2014年3月18日火曜日

2014.03.15 吉本隆明・茂木健一郎 『「すべてを引き受ける」という思想』

書名 「すべてを引き受ける」という思想
著者 吉本隆明
    茂木健一郎
発行所 光文社
発行年月日 2012.06.20
価格(税別) 1,500円

● 吉本さんと茂木さんの対談。ではなく,茂木さんが吉本さんにインタビューしている。そのインタビューは2006年に行われた。
 吉本さんからこれだけの話を引きだすんだから,インタビュアーが誰かは大事だ。

● 親鸞の「往相」と「還相」の話が26ページに出てくる。この話が一番印象的。「救済の問題というのは(中略),ある地点まで行ってそこから還ってきた,そういう目で見ることだ」ということ。
 充分には理解できない。わからない。だけども,この視点はとんでもなく重要なのだというのはストンと腑に落ちた。

● 二人の話に登場する人物たちを列記してみる。
 夏目漱石
 親鸞
 三木茂夫(比較解剖学者)
 安藤昌益
 多田富雄(免疫学者)
 荒川修作
 正宗白鳥
 小林秀雄
 源信
 宮沢賢治
 谷川雁(詩人)
 永井均(哲学者)
 白川静
 丸山眞男
 千石イエス
 鮎川信夫(詩人)
 三浦つとむ(マルクス主義者)
 蓮實重彦
 折口信夫
 中沢新一
 今西錦司
 鈴木光司(作家)
 栗本慎一郎
 澁澤龍彦
 江藤淳
 デズモンド・モリス
 ドストエフスキー
 トルストイ
 マルクス
 レイコフ
 チョムスキー
 ラスキン
 リチャード・ドーキンス
 ニーチェ
 シモーヌ・ヴェイユ
 レーニン
 レヴィ=ストロース
 アダム・スミス
 カフカ
 ミシェル・フーコー
 サルトル
 ラマルク
 ベルクソン

● 以下に,吉本発言をいくつか転載。
 ホスピス医は二重に悪いことになります。第一に死を前提にした医療なんて認めがたいし,そのうえ,自分たちはいいことをしているんだと考えているとしたら,これはもうどうしようもないわけです。(p52)
 人間というか人類には,根拠のないタブーをつくらないと済まないようなところがあります。そういうところだけは動物の習慣性と同じで,その点ではまず動物性を脱していないといえます。 日本でいえば,被差別部落のようなものがありますが,部落差別に何か根拠があるのかといえば,何もない。(p56)
 事物というのはまず自己を満たすことが大事なのではないか。ぼくは自己を満たすことを「自己慰安」と呼んでいますけれども,自己が慰安されるところがないようなことは考えないほうがいいと思っています。(p84)
 そのとき感じたのは,宮本顕治という人はあるところで年齢が止まってしまったなということでした。それからもうひとつ,いってることが旧制の高等学校の学生とまったくいっしょで,なんだ,こいつはまるで学生じゃないか,と思いました。 戦争中,宮本顕治は刑務所に入っていたわけですが,刑務所のなかで何もしていなかったんだなということがすぐわかりました。「何もしていなかった」というのはつまり,自分は共産党の幹部で政治運動家だというなら,刑務所に入っていても時々刻々移り変わる国内の社会情勢や世界情勢に対して,自分なりの判断を持つべきなのに,それをまったくしてこなかったという意味です。ああ,この人は牢屋に入ってただフラフラしていただけだ,何も考えていなかったんだな,ということが瞬時にわかりました。(p117)

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