2014年8月31日日曜日

2014.08.30 マイケル・J・ロオジエ 『引き寄せの法則』

書名 引き寄せの法則
著者 マイケル・J・ロオジエ
監修者 石井裕之
発行所 講談社文庫
発行年月日 2012.04.13(単行本:2007.11)
価格(税別) 476円

● つまらない本を読んでしまったと思うことはときたまある。もちろん,途中で気づく。というか,読む前から気づいている。それでも読んでしまうことがある。
 本書もそのひとつ。結局,こういうものに騙されたがっている自分というのがいるのかもしれないなぁ。

● いくつか引用しておきましょうか。
 〈引き寄せの法則〉は,あなたが五分前,五日前,五ヵ月前,五〇年前に送り出していた波動のことなど覚えていません。今この瞬間にあなたが発している波動に反応して,同じものを送っているだけなのです。(p51)
 〈引き寄せの法則〉は言葉にだけ反応するのではなく,自分が使う言葉をどう感じるかに反応する(p88)
 願望をはっきりさせて,心からそれを望むだけでは十分でなかったからです。「望んでいるものを引き寄せる」という考えにまつわる疑念を,すべて取り除くことも必要でした。(p112)

2014.08.30 奥野宣之 『情報は1冊のノートにまとめなさい〔完全版〕』

書名 情報は1冊のノートにまとめなさい〔完全版〕
著者 奥野宣之
発行所 ダイヤモンド社
発行年月日 2013.11.28
価格(税別) 1,400円

● “1冊のノートにまとめなさい”は“情報”のほかに,“読書”と“人生”がある。タイトルは違うけれども,“旅”についても出されている。
 が,本書を読んでおけば,他は読まなくてもいいのじゃないかと思う。

● 以下にいくつか転載。
 記録した情報の活用は,スマートフォンやパソコンなどのデジタルツールでもなかなかうまくいきません。まず入れた情報を無目的に見る機会がないからです。(中略)それらを検索して参照することはあっても「漠然と読み返す」ということはまずありません。(p58)
 何かを取材するとき,大切なのは自分が感じたことや考えたことといった「主観」です。人の発言や会場の様子は,あとで他の人から聞くことができますが,「自分の声」だけは,誰にも教えてもらうことができません。(p97)
 「何かを強く思ったから書く」ということは,あまりありません。実際は,「何か書いているうちに何かを強く思う」という順なのだということがわかってきます。(p144)
 「何を書いてもいい」という思考の受け皿になるノートが常に手元にあることで,外部情報や自分の思考の「取りこぼし」は大幅に少なくできます。つまり,日常生活をすべてネタにできる。 僕はこのことを「日常の取材化」と呼んでいます。(p168)
 実際に自分の思ったこと,想像したことを紙に書いてみると,大半はつまらないと感じる(中略) しかし,そんな評価はぐっとこらえて,僕は淡々と機械的に書き留めることにしています。(中略) そこに書いてあることの価値を判断するのは,「現在の自分」ではなく,まったく想像できない「未来の自分」だからです。(p169)
 太宰治の本に「自分はへとへとになってからなお粘ることができます」という言葉があります。僕は,最終的には,こういう心境で臨まないと,アイデアというものは出てきてくれないものだと思います。(中略) 知的生産は,「こうすればこうなる」だけでは割り切れない非合理な面がどうしても残ります。(p208)

2014.08.29 番外:Twin 2014.9月号-もうひとつの那須 芦野

発行所 ツインズ
発行年月日 2014.08.25
価格(税別) 286円

● ローカルな雑誌。特集は今回のように旅行案内だったり,グルメ案内だったり。一定の地域を決めて紹介することが多いようだ。

● 那須という地名は扱いが厄介で,最も広義にとれば,かつての那須国(栃木県の北東部)を指す。最も狭くとれば,那須高原のことになりますか。
 ところが,那須町という行政町があって,文脈によってはこの那須町を指すこともある。

● で,今回の“もうひとつの那須”である芦野は,那須町の東部。JR東北本線と国道4号線の東側。国道294号線が通っている。
 奥州街道はこちらを通っていた。かつては繁華だったのだ。那須高原と呼ばれるエリアは,妖怪変化が住むところだったのではあるまいか。
 黒羽~伊王野~芦野は奥州街道の宿場町。当然,遊郭もあったろう(黒羽にはそれとわかる一画があった)。
 今はありていにいえば寂れているけれども,何かあるのじゃないかと思わせる雰囲気は醸している(ように思う)。

● 観光資源の第一は,松尾芭蕉。芭蕉ゆかりの地というのがウリ。遊行柳とかね。ほかには? この雑誌がトップで紹介しているのは“石の美術館”。隈研吾さんの設計。
 あとはあまりない。そのあまりないところがいい。ないところがいいと思わせる場所の力のようなものがあるんじゃないかっていうね。

● じつは,もう10年以上も前になるけども,那須三十三所観音霊場というのがありましてね,そこを歩いて廻ろうと思い立ったことがあった。で,黒羽の明王寺から歩き始めて,伊王野は間違いなく歩いている。芦野はどうだったけな。
 というのは,途中でやめちゃってるのでね。

● 今度は自転車で廻ってみようかなと思う。自転車で走るのには適度なアップダウンもあって恰好なところじゃないかと。1泊2日でゆっくりと。

2014年8月29日金曜日

2014.08.29 関田祐市監修 『鉄道駅スタンプのデザイン』

書名 鉄道駅スタンプのデザイン
監修者 関田祐市
発行所 青幻舎
発行年月日 2014.06.20
価格(税別) 1,200円

● 副題が「47都道府県,史跡名勝セレクション」。「はじめに」で駅スタンプの歴史がざっと概観される。勉強になる。

● 関田さんは駅スタンプのコレクションが7万点もあるという。もちろん,全国のJRや各私鉄,地下鉄,ロープウェイ駅をすべてあわせても,7万なんてあるわけない。スタンプがどんどん更新されるわけだ。
 それらを集めに集めて7万点。「仕事の傍ら,全国各地にスタンプ収集の旅に出かけるのがライフワークとなっている」と紹介されているけど,これはもう執念でしょうねぇ。“eki.stamp.com”というWebサイトも運営中。
 これだけのスタンプを集めれば,学術資料としての価値もあるんでしょうね。すごいものだ。

● 巻末では「駅スタンプをきれいに押すコツ」も紹介されている。自分専用のスタンプ台を持参するのは,その道では常識になっているらしい。赤,黒,藍,紫,緑,橙を揃えておけば,あらゆる駅に対応できる,とある。
 なるほどなぁ。

● にしても。「小学校5年生のときに浅草駅で駅スタンプを押して以来,その魅力にはまる」かぁ。そりゃ,はまる人もいるよなぁ。昔は牛乳瓶のフタを集める子どももいたんだしな。
 以来,ずっとはまりっぱなしなのが偉い。ここが常人と天才を分けるメルクマールになるのだろう。
 学問にはまる人,野球やサッカーにはまる人,社交ダンスにはまる人,駅スタンプにはまる人。それらの間に優劣はないはずだもんなぁ。

● じつは,ぼくも駅スタンプを集めてみようかと思ったんですよ。使っているノートに余白ができるので,その余白を何かで埋めたいなと思って。駅スタンプなんかちょうどいいんじゃないか,と。
 が,その程度の動機では申しわけないような気がしてきた。

2014.08.29 番外:自転車スタイルBOOK

発行所 枻出版社
発行年月日 2012.07.10
価格(税別) 950円

● 前に読んだ(見た)『サイクリストsnap 自転車乗り95人の仕事と持ち物』と同じ出版社から出ている,内容も同じようなムック本。自転車乗りのプロフィール紹介的な。
 なんか,こういうのは買ってしまうんですよねぇ。同類の人たちをかいま見る快感があるんですかね。

● とはいえ,ここに登場する人たちと自分を同類と言ってしまっては,彼ら彼女らに失礼かもしれない。自転車に対する愛情がぜんぜん違うだろうから。彼らは自転車を可愛がっている。ほとんどの人は自転車を屋内に置いているのじゃないかと思う。そうしないと盗まれそうないい自転車だし。
 編集の妙もあるのかもしれないけれど,自転車への入れこみ方がごっつい感じがする。

● 対して,ぼくは極安品に乗っている。屋内にしまうなんて考えたこともない。そうしたところで,絶対に盗まれることはない。盗む方だってわかっている。

● ロンドンとクレモナ(イタリア),サクラメントの自転車乗りも紹介されている。でね,どうしたって,彼らの方が格好良く見えるんですよね。
 やつら,手足が長いからなぁ。それだけではなく,はじけてる度合いが彼らの方が強いんですね。いい歳こいたオッサンでもはじけて楽しそうに写っている。ま,これも撮影のシチュエーションが違うからかもしれないんだけど。

