2014年2月28日金曜日

2014.02.28 立入勝義 『世界を変えたソーシャルメディア革命の落とし穴』

書名 世界を変えたソーシャルメディア革命の落とし穴
著者 立入勝義
発行所 日本文芸社
発行年月日 2012.07.20
価格(税別) 1,200円

● 第1章の途中まで読んだところでやめようかと思った。が,こらえて通読。
 あまり意味があるとも思えない箴言の引用。結局何を言いたかったのだ? SNSを通して人生を説きたかったのか。

● と悪態をついてみたけれど,後半からだんだん面白くなってきた。SNSを勧める内容になっているんだけど,勧める勧めないに関わらず,読んでて面白いものじゃないとね。

● 拳々服膺しなければならない引用をひとつ。
 ソーシャルメディアはほとんどを無料で使えるという敷居の低さがウリなのですが,それは逆に時間がある限りそれをソーシャルメディアに費やしてしまうという結果を生むことがあります。(p260)

2014年2月27日木曜日

2014.02.26 永江 朗 『平らな時代 おたくな日本のスーパーフラット』

書名 平らな時代 おたくな日本のスーパーフラット
著者 永江 朗
発行所 原書房
発行年月日 2003.10.04
価格(税別) 1,900円

● 本書は次の10人に永江さんが行ったインタビューをまとめたもの。
 ホンマタカシ:写真
 アトリエ・ワン(塚本由晴 貝島桃代):建築
 堀込高樹(キリンジ):音楽
 会田 誠:美術
 佐倉 統:進化論
 柏木 博:デザイン
 角田光代:文学
 古屋兎丸:漫画
 中野裕之:映像
 YAB-YUM(パトリック・ライアン 吉田真実):ファッション

● このインタビューの動機は「あとがき」に書かれている。「おたく世代以降は世界の認識のしかたが違う」「おたく世代以降に世界はどのように見えているのか,そしてそこから何をどう表現しようとしているのか,尋ねてまわるような本はできないだろうか」ということ。
 したがって,比較的若い人たちが登場することになる。

● 社会がどんどん豊かになることとは,機械の普及と同義だろう。人間がやっていたことを機械がやってくれるようになる。したがって,人があまる。労働しなくても喰えるようになる。
 そうなると,ファッションだとか写真だとかデザインだとか,そもそも人生の根幹には関わらない業種が登場し,どんどん社会を浸潤していく。社会に遊びの部分が増えてくる。
 もちろん,いいことに違いない。労働だけで生きていくなんて悲しすぎるっていうか,ぼくは非力なので,戦前に生まれていたら,今よりもっと肩身を狭くして生きなければならなかっただろう。

● 転載を3つほど。
 博物館や美術館は展示になんとか物語性を持たせようとする。彼らは自分を社会教育機関の一つだと位置づけているから,どうしても啓蒙的になりがちだ。大衆を啓蒙するには物語的であることがいちばんだと思っている。私が博物館や美術館のキュレーターなら,作家や作品名のあいうえお順かABC順に展示するのに。(p177)
 実地に体験できることや調査できることは限られています。体験を全体の中で位置づけてマッピングをするためには,文献をガーッと読まなければいけないと思います。(佐倉 p188)
 実際にアフリカに行ってみると,やっぱり貧しいとだめなんですよ。貧しいと素朴ではいられない。ぎすぎすするし,治安も悪いし。(佐倉 p209)
● このインタビューのテープ起こしと原稿作成に使ったのは,ThinkPad1124とThinkPad800だそうだ。現在の著者はMacユーザーだったと思うけど。
 ぼくもThinkPadユーザー。lenovoになってからも,ThinkPadのテイストはそれなりに維持されていると思えるんだけど,昔の無骨な弁当箱のようなThinkPadに対する憧れは今も持っている。その当時は,ThinkPadって高くて買えなかったので。

2014年2月26日水曜日

2014.02.26 番外:保存版 銀座を極める!

編者 高比良公成
発行所 アスペクト
発売年月日 2011.06.04
価格(税別) 838円

● 主には銀座の飲食店を紹介している。保存版といいながら,毎年新しい版が出ているっぽい。この世界は栄枯盛衰が激しいんでしょうからね。

● 田舎人にしてみれば,銀座っていうのは永遠の憧れであり,高嶺の花であり,自分が足を踏み入れていいところじゃないよなぁとおののくところでありますよ。
 といいながら,大衆性も併せ持っているから,ぼくも時々は出かけている。

● 平日に銀座を歩くと,エネルギーをチャージできると思っていた時期もある。休日はお上りさんで埋まるわけだから,あくまで平日。
 背筋を伸ばしてくれる街だと思う。シャキッとした人が多いしね。もし仕事で大きく自信を損なうような出来事に見舞われたときには,銀座療法がいい。銀座を無目的に歩く。その日は帝国ホテルに泊まる。これでだいぶ回復できる。

● 銀座に出る気力も残っていないっていうときは,もしあなたが男性ならば,女性に癒やしてもらうしかない。断言する。それしかない。
 ただし,あなたはたぶんモテないタイプだろう。彼女なんていないかもしれない。
 そのときは(眉をひそめられるのを覚悟で言うけれど)風俗に行くのがいい。ちょっと張りこんで高級店に行くことだ。緊急避難だ。道徳がどうの法律がどうのと言っている場合ではない。あとは時間の助けを借りる。それで乗りきれ。

● 並木通りとパリのシャンゼリゼ,どっちがいい? 比べちゃいけないだろって言われますか。幅員も延長もぜんぜん違うし。そもそもシャンゼリゼは都大路だし。
 ぼくは並木通りを選ぶ。歩いて楽しいのは並木通り。ゆっくり歩くのがいいですな。身の丈にあっている感じで落ち着く。

● 銀座は高級の代名詞。このムックで紹介されている店で,ぼくが入ったことがあるのは,ビアホールの「ライオン」のみ。
 購入したことがあるのは「空也」のもなか。「空也」を何で知ったかといえば,山口瞳さんのエッセイだったと思う。
 鮨屋だのフレンチレストランだのには,そもそも入っていく動機がない。お金がないっていう以前の問題。

2014年2月24日月曜日

2014.02.24 番外:これ1冊で完全理解 新iPad

編者 石井智明
執筆・監修 戸田 覚
発行所 日経BP社
発売年月日 2012.06.02
価格(税別) 933円

● iPadはおろかAndroidのタブレットも使っていない。ああいうものを自分が使っているシーンをイメージすることができない。SONYのXperia Z Ultraには惹かれるけど。
 欧米ではスマホといえば,iPhoneくらいの大きさのが主流であるらしい。ぼくが使用中のGALAXY SⅢは4.8インチだけれども,今のところ,日本では5.0インチが主流っぽい。このサイズだと,スマホとはべつにタブレットを持つのもなぁ,と。
 今どきのPCは起動が速くなったとも聞く。タブレット使うならノートパソコンを持ち歩いちゃった方がよくね?と思ったりする。

● でも,もし使うとすればNexus7のSIMがさせるタイプのやつだな。第二候補がiPad mini。

● ぼくの年代だと,こうしたIT器機はビジネスマシンだっていう呪縛からなかなか自由になれない。遊ぶという発想が弱い。このあたりが問題。
 ぼくはどうもappleが好きになれなくて,パソコンはWindows,スマートフォンはAndroidって決めつけてるんだけど,それもこのあたりに理由があるかもしれない。

● このムックは前にも目を通したことがあって,今回はパラパラと見直した程度。アプリ紹介にページの大半が割かれている。2年近く前の発行だから,この分野では古いといっていいだろう。
 「PostEver」とか「瞬間日記」にちょっと惹かれた。ノートにちょこちょこと書いていることを「PostEver」でやれば,けっこう便利かも。とはいえ,タブレットのソフトキーボードで入力するのはなぁ,と思ったり。

2014年2月23日日曜日

2014.02.23 漆原 宏 『ぼくは,図書館がすき 漆原宏写真集』

書名 ぼくは,図書館がすき 漆原宏写真集
著者 漆原 宏
発行所 日本図書館協会
発行年月日 2013.04.30
価格(税別) 2,800円

● 見慣れた図書館の光景。子供がいて,その母親や父親がいて,受験生がいて,年寄りがいて。
 日本図書館協会の発行だから,皆さん,図書館を利用しましょう,という広報もねらっての出版かと思われるのだけど,その役割は充分に果たしていると思える。

