2014年7月16日水曜日

2014.07.15 茂木健一郎 『幸福になる「脳の使い方」』

書名 幸福になる「脳の使い方」
著者 茂木健一郎
発行所 PHP新書
発行年月日 2013.02.01
価格(税別) 760円

● お金と幸福感は比例しないという話から始まる。高度経済成長の前と後で,幸せだと感じている人の比率は変化していない。なぜか。幸福感は他との比較によるからだ。
 では,幸福感を感じられるようになるためにはどうすればいいか,という展開になる。他人ではなく過去の自分と比較することだ,とか。

● 今まであまり語られることのなかった,著者の子供時代の苦悩が本書では詳細に告白される。腺病質だったようだ。
 中学生のときに『赤毛のアン』に出会い,高校生のときは原書で読破するという,傍目にはとんでもないことを著者はしているんだけど,その推進力になったのもその腺病質だったのかと,妙に腑に落ちた。

● 「パッシブなことよりも,アクティブなことの方が幸せには寄与する」(p105)。テレビを見るとか買い物をするというのが,パッシブ・レジャーで,釣りをするとか山登りをするというのがアクティブ・レジャー。
 読書は一見,パッシブ・レジャーに思えるけれども,じつはアクティブ・レジャーに属する。脳の活動としては決してパッシブなものではないということ。

● 以下にいくつか転載。知恵の宝庫といっていいものだと思う。
 人が貧困に陥ってしまう原因は,失業したり,収入が得られなくなることではなく,そのことによって人との絆が断ち切られることにある(p39)
 「勉強が苦手で・・・・・・」と言う人に限って,長時間根を詰めて勉強をしがちです。勉強時間が長ければ長いほど,頭がよくなると勘違いしているのです。 ところが事実はその逆で,短時間勉強に集中して,後はパッと気分転換をする人の方が,勉強や仕事の効率はいいのです。(p96)
 その問題自体が除去できない場合,「この問題が除去できないと,自分は幸せにはなれない」と思うことは,すでにその対象を過大視してしまっていることになります。(p104)
 飽きることは,実は脳の才能のひとつです。趣味に飽きる,勉強に飽きるなど,いろいろな「飽きる」があるでしょうが,その中でも「今の自分に飽きる」という感覚が大事で,「今の自分に飽きた」「自分はもっと変われるはずだ」と思うことが,その人を伸ばす意味で一番大切な感覚です。(p127)
 自分に忠告や批判をしてくる人に反論している時は,まだ自分に自信がない段階です。(中略)本当に自由な精神になれたら,あまり気にならなくなっていくものです。(p133)
 若さについては面白い研究があります。それは歳を重ねると,あまり後悔しなくなるというものです。人は残りの人生が短いと思うと,後悔しても意味がないと感じるからのようです。(中略)つまり,後悔は大いにすべしということです。(p146)
 将来の幸せを誰もが語りますが,「今,ここ」の幸せを感じられない人は,将来においても心の平安を手に入れることは難しいのではないでしょうか。(中略)一年後,二年後の幸せのために,今を犠牲にして人生を楽しまないのは本末転倒です。(p153)
 同じ場にいたAさんとBさんですが,Aさんは満足に思っていて,Bさんは不満を感じている。この二人の違いはどこにあるかというと,「こうでなければならない」という思い込みから自由になっているかどうかです。(p155)
 では,どうすればその縛りから自由になれるのでしょうか。 そのためには,自分の中に持っているこだわりや,美意識,欲深さを,ある程度手放すことが必要です。 私の場合でいえば,髪型や服装に関して「こうでなければならない」という縛りから完全に自由です。(p156)
 たとえば「将来こうなりたいという理想の自分像」と「今の自分」がかけ離れたいたとします。そう思うことも実は「こうでなければならない」という縛りのひとつです。焦って理想の自分を追求しようとしてもろくな結果は生みません。今,ここを楽しむことができて初めて物事は上手くいきます。 幸せであることと,何かを成し遂げられることとの間には,実は相関関係があります。今を幸せだと感じられなければ,本当には何かを成し遂げることはできないのです。(p157)

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