● 「目指すのは神奈川の駅,全走破」という人がいる(p21)。鉄道も好きな人なんだろうな。
 想像だけで言うんだけど,自転車乗りって,分裂気質の人が多いだろうね。自分がそうだから。鉄道も同じだと思う。自転車と鉄道の相性はかなりいい。だから輪行というのは,分裂気質の王道のはずだ。

2014年8月28日木曜日

2014.08.27 ほぼ日刊イトイ新聞編 『ほぼ日手帳公式ガイドブック2015 LIFEのBOOK』

書名 ほぼ日手帳公式ガイドブック2015 LIFEのBOOK
編者 ほぼ日刊イトイ新聞
発行所 マガジンハウス
発行年月日 2014.08.26
価格(税別) 1,500円

● ほぼ日手帳のユーザーではないけれども,公式ガイドブックは毎年買って読んでいる。糸井重里さんのインタビュー記事も面白いけれども,白眉はユーザーにどう使っているかを取材してまとめた記事だ。
 今回は31人のユーザーが登場。著名人もいれば,市井の人たちもいる。が,圧倒的に女性が多い。

● 記事になりやすい使い方をしている人は,女性に多いということなんだろうね。ユニークというかとらわれないというか。
 男性の場合は,いかにも手帳という使い方になりがちなのだろう。スケジュールとか出納メモとか。
 ぼくも同じだ。自分の使い方を記事にしてもらったとして,はたしてそれを読む人がいるだろうか。あたりまえすぎて誰も読まないと思う。

● ほぼ日手帳のユーザーは海外にもいる。パリでの取材記事の中に「自分だけの,とっておきの思い出を手帳に記録して楽しむ習慣が,フランスにはあまりないのです」(p136)とあって,あぁそうなのか,と。
 手帳には記録しないけれど,別の方法で残しているんだろうか。それとも,脳内メモリに保存しておくだけなんだろうか。
 対して,「日本の手帳文化はほんとうにすごい!」とある。そうなんだろうな。手帳というものが登場する以前から,細々と書いておく文化というか習慣が日本人にはあったんでしょうね。たぶん,筋金入りなんだと思う。

● 昨年は9月に渋谷ロフトで開催された「手で書く手帳展。」を見に行った。っていうか,松浦弥太郎さん,西田善太さん,糸井重里さんによる手帳談義を聞きに行った。
 今年も同じ催しをやるらしい。たぶん,行くんじゃないかと思う。

2014年8月26日火曜日

2014.08.26 番外:GOETHE 2014.10月号-秘書の才覚

編者 舘野晴彦
発行所 幻冬舎
発売年月日 2014.10.01
価格(税別) 759円

● 必ず買ってしまう雑誌の特集はというと。ぼくの場合は,かつては書斎。今だと,手帳術とかノート術とかいったもの。それと,今回のような秘書もの。
 今の時代,芸能界や銀座(のクラブ)にいい女はいなくなった。どこにいるのかといえば,一流企業の秘書室にいる。そんなことを,これも何かの雑誌で読んだことがあった(けっこう昔のこと)。そうだろうなぁと妙に腑に落ちてしまった。

● 秘書って奥の院のイメージがある。自分とは別世界にいる才色兼備の女性たち。高嶺の花。

● しかし。ボスより秘書の方が大変なんじゃないですか。「経営トップの仕事が,いかに過酷で孤独か,ずっと身近で見てきた」(p73)と秘書は語る。が,社長になってしまえばかえって楽なんじゃないか。
 実際,そんなに過酷で孤独なのであれば,なんで社長になりたがる人がこんなにいるのか説明がつかない。実際はそうでもないか,それを補ってあまりある何かがあるからに決まっている。
 周りが勝手に,過酷だ,孤独だと持ちあげてくれる。けっこう以上に美味しいポジションなんじゃないか。

● 社長の数は課長よりも多い。多くの社長は金策に走り回ってたりするんだろう。が,そういう社長は秘書なんか持っていないだろう。
 秘書をつけてもらえるような会社の社長は,お殿様でいられるはずで,いろいろあるにしてもトータルで楽なはずだ。

● たとえば,「毎日の会食セッティングも大事な仕事。これしか飲まないというビールの銘柄もあるので,店選びはいっそう難しい。その銘柄が置いてなければ,頼みこんで持ちこませていただくことも」(p95)と語ってる秘書もいる。
 ここまでのわがままを通せるんだから,社長というのは3日やったらやめられないものだろう。
 ちなみに,ぼくなら,“幼稚園児か,お前は。ロクな味覚もないんだから,出されたものを黙って飲んでろ,このボケがっ”と言ってしまうな。そして首にされて青くなる。

● ほかにも,いろんな秘書がいろんなことを語っているわけだけれども,そうした表の記事よりも,「どっちのボスがエグいのか!? 日系企業秘書vs外資系企業秘書 戦慄のエピソード対決」(p82)といった三面記事的な方にリアリティがある。
 日本では,秘書=女性=仕事外の関係もあり,っていうのが通念としてあるっぽい。それを荒唐無稽と一笑に付すことができないところがある。下司ですか。
 もし秘書が男性であれば,下男というイメージがひっついてしまう。あまりやりたい仕事ではないな。

● どんなにお金があっても,持ってはいけないものが3つある。別荘と愛人と秘書だ。これもどこかで読んだもの。そのとおりだと思いますな。
 この雑誌の読者は大半が男性のはず。自分をボスになぞらえて,こんな秘書がついていたらと妄想に浸る楽しみを味わうわけだ。けれども,妄想は妄想のままで終わる。それがすなわち幸せというものでしょうね。

2014.08.25 下川裕治 『世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ』

書名 世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ
著者 下川裕治
発行所 新潮文庫
発行年月日 2011.11.01
価格(税別) 710円

● 買ったのは2年前。なかなか読めないでいた。

● 骨身を削るようにして書いている。この書き方では大量生産はできないはずだ。下川さんの作品は編著を含めても60冊程度だろうか。
 昔ならたいした数だとなるんだろうけど,世知辛い現在ではどうなんだろう。

● デビューが『12万円で世界を歩く』で,その印象が強烈。ビンボー旅行の元祖ではないけれども,中興の祖というイメージを,ぼくは下川さんに抱いていた。
 もちろん,ビンボー旅行だけではない。アジア(特にタイ)を旅先として広く認知させたのも下川さんの功績のひとつだと思う。週末旅の提唱も下川さんを嚆矢とするのではないか。
 なんだけど,ビンボー旅行の人というイメージがとにかく強い。
 世間の期待がそこに集まっている以上,ご期待にお応えしましょうというわけで,バスだけでユーラシアを横断するとか,いろんな試みをして,それを作品に残してきた。

● が,どうも世間の空気がビンボー旅行から離れてしまったように思われる。LCCは料金こそ格安だけれども,LCCを使って安宿に泊まる旅がビンボー旅行として成立するかどうか。

● そうであっても,文章で読ませることのできるほとんど唯一の紀行作家だとぼくは思っている。未読本があと3冊ある。わざと残しておいたわけではないけれども,手元にその3冊を用意してある。楽しみだ。

● ハルビンの(関東軍防疫給水部本部の)旧本部大楼,ウイグルの民族問題,チェチェン紛争,ベオグラード空爆・・・・・・。
 こうしたところにさしかかると,シメタという思いがどこかに出るんだろうか。枚数が稼げるぞ,的な。下司の勘ぐりか。問題は,こうしたところから古くなるということ。
 旧本部大楼の話にしたって,推測でしかモノが言えないわけで,その推測の前提もどれだけ確かなのかわからない。

● ひとつだけ転載。
 自分がなんとかしなくてはいけない世界に入ったようだった。(中略)これまで乗ってきた列車は,一車両に必ずひとりの車掌がいた。ときにうるさいおばさんだったり,威圧感たっぷりの男性だったりもしたが,それなりに頼りにはなったのだ。(中略) グルジアからトルコへ。そこがひとつの境界だった。車両も変わり,乗客と車掌の関係も密度が薄まった。(中略)列車が特別な乗り物ではなくなったのだろう。ようやくその世界に戻ってきたのだが,それは心のなかに秋風が吹き込むような感覚でもあった。(p333)

2014.08.25 番外:自転車と旅 vol.10 自転車「遊び方」大全

発行所 実業之日本社
発行年月日 2013.06.02
価格(税別) 1,143円

● つくばりんりんロードが紹介されている。本書では土浦からスタートして岩瀬に至っている。筑波鉄道の軌道敷をサイクリングロードに転用した。
 じつはぼくも走ったことがある。岩瀬から土浦に向かって。手を伸ばせば届くんじゃないかと思うほど近くに筑波山がある。毎朝,北の方から眺めていた筑波山がこんなに近くに,とちょっと感動した。
 が,このときは途中で引き返してしまった。土浦まで行ったんじゃ戻れなくなりそうだったんで。だいたい,岩瀬に着いた時点で疲労困憊だったもん。リベンジの機会を作りたいね。