● コンサートホールや公民館,学校,公園など,色々ある公共施設の中で,図書館は最も幅広い年齢層の人たちが,恒常的に集うところだ。
 周辺は公園として整備されているところもあるし,そうではなくても実質的な公園として使えるところが多い。レストランやカフェが入っているところもあるし,そこまでではなくてもロビーに自販機とソファがあって,ちょっとしたカフェ代わりに使えたりする。
 であるからして,図書館とは楽しいところだ。お金を使わずに楽しめるところだ。
 特に,田舎になると,人恋しさを紛らすための恰好の施設が図書館だったりする。

● その図書館が活気づけば,そこから何かが生まれてくるかもしれない。街興しなどという大層なものではなくても,親である自分が息子の友だちと友だちになったり,ご近所の奥さんをガールフレンド(バールフレンドっていう人がいるね)にできたり,っていう。
 人生はそうした小さなことの集積でできているから,その集積に一つか二つを付け加えることができたら,それはそれだけで素敵なことだろう。

● ではあるけれども,図書館を利用する人はあまり多くはない。ぼくも長らく図書館には寄りつかないでいた。
 けれども,せっかく税金を払っているのだから,使わないともったいない。

● 現在の図書館は無料の貸本屋になっていて,しかも利用者は一部の人たちに限られるんだから,そういうものを税金で維持するのはいかがなものかという意見もある。ごもっともな意見だ。
 が,では図書館を閉鎖しましょうということにはなかなかならないだろう。少なくとも,ある間は使わせていただこう。そういう姿勢でいいと思う。

2014.02.22 鈴木コウ 『時間もお金もムダなし! コスパ最強の仕事術』

書名 時間もお金もムダなし! コスパ最強の仕事術
著者 鈴木コウ
発行所 ぱる出版
発行年月日 2012.09.03
価格(税別) 1,400円

● 仕事術というより,軽い読みもの。コスパはコストパフォーマンスの略。
 章立ては5つ。一つめは,企業のお客さま相談室に電話すると,知りたい情報を素速く知れるよ,といったティプス。

● 二つめは百円ショップをはじめ,安くて使える商品のご紹介。
 ダイスキンも推奨。ダイソーではダイスキンの販売をやめて,カバー付きノートに切り替えてたけど,今日行ってみたら,ダイスキン,また登場してましたね。
 実用上はまったく問題ない感じ。これで105円とはあきれたもんだ。
 近くにモレスキンを使っている人がいたらさ,おまえのモレスキンよりオレのダイスキンの方が生産性高いもんね,って言って溜飲をさげるシーンを妄想してるんだけどね。

● 三つめはスマホのアプリ紹介。これはぼくには関係ない。仕事でスマホは使ってないから。紙の手帳派だ。クラウドも使っているところがイメージできない。

● 四つめは,遊びがある商品の紹介。最後が,安くても粗悪品にイライラするくらいだったら,高級品の方が結局は安いよ,っていう話。
 たとえば,能率手帳に革カバーをかけているそうだ。であれば,ノートもダイスキンじゃなくて,A6ノートに革カバーをかけた方がよくないかなぁ。

2014年2月22日土曜日

2014.02.21 永江 朗 『暮らしの雑記帖』

書名 暮らしの雑記帖
著者 永江 朗
発行所 ポプラ社
発行年月日 2007.10.15
価格(税別) 1,500円

● 「狭くて楽しい家の中」が副題。衣食住の質,中身について考えようというもの。
 何でもいいなら考える必要はない。喰えればいい,着られりゃいい,寝られりゃいい,というんだったら,その先はない。

● 著者は次のような人だ。
 便利だけどダサいものを持つよりも,不便を我慢したほうがマシだ。(p23)
 手入れしながら使う。これは包丁に限らず,道具と付き合う基本である。(p76)
 我が家の場合(というよりも正確には妻は)メニューに合わせて食器もテーブルクロスも変える。(p83)
 私はスリッポンの靴も嫌いだ。(中略)嫌いな理由はかかとが安定しないから。(p89)
 筆記具としての機能と品質,そして造形物としての美しさは,値段に置き換えられない。こういう部分で妥協したくはない。(p259)
● 35の読み切りのエッセイ。どこから読んでもOKだ。どれも面白いし,腑に落ちるから。
 最初に双眼鏡で夜空の星を見る話が出てくる。空が星で埋まっているのがわかって世界観が変わる,と。
 星を見るなら天体望遠鏡と短絡するのは,道理を知らない素人なんだね。7~8倍の双眼鏡がいいらしい。新星を発見しようってんなら別だけど。
 双眼鏡が欲しくなった。ぼくは3倍率のオペラグラスしか持ってないので。そのオペラグラスで星空を眺めてみたんだけど,さすがにもの足りなかった。

● この種の話題では,松浦弥太郎さんを逸することはできない。最後に,その松浦さんとの対談(インタビューか)も掲載されている。

● ただ,同時に思う。喰えればいい,着られりゃいい,寝られりゃいい,というのも,それを徹底できれば相当大したものだ。徹底できれば。
 で,そんな人はおそらくいないのだろうね。

2014年2月21日金曜日

2014.02.21 永江 朗 『本を味方につける本』

書名 本を味方につける本
著者 永江 朗
発行所 河出書房新社
発行年月日 2012.07.30
価格(税別) 1,200円

● 「14歳の世渡り術」シリーズの1冊。何が書いてあるかっていうと,本は自由に読めっていうこと。
 自由とはどういうことか。具体的にいくつも例示されている。たとえば,飛び飛びに読む。あるいは,ゆっくり音読する。本をばらす。嫌いな文章を書き写す。写真集をファインダーごしに見る。
 嫌いな文章を書き写すっていうのが斬新だった。

● 他にも,固有名詞を入れ替える,というテクニックも紹介されている。
 本を書き写すとき,固有名詞を別のものに入れ替えてみる。(中略)これはけっこう笑える。(中略)悪人の名前を,嫌いな人のものに入れ替えるとか。(中略) 青空文庫とワープロソフトを使うと,長い小説でも簡単につくりかえられる。青空文庫のサイトから,つくりかえたい作品を選び,テキストファイルをダウンロードする。(中略)ワープロソフトの「置換」などの機能で固有名詞を書き換える。(p161)
● 本書に結論はないんだけど,最も伝えたかったのはここかなと思ったところ。
 本を読めば読むほど,新しい疑問が生まれる。問題を解決するために本を読んでいるはずなのに,本は問題の回答と同時に,その回答の何倍もの新しい疑問を出してくる。(中略)答えを見つけるのではなく,問題を探すこと。それが読書の喜びだ。(p160)

2014.02.20 アラン・ド・ボトン 『旅する哲学』

書名 旅する哲学
著者 アラン・ド・ボトン
訳者 安引 宏
発行所 集英社
発行年月日 2004.04.10
価格(税別) 2,700円

● 先日読んだ,永江 朗『ブックショップはワンダーランド』に紹介されていた本の中で,これならぼくにも読めるかもと思った数少ない中の1冊。
 が,ちょっと難しすぎたかも。

● 本書(の翻訳元)を書いたとき,著者はまだ30代だったか。若い知者のシニカル。これが過剰になるとかえって興ざめるんだけど,それがほどよい。

● 「椅子に座ったままでもじつに気分良く旅行できるというのに,じっさいに動き回ってどんないいことがあると言うんだ?」(ユイスマン『さかしま』から p19)といったあたりから始まる。
 さらに,「この世には期待するもののほかにどんなに多くのものが存在しているか,そのことをわたしたちはともすれば忘れがちになる」(p22)とか,「旅行の危険は,わたしたちが対象となる事物を,間違ったタイミングで見てしまうところにある」(p160)とか。

● でも,著者は実際にあっちやこっちに出かけている。
 特に面白かったのは,第八章「美を自分のものにするために」。ジョン・ラスキンを取りあげて,けっこう熱っぽく語る。ゴッホを取りあげた章もあり,芸術や美と旅の関わりを語って,本書は終わる。
 あらゆる写実的な絵画は,現実のさまざまな特徴のどれを際立たせるか,その選択を表している。(p243)
 風景は一度偉大な芸術家の眼をとおして見ると,わたしたちにとって,もっと魅力的になりうる。(p266)
 ● 154~155ページの見開きに,フンボルトの図版が掲載されているんだけど,度肝を抜かれましたね。開拓者の面目躍如っていうか。こりゃ,並みのこだわりじゃとてもできない。偏執狂という言葉が頭をよぎっていく。

