2014年12月4日木曜日

2014.12.02 ロデリック・ダネット 『ドボルザーク』

書名 ドボルザーク
著者 ロデリック・ダネット
訳者 橘高弓枝
発行所 偕成社
発行年月日 1999.04.01
価格(税別) 2,000円

● 作曲家でドヴォルザークほど穏やかな人生を送れた人がいるんだろうか。先人のスメタナに比べても,家庭も社会的な立ち位置もずっと安定していた。
 こういうのはつまるところ運かもしれないんだけど,あまり早くから圧倒的な注目を浴びなかったからだと言ってしまうと,当を失することになりますか。
 早熟じゃなかった,才能の開花が速すぎなかったのがよかったような気がするんですけど。

● ブラームスの知遇を得たのは運。が,その運を引き寄せることができたのは,実力。

● 破滅型ではなかったのもよかった。早寝早起きの規則的な生活を続けたようだ。遊びは芸の肥やしだなどといって,遊びに淫して芸もダメにする例は,たぶん枚挙にいとまがないほどあるはずで,肥やしになったのは百にひとつか千にひとつだろう。
 つまり,そうした例は少ない。少ないからあると目立つ。そういうことなのだろう。

● 子どもの頃から蒸気機関車が好きで,アメリカに住んでいたときは蒸気船を眺めるのが好きだったらしい。そうした稚気を保持した人でもある。

● 芸術家というと,お金や地位には恬淡しているというイメージがあるけれど,それはおそらく事実に反している。第一,お金がなければ生活できないわけだから,モーツァルトもベートーヴェンもお金にはかなり執着したようだ。
 ドヴォルザークもそれは同じであったろうけど,ギラギラした感じではなかったように描かれている。そういうことも,安定感につながったかもしれない。因果が逆かもしれないけど。

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