● 山下晃和さんの南米ライド。石田ゆうすけさんの『行かずに死ねるか!』に影響を受けたと語っている。あの本に影響を受けた人は多いかもしれないな。
 ただ,石田さんのあとに続くのはシンドイ。少なくとも,自身の経験を語るのは難しくなる。先人があそこまで書いてしまっているから。
 たいていのことは二番煎じになりそうだし,石田さんの語り口より面白く語るのも難しそうだし。

● わが家から東京まで行くとなると,車だったら東北自動車道か4号線。これ以外にはないと思う。で,この道を自転車で走るのは勘弁願いたいと思うわけだね。
 実際にはもっと楽しく走れる道がある。上野から宇都宮に向かう企画が本書に掲載されていた。まだJKとおぼしき娘さんが挑む。江戸川に出て,ずっと川沿いを走る。小金井まで110㎞を走破。
 逆のコースをたどれば上野に至る。ぼくに体力があれば往復して1日コースになるけど,もとよりそんな体力はない。

2014.08.25 番外:自転車と旅 vol.9 週末は東京の街を遊びつくす!

発行所 実業之日本社
発行年月日 2012.11.31
価格(税別) 1,143円

● ムックに編集されたものを読むと,東京には自転車で楽しめそうなエリア,コースがずいぶんあるんだなと思える。問題は,実際に行ったらどうかってことだけ。
 都会散策にふさわしい自転車は“キャリーミー”ということか。キャリーミーと連動した記事がしばらく続く。

● 台湾のメーカーの製品らしんだけど,ここまで車輪径が小さいとおもちゃ感が強くなる。正直,欲しくなった。
 これで100㎞以上走る人もいるらしい。実用性に問題はなさげだ。シングルギアだから坂道はちょっとつらいか。
 Panasonicのトレンクルは生産を終了している。トレンクルの狙いをもっと徹底させ,価格を大きく下げたのがキャリーミーだと思えばいいのか。

● 多摩川,荒川,江戸川のサイクリングロードもご紹介。多摩川は休日はけっこう以上に混みあうと聞く。今の時期は荒川も江戸川も同じでしょうね。
 河口に近い川の堤防を走るんだから,開放感抜群だろうなぁ。キャリーミーで走ってみたい。時速で15㎞は出るようだ。ちょうどいい。

2014年8月24日日曜日

2014.08.24 番外:自転車と旅 vol.8 夏休みツーリングコースガイド

発行所 実業之日本社
発行年月日 2012.08.28
価格(税別) 1,143円

● 夏休みといえば北海道。事実上の北海道特集といっていいだろう。湿原あり,砂浜あり,湖あり,坂道あり,というわけだけど,ぼくは普通に舗装道路をロードで走りたいね。
 許されるなら1ヶ月は使いたい。寝袋は持参した方がいいかな。夏なんだからテントは要らないような気がする。基本は普通の宿に泊まろうと思う。
 できませんかね,1ヶ月の北海道ツーリング。

● 表紙を飾るのは,ずっと宇井愛美さん。創刊号からビジュアルをひっぱっている。
 もうひとり。ぼくの好みでいうと,温泉地巡り担当の山田べにこさん。表情の自然さがいい。これ,出せと言われても,出せない人っているよね。
 それと男性では吉松尚孝さん。「タルタルーガ・エンターテイメントワークス」のデザイナーと紹介されている。自分がデザインした自転車に自分で乗って,紙面を作るって,けっこう大変そうだけど,ずいぶん美味しそうでもある。

2014.08.24 番外:自転車と旅 vol.5 週末「自転車」の楽しみ方

発行所 実業之日本社
発行年月日 2011.11.26
価格(税別) 933円

● 「餃子の街・宇都宮で食べくらべツーリング」。JRの小金井駅から出発して,鬼怒川サイクリングロードに出て,真岡に寄り道して宇都宮まで。餃子を食いまくる。
 真岡に寄り道したのは「みんみん」を真岡店ですませておくため。これは正解だな。宇都宮市内にいくつかある「みんみん」はどこも行列必至だからな。ぼくも宇都宮市内の「みんみん」では食べたことがない。

● 高根沢に住んでて良かったと思うことのひとつは,「みんみん」の支店があることですな。待たないで「みんみん」の餃子を食べることができるんだからね。
 ちなみに,隣の氏家に行けば「正嗣」の支店がある。餃子に関しては不自由していない。
 ただし,氏家の「正嗣」にはもうずっと行っていない。高根沢の「みんみん」も行くときはバタバタと行くんだけど,行かないとなるとパタッと行かなくなる。餃子しか喰っていないわけじゃないからね。

● ところで,これだけ走って,距離は52.5㎞なんだね。そんなものか。50㎞くらいは楽に走れないとな,と思うんだけど,小金井~真岡~宇都宮を自転車で走るのかと思うと,ちょっと腰が引けたりもするな。

2014.08.24 番外:日経トレンディ2014.9月号-すごい日用品&文具118

編者 伊藤 健
発行所 日経BP社
発売年月日 2014.08.04
価格(税別) 537円

● ガラスに見えるシリコン製のコップ。絶対に割れない。小さいお子さんのいるご家庭では便利じゃないか。
 いや,何かおかしくないか。シリコンだったらガラスに見えない方がいいんじゃない? むしろ子どもにはガラスは割れるものと教えるべきだ。だから注意して扱いなさい,と。

● 薄型&大容量の密閉式弁当箱。A4のファイル感覚でビジネスバッグに収納できますよ,ってか。たしかに,弁当箱ってビジネスバッグとは相性が悪いっていうか,弁当箱だけ独立しがちっていうか。
 だから「薄型&大容量」か。問題はビジネスバッグをあまり持つ機会はないであろう,奥さん方がこの薄型をどう思うかだな。弁当を作るのは奥さんだから。

● iPhone5と組み合わせればスキャナになるLEDライト。普段はLEDライトスタンド。上にiPhoneを装着すれば簡易スキャナに変身。しかもLEDライトがあるんだから,夜でも使える。
 ぼくは要らないけど。

● ペン立てに変身するペンケース。こういうのって昔からなかったっけ。たぶん,あったぞ。
 ぼく一個は,ペンケースがペン立てに変身してくれればなと思ったことは一度もないけど。

2014.08.22 牧野武文 『Googleの哲学』

書名 Googleの哲学
著者 牧野武文
発行所 だいわ文庫
発行年月日 2014.08.15
価格(税別) 700円

● Googleの数多くのサービスのうち,自分が使っているのはごく一部に過ぎないし,Google以外のサービスには目もくれないということではないんだけど,やっぱり一番お世話になっているのは,現状ではGoogleだ。
 結果的にGoogleが膨大な個人情報を握ることになる。そのことに危惧を表明する人はたくさんいる。イチタスイチハニダと声高に言いたがる人たち。

● が,Googleのアカウントを取るに際して,住所や氏名や電話番号をGoogleに提供しなければいけない仕様にはなっていなかったと思う。
 この点でいえば,アマゾンに提供している個人情報の方がずっと多い。住所や氏名の他にクレジットカードの番号まで知らせているんだからね。
 あるいは,ヤフオクの出品者とか。銀行の口座情報を知らせることになる。

● そうであっても,Googleがその気になれば,おまえの趣味や好みまで全部わかるんだよってか。それはそうだわな。結果,自分にドンピシャリな広告が表示されたりする。
 が,それ以上のことはありえない。なぜか。Googleがその気にならないからだ。Googleをその気にさせるだけの価値は,ぼくには絶対にないからだ。
 ビッグデータのサンプルの一つになるのは,むしろ本望だ。数十億分の一のお役に立てるのなら,ぜひ立ちたいものだ。

● というわけなので,パソコンやスマートフォンの利用に関しては,Googleと心中するというのが,ぼくのモットー。
 Chrome,Gmail,YouTube,Picasa,Bloggerなど,最も多くをGoogleに負っている。