2014年2月19日水曜日

2014.02.19 『世界の夢の図書館』

書名 世界の夢の図書館
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2014.01.15
価格(税別) 3,800円

● 図書館,少なくとも市町村立の公立図書館は,図書館というより無料の貸本屋,無料のCD・DVDレンタルショップになっているのが実態だろう。おそらくだけど,司書は要らない状態ではないかと思う。接客が巧ければいい。
 したがって,図書館を利用する人たちというのも,自腹で本やCDを買うのを厭う人たち,知にケチな人たちなのではあるまいか,と僭越ながら思っている。当然にして,自分を棚にあげて。

● 図書館としての単一機能しか持たないところはむしろ少ない。コミュニティセンターとして整備して,その中に図書館もあるというのが,最近の主流。
 研修室や調理室を備えている図書館もけっこうあって,そういったところは公民館より公民館的な機能を果たしている。子育て支援センター的機能まで担っている。

● 文句を言う理由は何もない。ただし,そうした図書館は本を借りるのにはよくても,読むには不適という印象をぼくは持っている。
 幼児が泣いたり大きな声をだす。中には書棚を使ってカクレンボしてるのかと思うこともある。
 あと,受験生。下手すると彼らが席を独占している。学習室があるとどうしてもそうなる。集中して勉強している生徒はあまりいない。

● まぁ,しかし,図書館にはお世話になっている。とてもありがたいと思っている。図書館はいいものだと思いたい。っていうか,すでにお世話になってるんだから,ぼくにとっては田舎の図書館もいいものなんですけどね。
 図書館を使うようになったのは,ここ10年くらいのこと。それまでは自分図書館の造設(?)にいそしんでたんだけど,だいぶムダなことをしたなぁと思いますね。図書館も使った方がいいでしょうね。

● が,ぼくが知っているのはせいぜい県立図書館までであって,日本国内にはぼくの想像を超えるユニークな図書館がかなりの数,あるに違いない。
 これが世界となると,どうか。

● 図書館の起源を辿ると修道院に行くのだろうか(本書にも修道院図書館がいくつも紹介されている)。活版印刷が普及する前,本はすべて稀覯本だった。庶民の多くは文盲で,本は聖職者と王侯貴族の独占物だった(のだと思う)。
 それを建物も体現している。荘重であり,重厚であり,威圧感がある。こちらはただひれ伏すしかない,と思わせるような。
 たとえば,コインブラ大学ジョアニナ図書館(ポルトガル)やアドモント修道院図書館(オーストリア)。バロック様式の建築物。内部にはフラスコ画。世界遺産に指定されていたりもする。もちろん,観光スポットになっている。

● 以前なら,ジョアニナ図書館で本を読むためだけにポルトガルに留学したいなんて考えたかもしれない。だけど,さすがに今はね,すごいねぇで終わっちゃう感じだね。
 対して,バーミンガム公共図書館のような,近代的というか新しい図書館もいくつか紹介されている。図書館としても素晴らしいんだけど,コミュニティセンター的な機能も受けもつようになっているのは,洋の東西を問わないらしい。憩いの場ですね。
 「シュトゥットガルトには,移動図書館を含め20以上の市立図書館がある」(p105)らしい。人口は約60万人。単純計算で3万人に1つ。そんなに多くもないのか。

● 電子書籍化も着々と進んでいるようだ。いずれは,こうした図書館の稀覯本がネットで誰でも見られるようになるのだろう。すごいものだ。
 実際に見るのは研究者のような限られた人になるんだろうけど,誰でも見ようと思えば見れるってのは,すごいことですよねぇ。誰もが世界中の図書館を自分で抱えてるのと同じだもん。

● 本書は観光ガイドでもある。ヨーロッパやアメリカに行ったときに,ここで紹介されている図書館を覗いてくるのも悪くないなぁと思わせる。
 ぼくは行かないと思うけど,たぶん。図書館にじゃなくて,ヨーロッパやアメリカに。

2014年2月18日火曜日

2014.02.18 小林信彦・萩本欽一 『ふたりの笑タイム』

書名 ふたりの笑タイム
著者 小林信彦
    萩本欽一
発行所 集英社
発行年月日 2014.01.29
価格(税別) 1,500円

● 副題は「名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏」。主には戦後のことになるんだけど,日本喜劇近代史的な内容。
 しかも,この二人の対談なんだから,面白くないわけがない。

● 井原髙忠,齋藤太朗などテレビ黎明期の伝説のディレクターの話がまず登場。ディレクターが芸人に君臨できていたようだ,当時は。黎明期ならではの現象なんだと思う。
 番組も劇場もアメリカを真似て(パクって)作っていたっていうのも,今となっては貴重な証言かもしれない。

● クレージー・キャッツ,エノケン,渥美清,森繁久彌,三木のり平など,「名喜劇人たち」のエピソードもふんだんに出てくる。
 嫌いな人を貶すんじゃなく,少なからずすごいと思っている人について語っているわけだから,読後感も後味のいいものになる。

● いくつか転載。
 あるときドリフターズの稽古を観たら,ものすご~く一生懸命稽古しててね。55号も最初のうちテレビ番組の稽古を一生懸命してたんですけど,そうするとドリフと似たようになっちゃうような気がして,じゃあ55号は稽古するのをやめようって思ったんです。(萩本 p60)
 コメディアンて,そこにいるお客さんがいちばん喜ぶことに反応するから,客席に子どもがたくさんいると舞台でコケたり,わかりやすい笑いになっちゃう。反対に大人の観客ばっかりだと単純なことでは笑わないですから,言葉を選ばなくちゃいけない。(萩本 p62)
 酔ってないときの石田さんは,いろいろ教えてくれる先輩でもあったんです。ぼくが教わったことをメモに書いてたら,それを見てた石田さんがこう言ったの。 「書くんじゃない。この仕事は書いて覚えるんじゃなく,体で覚えるの。頭で覚えたらできないよ。教わったことはその場で体にすぐ入れる。体に入らないものはおまえに不向きなんだから,それは忘れてかまわない」 この言葉が当時は新鮮でしたし,今はその通りだと思いますね。(萩本 p168)
 あの人(渥美清)は有名になってからも電車に乗ってました。(中略)「いや,俺みたいにこういう役をやってると,パチンコの玉がじゃらじゃらしてるみたいなところにいないと感覚がおかしくなっちゃう。だから地下鉄の隅っこに乗ってればいいんだよ」って。(小林 p189)
● 昔から,小林さんの著作はけっこう買ってたんだけど,実際に読んだのはじつは1冊もなかった。これを機に,読めればいいと思うんだけど。

2014年2月17日月曜日

2014.02.17 番外:Associe 2014年3月号-ひらめき脳は作れる!

編者 坂巻正伸
発行所 日経BP社
発売年月日 2014.02.10
価格(税別) 600円

● ひらめきの達人のご紹介が,内容のメイン。次の人たち。
 山田いずみ:女子ジャンプ競技コーチ
 麻生哲朗:CMプランナー 渡辺謙を起用したdocomoのCMを作った人
 殿村美樹:TMオフィス
 信藤洋二:資生堂宣伝制作部
 伊藤美恵:ワグ社長
 萩原史雄:赤城乳業マーケティング部
 北岡慶子:パナソニック・ビューティ・リビング事業部
 下遠野亘:スパイクワークス
 青井宏和:コクヨS&T
 遠藤 慎:キングジム
 岩原佳乃子:森ビル
 水谷健彦:JAM
 杉本真樹:外科医
 縣 俊貴:ヌーラボCTO
 イセオサム:ハロ/オモロキ
 新明 智:ウェルセルフ
 芳野泰崇:KAZASU
 秋元一彦:KAZASU
 池口龍法:僧侶
 三遊亭白鳥:落語家
 中川 淳:中川政七商店
 佐藤祐輔:新政酒造
 小椋道太:青二才代表
 生駒龍史:SAKELIFE

● それぞれが,企画の技法について語る。なるほどと思いながら読むことになるわけだけど,基本は四六時中そのことを考え続けるということ。そこから先は,流儀の問題という感じ。
 四六時中考えることをしないで,技法でどうにかなるかといえば,どうにもならない。

