2014年3月19日水曜日

2014.03.19 渡辺順司 『万年筆ミュージアム 歴史と文化に触れるモノ造り』

書名 万年筆ミュージアム 歴史と文化に触れるモノ造り
著者 渡辺順司
発行所 丸善プラネット
発行年月日 2006.12.28
価格(税別) 3,800円

● 「まえがき」によると,「万年筆という商品をマーケティング的視点から捉え,商品開発というものに言及しようと試みた」とあるが,それに成功しているかどうか。
 牽強付会とか独りよがりとかがありはしないか。メーカーに対する提言として成立しているか。

● 「光が存在するがゆえに影が形成される。影が存在するがゆえに光の素晴らしさというものを認識できる」(p56)といった言わずもがなの文章が出てきたり,「そのように上質なサービスやプロダクトに感銘を覚えるには,享受する側にもノーブレスな求められることだろう」(p60)のようなあまり情報を含まない文章も多いような気がした。
 加えて,上から目線。それが悪いとはいえないけれども,「価値観論とは,本当の意味での価値判断に劣り,かつ高額なものを所有し得ないクラスターが多く展開したがるもの」であり,「目利き論とは購入する財力は備えたものの,本当の見識を持つには至らないクラスターが多く展開したがるもの」(p118)なのだとすれば,それを自分にも向けてはどうかと言いたくなることもあった。

● なので,文章は途中で読むのを放棄。写真だけを見ていった。
 取りあげられているのは,いわゆる限定品の万年筆。本物を見る機会はまずあるまいから,それを細密な写真で見られるのは眼福というものだ。

● 本書には検印が押してある。「現在では風化してしまったともいえる出版文化の「権威」と,書籍の「趣」というものを復活させる可能性を秘めた画期的なことだと確信している」(あとがき)のだという。
 単純に後ろ向きなことに価値を見いだす輩はどこの世界にもいるものだと思った。

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