● 本書は,そのGoogleをかなり好意的に紹介している。以下にいくつか転載。
 よく「お客様の視点に立って・・・・・・」というフレーズが企業の現場で使われます。しかし,これはおかしな言葉遣いです。企業人だって,ものを買って生活をする消費者なのですから,わざわざお客様の視点に立つ必要はありません。こんな言い方を使うということは,普段は消費者ではない視点に立っているからでしょう。(p46)
 多くの人がグーグルのような成功した企業について,その成功の秘密を知りたがります。それは創造性にあるのだとか,意思の共有にあるのだとか,経営者のすぐれた先見性だとか,さまざまな意見を言います。それらは間違いではなく,確かにそうなのでしょう。しかし,最も大きなポイントとして言えるのが,失敗したときの撤退の早さなのです。(p58)
 (かな漢字変換プログラムの開発は)思いつきでできるほど簡単な仕事ではありません。 これを思いつきでやってしまったのがグーグルです。(中略)グーグルは,検索で入力されるキーワードの情報を集めて,かな漢字変換の辞書を作ってしまいました。どのような単語が何回入力されたかは簡単にわかりますから,どの単語を優先して変換候補にすればいいかは,膨大な数のユーザーが決めてくれるというわけです。(p150)
 となれば,だれもが知りたくなるのが,「では,その隠れたウォンツは,どうやって見極めればいいのか?」ということでしょう。 これも答えは簡単です。「自分に聞いてみろ!」が答えです。(中略)しかし,それは簡単なことではありません。「自分が心からほしいもの」ではなく,「世に出したら,お金儲けができたり,人から尊敬されるもの」をしばしば「自分がほしいもの」と勘違いしてしまうからです。(p167)
 なぜシリコンバレーの人たちはみな“いい人”で,惜しみなくアイデアを与えてくれるのでしょうか。先ほどの方のある一言で,私の疑問は消えました。「彼らはパイが永遠に拡大していくと信じているんです」(中略) ですから,出し惜しみをして孤立しながら事業を進めるよりは,惜しげもなく人に与えて,自分も与えてもらうほうが,確実に得だと考えているのです。(p259)
● 「まえがき」に,「本書にはグーグルの公開情報しかなく,だれもが知らない「グーグルの秘密」のようなものは書かれてありません。しかし,公開情報であっても,それを論理的に読んでいき,グーグルが何を考えてそのような行動をしたのかを懸命に追っていけば,必ず読者の仕事のヒントになるような考え方にたどりつける」とある。
 話は脱線するんだけど,病院なんかに行くと,大学院生が論文を書くために,アンケートを依頼してくることがある。たいていはくだらない中身。くだらないのはいいんだけど,これってすでにデータがあるんじゃないのって思う。探せば絶対あるぞ。
 彼(彼女)にとっては論文を書くことが至上命題で,データを取ることはそのための手段。探したデータでは論文は書けないんだよって怒られるんだろうけど。

● 必要な情報ってあらかた公開されているのじゃないか。秘密を盗みに行くのは二重につまらない。
 第一に,秘密になってるようなものはたいてい大したものじゃない。第二に,したがって算盤に合わない。

2014年8月22日金曜日

2014.08.21 吉田友和 『旅はタイに始まり,タイに終わる』

書名 旅はタイに始まり,タイに終わる
著者 吉田友和
発行所 幻冬舎文庫
発行年月日 2014.07.05
価格(税別) 600円

● 副題は「東南アジアぐるっと5ヶ国」。香港→タイ→ラオス→ベトナム→カンボジア→タイと回る。

● 懐古的な記述が多くなっている。なぜかといえば,ここ10年の間に東南アジアは大きく変わっているから。経済が発展した。10年前とは様変わりしている。その様子を見て,10年前を懐かしむという図式。
 特にカンボジア。政治の激動に翻弄され,治安も問題視されていたけれども,かなり落ち着きを見せているようだ。そうなれば経済活動も活発になる。UNTACの頃のイメージを維持していてはいけないようだ。

● 年をとってからの10年はじつに速い。つい昨日のことのように思える。
 年寄りが時代についていけない理由のひとつは,このまとまった時間ほど過ぎ去るのが速く感じるという性癖にあるかもしれない。

● その中でラオスは昔のままの度合いが大きい。読んでいて最も惹かれたのがラオスだった。
 スマホのSIM販売店のエピソードが出てくるのだが,その店の売り子のお姉さんの写真が掲載されている。そのお姉さん,この世のものとは思えないたたずまいだ。

2014年8月20日水曜日

2014.08.19 番外:BRUTUS 2014年9月1日号-松浦弥太郎の「男の一流品カタログ」

編者 西田善太
発行所 マガジンハウス
発売年月日 2014.08.16
価格(税別) 630円

● この特集であれば,買わないわけにいかない。

● 松浦さんが考える一流品とは何か。
 一流品とは,人がいのちを注いで作ったもの。謙虚なたたずまいの中に,静かな美しさがあり,未熟と成熟が同居する。愛嬌のある人格を備え,媚びない凜とした姿勢を持ちながら,いつもあたたかくてやわらかな笑顔を絶やさない,天涯孤独を受け入れたような,人へのやさしさを感じさせるものである。(p33)
● ふぅぅむ。わかったようなわからんような。けれども,松浦さんが選んだモノが80品目,写真と文章で紹介されている。
 日常の生活に使う器から,車,自転車,オーディオ,絵画,本,レコード,スポーツ用品,カメラなどなど。ここまで広い範囲でこだわりの品目を挙げられるというのが,第一の驚き。
 自転車が好きな人は自転車にこだわるし,カメラが好きな人はカメラにこだわる。けれども,それ以外のところでは,まぁこれでいっかとなっている人が大半だろうから。ぼくも同じ。こだわりがない。何でもいいと思ってしまう。

● ひょっとすると,結婚相手を選ぶときだって,さほどのこだわりはなかったような気もする。
 まぁ,これは自分と結婚してもいいと言う女性がいるとは思えなかったことが大きい。こちらが選んでる場合じゃないぞ,っていう。

● その80品目の中に,レコードが2つ入っている。
 ひとつは,「フーベルマンが弾くチャイコフスキー」。ヴァイオリン協奏曲ニ長調。「僕は,自分の中にあった一人の放つ表現力のスケールを粉々に壊された。スケールとは価値観であり美意識だ。生まれてはじめて自分を壊してくれるものと出会った」,と。松浦さん,22歳のとき。
 もうひとつは,「マルカントワーヌ・シャルパンティエという作曲家」。シャルパンティエの「修道女のためのスターバト・マーテル」について,「生まれてこの方,こんなに美しい音楽を聴いたことがないと衝撃を受けた。永遠とは何かがわかった」,と。
 音楽を聴いている時間はたぶんぼくの方が長いと思うんだけど,深さにおいては比べてはいけないと思わされる。

● この差はどこからくるんだろうか。家柄とか血筋ってあるような気がするなぁ。両親や祖父母がどういう人だったか。経済状況も当然。それらをひっくるめて環境っていうやつね。
 母方の祖母は北海道随一と謳われた芸妓だったそうだ。そうした所作もみているだろうし,習わぬ経を読むということもあるだろうし。
 ぼくなんかは喰うのがやっとという家庭で育っているので,モノはあるだけでラッキーってなものだった。
 大人になってからは,自分次第だろって言われるな。そのとおり。

● ひとつだけ転載。
 もうこれでいい。今のままでいい。生きていければそれ以外は何もいらない。それは言葉を変えれば,頑張りたくない。成長したくない。もっと言えば,リスクを負いたくないし,失敗もしたくないから成功もいらないという弱さではなかろうか。(p33)

2014.08.18 松浦弥太郎 『あたらしい あたりまえ。』

書名 あたらしい あたりまえ。
著者 松浦弥太郎
発行所 PHP文庫
発行年月日 2012.11.19(単行本:2010.01)
価格(税別) 629円

● 上手な生き方論ということになるんだろうけど,松浦さん独特の香気が持ち味。
 自分を棚にあげて語っていないし,自分もそうあろうと努めていることがしみじみと伝わってくる。その気配が香気を作っているのだろう。

● 以下にいくつか転載。
 たとえ「この人の言っていることは,間違っている!」と思っていても,相手の目を見て聞いていれば,「その人の人間性」に対しては,別の気持ちを抱くようになります。意見は認められなくても,人としては認められるということです。(p33)
 面倒くさいという言葉は,すべてを否定する強烈な「打消しのパワー」があります。一生懸命に生きよう,毎日できるだけ楽しく暮らそうと,いくら本気で思っていても,「面倒くさい」とつぶやいたとたん,すべて魔法がとけたみたいに,だめになってしまう気がします。(p40)
 仕事でも暮らしでも学びでも,ものごとの良さや味わい,いいところ,楽しいところはすべて,面倒くさいことから生まれるものです。(p41)

2014.08.17 長谷川慶太郎 『大破局の「反日」アジア,大繁栄の「親日」アジア』

書名 大破局の「反日」アジア,大繁栄の「親日」アジア
著者 長谷川慶太郎
発行所 PHP
発行年月日 2014.09.01
価格(税別) 1,400円

● 反日アジアとは,中国,韓国,北朝鮮。親日アジアとはASEAN,インド,バングラディシュ。著者の主張はタイトルのとおり。
 副題は「そして日本経済が世界を制する」。