● ゆえに,「あなたにも,できる!」と題された技法解説の部分はパス。読んでもしょうがない。読むとしても,ナンセンス記事を楽しむつもりで読むものでしょうね。

● 第2特集は「ひらめき文具」。“ひらめきに一番大事なのは,スペック云々ではなく,「その文具が好きかどうか」”とあって,これが結論。
 とはいえ,面白文具がたくさん紹介されているから,ぼくはけっこう楽しめた。

2014.02.17 長谷川慶太郎 『日本はこう激変する 2014-15 長谷川慶太郎の大局を読む』

書名 日本はこう激変する 2014-15 長谷川慶太郎の大局を読む
著者 長谷川慶太郎
発行所 李白社
発行年月日 2014.02.28
価格(税別) 1,000円

● アメリカ発のシェールガス革命で脚光をあびる日本企業を著者が具体的に紹介している。以下の企業だ。 
  信越化学工業
  日揮
  出光興産
  伊藤忠丸紅鉄鋼
  住友商事
  三井物産
  大阪ガス
  中部電力
  東京ガス
  東芝
  三菱重工業
  今治造船
  川崎重工業
  IHI

● 『2014年 長谷川慶太郎の大局を読む』で,中国の北京政府と瀋陽軍区の対立につき,予断を許さないと著者は書いていた。
 それについては一応の決着がついたとある。皆近平の勝利で終わった。したがって,北朝鮮に対する支配権も瀋陽軍区から皆近平に移った。北京政権はひとつの山を越えたということか。
 皆近平がシャドーバンキングを潰しに乗り出したとたん,人民解放軍の幹部もお手上げになった。シャドーバンキングが潰れると人民解放軍の幹部は儲かる副業を失うだけでなく全財産も消えてしまう。それでバンキングとして生き延びる代わりに皆近平の指示に従わざるをえなくなったのだ。皆近平はシャドーバンキングを潰すぞと脅しをかけて人民解放軍をコントロールすることに成功したといえる。(p149)
 北朝鮮は金正恩の背後の中国というスポンサーにすべてを依存している。北朝鮮で何か大きなイベントがあれば必ずそこに中国の意向が働いていて今回の粛正も例外ではない。北朝鮮の支配権が瀋陽軍区から皆近平に移ったことによって張成沢は不要になったのだ。(p152)
● いわゆるリベラル政治について著者はまったく否定的。したがって,リベラルを標榜しているアメリカのオバマとフランスのオランドに対しては手厳しい。
 ヨーロッパは事実上,ドイツ第四帝国になりつつある。メルケルの手腕を高く評価する。著者が評価している政治家は,彼女と日本の安倍首相。
 韓国にいたっては,今回は遡上にもあげていない。

2014年2月15日土曜日

2014.02.14 松浦弥太郎 『センス入門』

書名 センス入門
著者 松浦弥太郎
発行所 筑摩書房
発行年月日 2013.02.25
価格(税別) 1,300円

● 若い人に生き方を説いている。センスはイコール生き方というのが,著者の捉え方のようだ。まったくそのとおりで,生き方に根ざしていないセンスは,しょせんは付け焼き刃だろうと思う。
 ファッション雑誌をながめていればセンスが良くなるという話じゃない。

● 京都の高級旅館に行け,文化財を見ろ,私設美術館に親しめ,というのは具体的な提言。さて,栃木にはそうしたものがあるだろうかというと,もちろんある。美術館では足利の栗田美術館が著名だと思うんだけど,行ったことはない。
 要するに,この方面,ぼくはまったくダメだ。ダメだといって何もしないのは,本書の説くところにしたがっていないってことになる。

2014.02.13 堤 清二・三浦 展 『無印ニッポン』

書名 無印ニッポン
著者 堤 清二
    三浦 展
発行所 中公新書
発行年月日 2009.07.25
価格(税別) 740円

● 読み終えたから気がついた。前に一度読んでいた。しかし,見事に,まったく,何も記憶に引っかかっていなかった。サラッと読んで,ああ面白かった,で終わったのだろう。
 ただ,読書はそれでいいのであって,あまり多くを求めてはいけない。

● 本書の対談が行われたのは民主党政権誕生前のこと。今とは多少以上に,世相というか世間の空気が違っていた。知らず知らず,そうした空気の影響を受けるものだろう。

● 以下に転載。
 わたしの考えでは,商店街や中心市街地はコミュニティ(共同体)というよりソサエティ(社会)なんです。それらを守らなければいけないのは,それがソサエティだから。つまり,商店街や中心市街地が消えるということは,社会が消えることである。そして,企業と消費するだけの人間と国家だけが残る。社会はない。(三浦 p66)
 この生活の二四時間化が日本人の暮らしをすごくゆとりのない,貧しいものにしたと思います。(中略)本来スーパーでもコンビニでも百貨店でも,人々の生活を豊かにするためにあるはずです。しかし正月も休まず二四時間営業となると,働く方は生活が解体していく。買う方も,生活にゆとりや落ち着きが,かえってなくなっていく。生活を愛せない人が増えたと思うんです。(三浦 p90)
 一度入るとどこが出口だかわからないように作ってある。最近そういうものが流行っていますね。つかまえたら逃がさないというか。わたしの考えでは,これは全然都市的ではないんですよ。もっと隙間があったほしい。(中略)スポンジの中みたいにいくつもの穴を通って,街歩きや買い物を楽しみたい。入ったら逃がさない,とにかくここで買って帰れ,という,資本の論理と言うか,搾取というか,消費者主権とは対極にあるイオン・モール的構造が耐えられない。(三浦 p140)
 日本全体に愛着をもつなんて,虚構ですよ。自分の育った地域と,三〇年暮らしている東京の中央線沿線が残れば,田園都市線沿線が消えてもなんら痛痒を感じません。みんなそんなもんだと思うんですよ。しかし,だからこそ,お互いがそれぞれの地域への愛着を尊重し合って生きていけばよい。日本中,世界中がウォルマートやイオンやTSUTAYAになるなんて,私は真っ平御免。(三浦 p206)
● TSUTAYAといえば,行ったことはないんだけれども,代官山にできたTSUTAYAタウンはどんなものなんだろう。構造はともかく,発想はイオン・モール的なものなんですか。特定のエリアに,街をそっくり作ってしまおうっていう感じなのかね。
 行ってみればわかることなんだけどね。

● 表参道ヒルズやイオン・モール,都会駅のいわゆる駅ナカに限らず,いったん掴まえた顧客を逃さない戦略を採用している商業施設は,いくらでもあるよねぇ。百貨店もスーパーもそうだもん。規模が違うだけで。
 昔の温泉ホテルもそう。二次会も三次会も館内でできるようになってた。コンパニオンを入れて,風俗まで館内に作ってたわけだしね。

● 日本人って,引っ越しを億劫がる国民らしいし,いったん落ち着いたら動きたくないっていう性癖がけっこう強いんじゃなかろうか。それに合ってますよね,イオン・モール的なものって。
 六本木ヒルズができて麻布十番商店街が潤ったというのは,ヒルズにはお上りさんには手が届かない高い商品しかなかったからじゃないですか。
 ただ,規模の利益にも限度があって,限度を超えると,一気に効用が低下するのかも。

● 宇都宮でいうと,ベルモールにはけっこう行ってるんですけどね。
 ヨーカドーがあり,ダイソーがあり,カルディがあり,書店があり,文具店があり,ユニクロがあり,千円カットの理髪店があり,化粧品店があり,ケータイショップがあり,大型スポーツ用品店があり,和洋韓の食べ物屋があり,ファストフードがあり,ミスタードーナツがあり,CDショップがあり,旅行代理店があり,DPE屋があり,生活用品店があり,中古のパソコンショップがあり,お菓子屋があり,パン屋があり,隣には映画のシネコンがあり,日帰り温泉まである。
 たしかに,ここは百パーセント消費空間であって,社会はない。ただ,地方ではまだまだ消費が娯楽になっていて,快適に消費ができる空間は,イコール,アミューズメント空間でもある。

