2014年10月26日日曜日

2014.10.26 堀部篤史 『街を変える小さな店』

書名 街を変える小さな店
著者 堀部篤史
発行所 京阪神エルマガジン社
発行年月日 2013.11.20
価格(税別) 1,600円

● 「京都のはしっこ,個人店に学ぶこれからの商いのかたち」が副題。著者は恵文社一乗寺店の店長。
 「今,商店街ってほとんど解体されたじゃないですか。ぽつんと1軒,どんなにおもしろい商品構成した店があっても,なかなか成り立たないと思うんですよね。そういう意味では,僕は自分の店だけを頑張るって感じを超えて,つながりながら輪を大きくしたい」(p221)という視点で,自分の店の近くにある「個人店」を取材している。

● 喫茶店「迷子」の山本耕平さんが筋金入りのユニークさ。
 過去にすばらしい商品や作品が完成しているのに,なぜそれらのまがいものの再生産を,騙されたふりで消費し続けなければならないのか。貼りかえられたラベルだけを見て消費を続けるのならば,商品そのものの優劣はおざなりになってしまいかねないでしょう。誰かが勝手に決めた価値観にふりまわされたくないし,余計な付加価値で商売するくらいなら,じっとしていたほうがマシ。(p105)
● 古書店「三月書房」の宍戸恭一さん。
 基本的に本が好きということです。本ていうのは生活の糧であり,生き物ですからね,魂を持っている。一冊だけポツンとあったんではダメです。関連させて初めて生きてくる。(p137)
● ほかに,いくつか転載。以下は著者の言葉。
 あらゆる細胞に変化できる万能細胞の一種,ES細胞もマップヘイター的性質(自分の行きたいところに行くのに地図や案内板など全くたよりにしない。むしろ地図など面倒くさいものは見ない)を持つそうで,自身の存在目的や,組織の全体像を把握せずに,ほかの細胞との関連性によって自己を規定するため,皮膚から肝臓までなんにでも姿を変えることができるという。(p139)
 雑誌の本屋特集や,本屋ガイド本では,個性的な商品構成の店ばかりがとりあげられがちだが,大型書店が存在しないことには,小さな街の本屋もなりたたない。 大型書店以外にも,ヒントを探しに休みの日には,だいたい街をうろうろしている。(p187)
 ウェブ検索が「知る」ことの最短距離として定着したここ10年ほどで,関心のないものごとに触れる機会がずいぶん貴重になった。自分のなかの「検索ワード」を増やさなければ,生きた棚はつくれないのだ。(p189)
● 「過去ととなりあわせに生きる京都では,競争を勝ち抜いて大きくなることよりも,変わらぬあり方で老舗の暖簾を守り,長くあり続けることこそが価値とする考え方が昔からある」(p113)という。
 東京一極集中で,地方はどこも寂れつつあるという程度の認識しかぼくは持っていなくて,地方の個性や独自性とか言われると,そんなものがあるのかよっていう反応をしちゃってた。
 そのあたりをまず修正する必要がありそうだ。

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