● 最近の著書で中国は崩壊すると警鐘を鳴らしている。それがいよいよ間近に迫ってきたと指摘。韓国については,これまでよりも批判の舌鋒が鋭くなっている。
 朴槿恵は中国に媚びを売るような外交をやめることもない。中国とアメリカを両天秤にかけるような韓国の姿勢は,中国からつけ込まれ,アメリカからは取り返しのつかぬほどの怒りを買うことになるであろう。このような動きをアメリカが許すはずはない。(p74)
 韓国では,実体経済が傾き始めた。ウォン安防衛のために外貨を売る動きもあり,外貨不足による決済不能になる恐れも出てきた。(中略) 外貨不足になれば一九九七年のときと同じように,韓国経済は深刻な危機を迎える。 だが,ここまで反日の気運を高めておいて,どの面を下げて日本の支援を仰ごうというのか。(p108)
● ウクライナ問題については,アメリカの経済制裁が効果を発揮し,最終的にプーチンが折れると予想。
 クリミア半島には,ウィークポイントがある。それは,水と電気の供給をウクライナ本土に握られていることである。(中略)200万人に毎日水を供給するにはロシア中のタンクローリーをすべて使ってもとても足りない。そういう制約があるということを認識しておく必要がある。(p156)
 アメリカは軍事的な手段は使っていないが,金融制裁と情報監視によってロシアを締め上げている。ロシアへの制裁はボディブローのようにじわじわと効いてくる。ウクライナ問題で,最後に音を上げるのはロシアのほうであろう。(p162)
● 「人間の能力はどの国の人でもそれほど変わらないので,高度な技術を導入して競争によって力をつけたほうが勝ち抜いていく」(p182)。
 その高度な技術はどこにあるか。日本にある。ゆえに,日本経済はこれから世界を制するのであるし,日本に反目する国家には繁栄はないのである,ということ。

2014.08.17 番外:快走!大人の自転車旅

発行所 学習研究社
発行年月日 2009.08.07
価格(税別) 1,143円

● 栃木県の日光や黒羽も紹介されている。面白そうなコースは自分の地元にもけっこうあるんだと思う。ポタリングに向いているところ,サイクリングに向いているところ。
 坂道フェチにも満足してもらえそうなところなら,枚挙にいとまがないほどありそうだ。

● 一度走ってみたいと思ってるのは,自宅を出て北に進路を取り,日光から足尾に出るコース。もちろん,日足トンネルは通らないで,旧道を登って細尾峠を越える。
 足尾からはひたすら渡良瀬川に沿って,渡良瀬遊水池を経て,古河に出る。古河からは,新4国の側道を走って自宅に戻る。

● 桐生から藤岡までは渡良瀬川の堤防がサイクリングロードになっているのではなかったか。しかも,下り。足尾までは登りなので,そこさえ超えられれば,実質的に行程の3分の2は終わったようなものだ。
 当初は1日コースとして考えてみたんだけど,自分の体力を忘れていた。1泊してもいいと思う。

● 安曇野のページに,ワサビ丼というのが写真入りで紹介されていた。どんぶりにご飯をよそって,カツ節ときざみ海苔,万能ネギを載せる。そのうえにワサビを摺りおろす。醤油をかけて喰う。
 旨くないわけがない。モドキなら自分でも作れそうだ。やってみよう。

2014.08.17 番外:自転車と旅 vol.7 ニッポン極上の旅

発行所 実業之日本社
発行年月日 2012.05.24
価格(税別) 933円

● 巻末の連載記事。今回は,厳寒の北海道をキャンプツーリングするというもの。MTB用のスパイクタイヤがある。それをはいて,冬山登山の装備を用意すれば,やれる。
 ホテルに泊まる旅行では味わえない風景や空気があるに違いない。

● そうだとしても,これはもう冒険の域で,誰でもおいそれとやれるものではないでしょ。そうとわかりながら,やってみたいな,やれたらいいな,と思わせる魅力がある。
 ほんとになるのかと訊かれたら,いいえと答えると思うけど。

2014年8月19日火曜日

2014.08.16 吉田友和・松岡絵里 『世界一周デート 怒濤のアジア・アフリカ編』

書名 世界一周デート 怒濤のアジア・アフリカ編
著者 吉田友和
    松岡絵里
発行所 幻冬舎文庫
発行年月日 2013.04.10(単行本:2005.03)
価格(税別) 724円

● 新婚旅行が世界一周。今では紀行作家として高名な吉田さんは,これが初めての海外。したがって,奥さんの絵里さんがリード役。
 ほかにも同じようなことをして本を出した夫婦が何組かはいたんじゃないか。でも,現在も残っているのは,この夫婦だけだろう。文章を書けないといけないわけで。

● その文章なんだけど,デビュー作ですでに現在と同じ完成度。そうなのかぁ,やっぱこういうのは才能なんだなぁと思ったんだけど,文庫化にあたって加筆修正ではすまないほどの手を加えているらしいから,その影響もあるのかもしれない。
 旅をしながらホームページにアップし続けた。それが本書の元になった。まだブログはなかった頃。

● そのホームページがハブになって,読者からいろんな情報が寄せられたり,旅の途中で会うことになったりっていうことがあったらしい。
 今ならもっと簡便な手段で同じことができるんだろうけど,簡便ではないにしても,当時も今と同じことができていた。

● 新婚旅行でこんなことをしたら,帰国を待たず離婚することになるんじゃないかと思ったりするんだけどね。始終一緒にいるわけだから,一年もすれば倦怠期に入るんじゃないか。
 著者夫婦はそういうことにはならなかった。旅に関する技量が夫下婦上(?)だったことも幸いしたんじゃなかろうか。これが拮抗していたら,けっこう危ういんじゃないかなぁ。
 逆の作用もあるのか。助け合わなければならない局面が多々あるんだろうから。

● 内容は面白いの一語。活きがいいし,躍動感があるし。
 これを読んで自分も旅に出たくなったかというと,それは全然。ここまで書かれていれば,この本を読めばいいので,実地に出かける必要はないなと思ってしまう。

2014.08.16 番外:自転車と旅 vol.6 沖縄をめぐる旅

発行所 実業之日本社
発行年月日 2012.02.29
価格(税別) 933円

● 沖縄はさすがに観光地にことかかない。リゾート地でもある。写真主体の広告連動記事は写真だけをパパッと見ていったが,それで3分の2は終了。
 一番魅力を感じたのは国道58号を起点から終点まで走るというもの。それでも距離は120㎞あまり。1日コースだ。

● 一度,沖縄でレンタカーを借りて名護市から美ら海の水族館まで走ったことがあった(短い距離だった)。驚いたのは,皆さん,スピードを出さないでゆっくり走っていることだ。これなら自転車でも安心して走れそうだと思った。

● しかし,58号を往復はしたくないから,片道は輪行ってことになるんだけど,自転車を積める公共交通機関があるのかどうか。実際には,58号を含めて沖縄一周というのが現実的かなぁ。

● その前に,ちゃんとした自転車を用意しないと。輪行を考えると折りたたみ式がいいなと思う。でも,けっこう走ってくれるやつ。具体的にはジャイアントのMR-4R。15万円。

2014年8月18日月曜日

2014.08.15 吉田友和 『ヨーロッパ鉄道旅ってクセになる!』

書名 ヨーロッパ鉄道旅ってクセになる!
著者 吉田友和
発行所 幻冬舎文庫
発行年月日 2013.07.05
価格(税別) 533円

● 「国境を陸路で越えて10ヵ国」が副題。ユーレイルセレクトパスを使って欧州を巡る旅行記。

● ヨーロッパといっても外国だもの,順調に次ぐ順調とは参らない。「トラブルだらけの旅だった」というのだが,そのトラブルを詳細に書きこむことはしていない。読者に不愉快を共有させるようなことは避けている。
 全体をおおうのは,著者の育ちの良さのようなものだ。

● 本書もまた面白く読んだ。この調子でどんどん出してほしいと思うんだけど,この調子だけだと書いている本人だって,いずれ飽きがくるのではないか。
 週末旅というコンセプトのもとに出された一連のものは一世を風靡したけれども,すでに役割を果たし終えたように思われる。
 今後の営業方針をどうするか,けっこう悩ましいところではないかと推察する。

2014年8月15日金曜日

2014.08.14 吉田友和 『LCCで行く! アジア新自由旅行』

書名 LCCで行く! アジア新自由旅行
著者 吉田友和
発行所 幻冬舎文庫
発行年月日 2012.07.05
価格(税別) 648円

● 副題が「3万5000円で7ヵ国巡ってきました」。「単純往復ではない,周遊型の旅行を体験するならまずはアジアはどうだろうか。そのためのツールとして,LCCという便利なものを使ってみてはどうだろうか,という実践的かつ提案型の本」(p322)。