2014年2月12日水曜日

2014.02.12 成毛 眞 『もっと面白い本』

書名 もっと面白い本
著者 成毛 眞
発行所 岩波新書
発行年月日 2014.01.21
価格(税別) 700円

● いくつもの本が紹介されているが,自分が読んだのはひとつもない。これなら自分にも何とかなりそうだというのもあまり多くない。
 ただし,宇宙論の何冊かは読んでみたいと思った。いずれも新書なのがありがたい。
  青木 薫『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』(講談社現代新書)
  佐藤勝彦『宇宙は無数にあるのか』(集英社新書)
  大栗博司『強い力と弱い力』(幻冬舎新書)
  縣 秀彦『オリオン座はすでに消えている?』(小学館101新書)
  常田佐久『太陽に何が起きているか』(文春新書)

● あと,河出文庫の『ユダヤ人の歴史』と永竹由幸『新版 オペラと歌舞伎』(水曜社)も。
 世界文化社が出している『DVD厳選 珠玉の名作オペラ VOL.2 リゴレット』の解説本を永竹さんが書いていて,その解説に少々ウンザリした記憶がある。のだが,成毛さんがここまで推奨するのであれば,ぼくの印象が浅薄きわまるものだったのかもしれない。ちゃんとしたのを読まないとな。

● ふたつほど転載。
 まず試しに最後の章を読んでみることをおすすめする。一生懸命書いている著者には申し訳ないが,懇切丁寧に解説してくれている本ほど,そういう読み方がしばしば有効なのだ。 科学者の書く本では,最終章にその本の中心テーマの全体像が示されていることがある。それを先に読んでおくと,全体像を頭の中に置いて読めるので,細かな話で途中訳がわからなくなるのを避けられるのだ。(p37)
 辞書や事典を自分だけのデータベースとして本棚に常備しておくことは,本読みの身だしなみのようなものだ。調べもののための良書が揃っている本棚は知性を感じさせる。見た目の良い本棚は,常備本のセレクトの善し悪しで決まるのである。(p143)

2014.02.11 番外:セブン-イレブン by AERA 勝ち続ける7つの理由 強さの法則

編者 鈴木直哉
発行所 朝日新聞出版
発売年月日 2013.12.25
価格(税別) 838円

● セブンイレブン,お世話になってますねぇ。百円コーヒーはたしかに驚愕ものだった。こんなに旨いコーヒーが百円かと思いますからねぇ。
 スタバとどっちが旨いかとマジで考えたりする。セブンカフェのあとスタバに入ることもあるんだけど,やっぱスタバは旨いなぁと思うこともあれば,ん,これならセブンの方がいいじゃん,と思うこともあって,要は甲乙つけがたい。
 某市の駅前に昔からある喫茶店に入ると,コーヒーが4百円。ここのコーヒーよりははっきりセブンの方が旨い。もっとも,喫茶店は場所代こみだから,4百円は仕方がないですけどね。

● あと,コピー機もセブンイレブンはすごいと思ってて。カラーコピーを取るとわかりますな。他のコンビニよりきれいに取れるから。
 ATMも超便利。新生銀行に口座を持ってるんだけど,その理由はセブンのATMが使えること。1日24時間1年365日,オールウェイズ手数料がかからない。以前は地元の地銀を使うことが多かった。支店やATMの数が多いのでね。でももはや,この点では地元地銀の優位性はない。

● セブンプレミアムのPB商品もけっこうな数,愛用中。レトルトのミートソースは切らしたことがない。あと,蕎麦とうどんの乾麺と納豆も。
 総菜売場にある海老から揚げもしばしば買う。レンジでチンして酒の肴にする。
 ちなみに,酒もセブンプレミアムの4リットルペットボトルの甲類焼酎を愛飲中。88円の炭酸水で割って,ポッカレモンを入れてね。さすがに4リットルだともつからね。
 酒の肴といえば,生ハムロースとポテトサラダと肉じゃがもしばしば食べる。よそのコンビニに行くと,もっと安い値段で同じようなものを売ってるんだけど,味が違う。
 あ,ヘアコンディショナーもセブンプレミアムですな。

● 以前,片道28キロを自転車通勤してたときは,帰りにエネルギー補給のために,セブンイレブンに寄ってた。赤飯のおにぎりかあんパンを買って,店の軒先で食べる。どら焼きもいいですな。
 赤飯おにぎりは,しばらくマイブームだったんだけど,自転車である程度走るときには,少々胃にくる感じありだね。米じゃない方がいいみたい。

● セブンプレミアム商品って,ヨーカドーでもセブンイレブンでも同じ値段じゃないですか。なので,セブンイレブンで買うとお得感があってね。
 PB商品っていうのは,小売り側が利益が出るか出ないかギリギリのところまでメーカーを叩いて,メーカーの犠牲のうえで,安く提供しているっていうイメージがあったんですよ。
 実際,そのあたりはかなりシビアなんだと思うんだけど,セブンプレミアムの場合は,セブンイレブン側もかなり濃厚に開発に関わっているらしいんですね。

● しばらく前,コンビニはもう飽和状態で,同系列のコンビニどおしで食いあいが始まるという論調もあったんだけど,どうなんでしょうね。
 ときどき,何も深夜まで営業しなくてもいいんじゃないか,従業員は大変だろ,と思うことはあったんだけど,これはこれで雇用増に役立っているんだしね。大変だろって思うことじたい,大きなお世話というか。
 宅配とか新たなサービスも始めている。楽じゃないと思うんですけどね。

● こちらとしては,便利なものは便利なように使わせてもらうぞ,ってことになりますね。
 その代表はコンビニとインターネットだな。今さらコンビニがない社会っていうのはまったく想定できなくなっている。

2014.02.11 日下公人 『日下公人が読む2014年~ 日本と世界はこうなる』

書名 日下公人が読む2014年~ 日本と世界はこうなる
著者 日下公人
発行所 WAC
発行年月日 2013.12.05
価格(税別) 1,300円

● 官僚に手厳しい。著者は長銀から経済企画庁に出向したこともあるし,政府審議会の委員もやっていたから,そこでイヤな目に遭ったのかと思いたくなるほど。
 中国にいままで金をつぎ込んで企業が損害を出してきたのは,経営者の判断に問題があったので,日本国家の問題ではない。しかし,その判断を後押ししたのは,通産省である。 三井物産のIJPCの例ではないが,乱費して,ドブに捨ててきたお金が日本ぐらい多い国は世界中にない。(p45)
 危機管理の対処の仕方でも,外務省が海外でほんとうに日本人のために働いているのかは疑問である。(中略)危機があると,民間人を置き去りにして,真っ先に逃げ出すのが日本の大使や日本人の大使館のスタッフである。 外務省の人は,大体が無責任なサラリーマンの集まりで,建前ときれいごとばかり言っていて仕事を逃げる。民間の権利が侵害されたことに対しては,「民間のことは民間で」と言う。避難命令も「企業の判断である」などと責任を押しつける。(p74)
 東日本大震災時のトモダチ作戦のときのアメリカ軍も日本国民や自衛隊には大きな刺激だった。 現地に到着した米軍と自衛隊の最初の打ち合わせに際し,官僚化した自衛隊の上層部は,二時間を超える現状説明をして米軍をイライラさせた。 アメリカ軍司令官が,「打ち合わせは,明日から十五分以内としよう」「会場外のたくさんのテントは何をしているのか」と言うと,自衛隊上層部は,「おもてなしのために温かい食事をつくっています」と答えた。アメリカ軍司令官は,「作戦中の軍隊は,温かい食事などはとらない。すぐに作業に出発しよう」「用意したものは被災者に配れ」と言ったという。 そんなわけで,自衛隊は目が醒めたらしい。(p171)
● それよりも官僚的なるものに対して手厳しい。
 もともと将来予測は外れやすいのである。したがって,計画化すれば無駄がなくなるというのはウソで,将来の需要に向かっての投資や技術開発や生産の拡大は,国民大衆の百花斉放的な自由消費についていくのが正しいのである。自由消費を無駄と考える国の計画的な未来開発は,たいていが壮大な無駄に終わる。(p106)
● 中国に対する見方も同じ。
 中国に対する甘やかしは,戦後の経済援助だけではない。終戦時に日本が中国に投資した財産を置いてきたこともそうである。その財産を中国側に「買い取れ」と言わなかったのがおかしい。(p52)
 世界の国々は,日本を尊敬する国と,下手に出れば出るほどつけ上がるばかりの国の二つに分かれてきた。(p62)
● 学者もダメ。
 自分で稼いだ経験がない官界,学界,言論界の人たちは,損益計算ができないので,単に規模の大小を見ての話をする。「安売りしてでもたくさん売れ」である。そんな人に対しては「日本国を安売りしないでくれ」と言いたい。(p84)

