2014年10月18日土曜日

2014.10.15 林 忠彦 『林忠彦写真集 日本の作家』

撮影 林 忠彦
発行所 小学館
発行年月日 2014.09.23
価格(税別) 2,200円

● 巻末に撮影したときの林さんの印象をまとめてある。これが一番面白い。
 今 東光 六十過ぎから青春がまたやってきたような,本当にめったに現れない変わった人でした。
 亀井勝一郎 これほどノーブルな顔の人というのはあまり見たことがありません。女流作家でも宮本百合子とか平林たい子とか,いい育ちの人がかえって左翼運動に熱中するというのは,ちょっと不思議な感じですが,男では亀井さんはその一人だったんですね。
 三島由紀夫 五十すぎてひとかどの人物であれば,絶対にどこかいい顔をしている。(中略)ところが実に不思議なことに,三島由紀夫さんだけは,この「顔のきまり」があてはまらなかった。
 野上弥生子 ひとかどの人物というのは,カメラを持っていけば,それだけでいい写真になるものですが,それはたいてい男性の場合です。野上先生は,女性としては珍しくカメラをスゥーッと持っていけば,いい写真になるような雰囲気で(中略)すばらしい顔だったと思います。
● たぶん,女性は50歳になっても60歳になっても娑婆っ気が抜けないんだと思いますね。
 男性が「カメラを持っていけば,それだけでいい写真になる」のは,何事かを諦めた顔になっているからだろうと思うんですよ。女性はしぶとく諦めないんじゃないのかなぁ。
 
● 自分の顔はどうなのかな。こうした味わうに足る顔にはなっていないだろうな。「ひとかどの人物」になれていないから。

● ぼくは,昔,“第三の新人”と呼ばれた人たちの作品に夢中になったことがある。だれか一人といわれれば,吉行淳之介だった。彼についての,上記のコメントがないのは残念。

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