2014年6月19日木曜日

2014.06.18 日本能率協会マネジメントセンター編 『中学生・高校生のための手帳の使い方』

書名 中学生・高校生のための手帳の使い方
編者 日本能率協会マネジメントセンター
発行所 日本能率協会マネジメントセンター
発行年月日 2014.02.10
価格(税別) 1,300円

● 手帳の使い方を中高生に説いているわけだけれども,彼らに独特の使い方があるわけじゃない。書かれることがらは授業や部活動がメインになるにしても,どう書くかという方法論は,大人のビジネスマンや自営業者や主婦にもそのまま通用するはずだ。

● でも,なんだか違和感があった。中学生にこうした手帳を使わせることがいいことなのか。
 子どもが子どもでいることを許さない風潮がそちこちに出ていると思えるんだけど,中学生にビジネス手帳を使わせるとは,それが行くところまで行ったのかという印象。
 「私たちは,手帳を使うことによって,次の3つのよい習慣(手帳に書く習慣,時間を意識する習慣,考える習慣)が身につき,「時間を守る行動」や「自学自習」だけでなく,さまざまな効果が期待できると考えています」(p18)と言うのだけれども,本当なのかね。
 本当だとしても,奔放に生活できる子どもの特権を,そんなものと引き換えてしまっていいのか。

● さらに,能率手帳スコラプログラムというのがあって,採用するかどうかは学校単位になっている。ということは,教師が生徒の手帳を見て指導するのだろう。
 そんなことをしたら,生徒はかえって手帳を遠ざける結果にならないか。少なくとも,見られちゃまずいことは書かなくなるだろう。要領のいい子は教師が喜びそうなことを先回りして書くだろう。

● 今どきの中学生はけっこう忙しいらしい。一部の生徒は言われなくても,手帳かそれに変わるツールを自分で使っているだろう。教師はその邪魔をしちゃいけない。
 およそ,自分でまともに手帳を使いこなせている教師は少数だろう。しかも,圧倒的に少数ではないか。もっといえば,そもそも手帳を使っていない教師の方が多いのじゃないか。
 生徒にそんな指導をする前に,まずやることがあるだろう。

● 手帳など使ってない生徒の方が,それでも多いだろう。それはそれでいいではないか。放っておくということがなぜできない?

● 池谷裕二『受験脳の作り方』を参照してのことらしいが,「昼寝でも記憶は定着するそうなので,昼寝をするなら,その前に暗記学習をするようにしましょう」(p98)などという文章も出てくる。書いたヤツ,気はたしかか。
 総じて,手帳メーカーが自分の業域を拡大するために,中高生を喰いものにしようとしているという印象を,ぼくは持ってしまった。このメーカーはまったくの善意で取り組んでいるのだとは思うけれども。

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