2014.02.10 松浦弥太郎 『しあわせを生む小さな種』

書名 しあわせを生む小さな種
著者 松浦弥太郎
発行所 PHP
発行年月日 2013.09.20
価格(税別) 1,200円

● 本書の32ページで「道元の『典座教訓・赴粥飯法』(講談社学術文庫)は,僕の愛読書」だと語っているけれど,じつに日常生活の隅々に気を配っておろそかにしないのが,著者の流儀。
 これ,基本中の基本だと頭では思うんだけど,実行できない。たいていは流してしまう。
 逆に,特定の部分については頑なにこだわってしまう。ぼくだけじゃなくて,大方の人はそうして生きているんだと思う。

● ぼくときたら,腹八分目すら実行できないからね。食べものなんて何だっていいと思ってるし。掃除や整理整頓もできてない。乱雑であることに鈍感。
 であればこそ,それができている人,少なくともそうであろうと努めている人はまぶしく見える。

2014年2月10日月曜日

2014.02.09 斎藤一人・柴村恵美子 『百発百中』

書名 百発百中
著者 斎藤一人
    柴村恵美子
発行所 サンマーク出版
発行年月日 2014.02.10
価格(税別) 1,700円

● 内容はすでに読んだ『誰でも成功できる押し出しの法則』や『カンタン成功法則』にも出てくるもの。が,語り口が違うから,やはり読んでしまう。
 波動だとか引き寄せだとかっていう言葉も,いろんな人が言っているけれども,斎藤一人さんの言い方が最もわかりやすいというか,スッキリしている気がする。

● “成功哲学”の肝は「強く念じよ,さすれば叶う」だと思うんだけど,それで実際に成功した人がいるのかどうか。これについては,次のように一刀両断。
 努力もなしに,ただ「思えば叶う」とか「書いたら実現する」というのはまず,その発想自体が貧しいんです。だから,貧しいものを引き寄せるんだよ。(p36)
 言われてみると,ストンと納得。

2014年2月9日日曜日

2014.02.09 吉田友和 『3日もあれば海外旅行』

書名 3日もあれば海外旅行
著者 吉田友和
発行所 光文社新書
発行年月日 2012.11.20
価格(税別) 760円

● 賢い海外旅行術を説く。特に,LCCとか世界一周航空券について,最近の動向や面白い使い方を教えられた。マイルの上手な貯め方と使い方,海外でのスマートフォンの活用法も。

● ひと昔前とはまるで状況が変わっている。その理由は何かといえばインターネットの普及だ。旅行代理店や航空会社,ホテル,ガイドブック制作業者など,海外旅行に関わるすべての業種に変革を強制した。
 もちろん,旅行者にも。ただし,旅行者にとってはありがたい方向へ。

● 具体的で有益な情報が満載。役に立つ。
 が,たんに実利の本というにとどまらない。面白い読みものにもなっていて,旅行も楽しそうだなと思わせる。
 っていうか,こういう本は旅行好きしか読まないだろうから,旅行へのインセンティブを強化するって言った方が正確だろうけど。

● 海外でスマートフォンを使うときには,SIMフリーの端末に現地で購入したSIMをさして使うことを本書は提唱している(あるいは,Wi-Fiルータのレンタル)。
 海外パケホーダイは論外だもんね。国内キャリアが設定したバカ高い通信料を払うのは死ぬほどアホらしい。
 でも,大方の端末メーカーははキャリアに遠慮してか,SIMフリーの端末を販売しませんよね。
 海外品をネットで購入するのにハードルを感じる人は,とりあえずdocomoで買って,手数料を払ってロックを解除してもらうしかない? それもバカバカしい。

● iPhoneやNexus5はSIMフリーも販売されているから,このあたりが突破口になるか。あるいはこれだけ海外旅行者が多ければ,自ずと特殊日本的なやり方がなし崩しに消えていくか。
 これから変わっていくんでしょうね。キャリアの端末買い取り方式って,早晩消えるはずのものですよね。

2014年2月7日金曜日

2014.02.07 午堂登紀雄編 『ノート思考術』

書名 ノート思考術
編者 午堂登紀雄
発行所 ローカス
発行年月日 2009.03.01
価格(税別) 1,000円

● 登場人物は編者のほか次の15人。
   佐藤 伝
   見山 敏
   下関マグロ
   吉永賢一
   唐土新市郎
   武石直人
   飯田元輔
   高畑美菜
   山﨑拓巳
   増田賢一朗
   岡本貴士
   栗原匡洋
   大川哲平
   小山龍介
   中谷健一
 こういうのって,工場で働いているとか農業をやっている人は登場しませんね。お客さんを呼べる人ってことになると,著述業だのコンサルタントだので,本を書いている人ってことになる。しかたがないことだけれども,工場労働者のノートとか見てみたいねぇ。必ずいるはずだもんね。

● 吉永さんは偏差値93を叩きだし(偏差値で93なんて初めて聞いた),東大理Ⅲに入学。けれども,医者にならずに退学して,塾の講師をしているという人ですね。
 ノートは使わず,A4コピー用紙ですべてをまかなっているという。それも使い方が非常にラフ。1枚ワンテーマでぜいたくに使う。書いたあとは,発表の場(公式ホームページ,ブログ&メルマガ,著作物,その他)ごとにクリアファイルに保存。
 すごくかっこいいんだけど,ぼくのような凡人にはどうだろう。

● 彼に限らず,それぞれがそれぞれの流儀でやっている。1冊にまとめる人もいれば,多くのノートを使い分けている人もいる。デジタルに移行して,紙のノートは使わないという人もいる。最大公約数はない。
 あたりまえのことだけれども,方法論は自分で編みだすしかない。

● ただ,人さまのノートをかいま見るのは,面白い。ノートとか手帳とか本棚とか書斎とか。出歯亀趣味を満足させてもらえるからだね。

2014.02.06 中谷彰宏 『せつないサービスを胸きゅんサービスに変える』

書名 せつないサービスを胸きゅんサービスに変える
著者 中谷彰宏
発行所 オータパブリケイションズ
発行年月日 2008.12.20
価格(税別) 1,400円

● 「サービス精神とは,ふだんの日常生活の中で,人を喜ばせることです。人を喜ばせるには,日常生活の中で「せつなさ」を感じることです。(中略)「こういう時ってせつないよね」と,相手より,まず自分が感じることです。せつない気持ちが分かれば,そのせつなさを取り除くにはどうするか考えられます」(p2)という「まえがき」に本書の肝が述べられている。
 本文はその具体例。

● ホテル学というか,サービスやホテル経営について教える専門学校や大学もけっこう増えたように思う。アメリカのコーネル大学が有名だけれども,国内にもずいぶんある。
 ここから先は想像で言うんだけど,専門学校や大学で教えているようなことは,現場に入ればその半分か3分の1の期間であらかた身につく。
 むしろ,自分とその周囲を見渡すことで,それ以上の学びというか気づきというか,知見を得ることができる。あとはそれを身体化できるかどうか。
 知識や頭より性格の方がずっと大切で,知識は努力でどうにかできるけれども,性格をどうにかするのはなかなか難しい。努力で何とかなるようなものは,そもそもたいしたものではない。

● ホテルがブッフェを導入するときは,毎日お相撲さんが集団で食べに来たらどうするんだ,という意見もでたらしい。いかにもありそうなことだと思って読んだ。
 議論はたいてい無駄。さっさと試してみて,ダメだったらやめる。これができれば理想なんだけど,できないから理想であり続けている。

2014年2月6日木曜日

2014.02.06 中村 克 『最後のパレード』

書名 最後のパレード
著者 中村 克
発行所 サンクチュアリ出版
発行年月日 2009.03.10
価格(税別) 1,200円

● 副題は「ディズニーランドで本当にあった心温まる話」。約30のエピソードが語られる。

● ときどき涙腺が緩むんですよねぇ。何でこの程度で泣くんだよ,オレ,ってなものなんだけど,人間って,身近で些細で具体的なもので生きてますからね。そういうものを差しだされると,簡単にマイッタしちゃうんですよねぇ。
 高邁なものより,具体的で小さなことが大事。社会貢献よりも,小さな親切が上位。

● ただし,業としてそれを続けるのは並みではない。それができているのがディズニーランド。ゆえに,ディズニーランドのサービスについては夥しい数の出版物が出ている。
 あの舞台だからそんなことが可能になるのだと考えたくなるんだけれども,もちろん,それでは答えになっていないのだろう。

