2013年6月30日日曜日

2013.06.29 隈 研吾 『対談集 つなぐ建築』

書名 対談集 つなぐ建築
著者 隈 研吾
発行所 岩波書店
発行年月日 2012.03.29
価格(税別) 1,800円

● 隈さんと次の7人の対談を収録してある。
 御厨 貴(日本政治史)
 藤森照信(建築家)
 原 武史(日本政治思想史)
 佐々木正人(生態心理学者)
 蓑原 敬(都市プランナー)
 伊東豊雄(建築家)
 岡田利規(演劇作家)

● 以下に多すぎる引用。この多すぎる引用をどう回避するかが,ぼくにとっての最大の課題なんだけど,これといった妙案が出てこない。
 いや,ひとつある。引用を強引にやめてしまえばいい。

2013.06.29 隈 研吾 『建築家,走る』

書名 建築家,走る
著者 隈 研吾
発行所 新潮社
発行年月日 2013.02.25
価格(税別) 1,400円

● 清野由美さんが隈さんにいろいろと話を振り,そのやりとりを文章化したもの。聞き語り。変な言い方だけど,たっぷり面白い。

● まずひとつ転載。
 過去の仕事を振り返ると,「表現」にこだわったものは,建築としては逆に弱いものになったように思います。何かを表現したいということより,「自分の嫌いな建築は作りたくない」という一念にこだわって,建築を磨いて,磨いて,磨き続けると,強い建築ができるようなのです。(p2)
● 日本はグローバル化について行けていないのではないかとの問題提起。いくら終身雇用が良かった,年功賃金が良かった,と言ってみたところで,日本だけがグローバル化の波から超然としているわけにはいかない。
 小泉構造改革の是非を問う論説もけっこうあると思うんだけど,あれをやっていなかったら今頃はもっと切実な事態を迎えていたような気もするんですよね。グローバル化には適応するしかない。どう適応するかだけが問題だ。
 著者は以下のように批判するんだけど,ひょっとすると,一見鈍重に見える日本の建設会社の方が賢い対応かもしれないと思ったり。急がば回れを地で行っていると見ることはできないか。もとより,意識的にそうしているわけではないだろうけど。
 韓国は日本にとって真の脅威だと思います。ここのところ,特に彼らの持っているグローバリぜーションのDNAが,経済危機を乗り越えた後に自信を得て,一挙に加速した印象があります。韓国のクライアントの自信と志の高さを前にすると,「ああっ,ぼくって日本という田舎の人間なんだな」とさびしい気持ちになりますから。(p44)
 ● 歌舞伎座をどう改修するか。プランを作ったのは著者。それにまつわる話。
 日本にも古典主義の名建築はありますが,岡田作品はプロポーションや,素材選びのセンスが他の人とはまるで違う。要するに,建築がエッチなんです。官能的なんです。 奥さんが,赤坂一の芸妓と謳われた萬龍さんだったこととも関係があるでしょう。(中略)そういう女性と添い遂げたというだけで,岡田信一郎はすごいと思います。(p51)
 生き物は,どんなに長い目で物を見ようとしても,結局は自分の生きられる短い時間のことしか考えられない弱い存在です。その短い時間を基準にして,いいとか悪いとかをつぶやく。それが自分自身を含めての,生き物の宿命です。(p65)
 今は,場所の固有性がそれぞれに際立つ時代で,「場所」の意味する範囲が刻一刻と小さくなっている感じなんですね。(p70)
● 特に集合住宅を所有の対象にしたことが,都市政策の最大の失敗だと著者は看做す。それと,リスクを取らない日本社会の閉塞感について警鐘を鳴らす。管理社会が行きつくところまで行くとこうなる,っていうかねぇ。
 ひょっとすると,日本人はとんでもなく図々しくて,かつ,人がいいのかもしれないね。自分の安全を他人に守らせて恥じないわけだし,誰かが守ってくれると信じているんだろうから。
 「私の家」を持ちさえすれば一生の安心,という住宅ローンのシステムを発明したアメリカは,それをエンジンにして20世紀資本主義を牽引しました。しかし皮肉なことに,その幻想が一番うまく効いてしまったのが,戦後から今に至るまでの日本だったのです。「私の家」をめぐる幻想は,住宅ローンによって一生を会社にしばられるサラリーマンと,家に閉じ込められた専業主婦を生み出しました。 ぼくの20世紀批判も,コンクリートのモダニズム批判も,すべての始まりはぼくの母親の姿にあります。家で一人,淋しくしていた母親です。(p103)
 サラリーマンに大金を渡すと,昔の成功例をコピーするだけなので,結局,失敗します。高度成長の時代には,成功をコピーすれば成功するという図式も成立しましたが,情報が一瞬に行き渡る21世紀の世界では,昔の成功とは即,今の失敗なんです。(p110)
● 人生観,人生戦略,仕事観,仕事に対する姿勢や方法論を語る。
 人のせいにするのが上手な人は,そもそも建築という仕事には向いていません。敷地が悪い,クライアントの趣味が悪い,頭が悪い,金がない,近隣の住民がうるさい---人のせいにするネタは,無限に見つかります。でも,その「人のせい」がすべて,ほかにないユニークな建築作品を作るためにきっかけになる,ということが身に染みてわかれば,状況は俄然,変わってきます。(p142)
 これって,建築に限らず,たいていの仕事は同じでしょうね。この境地に至れればすごいことだ。著者は体験を通じて身体でわかっている。
 誰でも体験は否応なくすることになるんだけど,そこで浅く達観しちゃうんだよね。ここへは至れないんだなぁ。

