2014年5月27日火曜日

2014.05.26 ノーラン・ブッシュネル 『ぼくがジョブズに教えたこと』

書名 ぼくがジョブズに教えたこと
著者 ノーラン・ブッシュネル
    ジーン・ストーン
訳者 井口耕二
発行所 飛鳥新社
発行年月日 2014.05.06
価格(税別) 1,574円

● スティーブ・ジョブズがアップルを起業する前に働いていたアタリの経営者の,いうなら経営談義。いかにして「クリエイティブな人々」を採用し,存分に能力を発揮してもらえるか。
 痛快な読みものになっている。頭のいい人が書いたものは面白い。

● 「勤務中のウィキペディアを奨励せよ」という。なぜなら「クリエイティブな人というのは,会社が解決してほしいと思うクリエイティブな問題ひとつに集中しつづけられない人種だからだ」。
 こういうのは,自身も「クリエイティブな人」でないと言えないことかもなぁ。

● で,ここで思いだすのが,酒巻久『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』だ。たしか,抜群の実績をあげている女性社員が,じつは会社のパソコンを使って,勤務時間の半分を私的なことに充てていた,というエピソードが紹介されていたと思う。
 この女性社員はどうなったんだろう。もし,辞めてしまったのなら,キャノン電子の損失だろうと普通は思う。
 『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』で説かれていることは一理も二理もあるとは思うんですけどね。会社のパソコンで遊んでいるダメ社員(自称クリエイティブ)はかなり多いだろうし。

● ともあれ。いくつか転載。いくつかにしては,ちょっと多いか。
 創造的な社員が欲しいなら,こちらも創造性を見せなければならない。(p28)
 会社のやり方なら教育で身につけさせられるが,情熱をもたせることはできない。長い目で見ると,会社に一番貢献してくれるのは情熱をもつ人々なのだ。(p43)
 情熱のない就職希望者は,人生について語らせればすぐみつけられる。そういう人はたいがい文句言いだからだ。(p44)
 クリエイティブな人々をみつけたければ,「どういう本が好きですか」と尋ねるのもいい。読書の質問に体を乗りだしてこないのにクリエイティブな人というのは,会ったことがない。私は,いつもこの質問で採用候補者から雑草を取りのぞく。(p79)
 失敗を恐れる組織は,新しい着想を否定する組織となる。(p144)
 クリエイティブな人には仕事を任せることができず,常に監督しなければならないと考える会社が多い。この考え方を,私は「幼稚園型管理」と呼んでいる。(中略)この方針が役に立たないのは,監督者のほうが子どもであることが多いからだ。(p162)
 『アーティストのためのハンドブック』という本におもしろい研究結果が紹介されている。陶芸の授業で,学生の半分には「つぼをひとつ作ること。その出来栄えで点数をつける」と伝え,残りの半分には「作れたつぼの数で点数をつける」と伝える。すると,たくさん作れといわれたほうがいいつぼを作るというのだ。(中略)つぼひとつといわれたほうは,その出来栄えで成績が左右されると考えるため冒険ができず,無難でおもしろくないものを作ってしまう。(p177)
 管理しようという人間に魅力を感じる人はまずいないが,真剣に耳を傾けて学ぼうとする人間(上司)には,皆,好ましい感情をいだくはずだ。(p182)
 どんなあほうでも「ノー」の一言ならいえる。なにも考える必要がないからだ。(p188)
 残念ながら,創造的ではないが社内政治に長けている人がいるのだ。彼らは,いい仕事をするから出世するのではなく,出世の仕方を知っているから出世する。(p193)
 なんでもてきぱきと片付ける人が習慣としていることにクリエイティブなものはまずないし,判で押したような暮らしをする人が独創的な着想を得ることもあまりない。彼らは,予定したとおりの人生を歩きたいと思っているからだ。(p207)
 社外から幹部を登用すると,だいたい,元いた会社と同じ社内手続きを導入しようとする。それは不要で役に立たないと教えなければならないのだが,これが簡単ではない。社内手続きを減らそうとする人より増やそうとする人のほうがはるかに多いからだ。(p215)

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