2014年9月24日水曜日

2014.09.23 番外:趣味の文具箱vol.20

編者 清水茂樹
発行所 枻出版社
発行年月日 2011.08.20
価格(税別) 1,500円

● 表紙をめくった次のページの広告に仰天。セーラーが出した5,000万円の万年筆。軸もキャップも天冠もダイヤで覆われている。ほかにも,100万円のや50万円のがあるんだけど,各1本のみ販売し,以降は完全受注生産。
 でも,(腐るほどにお金があれば)買ってもいいなと思ったのは,5,000万円の万年筆のみ。
 もちろん,文具店では売らない。デパートや宝石専門店で扱う。使わないで飾っておくものだろうけど,買えば使って見せびらかしたくなるでしょうね。
 いるんだね。こういうのを買う人がね。

● パイロットの「ペン・ステーション」を紹介した,古山浩一さんの記事が興味をひいた。
 体の正面に紙を置くのではなく,「右手の前に紙を置き換えると,ペンの弾力を使って書け」る。そんなことも知りませんでしたよ。

● プラチナの“♯3776”の記事も勉強になった。Preppyが2006年に登場したことも初めて知った。1,000円のPlaisirは2010年。それらで検証を重ね,回転ネジ式でも完全機密を達成した,と。1年間放っておいても書けなくなることはないよ,と。
 ♯3776のスケルトンタイプはまだ売っているのか。ちょっと欲しいかも。ぼくはカートリッジで使いたいですね。インクの減り具合が外からわかるのは,けっこう便利。便利っていうか,快感。Preppyで日々実感している。
 Preppyに飽きたら♯3776に移ることになるな。その前に万年筆に飽きてしまう可能性がなくもないけど。

● 北星鉛筆の“大人の鉛筆”にもちょっと惹かれた。いや,知ってましたよ。存在じたいは以前から。でも,鉛筆に関心がなかったので,素通りしてましたね。ユニホルダーがあるんだから,これは要らないよな,とも思ってましたよ。
 鉛筆の形をした2㎜芯のシャープペンといえば,それで終わりなんだけど,素材はプラスチックではなく木。価格は600円(クリップつきは700円)。
 買わないと思いますけどね。使う場面がなさそうだから。使うとすれば,万年筆やボールペンで書いているところ(の一部)を“大人の鉛筆”に置き換えることになるんだけど,万年筆もボールペンもこれだと納得して使っているわけでね。

● 増田剛己さんのエッセイも面白く読めた。サラッと軽く。
 「書くことが癒やしになる」とか,「本の文章をそのまま書き写すという行為は,著者と自分がシンクロしているような気分になる」といった話。
 「何もアイデアや考えがない場合でも,とりあえず,万年筆のキャップを取って,紙の上に置くと,自然と文章が浮かんでくる」というのも,たしかにそういうことはあるなと思う。

● ゲームプロデューサーの安藤武博さんのも。無地の紙に筆ペンで書いたのが写真で紹介されている。そこに書かれている文章は次のようなものだ。
贅沢をしよう。時間を。思索を。哲学を。遊戯を。装飾を。鯨飲を。馬食を。放浪を。乱読し,贈答し,多筆しなさい。諧謔的なまでに,無駄を,演ってのけるのです。徹底的に煩悶,空想,夢想のスケルツォを披露するのです。恍惚と手拍子を打ち,頭を,「参」の拍節で大胆に振ればよろしい。そのようにすれば,心躍り,胸晴れましょう。量が質に変わり,全てが最適化されていく仕組みに,抗う事ができるでしょう。誤謬犯せど,美しく勝つ。
 かっこいいなぁ。無駄を重ねることの大事さは,若い人に特に伝えたいことだ。でも,年寄りも基本,同じでしょ。
 が,これができない。無駄だと思ってないでやっている無駄は膨大にあるはずなんだけど,それはダメなんだよね。対象外だ。意識していることが重要なんだな。
 でも,できないんですよ。惜しんじゃう。お金も時間も労力も。明日を考えちゃう。人生はすべからくバランスで成りたっていると思ってしまう。

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