● 東日本大震災を受けて,著者が感じたことは。
 ぼくが最もショックを受けたのは,高台にある住宅街から,被災した市街地を見下ろしたときです。高台では典型的な20世紀型の住宅が何事もなかったかのように並んでいる。道路にはヒビさえ入っていない。でも,そこから下をみると,都市そのものが赤茶色の破片へと徹底的に,完全に粉砕されている。そこには激しいギャップがあり,すべてが非連続でした。(p165)

2013年6月29日土曜日

2013.06.28 朝比奈隆・金子建志 『朝比奈隆 交響楽の世界』

書名 朝比奈隆 交響楽の世界
著者 朝比奈 隆
    金子建志(編 解説)
発行所 早稲田出版
発行年月日 1991.06.11
価格(税別) 2,718円

● 金子さんが行ったインタビューをまとめたもの。20年以上も前に出版されたものだ。いわゆる「時代の証言」にもなっていると思う。
 学者や評論家ではない。頭でこねくり回した話ではなくて,実践記だ。追随するか反発するかは別にして,読んでいて面白くないはずがない。

● ベートーヴェンの音楽はしたたかだとか,どの作曲家の場合でも,書いてあるメトロノーム通りだと上手くいかないことが多いとか,ベートーヴェンをスコア通り演奏してるのは素人だっていう考え方があったとか,ブルックナー演奏者のことを殆ど考えてないとか,そういう話がポンポン出てくる。

2013年6月28日金曜日

2013.06.27 レスリー・ゲデス=ブラウン 『夢の本棚のあるインテリア』

書名 夢の本棚のあるインテリア
著者 レスリー・ゲデス=ブラウン
訳者 山本真実
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2013.05.11
価格(税別) 2,200円

● 「本に囲まれた素敵な部屋150選」が副題。本というモノに対するリスペクトは子どもの頃からずっとあった。本に囲まれて暮らしたいと少年の頃から考えていた。

● 社会人になってから,新潮社だったと思うんだけど,作家の書斎を写真で紹介している本を見て,その冒頭にあった高橋義孝さん(故人)の書斎に圧倒された。自分もこんな部屋を根城にして,世間と対峙したいものだと思った。

● で,現在の居住家屋を建てるときに,北向きに6畳の書斎と隣に書庫を設えた。けれども,ぼくが使うといつまで経っても,高橋義孝さんの書斎のようにはならないのだった。
 書庫はあっという間に満杯になり,それでもどんどん本が増える。増える程度に合わせて,捨てられればいいんだけど,そうはいかない。捨てるスピードはなかなかあがらない。
 そこに3.11があった。書庫は壊滅した。見るのもイヤという状態。文字どおり足の踏み場がない。片づける気にもならず,そのままにしてある。

● 一方,書斎も体のいい物置になった。ヨメの鏡台が運び込まれ,ヨメの書棚(既製品)が運び込まれ,この時点で書斎はぼくの根城ではなくなった。
 結局,乱雑さを抜けでることができないまま,今日に至っている。

● 本書に載っている「本棚のあるインテリア」はそれぞれに味わいがあって美しい。しかし,たんに本がたくさんあるだけで美しくなるわけではないことは,自分で体験済みだ。何によらず,美しさを維持するには手間と時間と(場合によっては)お金がかかるものなのだ。
 もっといえば,自分の生活そのものを美しく保つ努力がなければならないだろう。

2013年6月24日月曜日

2013.06.24 黒田恭一 『水のように音楽を』

書名 水のように音楽を
著者 黒田恭一
発行所 新潮社
発行年月日 1995.04.25
価格(税別) 1,068円

● 1990年から5年間,「小説新潮」に連載されたエッセイ。バブル末期というか,バブルの残り香がまだだいぶあった頃ですね。バタバタしていたけど,今よりはのどかだった。
 インターネットはあるにはあったけれども,普通の人があたりまえに使うようには全然なっていなかった。パソコン通信の時代ですかね。何だか懐かしいなぁ,Windows95フィーバーとかね。

● 著者は『はじめてのクラシック』(講談社現代新書)で知られる。本書はクラシックに限らず,ジャズや「歌謡曲」まで,ポンポンと話題が跳んでくる。
 いい文章を読んでると気分が良くなる。

