誕生
著者 長谷川慶太郎
発行所 実業之日本社
発行年月日 2015.02.06
価格(税別) 1,500円

● これまで矢継ぎ早に北朝鮮と中国の崩壊に警鐘を鳴らしてきた著者の新刊。中国で不動産バブルがはじけて,いよいよその現実味が増してきたというのが,本書の内容のメイン。
 北朝鮮については,今後数か月後には崩壊が現実のものとなると予想する。したがって,拉致被害者問題は解決を急がなければならない。北朝鮮が崩壊してしまった後ではどうにもならない。
 中国バブル崩壊がついに,現実のものになったと肝に銘じるべき時がやってきたのです。そのことを多くの日本人経営者は自覚しないといけないと思います。(p86)
 中国の危機的な状況に対して,救いの手を差し伸べてきたのは,日本でした。円借款は日本国民の血税です。これに対して中国国民はまったく感謝しておりません。(中略) なぜ,中国は日本に対してこのような態度を取るのでしょうか。それは,第二次世界大戦の時,日本は「敗戦国」であり,われわれ中国は「戦勝国」であるという意識が今でも強く残っていることが背景にあります。(p104)
 2015年は終戦70周年ということで,中国は「抗日」姿勢を強めてくるでしょう。しかし,2014年に日本へ訪れた中国人観光客は222万人と一昨年に比べて1.8倍も増えました。尖閣諸島で問題が起きる以前より多い訪日人数となったのです。これは,抗日では中国国民を統合することができなくなったことを意味します。(p222)
● 韓国もまた沈むしかない。サムスンの落日がいよいよ明白になってきた。「現代」もアメリカでの燃費性能の詐称が効いて,どうにもならない。
 しかも,サムスンと「現代」が韓国のGDPに占める割合が異常に大きい。韓国全体が企業城下町のようなものだ。その企業がこけたら,一緒に沈むしかない。
 韓国という国家は上に立つ者の責任感がまったく育っていないのです。例えば日本人と韓国人経営者の責任感は全然,違います。そのことが,韓国と日本の企業力の差に表れています。だから,旅客船沈没事故で真っ先に船長が逃げ出し,多くの高校生が犠牲になったのです。(p147)
 人間というのは,平等ならやる気が出るわけです。日本のサラリーマンがやる気があるのは,平等だからだと断言できます。(p153)
 中国や韓国にはその平等がないから,現場の士気はすこぶる低いということ。
 ある工場で,技術者を雇って,日本ならその技術者は定年まで勤めると思います。ところが,韓国だとひとわたり社員教育が終わると独立してしまうのです。その分野で,自分の力で儲けたいと思っているからです。独立した瞬間にその人は技術者ではなくなってしまう。単なる経営者になるわけです。中国も同様です。(p155)
● 韓国は困ると日本を頼ってきて,日本はその都度,救いの手を差し伸べてきた。次のようなエピソードも紹介される。
 2002年に日韓でサッカーのワールドカップが行われた時に,韓国ではスタジアムを建設する資金がありませんでした。そこで,日本から約300億円の支援を受けて韓国でワールドカップスタジアムが建設されたのです。しかし,その資金は未だに,1円も返済されていないと聞いております。(p169)
● ほかにも,いくつか転載しておく。
 今回の衆議院解散の理由は消費税引き上げを延期することの信任を得るとしていましたが,本当は明らかに憲法改正が目的です。そして2016年度夏,参議院選挙がありますが,再び衆議院を解散して衆参同時に選挙をします。もう一回,安倍首相は解散をやるつもりです。そして,今の安倍政権がこの選挙でも負けることはあり得ません。なぜなら負ける要因がないからです。(p8)
 戦争が終わって平和条約が締結されたら,戦争の当事国は勝ち負け関係なく対等の立場になるというのが国際ルールなのです。この原則を中国も韓国も無視しています。それに対して日本側は対等の立場だと主張しているわけで,それは国際ルールの常識から判断して当然な主張です。(p13)
 「国家の命運」はどのような要因で決まるのかということです。一つは「技術力」であり,「情報力」だと私は考えています。その二つの「力」はいずれも「自由」という前提がなければ,成りたちませんし,発展しません。自由があって情報力や技術力は高まるのですが,中国にはそれがないのです。(p128)
 これまで,効率性を追求するために分業作業でした。しかし,先端装置の製造はそれではダメなのです。一人で組み立てないと,機械が生きません。(p165)
● 一気通貫で読了。というか,読み始めたら途中でやめることができなかった。下手なミステリを読むより,リアルの世界の方がよっぽど面白いんだね。
 面白いというには,かなりシリアスなんだけど,シリアスでも面白いものは面白い。力のある書き手が書いてくれれば。

0 件のコメント:

コメントを投稿