2014年3月18日火曜日

2014.03.14 茂木健一郎 『創造する脳』

書名 創造する脳
著者 茂木健一郎
発行所 PHP
発行年月日 2013.10.25
価格(税別) 950円

● 創造は選ばれた人だけのものではなく,万人に開かれている。というより,脳の本質は創造であって,人は創造することなしに生きることはできない。
 著者はまずそのように説く。

● しかし,だから何も考えないでボーッと生きても大丈夫というわけではない。「自分が置かれた状況の中で一生懸命生きる」というのが出発点になる。
 直観,感情,カオス,縁,一回性といったキーワードが出てくるが,のるかそるかという局面を怖れていてはいけないようだ。

● 安定した職業に就いて,安定した収入があって,毎日同じ仕事をして,明日を思い煩う必要がない人より,たとえば福祉の対象に組み入れられる側に立たざるを得ない人の方が,創造的な生き方に近いというか,創造的には豊かに生きていることになるのかもしれない。
 かもしれないじゃなくて,そうに違いない。

● 以下にいくつかを転載。
 傑作を生み出すことよりも,自分が置かれた状況の中で一生懸命生きることの方が第一義的である。傑作を生み出さなければ無に等しいという価値におけるエリート主義ほど,創造性を支える生の現場のダイナミズムから遠いものはない。(p29)
 私たちが人生で直面する殆どの問題は,確実な答えがわからない不確実なものである。そのような場面で確実な答えだけを求めていたら,かえって判断を誤る。たとえ確実なことが判らなくても,自分の直観を信じて行動することで道は開ける。(p90)
 創造者に対する批評家の役割も,安全基地であることを旨とすべきだろう。(中略)良いものをつくれば必ずあの批評家が愛情をもって褒めてくれる,というような安全基地として機能するような批評家が,理想的な存在である。(p111)
 私たちの脳は,そもそも出力を行う環境なしでは情報のループが完成しないような構造をしている。たとえば自分が何を喋りたいのかは,実際に喋ってみないとわからないことが多い。(p155)

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