2014年2月18日火曜日

2014.02.18 小林信彦・萩本欽一 『ふたりの笑タイム』

書名 ふたりの笑タイム
著者 小林信彦
    萩本欽一
発行所 集英社
発行年月日 2014.01.29
価格(税別) 1,500円

● 副題は「名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏」。主には戦後のことになるんだけど,日本喜劇近代史的な内容。
 しかも,この二人の対談なんだから,面白くないわけがない。

● 井原髙忠,齋藤太朗などテレビ黎明期の伝説のディレクターの話がまず登場。ディレクターが芸人に君臨できていたようだ,当時は。黎明期ならではの現象なんだと思う。
 番組も劇場もアメリカを真似て(パクって)作っていたっていうのも,今となっては貴重な証言かもしれない。

● クレージー・キャッツ,エノケン,渥美清,森繁久彌,三木のり平など,「名喜劇人たち」のエピソードもふんだんに出てくる。
 嫌いな人を貶すんじゃなく,少なからずすごいと思っている人について語っているわけだから,読後感も後味のいいものになる。

● いくつか転載。
 あるときドリフターズの稽古を観たら,ものすご~く一生懸命稽古しててね。55号も最初のうちテレビ番組の稽古を一生懸命してたんですけど,そうするとドリフと似たようになっちゃうような気がして,じゃあ55号は稽古するのをやめようって思ったんです。(萩本 p60)
 コメディアンて,そこにいるお客さんがいちばん喜ぶことに反応するから,客席に子どもがたくさんいると舞台でコケたり,わかりやすい笑いになっちゃう。反対に大人の観客ばっかりだと単純なことでは笑わないですから,言葉を選ばなくちゃいけない。(萩本 p62)
 酔ってないときの石田さんは,いろいろ教えてくれる先輩でもあったんです。ぼくが教わったことをメモに書いてたら,それを見てた石田さんがこう言ったの。 「書くんじゃない。この仕事は書いて覚えるんじゃなく,体で覚えるの。頭で覚えたらできないよ。教わったことはその場で体にすぐ入れる。体に入らないものはおまえに不向きなんだから,それは忘れてかまわない」 この言葉が当時は新鮮でしたし,今はその通りだと思いますね。(萩本 p168)
 あの人(渥美清)は有名になってからも電車に乗ってました。(中略)「いや,俺みたいにこういう役をやってると,パチンコの玉がじゃらじゃらしてるみたいなところにいないと感覚がおかしくなっちゃう。だから地下鉄の隅っこに乗ってればいいんだよ」って。(小林 p189)
● 昔から,小林さんの著作はけっこう買ってたんだけど,実際に読んだのはじつは1冊もなかった。これを機に,読めればいいと思うんだけど。

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