2014年3月25日火曜日

2014.03.25 藤原敬之 『カネ学入門』

書名 カネ学入門
著者 藤原敬之
発行所 講談社
発行年月日 2013.11.11
価格(税別) 925円

● 「週刊現代」に連載されたもの。軽い読みもの。サラッと読めばいい。実際に,サラッと読める。
 ただし,著者は離婚を二度経験し,(ぼくの感覚からすると)カネを親の仇のように遣い,ファンドマネージャーとして1日で3億円の損失を出したときには,血が引いていく音が聞こえるという,すさまじい目にも遭っている。
 そういう人が書いたものだ。メインは相場の話。

● 株の経験はぼくにもある。著者に比べれば,素人の手慰みかご隠居の手すさびに過ぎないけど,今住んでいる家は株で建てた。住宅ローンは必要なかった。
 持っていたのはタイのバンコクバンク。売って数ヶ月後にアジア通貨危機がタイや韓国を襲った。いいときに売ったと思ったけど,そんなのは一過性だったから,あと数年持ち続けていれば,あるいは億を超えたかもしれない(それはないか)。

● ぼくが株を始めたのはバブル期だった。あの頃は,どんな株でも買いさえすれば儲かったという人がいるんだけれども,たぶん,そんなことはないな。
 バブルは過ぎてみてバブルだったとわかるもので,渦中にいるときは,今は持ってさえいれば上がるんだなどと思えるわけもない。明日どうなるかなんてわからない。
 実際,売買が成立しているということは,売り方と買い方が揃っているということだからね。バブルだろうと何だろうと,株はゼロサムゲームだ。損した人も多かったと思いますよ。

● その後,バブルがはじけたときに,ぼくも500万円近いカネを紙くずにしたけどね。北海道拓殖銀行の倒産見て,底を打ったと思って出動したら,その後に山一証券の破綻を始め,いろいろあって,株価もどんどん下げた。
 それで手仕舞い(弾が尽きたからね)。以後,株には手を出していない。

● 1年間の利益が本業の年収を超えたこともあった。ひと晩寝て起きたら,財産が数十万円増えているですよ(数十万円減ってることもあったわけだけど)。薄給のサラリーマンにしてみたら,気も大きくなろうというものだ。
 ただね,この片手間の株で儲けたことが,トータルでプラスだったかマイナスだったかというと,少し以上に微妙だね。マイナスだったかもしれないと今では思う。

● 要するに,本業に向かう姿勢がガタガタになるんですよ。まるで身が入らない。気が行かない。どうしてもそうなる。株をやめても,改まることはなかったしね。それでなくても浅学非才なわけだからさ。
 で,職業人としてはだいぶ後方にとどまっている自分を発見することになる。出世とか昇進もそうだけど,それだけにとどまらない。姿勢とか心構えの次元で,ファイティングポーズをとれなくなっていた(もっとも,株をやらなくても,同じようになっていたかもしれないんだけど)。

● で,困ったことに,今でも,カネに困ったら株式市場で摘んでくればいいとどこかで思ってるんですよ。摘めるかどうかなんてわかりませんよ。おそらく,摘まむことも掬うこともできないでしょうね。
 でも,少ない成功体験から自由になれていないんですね。ここまでくると,トータルでは明らかにマイナスってことですかね。

● 以下,いくつか転載。
 米国人の場合,どんなに優秀でも教養のある人間は金融の世界にほとんどいません。(p47)
 景気は人間の『気』でできています。(p72)
 株価は将来利益の先食いに他なりません。『将来』に期待が持てなければ,今の利益が高くても株価は下がっていく(p72)
 日本の株式市場は1989年12月29日の日経平均株価3万8915円の史上最高値から既に23年が経っています。バブル経済の象徴であった株式市場が大天井を打ってから23年も経ったということです。 実は近代経済史では何らかの商品の価格がバブル化し,それが崩壊しても約25年経つとピークを更新するという特性が存在します。(p75)
 「感じ」が先に来ます。相場をやる人間はこれがないと駄目です。それから兆候を探し,次に理屈を整理し,それが「本物」かどうかを検証していきます。(p78)
 今の日本の株式市場は「超円高」と「過小評価された株」の『局面修正』であるというのが私の相場観である。相場の勢いは“修正”が起こった時が一番強いというのが持論です。(p101)

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