2014年10月30日木曜日

2014.10.30 『学校では教えてくれない人生を変える音楽』

書名 学校では教えてくれない人生を変える音楽
発行所 河出書房新社
発行年月日 2013.05.30
価格(税別) 1,200円

● “14歳の世渡り術”シリーズの1冊。想定読者は中学生。

● 人生を変える1冊や1曲があるんだろうか。ぼくは疑っているわけですよ。でも,本書を読むとあるのかもしれないなと思わせられる。人生を変えるっていうか,危機を救ってくれる曲。
 ぼくがそういうのを持っていないのは,小さい頃から安定志向で,自分に対しても周囲に対しても鈍感だったからかもしれないな。

● 26人が手記を寄せている。多くは,危機救済の恩人とでもいうべき1曲について語っている。
 あとは,好きな曲に対する思い入れを語るものもあるし,自身の音楽観を語っているものもある。

● その26人は次の人たち
 又吉直樹,宮下奈都,みうらじゅん,小路幸也,乙武洋匡,松井咲子(AKB48),西研,山田ズーニー,町田康,辛酸なめ子,高嶋ちさ子,林丹丹,浦沢直樹,柴田元幸,池辺晋一郎,池谷裕二,桜井進,遠藤秀紀,本川達雄,清塚信也,角田光代,雨宮処凜,小手鞠るい,近藤良平,大崎善生,今日マチ子。

● いくつか転載。
 自分の道をヴァイオリンと決めてからは,われながらよく努力したものだと思う。一日も休まず練習してきた。わたしに限らず,演奏家はみんな,幼い頃から膨大な時間を練習に割いている。その集中力をもってすれば,大概のことは成し遂げられるはずだ。(高嶋ちさ子 p81)
 そうだろうなと思う。コンサートホールで実際に演奏を聴きながら,そのことを客席から感じるのは毎度のことだ。
 「この音楽,俺のストライクですよ」みたいな言葉をよく聞く。でもそのストライクゾーンって,真ん中にミットを構えてそこに入って来た球を取っているだけではないのか。音楽に限らず,小説,映画,漫画すべてに言えることだが,悪球を全力で取りにいくことである日その悪球すら自分のストライクにした時,初めてその面白さに気づくというもの。(浦沢直樹 p96)
 ドビュッシーの音楽はビブラートを前提として作曲されていません。現代のオーケストラでドビュッシーの音楽を演奏すると,作曲家本人が想定した音色が出ないのです。(池谷裕二 p115)
 ビブラートなしで演奏したCDも出たらしい。インマゼール指揮,アニマ・エテルナ演奏のもの。
 芸術鑑賞っていうのは,作品と出逢うところから始まっているのだと思う。誰かに薦められて「これいいよ」っていう簡単なお見合いでは,なかなか気持ちを入れて聴く事は難しいんじゃないかと思う。(中略)だから,安易に作品を薦めるという事は,むしろ人から貴重な出逢いを奪ってしまう結果となりうるのだ。(清塚信也 p137)

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