● ぼくといえば,ひとりで海外旅行ができるというだけでたいしたものだと思うレベル。海外一人旅はぼくにも経験はある。初めて海外に行ったのは韓国だったんだけど,そのときが一人旅だった。
 韓国にはその後,もう一度一人で行ったんだけど,まぁ内側に萎みっぱなしの専守防衛の旅行になってしまった。

● 幸いにというか,不幸なことにというか,奥さんが外国大好き人間で,結婚後は彼女がコンダクターになってくれた。彼女の後をついていく旅行を何度かすることになった。おかげで,旗持ち人の後を歩くタイプの旅行はしたことがない。
 ただし,「単純往復」以外の旅行は経験がない。

● もう20年以上前になるけど,岸本葉子さんの『わたしの旅はアジアから』を読んだことがある。当時は,海外旅行といえばハワイとかヨーロッパが普通で,アジアっていうとオヤジがつるんで買春に出向くところというイメージだったろうか。そこに若い女性が“アジアから”というタイトルをひっさげて登場した。
 のだったのかどうか。もう記憶もおぼろなんだけど,とにかく今はソウルでもバンコクでも台北でも香港でも,日本人の女性が普通に旅行している。

● 本書でも何度か言及されているけれど,IT化の恩恵でホテルの予約などはだいぶ楽になっているようだ。航空券の手配もしかり。
 昔は,航空券は香港かバンコクで買え,国内の何分の一かの値段で買えるから,などと言われたものだけれども,これも文字どおり,今は昔の話。

● 本書は単純に面白い。何よりありがたいことだ。著者の吉田さんはひょっとしたら紀行作家として一番の売れっ子になったのではあるまいか。
 しかし,今は何でも使い捨てにされる時代だ。タレントや芸人だけではなく,作家もしかり。この業界で生き残っていくのはずいぶんとシンドイことだろう。

2014年8月14日木曜日

2014.08.14 番外:自転車と旅 vol.4 ぶらりローカル線+自転車の旅

発行所 実業之日本社
発行年月日 2011.07.22
価格(税別) 1,143円

● 広告連動記事ももちろんあるけれども,パラパラと見ていくと,たとえば北海道を走ってみたいなと思うし,こういう自転車欲しいなぁと思ったりする。

● でも,今はとにかく,毎日自転車に乗るようにすること。通勤を自転車ですることだ。ここが問題だ。つまり,なかなかできないから。
 ここを頑張って習慣にしてしまえば,それがトレーニングにもなるだろうし,自転車に乗る体になるんだと思うんだけどね。

● でもって,体重も減り,Tシャツも着れるようになって,血糖値や尿酸値も安定し,いいことづくめになると思ってんだけどねぇ。

2014年8月13日水曜日

2014.08.13 番外:サイクリストsnap 自転車乗り95人の仕事と持ち物

書名 サイクリストsnap 自転車乗り95人の仕事と持ち物
編者 今坂純也
発行所 枻出版社
発行年月日 2013.12.10
価格(税別) 900円

● 疋田智さんの『だって,自転車しかないじゃない』にもちょこっと出てくるんだけど,運動神経があまり良くない人(小中学校の体育の成績が良くなかった人)でもできるスポーツが自転車だ。
 楽しみ方が多様だからだ。1日に100㎞を走る程度だったら,性別・年齢を問わず,誰にだってできるだろう。

● じつはもうひとつあると思っていて,山登りがそれだ。これもエベレストに挑めるのは選ばれた人だけだろうけれど,普通に登山とかトレッキングが趣味だという人は,たいてい運動音痴なのではないかとにらんでいるんだけどね。

● ここに登場する人たちの中にもそういう人がいるかもしれない。が,写真で登場するくらいだから,いずれも素晴らしい自転車だし,装備も相当だ。
 なかなか追随するのは難しそうだ。ま,追随する必要もないわけだけどさ。

● 世の中にはママチャリのサドルをあげた程度で,100㎞くらい楽に走る人もいる。ロードバイクだのクロスバイクだのの必要を感じなければ,それでガタガタ言われることは何もない。
 自転車に関する初心者向けの書籍や雑誌やムックには,自転車は専門店で買え,最低でも7万円程度の自転車にしなさい,修理グッズや工具は百均にもあるけれども質が悪いから使わない方がいい・・・・・・と,こうるさいことが書いてある。
 小姑か,おまえは。大きなお世話だ。ぼくは全部,その逆をやっている。困っても自己責任だ。文句あるかってなものだ。

● が,乗っているうちに,それなりにいい自転車が欲しくなるものでしょうけどね。ぼくはまだそうなっていないんだけど,乗りこみが足りないのかもしれない。“しれない”じゃなくて,間違いなく足りない。
 本書に登場している人たちを仮想ライバルに見立てて,自転車に向けて自分の背中を押さないといけない。

2014年8月12日火曜日

2014.08.12 田村 浩 『自転車で1日500㎞走る技術』

書名 自転車で1日500㎞走る技術
著者 田村 浩
発行所 実業之日本社
発行年月日 2014.06.30
価格(税別) 1,600円

● 自転車の世界にブルベっていうのがある。定められた時間内に定められた区間を走行できるかっていうゲーム。200㎞,300㎞,400㎞,600㎞。もっと長いのもあるらしいんだけど,一応,この4つがスタンダードで,同一年に4つとも成功すればSR(スーパーランドナー)の称号(?)が授与される。
 で,SR,オレも欲しいよぉ,と。

● ところが,200㎞くらいならまだ想像がつくけれども,400㎞だの600㎞になると,これはもう一部の強靱な体力と運動能力の持ち主にしかできない技でしょと思えてくる。
 いや,案外そうでもないんだよ,というのが本書の説くところ。

● とはいえ,「一日で100㎞を楽に走ることができる実力を身につけてから,ブルベの参加を検討しよう」(p144)ということ。それはそうでしょうね。
 そうではあるんだけれども,体力や運動能力よりも,自転車の性能や装備の方が重要というのが著者の意見。あとは経験。
 必要なのは,体力でも才能でもないと筆者は考えたい。もっと大切なのは,経験と自転車の性能,そしてウェアなどの装備である。(p10)
 こうした疲れや痛みに対して,我慢や慣れでなんとかしようという人が多い。しかし,サイクリングにおいて,我慢は禁物だ。走るのがつらくなってしまえば,趣味として長続きしないだろう。(p63)
● 自分にもできそうな気にさせる。「一日で100㎞を楽に走ることができる実力を身につけ」るのが,じつはけっこう大変なんじゃないかとも思うんだけど。
 ところで,ネットをググッていたら,200㎞をママチャリで完走した人がいると書いている記事に出くわした。これは乗り手の体力がすごすぎるってことでしょうね。

2014年8月11日月曜日

2014.08.10 疋田 智 『だって,自転車しかないじゃない』

書名 だって,自転車しかないじゃない
著者 疋田 智
発行所 朝日文庫
発行年月日 2013.05.30(単行本:2007.08)
価格(税別) 780円

● 『それでも自転車に乗り続ける7つの理由』(朝日新聞社)を加筆・修正したもの。その元版は読んでいない。
 とはいえ,疋田さんのものは『自転車通勤で行こう』以来,わりと読んでる方(だと思う)。メルマガも読んでるしね(ネットに公開されたバックナンバーを)。

● 読むようになったキッカケは4年前に自分も自転車通勤を始めたことにある。その前に『自転車通勤で行こう』を読んでいて,それに背中を押されるようにして,自転車に乗るようになったのだったかもしれない。
 ところが,ここ2年以上,自転車に乗ることがなくなってしまった。そうなると,現金なもので,メルマガも読まなくなるし,本も買わなくなった。
 こうして,また読みだしたのは,再び自転車に向かおうと思っているためだ。

● 本書は自転車に関するよろず屋的なもの。自転車の歴史から交通法規の問題まで。自転車の歩道通行については,上のメルマガで執拗に警鐘を鳴らし続けていましたね。
 著者の強みは独自の文体を獲得していること。ブログでも独自の文体を見かけることはしばしば以上にあるんだけれども,たいていは“このバカがっ”と吐き捨てたくなるものだ。言うも愚かながら,著者の文体はそうした凡百の独自とは一線も二線も画している。

● ところで,著者の疋田さん,TBSのプロデューサーであって,これだけで相当な激務なんでしょ。それに加えて,自転車というライフワークを見つけてしまった(自転車につかまってしまった)。多くの著書を出し,ネットでも発信し,雑誌にも寄稿する。
 遊ぶ暇なんてないんでしょ。寸暇を惜しむ生活をしているんだろうな。奥さんが音をあげることはないのかなと,余計な心配をしたくなる。

