2014年1月7日火曜日

2014.01.06 養老孟司 『読まない力』

書名 読まない力
著者 養老孟司
発行所 PHP新書
発行年月日 2009.03.02
価格(税別) 680円

● この本も雑誌連載の時評を集めたもの。ただ,出来事そのものに突っこんでいくのではなくて,出来事を素材にして自身の存念を語るエッセイ集。
 たぶん,『バカの壁』同様,著者の語りを編集者が文章に起こしたもの。

● 以下に転載。
 政治は倫理ではない。現実の取り扱い方である。その政治家が「倫理」だというのでは,本気のはずがない。何かの宣伝に決まっている。(p24)
 歴史学者は歴史は科学だというかもしれないが,それはおそらくウソである。歴史は思想であって,日本人なら「思想が現実に関与する」とロクなことにはならないと「知っている」はずである。 日中対立の根本にあるのはそれであろう。「思想」は「現実」に関与していいか。日本人は否といい,中国人は諾という。(p157)
 現代人が本当に理解すべきなのは,熱力学の第二法則であろう。自然のなかでは,秩序と無秩序は組になっている。一方的に「秩序だけを立てる」ことはできないし,「自由だけを謳歌する」ことはできないのである。 社会はむろん秩序の上に成り立つ。しかしその秩序は,つねに何かの無秩序と交換になっている。社会に秩序を打ち立てようとする人は,しばしばそこを忘れる。(p166)

0 件のコメント:

コメントを投稿