2014年2月5日水曜日

2014.02.05 永江 朗 『ブックショップはワンダーランド』

書名 ブックショップはワンダーランド
著者 永江 朗
発行所 六耀社
発行年月日 2006.06.20
価格(税別) 1,600円

● 書店で働く人に本の紹介をしてもらうという趣向。書店員による書評のようなもの。
 それだけでも充分に楽しんだけど,さらにそこに著者が彩りをつけている。面白く読める読みものになっている。

● 自分の知らない本が次々に登場する。とても手に負えないと思うのが大半だ。これは読んでみたいと思ったのは,旅本とミステリに限られた。
 堀内誠一『パリからの旅』(マガジンハウス)
 アラン・ド・ボトン『旅する哲学』(集英社)
 ロス・マクドナルド『さむけ』(ハヤカワ文庫)
 ケン・グリムウッド『リプレイ』(新潮文庫)

● 以下にいくつか転載。
 90年代の終わりに,デザイナーズマンションブームがあった。(中略)有名建築家が設計したマンションが話題になり,一部の賃貸物件では何年も先まで空き待ち状態になった。もっとも,私が取材した限りでは,実際にデザイナーズマンションに住んでいる人の多くは,値段と広さと立地で選んでいて,建築家の名前も知らなかった。情報と実態はいつも乖離している。(p95)
 一時は「これからはラテン系だ」なんて言ってましたが,どうも肌に合いませんね。やっぱり電車は定刻通りに来ないとイラつくし,デザインはシンプルなのがいい。(p101)
 書店員の世界というのは不思議で,同業他者の店員ととても仲がいい。「うちではこういう本が売れている」とか「あの本はこうやって陳列するとよく売れる」なんていう情報交換をしょっちゅうやっている。冷静に考えれば互いにライバル,商売敵であるはずなのに。(p167)

2014.02.04 番外:OZplus 2014年3月号-未来が変わる人生ノート

編者 上妻直美
発行所 スターツ出版
発売年月日 2014.01.28
価格(税別) 562円

● 実例(ノート)がいくつか紹介されている。たとえば,オリエンタルラジオの中田敦彦さんのノート。
 僕のノートはぐちゃぐちゃです。でも,ぐちゃぐちゃな脳みその中身を吐きだし,考えをまとめることこそノートを書く意味だと思っていて。
 服部みれいさん(マーカーマガジン編集長)のノート。
 自分を研究するためにノートを書き始めました。今の自分はどんな状況にあって,これからなにをしたいのか,どうなっていきたいのかなど,ノートを通して自身と丁寧に“打ち合わせ”をするんです。
● 次は,「未来ノート」なるものの特集。要するに,なりたい自分をイメージして書いておくというやつ。ここはパス。
 次は「日々ノート」。“かわいいものノート”とか“山ガールノート”とか“ヘアスタイルノート”とか“ヘルスチェックノート”とか,いろんなバリエーションが紹介されていて,女性のノートはたくさん遊びがあって楽しそうだ。用途にも書き方にも遊びが満ちている。女っていいなぁ,とちょっと思った。

● ぼくのノートや手帳は,用途こそ遊びだけれども,書き方は(したがって見た目も)きわめて事務的。早い話が,文字しか書いてないからね。黒っぽい印象。あとから読み返すキッカケになりそうなものが少ない。
 自分なりにノートで遊ぶ。それをもって最上とする。ということであれば,女性の方が男性のずっと先を行っているんでしょうね。

2014.02.04 和田哲哉 『文房具の足し算』

書名 文房具の足し算
著者 和田哲哉
発行所 ロコモーションパブリッシング
発行年月日 2009.08.25
価格(税別) 1,500円

● ひとつの文房具に,もうひとつ,これを足すと使いやすくなるよね,っていう誌上プレゼン。だけど,その使いやすさを提唱するというよりは,組合せを考えることじたいを楽しんでいる感じ。
 好きというのはすごいものだ。1冊の本を作れてしまうんだから。

● 書店の雑誌コーナーに行くと,文房具はもうメジャーなジャンルとして確立していることがわかる。文房具好きの人が多いわけだ。
 が,その大半は浅く好きなんだと思う。好きが嵩じれば,読む側ではなく,書く側に回れるね。

● ぼくもごく浅い文房具好き。その由来を考えますとね,ぼくが子供の頃は貧しくてね。特に田舎ははっきり貧乏だったと思う。今,当時の田舎の平均的な暮らしをすれば,ほぼ確実に生活保護に該当するだろう。
 で,文房具なんてなかなか買ってもらえなかったわけですよ。だから,買ってもらうと嬉しくてねぇ。鉛筆1本が嬉しかったから。小学4年生のときだったか,円を描くためのコンパスを父親が買ってきてくれたときは,ほんとに嬉しかったのを憶えている。飛び跳ねたいくらいだった(実際に飛び跳ねたかもしれない)。
 文房具=贅沢品,というイメージが抜けないんですよ。贅沢品を弄ぶ喜びを感じているのかもしれないんですね。

2014年2月4日火曜日

2014.02.04 中河原 啓 『見るだけで幸せになれる「魔法の絵本」』

書名 見るだけで幸せになれる「魔法の絵本」
著者 中河原 啓
発行所 マキノ出版
発行年月日 2007.10.31
価格(税別) 1,200円

● 「奇跡は特別な人だけに起こるのではありません。宇宙の計り知れないエネルギーが働いたとき,だれもが容易に奇跡を体験することができます」
 そこで,「私の絵は,私を通して降りてきた宇宙のエネルギーを,そのまま写し取ったもの」だから,「見るだけで幸せになれる」よ,と。

● こういうものは「永遠に不滅」で,いつの時代にも一定の支持を得られるものだ。なぜというに,「見るだけで幸せになれる」んだもの。こんないいことはない。まさしくこの世は極楽だ。打ち出の小槌を抱えて生きるようなものだもんな。
 あったらいいね,「見るだけで幸せになれる」絵。

2014.02.04 松浦弥太郎 『もし僕がいま25歳なら,こんな50のやりたいことがある。』

書名 もし僕がいま25歳なら,こんな50のやりたいことがある。
著者 松浦弥太郎
発行所 講談社
発行年月日 2013.11.21
価格(税別) 1,300円

● 自分が25歳のときに,こういう本を読むことができたら,ひょっとしたら今とは別の人生になったかもしれないと考えたくなる。でも,そういうことはそうそうないものなのだろう。
 ぼくが若い頃にも,たとえば山口瞳さんの『新入社員諸君!』があった。何度か読み返したものだが,見よ,このていたらくだ。

● こうした生き方のノウハウ集も,昔と比べると進歩しているようだ。いや,時代に合わせて,変わるべきところは変わってくるのだろうね。
 ともあれ,読んでおいて損はない。25歳ならずとも。

● 特にドキッとしたのを3つ。
 もうひとつ自分に課したことは,流行り言葉をつかわないということです。今でいうなら,「自分的に」「って言うか」「みたいな」「なにげに」などは,僕が絶対につかわない,つかいたくない言葉です。(p89)
 ぼく,これ,使っちゃってますね。「って言うか」はこのブログでもかなり多用している。昔はぼくも「流行り言葉」を使うことには抵抗があったんですよ。が,年とともにむしろ好んで使うようになっちゃった。どういうわけだ?
 今,ぼくが25歳なら絶対に自分のメディアをもっています。ブログでもツイッターでもフェイスブックでも,なんでもいいから自分を発信すべきです。(中略) やるからにはもちろん,名前も顔も出すべきです。そうでなければ,なにを発信しても無名の人で終わってしまい,なにも得るものがないような気がするのです。(p111)
 ぼくは名前も顔も出していない。無名の人でいいと腹を決めているっていうか,諦めているっていうか。そもそもが,ぼくのブログは何かを発信していることになるんだろうか。おおよそは自分のために書いているんだけど。
 ツイッターでフォロワーの多い人は,自己紹介で今,真剣に取り組んでいることや特技についても書いてありますし,プロフィールをたびたび更新し,そのたびにまたフォロワーが増えていることが多いものです。(中略) さまざまなブロガーがいますが,やはり人気のある人は自分のブランディングがきちんとできています。ブランディングができていると誤解されることがありませんから,必要な人や情報とすぐにつながれます。(p188)
 自分のブランディングなんて考えたことがない。このブログじたいが趣味に属するものだからね。ブログを通じて人とつながりたいとも思ってないし。
 でも,そういうことじゃダメなのか。