2014年8月10日日曜日

2014.08.09 石田ゆうすけ 『道の先まで行ってやれ!』

書名 道の先まで行ってやれ!
著者 石田ゆうすけ
発行所 幻冬舎文庫
発行年月日 2013.07.05(単行本:2009.07.25)
価格(税別) 600円

● 副題は「自転車で,飲んで笑って,涙する旅」。単行本は一度読んでいる。文庫化にあたってかなり筆を入れたらしいので,文庫本も読んでみることにしたもの。『行かずに死ねるか!』と同じ事情。

● その『行かずに死ねるか!』と比べると,面白さは少し劣るかもしれない。いや,面白いのだ。読み始めたら途中でやめるのは難しいくらいに。
 ただ,『行かずに死ねるか!』の笑いや涙は,たくまざるものだった。対して,本書では最初からそれを求めてしまっているというか。その結果,若干ながらあざとさが見え隠れするようなところがある。

● はるか昔のことになるけれど,坂口謹一郎さんの『世界の酒』と『日本の酒』を読んだことがあった。『世界の酒』の方が読んでいる分には面白いのだ。
 それと対比するのもどうかと思うんだけど,はやり世界を舞台にしたものの方が面白くなるようだ。こちらの好奇心をくすぐる度合いが違うのだろう。

2014年8月8日金曜日

2014.08.08 石田ゆうすけ 『洗面器でヤギごはん』

書名 洗面器でヤギごはん
著者 石田ゆうすけ
発行所 幻冬舎文庫
発行年月日 2012.07.05(単行本:2006.11)
価格(税別) 648円

● 自転車世界一周を素材にしたこれが3冊目。旅の間に食べたものと,それが供された状況を絡めて,ときに洒脱に,ときにシリアスに,ときに面白おかしく,語られる。
 面白さ無類。何を面白いと思うかは人によって違うとしても,本書の面白さはあまり人を選ばないのではないか。

● すごいところは,上から目線が皆無に近いこと。読者に対しても,作中に登場する様々な人たちに対しても。
 時々の状況に対する反射神経の良さも印象的。どうすればこんなふうにできるのか。

● 食味に関する表現の豊穣さも魅力。自分でもかなりのレベルで料理をする人じゃないと,これは書けないよなと思うところがいくつもあった。
 食を書いて秀逸な人って,たとえば開高健がいるし,阿川弘之がいるし,池波正太郎がいる。それらの大家に対しても,たぶんヒケを取らない。いや,ひょっとすると石田さんの言い回しの方が,地に足が着いているようにも思われた。食べているモノと場所の違いによるのかもしれないけれど。

● 自分は食べることを粗末にしてきたなと思った。食事なんて給餌でいいじゃんと思ってた時期もあるし。エサで何の文句があるんだ,みたいな。
 一般にもダイエット流行りで,食べることを敵対視する風潮がないわけでもないように思う。いいものを少なく,っていうのも,どこか違うような気がする。

● 700円で本書を読む数時間が買える。かなり安い買いものっていうか,お得な買いものだったと思う。

2014年8月7日木曜日

2014.08.06 石田ゆうすけ 『いちばん危険なトイレといちばんの星空』

書名 いちばん危険なトイレといちばんの星空
著者 石田ゆうすけ
発行所 幻冬舎文庫
発行年月日 2010.07.10(単行本:2005.02)
価格(税別) 600円

● 自転車で世界を一周して,その紀行文を出す。そうして出された紀行文はけっこうあるんじゃないかと思う。その中で初めて読んだのが『行かずに死ねるか!』だった(と思う)。
 とても幸運だった。その後,いくつか読んでみたけれども,ぼく的にはこれが一番面白い。ここまで書かれてしまうと,後に続く人はなかなか大変だろうな。

● この本は,その自転車世界一周から,数々の世界一(だと著者が思うもの)を集めた。もちろん,何が世界一なのかはどうでもよくて,それらをめぐる著者の文章を味わえばいい。

● なぜ面白いのか。第一に先を急がないこと。おもうさま寄り道する。第二に自身が面白いこと。第三に,人見知りしないこと。面白い人は面白い人を引き寄せるのだろう。したがって,面白い出会いが次から次へと起こる。
 第四に,舌の感覚が優れていること。料理好きでもあるらしい。メシが美味いか不味いかは,訪れた先の印象の形成に決定的といってもいいほどに作用する。この食に特化した『洗面器でヤギごはん』も著者は書いている。明日,読むつもり。とても楽しみだ。

● 著者は高校では陸上部だったらしい。運動能力が高いんでしょうね。じつは,これが最も大事なことかもしれないな。これがないと寄り道を億劫がるかもしれない。
 っていうか,これがなかったら自転車で世界一周の旅に出るなんて,端から考えないだろうし。

● 以下にいくつか転載。
 握手をしたあと,彼はギコギコを音をたて,コートジボワールに向かって走り出した。けっきょくビザを持たずに。何度か説得したのだが,彼は「大丈夫大丈夫,なんとかなるよ」と笑って取り合わなかった。 おそらく,リーさんは国境で追い返されるだろう。そして,これからもさんざん無駄足を踏み,道に迷い続けるのだろう。でもぼくは,そんな彼に羨望のようなものを抱いていたのだ。 道の上に棒を立てて,倒れた方向に歩いていく。子どものことに抱いていた旅のロマンを,彼に姿に重ねて見ていた。情報収集に努め,効率的に旅をすすめようとするぼくなんかより,ずっとのびのびして,自由ではないか。(p218)
 旅の質を重視するなら期間は長くてもせいぜい一年が限度じゃないだろうか。 旅が長くなればなるほど,言い方を変えれば,毎日変化だらけの日々がつづけばつづくほど,感受性はすり減っていくように感じられる。(p273)
 これだけ空漠とした“無”の世界では,もしかしたらすべての感覚が崩れだすのだ。そして,脳は常識の枠から解きはなたれ,際限なく自由になる。そう。もともとこの世界には,“色”も“形”もないのだ。すべては自分の脳がつくりだしているのだ。だから,自然も,町も,人も,国だって,いくらでも形を変え,色を変え,そして,広がっていく・・・・・・。(p307)

2014年8月5日火曜日

2014.08.05 石田ゆうすけ 『行かずに死ねるか! 世界9万5000㎞自転車ひとり旅』

書名 行かずに死ねるか! 世界9万5000㎞自転車ひとり旅
著者 石田ゆうすけ
発行所 幻冬舎文庫
発行年月日 2007.06.10(単行本:2003.10.26)
価格(税別) 600円

● 単行本は3年前に読んでいる。たぶん読み返すことになるだろうなと思った。ところが,文庫化するにあたって,大幅に書き改めたという。ということならば,文庫も読んでみるしかないでしょ。

● 自転車で世界一周するというのは,それだけで冒険の域に達していると思う。実際,著者は生命の危機にも遭遇している。
 が,本書は冒険譚ではない。旅の途中で何度も体験した短い邂逅と別れを丹念に積み重ねていったものだ。

● 魅力的な人物が次々に登場する。その中から一人あげろと言われれば,「エイコさん」ですかね。12歳のときに骨肉腫で片足を切断。義足をつけている。
 口絵に彼女の写真が掲載されている。美人とか可愛いとかじゃなくて,「いい女」なんですねぇ。このとき32歳だったとすると,そろそろ50歳になるんでしょ。美人に経年劣化は付きものだけれども,「いい女」は年齢の影響を受けないと思いたいですな。

● ペルーで強盗に襲われ,身ぐるみはがされたあと,アメリカンエキスプレスのリマ支店で,トラベラーズチェックの再発行を要求する場面も面白い。
 理屈にならない理屈で拒否される。日本でも支払うべき保険金を支払わないですませる業界慣行がマスコミを賑わせたことがあったけれども,アメリカンエキスプレスも同様だ。
 いかにもありそうなこうしたトラブルにも,ユーモアを振りかけて文章にしている。

● アメリカのモニュメントバレーとグアテマラのティカルが,著者にとっての自然景観と人工造作物の第一になったようだ。いずれも,旅の早期に出逢っている。
 そういうものだろうなと思う。旅行者の感覚が旅に慣れていない間が勝負なんでしょうね。この種の出逢いは。

● ひとつだけ転載。
 彼は二年前,世界一周の旅に出た。(中略)その旅では時間の余裕がなかったため,どこにも寄り道せずに最短距離を走ったらしい。そして南米最南端,ウシュアイアにゴールしたとき,「これは俺の旅じゃない」と思った。 そこでいったん日本に帰って一から資金を貯め,今度は「大陸縦断」といった形を気にせず,好きなところを好きなように走るという自由なスタイルで旅を仕切り直すことにした。(p76)
 世界一週とか大陸縦断と謳うと,大向こうに受ける。受けるけれども,受けても仕方がないわけで,要は自分本位を貫く。そうでなくちゃね。
 自分本位がいい結果を生むかどうかはわからない。どっちにしたってやってみなくちゃわからない。わからないんだったら,自分本位がいい。

