2014年4月27日日曜日

2014.04.27 長谷川慶太郎 『中国崩壊前夜』

書名 中国崩壊前夜
著者 長谷川慶太郎
発行所 東洋経済新報社
発行年月日 2014.05.01
価格(税別) 1,500円

● 著者は以前から中国は崩壊すると言ってきた。『破綻する中国,繁栄する日本』(実業之日本社)を2月に出したばかり。中国崩壊の警鐘を鳴らす本を立て続けに刊行した。
 その理由は「中国の崩壊は,もはや目前に迫っている」(p7)という危機感から。崩壊後の中国がどうなるかといえば,「七つの大軍区がそれぞれ独立宣言をして,互いに隣国を侵略し合う「内戦」が中国全土にわたって発生する」(p189)。
 解放軍としては,日本と中国首脳が和平への動きを取ることだけは断固反対である。日本の脅威を煽ることが,自らの存在価値を大きくしてくれる。予算も獲得でき,組織も大きくできる。幹部にとっては利権も増える。だからこそ,日中はいつまでも緊張・対立が続いて欲しいのである。(p51)
 二〇一二年の世界のがんによる死者数の最も多い肺がんの場合,新規患者の三六%が中国人。肝臓がん,食道がんでは新規患者の五割が中国人となっている。中国人の人口比率(世界で一九%)を考えると,その異常に高い数値は何を物語っているのか。救いようのない中国国民の悲惨さと無念さが伝わってくる。(p90)
● 「日本では,尖閣のからみで中国からミサイル攻撃等,何らかの攻撃があるかもしれないとの懸念が高まっている」が,それはあり得ない。なぜなら,「それは完全にアメリカとの戦争となり,中国自身,甚大な損害を被ることは明らかである」からだ(p225)。
 アメリカが日本という同盟国を失うような選択をするはずがない。「いまやアメリカは日本の技術に大きく依存している」からで,そんなことをすれば即アメリカの衰退につながる。
 「現代の世界において,技術というのはものすごい力になる。まさにスーパーパワーを決める最大要因と言ってもよい」(p227)のだ。

● 本書の副題は「北朝鮮は韓国に統合される」だ。中国が北朝鮮を支える余裕がなくなれば,北挑戦は切り捨てられる。金正恩はスイスに亡命。北朝鮮は韓国が引き受けるしかなくなる。
 その韓国の経済が減速を余儀なくされている。韓国経済を支えてきたサムスンに陰りが見られる。シャープやソニーの後を追う気配が濃厚になってきた。
 加えて,政治も迷走している。
 九七年の(韓国の通貨)危機は,IMF支援などというよりも,実質,日本が助けたようなものである。それから一カ月以上おくれてIMFが出てきて救済という形を整えただけなのである。(中略) そのような大変困難な経験があったことを伝えるスタッフが,現在の朴槿恵大統領の周辺にはいないのだろう。少しでもこのときの状況を知っていれば,日本との通貨スワップ解消や一連の反日政策はこわくて採れないはずである。残念ながら,今回は,自分でまいた種は自分で刈ってもらうということになるだろう。(p159)
● ほかにいくつか転載。
 総じて,経済新興国というのは,韓国も含めて,みな背伸びをしたがる。 自国の産業基盤が大きく他国に依存しているにもかかわらず,その実情から目を背け、自分たちの成果のみを強調するきらいがある。(p167)
 (韓国や中国には)日本のように同じ経営陣が代々受け継いでというものはない。なぜかと言うと,彼らにとって大切なのは,目先の金儲けなのである。儲からなければすぐにやめてしまう。日本のような「伝統」を継承していくのは大変なものなのである。そのことがいま日本でも再評価されているが,当然のことである。(p168)
 日本は,世界でも比類なき教育熱心な国だったと言ってよい。明治初期に招いた多くのお雇い外国人の中には,当時の参議であった伊藤博文の二倍以上の給料をもらっている者もいたという。当時の貧乏政府が,教育に対しては,破格のお金を投じたことになる。(中略) 中国では国家が教育の必要性に感心を向けない。その理由は一番儲からないからである。だからあまりお金をかけたくない。人口が多い国であるから,放っておいても金持ちの子弟は学校へ行き,そこから一定数の優秀な人材が輩出される。それで良いというやり方を過去何千年と続けてきた国なのだ。(p169)
 計画経済で統一されているということは,市場競争のない世界である。実際に長年それで通すとすさまじい沈滞ぶりを示すことになり,経済も民政も疲弊する。(p180)

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