2014年4月7日月曜日

2014.04.07 日垣 隆 『知的ストレッチ入門』

書名 知的ストレッチ入門
著者 日垣 隆
発行所 大和書房
発行年月日 2006.10.05
価格(税別) 1,300円

● いわゆる知的生産については,梅棹忠夫さんの『知的生産の技術』以来,いくつかのエポックを画する著作が出ていると思うんだけど,本書もそれに連なるものだと思う。現時点で,「知的生産の技術」を考えるのであれば,本書を外すことはできないのじゃないか。

● 文章も読みやすい。ポンポン進む。「それがわかっていてもできないのが人間というもの・・・・・・とおっしゃりたい方は,そのまま安らかにお休みください」(p218)といった突き放しも気持ちいい。自分のことを言われているとも思うんだけど。

● インプットの延長にアウトプットがあるのではなく,まずどんなアウトプットをするつもりなのかが重要だと説く。それに合わせてインプットを考えろ,と。
 これまで知的生産の分野では,情報や知識を100ほど摂取して初めて,ようやく1程度のアウトプットが出せる,というようなことが,まことしやかに語られてきました。 (中略)できるだけそうした発想と訣別しましょう。アウトプットにまったく繋がらないインプットは無駄だと胆に命じてください。あるいは,インプットの量とアウトプットの量をイコールにしていくというイメージを,強引にでももってください。(p18)
 アウトプットする力をみがいてゆけば,わざわざ情報をとりにいかなくても,自分にとって重要な情報とは自然に「出合える」ようになります。 アウトプットする力を向上させるには,周囲の人から何か質問されたら必ず「打ち返す」という習慣を身につけるのが近道だと思います。(p19)
 一番大切なこととして,取っておくか捨てるかの基準はアウトプットするかどうか,この1点だけに決めました。スクラップブックを作る人のなかには,スクラップすること自体が目的になっていて,それに膨大なエネルギーを使っている人は少なくありません。私は,アウトプットの可能性がないものは,一切ファイルをしません。(p99)
 あくまで仕事においては,インプットの続きにアウトプットが出てくるのではなく,アウトプットが前提になっていて,そのためにインプットがあるのです。(p115)
 アウトプットの正体は,説得力だと考えて構いません。説得力のないものは,アウトプットとして失格です。もっと言えば,相手の納得というハードルをクリアしたものだけがお金になる,と言っていいでしょう。(p116)
● 火事場の馬鹿力的な瞬発力を出せるよう自分を追いこむのも,むしろ合理的だと説く。
 今まで30時間かかっていたものを25時間でやろうとするのは,これは単なるスピードの話でしかない。けれども,これまで30時間かかっていたことを,3時間でやるしかなくなったときには,人は違うことを考え始めるわけです。(中略) 追い詰められて,まったく別のことを考えたときに,クリエイティブな仕事が完成するということは,往々にしてありうることなのです。(p135)
 とにかく「本番さえできればいい」と腹を括って1週間の練習をした人は,練習では1度もできなかったことが本番は1発で決まってしまうというようなことが往々にしてある。 10年間の練習よりも,とにかく「この場で入ればいいんだ」という練習をしたのですから,「できる」という可能性は後者のほうが高いということはありうるわけです。(p135)
● 迷ったとき,悩んだときはどうすべきか。即答せよという。これまた説得力に富む。
 これが1番で,あれが2番・・・・・・と順序が明確であれば,1番を選べばいい。 第三の道がベストだったという場合も稀にはあるが,それを思いつかず悩んだ者が浅はかであるにすぎない。順序が明白でないにもかかわらず,どれかを択一しなければならない場合にのみ悩みは生じる。だから,即答するに限る。(p198)
 ベストな選択なるものが客観的に存在すると勘違いするから,その後に努力もせず,失敗すると他人のせいにしてしまう。(p199)
● その他,いくつかのトピックをとりあげて転載したけれども,それをやると1冊まるごと引き写すようなことになりかねない。
 読んでおいて損はない。

0 件のコメント:

コメントを投稿