2014年8月4日月曜日

2014.08.04 中西大輔 『放浪哲学』

書名 放浪哲学
著者 中西大輔
発行所 SBクリエイティブ
発行年月日 2014.07.14
価格(税別) 1,500円

● 副題は「11年かけて130カ国15万キロの自転車ひとり旅」。日本を発ったのは28歳のとき。旅を終えたのは39歳のとき。
 学生のときから追手門学院大学の「ニューサイクリング部」でツーリングの経験を本格的に重ねていた。それにしてもなぁ。こういう人が日本にもいるっていうのが,何がなし嬉しくもあり。

● この自転車旅で植村直己冒険賞を受賞した。実際,これは間違いなく冒険で,ひとつ判断を間違ったら命を落とすような局面に何度も遇っている。
 ダリエン地峡は,麻薬密売ルートや反政府ゲリラの拠点としても知られるジャングル地帯だ。この地峡を命の危険を冒して踏破した勇敢な先人旅行者の話を聞いて奮い立つが,日本大使館の人からは「決して通らないように」と厳命された。それでもいこうかと思ったが,結局,断念した。(p66)
 砂地に沈み込むタイヤはビクとも動こうとしない。沈んだタイヤの下に鉄板をかませるが,波の周期のほうが砂をかき出すより早くてうまくいかない。波はドアにたどり着くほどに高くなってきた。(中略) 自動車が完全に沈んでしまう前に,車内の荷物や自転車などを外に持ち出さなければならないが,ここにいる黒人たちに盗まれるのは目に見えている。万事休すか。(p148)
 自分はこうした判断を間違えないで,自転車に乗り続ける自信はまったくないなぁ。

● ひたすら自転車を漕いで前に進んでいく。それだけを書いたのでは作品にならないこともないだろうけれども,なかなか起伏はつけずらいのではないか。
 作品として面白くするのに恰好なのは,現地の人たちや旅先で知り合った人たちとのやり取りだろう。これが豊富にあると面白い読みものに仕上げやすいだろう。
 問題は,それができるだけの社交性があるかどうか。ここのところも,ぼくは自信がないなぁ。
 それからは金欠だからと暗い顔をするのはやめ,笑顔でいることに努めた。道ゆく人たちと目が合えば,こちらから笑顔で話しかけてみる。そうしていると,それまで以上に人々と接する機会が増え、地元の人たちからさまざまな手助けを受けることになった。(p257)
● その旅先で出会う人たちのホスピタリティの厚さに驚く。そういう人たちが何度も登場する。どうしてここまでできるんだと思うような人たち。
 自分だったらここまで親身に面倒をみれるだろうか。これまたまったく自信がない。関わらないですませようとしてしまうだろう。

● こういう旅をしてみたいという憧れはある。あるけれども,自分にはとうてい無理だろう。冒険という以前に,この旅を敢行するために著者が捨てたものは気が遠くなるほどに膨大だ。
 それだけの決断ができる人なんて,そうそういないとしたものだろう。せいぜい,その人たちが著した本を読んでその渇を癒やすといったあたりにとどまる。

● でもやってみたいよなぁ。何年も続けるのは無理だから,もっと細かく刻んでね。著者がやったようなモンブランやキリマンジャロの登攀なんてのは無理に決まっているから,そういう無謀なことは試みないで。危険なところには近寄らないようにして。世界遺産なんぞどうでもいいから,そのためにわざわざ遠回りするなんてこともしないで。厳密な世界一周じゃなくていいから,自転車で世界を走ってみたい。
 いわゆるひとつの夢。

● ひとつ不思議なことが。一人旅のはずなのに,走行中の写真があるのはなんで?
 知り合った人に撮ってもらうんですかねぇ。お互いに撮りあってってことをするんでしょうかね。

2014年8月3日日曜日

2014.08.02 長尾藤三 『おじさん自転車革命』

書名 おじさん自転車革命
著者 長尾藤三
発行所 五月書房
発行年月日 2001.08.28
価格(税別) 1,400円

● 13年前の刊行。当然,書店には並んでいない。ヤフオクで購入した。

● 本書のテーマは豊かな老後ですかねぇ。印象的なのは表紙の写真。たぶん,著者の書斎というか一人になるための部屋の写真。
 壁に自転車を吊して,オーディオセットとCDのラック。CDもギッシリあるんじゃなくて,少し。椅子はあるけど,机は写っていない。余計なモノがなくてスッキリ片づいている。撮影のためにバタバタと片づけたのかもしれないけどね。
 ゆったりと上品な空間なんですねぇ。生活自体が形になっているんだろうから,自分もゆくゆくはこういう部屋でくつろげるようになれればなぁと思いましたよ。

● 以前,著者の『快感自転車塾』だか『熱愛自転車塾』だかに,ドロップハンドルはできるだけ下ハンを握るようにしろと書いてあったのを憶えている。自転車に乗り始めて間もない頃だったので,そうなのかと思って実行してみたんだけど,とてもじゃないけど続かない。
 今じゃ続かないのが道理だとわかるんだけど,当時は,自転車って大変なんだなと思った。

● 以下にいくつか転載。
 ちょっと古いマイナーな名作というのは,けっこう人生を考えさせたりするから,こうしてヒマつぶしのように見える映画見物で,おじさんたちは改めて人生哲学を学んでしまっているのだろう。どうして若いときから,働きながら少しはこういう時間も持てなかったのだろうなどと,きっと思っているに違いない。(p46)
 さびしい老後なんて,とんでもない。オレたちがしているのは,地球と仲よく暮らす21世紀型のライフスタイルの先取りなんだぞ。しかも,超高齢化時代に向かって,ひとりで元気にキゲンよく遊べる年寄りというのは,全国民の理想像だ。よし,カッコイイジジイになってやるぞ(p48)
 この街(ニューヨーク)には,はっきりした意思が感じられるのです。向上したい,カッコよくなりたい,認められたい。そのための努力をおしみなくする空気が,心地よい緊張感を生んでいるのでしょう。(p85)
 外国でいうならアレックス・モールトンのような自転車。気品があって,センスがよくて,けっこうよく走る。値段も超一流だけど,仕上げや存在感も超一流で,それに乗っているというだけで人物評価がランクアップしそうな一台。これは難しいよ。技術があっても,思想や文化や教養がないと創れない。乗り手だって,相当な人格やカラダ的資格を要求されるのだ。(p89)
 服のセンスやなんかも含めて,スッキリと洗練されていてサッソーとした人には,なかなか出会えません。日に2~3人もいればラッキーなほう。顔の美醜,老若男女に関係なく,見ているだけでこちらまでシャンとする人が,ほんとにたまにいて,これは大きな歓びです。(p136)
 世界一恵まれているはずの日本なのに,いつからこんな不機嫌大国になっちゃったんだろう。(中略)不機嫌にしていていちばん不愉快な思いをするのは,他ならない自分自身じゃないのか。暗く沈んだ気分を抱きしめていても何も解決しない。(p194)
 ボクの印象では,カラダを動かすことの少ない仕事をしているやつほどキゲンが悪い。(p196)
 カラダがグニャグニャは,魂がグニャグニャ。カラダがうつむいているのは,ココロのうつむき。カラダのぜい肉は,ココロのゼイ肉。魂のまわりに厚い脂肪がついていては,見えるものも見えないでしょう。肺という内臓にニコチンのタールがついていては,いい空気が吸えないばかりか,心も半分閉じているような状態でしょう。(p219)
 経済の原理で動くなら,速さや損得が何より大切でしょうが,動物の感覚で動くなら,快不快が最優先です。 自転車という「ご本尊」を得てから,ボクは進歩に遅れることがこわくなくなりました。自分の肉体が何万年前とほとんど変わらないのだから,生活だってそんなに変わらなくたっていいじゃないか。そういう開き直りができるようになりました。しかもそれは決して悲痛でも決死でもない。その正反対の爽やかで清々しい気持ちなのです。ボクにはむしろ最先端を追いかけている人たちのほうが,必死でお気の毒に思えてくる。(p224)
● フツーでたまるか,という言い回しが出てくる。若い頃からバイクに乗ったりと,フツーであることを拒否してきたようだ。とはいっても,有能なサラリーマンでもあったのだろう。
 実際のところ,どうなんだろう,定年前の現役時代から経済原理に背を向けて,「最先端を追いかけている人たちのほうが,必死でお気の毒に思えてくる」とすませていられるかだな。
 快不快原則の貫徹は老後の楽しみにとっておくしかないのかもな。