2014年2月3日月曜日

2014.02.02 松浦弥太郎 『即答力』

書名 即答力
著者 松浦弥太郎
発行所 朝日新聞出版
発行年月日 2013.10.30
価格(税別) 1,200円

● 生き方論。自分の器の小ささとか,バカさ加減とか,身勝手さとか,いかに無駄に感情を浪費しているかとか,腰の重さとかを,じっくりとわからせてくれる。

● しかし,すでにどこかで読んだことがあるなっていう既読感(?)を抱かせる。実際,読んでいるんだと思う。
 こういうものって,真剣に考えれば,そんなに突飛なものは出てこないはずで,たとえば,最近読んだ齋藤一人さんが言っていることも,要は同じことなのだと思えてくる。

2014.02.01 篠山紀信 『写真力』

書名 写真力
写真 篠山紀信
発行所 読売新聞社
発行年月日 2012.06.30
価格(税別) 2,500円

● 篠山さんが撮ってきた膨大な写真から選びだしたアンソロジー。表紙に使われているのは,ジョン・レノンとオノ・ヨーコがキスしている有名な写真。
 印象に残るのは,東日本大震災の50日後に,被災地で撮った市井の人たちの写真だ。誰でもない普通の人たち。そのひとりひとりが,重量感を持ってこちらに迫ってくる。

● 巻末に篠山さんの短いインタビュー記事が掲載されている。そこから転載。被災地の人たちの撮影についても言及されている。
 でもヘタな鉄砲はいくら撃っても当たらない。意図的な偶然を作り出すことが必要です。神様が降りてきやすくする方法も,実はあるんです。まず相手をリスペクトする。あるいは好きになる。上から目線で見ないし,仕方から媚びることもない。なるべく同じところに立って対峙することが大事です。で,撮るものと撮られるものの環境も含めてその場の空気を正確に読む。その上で自分のテンションを最高に上げる。そのどれかひとつが欠けても神様は降りてきてくれないんです。
 カメラを据えて,(被災者に)「ここに立ってレンズを見てください」とは言いましたよ。でもそれ以上のことは何も言ってない。悲しそうにしてくれ,希望があるような表情をしてくれなんてことは。ポーズもしてないわけ。「頼むよ」ってすべてカメラにお任せしたんです。

2014.02.01 和佐大輔 『テトラポッドに札束を』

書名 テトラポッドに札束を
著者 和佐大輔
発行所 幻冬舎
発行年月日 2013.10.10
価格(税別) 952円

● 著者,25歳。12歳のときに頸椎損傷。首から下の機能を失う。車いすで自走することもできなくなる。インターネットが天佑になった。
 ともあれ。人には言えない(したがって,本書にも書けない)無力感や屈辱を味わったに違いない。それは,徹底したリアリストに著者を仕立てあげた。
 国には「社会保障」という制度があるので,僕のような第一級障害者も,あるいは植物状態の人も,社会の一員として守られているように見えますが,実際のところは「道徳」という暗黙の了解に守られているだけで,社会は積極的に弱者を守ろうとはしません。 社会には「守る」という機能が,そもそも備わっていないのです。(p4)
 「社会に必要とされない人間が存在する」 こんなことを言うと決まって「非道徳的だ」とか,「けしからん」というリアクションを貰いますが,あなたはもうわかっているはずです。 身体障害者や病人,あるいは老人が,この社会にとってどれだけの「負担」になっているのか?(p64)
 現在の高度化された世界においては,人口が半分に減ったとしても十分に世界は回ってしまうのです。 僕らが当たり前のように行っている「仕事」は,実は「仕事を増やすための仕事」だったりします。(p179)
● けれども,著者は開拓者になることができた。25歳の若者の言葉とは思えない。透徹したオプティミストの境地に,わずかの期間に登りつめた。
 人間の脳は不思議なもので,「他人に見られている通りに思考が変化する」という特性を持っています。子どもの教育の現場では誰もが知っていることですが,役割を与えられた子供は,その役割に適応します。(中略) 「他人からどう見られているか?」が,僕らの思考や行動に大きく影響しています。(p37)
 インターネットにおいて,最も影響力があるものが何かはわかります。それは,「言葉」です。インターネットは情報の集合体です。そして,その情報のほとんどは「文字」なのです。(p43)
 誰の言葉かもわからないような一般論を語ってみたり,受け売りを語るのではなく,自分の言葉を語らなければならないのです。コピペは最悪です。僕が語れること,僕にしか語れないことは,僕の言葉だけです。(p45)

2014.02.01 番外:東京ディズニーリゾート ホテルガイドブック2012

発行所 講談社
発売年月日 2011.08.04
価格(税別) 952円

● 昔,今よりずっと貧しかった頃。ほんのたまにホテルに泊まることがあった。必ずビジネスホテルだった。世の中にはこういうホテルじゃなくて,もうちょっと違うホテルがあることはいくら何でも知ってはいたけれども,自分が泊まることなんてあるんだろうかと思っていた。
 書店でそうしたホテルのガイドブックを買った。ガイドブックに載っている写真をながめては,すごいなぁとため息をついた。

● 初めてビジネスホテルじゃないホテルに泊まったのはいつだったか。そんなに昔のことではないと思う。
 ディズニー関連では,舞浜ホテルクラブリゾート(当時は東急)が初めてだったことは憶えている。安いプランがあってね。ぼくには充分すぎた。
 耳学問というか眼学問というか,ガイドブックやら何やらで知識だけは仕入れてしまっていたから,知ったふうでいたけれども,まぁ,みっともいい客ではなかったはずだ。

● その後はシェラトンが最も多い。
 ただし,部屋代だけでいっぱいいっぱいだったから,ホテル内のレストランは「グランカフェ」以外は入ったことがない。一度だけ,今はあるのかどうか知らないけれど,「サミット」で食べたことがあった。

● パークには行かないで,ホテルでずっと過ごしたこともある。シェラトンなら「オアシスパス」を購入すれば,何度でもプールやサウナを使えるもんね。夏場は余裕で終日過ごせる。プールもサウナもホテルクオリティーだし。「オアシスパス」はお値打ちだと思う。
 「The Link@Sheraton」でインターネットにつながったパソコンで,無駄に時間を使うのも楽しい。自宅で自分のパソコンを使っているより晴れ晴れするのは,何でなのか。って,理由はハッキリしている。自宅で寝るより,ホテルの部屋の方が快適なのと同じことだもんね。
 公共スペースに置いてある揺り椅子もいい。ここに座って持参した本を読むのは,じつにどうも快適至極だ。

● 11階にあるクラブラウンジも特筆もの。ディズニーオフィシャルでラウンジを維持しているのはシェラトンだけになった(と思う)。いつだってコーヒーを飲めるし,午後になればビールにもありつける。
 遅くまでやってくれてるのも嬉しいけれど,働く側は大変だ。深夜まで勤務して,仮眠といっていい睡眠をとり,早朝からまた勤務するっていうシフトになることもあるようだ。
 ここの女性スタッフはみな美人なんだけど,さすがに早朝は化粧のノリも悪かったりするようだし,いかなプロといえども,疲れを見せることもある。

● タレントの石塚英彦さんを何度かお見かけしたことがある。一度は朝食のとき。一家を背負っているようだった。何がなし,大変なんだなぁと思わされた。どんな人もね,楽々とは生きてないんだなぁ,と。

● と昔を思いだしていると,また行きたくなってきた。たまの贅沢。
 海外よりも国内。遠くよりも近く。交通費をかけて遠くにいくより,その分をそっくり宿泊費に回すのが賢い。回すに足るホテルがたくさんある首都圏に住んでる人を羨ましいと思うのは,ここのところだ。
 でも,地方であっても泊まるに足るホテルはあるはずで,あればそこが自分のリゾートになる。わざわざ舞浜に行くこともないってことになる。

● ぼくのように,ゴルフもしない,スキーもしない,まともに泳げないっていう輩は,リゾートといったって,自然に向かうことにはならないわけで,居心地のいいホテルで時間を浪費するのが最高だ。
 あ,それと温泉もいいですね。可能ならば,長逗留してみたい。食事は質素なものでいいから。