2013年6月21日金曜日

2013.06.21 横田真俊 『ブログ+ツイッター+フェイスブック 使い分け・連携テクニック』

書名 ブログ+ツイッター+フェイスブック 使い分け・連携テクニック
著者 横田真俊
発行所 秀和システム
発行年月日 2012.09.29
価格(税別) 1,400円

● 中小の会社や商店が,拡販のためにソーシャルメディアをどう使えばいいか。一応,そういう主題で書かれたものだが,内容は必ずしもその用途に限られたものにはなっていない。
 ソーシャルメディアを自分もやってみようというときに参考になるだろう。マニュアルとして使える。

● 「まだ,TwitterやFacebookが登場したばかりであれば,もの珍しさから,新し物好きの方にアピールできたかもしれません。しかし,既にTwitterやFacebookも一般的になっており誰でも利用できるようになっています。このような状態の中で,それほど有名でない人がTwitterやFacebookを始めても,まったく話題になりません」(p13)という文章が出てくる。
 言わずもがなだと思うんだけど,それでも言わないと勘違いする人がいるんでしょうね。

● 昔の感覚でいうと,今のネットの状況はとっくに飽和状態を超えている(と思われる)。ブログにしたって,読む人よりも書く人の方が多いんじゃないかと思えるようなことになっている。
 ブログの黎明期には,タダの人のタダの日常を綴った日記でもそれなりに読んでもらえたんだろうけど,今じゃそんなものは見向きもされない。
 芸能人も政治家でもない普通の人のブログで,アクセス数の累計が100万を超えているものもあるけれど,たいていはかなり早い時期に開設したブログだろう。それでも,ここ数年はアクセスが伸び悩んでいるのではないかと思う。

● 実際,読むに値するものはそんなにないのが実情。玉石混淆といったって,あらかたは石であって,玉などめったにあるものではない。自分のことを棚にあげて言ってるわけですが。
 ブログが急速に普及した結果,読むに値しないものが読まれなくなるというあるべき姿になりつつある。ぼく一個はけっこうなことだと思っている。
 では,読まれているものは読まれるに値するものなのか。それはまた別の問題だ。

● ぼくはTwitterもFacebookもやったことがないので,想像でいうんだけれども,たぶんゴミが溢れているに違いない。大衆化=ゴミ化,という図式はどうしたって出てくるわけで(それだけではないんだろうけど),大衆化したものに魅力はない。
 大学院しかり,海外留学しかり,リゾートしかり,ルイ・ヴィトンしかり,プラダしかり,ラルフ・ローレンしかり,ベンツしかり,ロレックスしかり。

● 「TwitterやFacebookページから情報を発信しても,無視されるだけならともかく,それが悪いようにねじ曲げられて解釈をされ,ユーザに悪い印象を与えてしまう場合もあり,ソーシャルメディアをやらない方がよかったというケースも出てくるかもしれません」(p38)ともある。
 そういう「ケースも出てくるかもしれません」じゃなくて,そのケースしかないだろ,と思ってるんだけど,そうでもない?

● そもそもさ,自分の存在を告知するって難しいよね。よほど注意深くやらないと,マイナスでしょ。で,ネットでそこまで注意深くなんかやれっこないんでさ。
 千に3つは反応があるのかもしれなけれど,残りの997はゼロではなくて,自分をより嫌わせていると思うべきだよねぇ。昔のDMからしてそうだった。もっとも,見ないで捨てるんだから,より嫌われることもない道理か。

2013.06.20 津田大介 『情報の呼吸法』

書名 情報の呼吸法
著者 津田大介
発行所 朝日出版社
発行年月日 2012.01.15
価格(税別) 940円

● ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアについて,著者の経験や接し方を説いたもの。読んでおいて損はない。というと不遜な言い方になるけれども,読みものとしても面白い。

● いくつか転載。
 昔は「情報選び」は「媒体選び」でした。朝日新聞を取るのか読売新聞を取るのか。どの雑誌を買い,どのチャンネルを見るのか。しかしソーシャルメディアの時代になって,それは「人選び」に大きく変わりました。人をどう選ぶのかによって入手できる情報に大きな違いが出るようになりました。(p45)
 ここだけちょっと異論があって,「人をどう選ぶのかによって入手できる情報に大きな違いが出る」のは,昔からそうだったと思う。本と雑誌しかなかった頃も,誰が書いたものか,誰が寄稿しているか,を最初に確認して選んでいたぞ。
 少し前まで情報は「ストック」でした。ネットに情報を上げておけば誰かが何年後かに検索で見つけることができる。そんな巨大なインターフェースをみんなでよってたかって作ろうとしていました。それがツイッターやフェイスブックになると情報がどんどん流れて消えていってしまう。情報がある意味「一期一会」の「フロー」になった。 だからといって情報をずっと追う必要はありません。本当に大事な情報というものは,わざわざ遡って探さなくてもリツイートなどにかたちを変えてまた流れてくるからです。(p80)
 情報は「ストック」だとぼくも思ってた。お金と同じで,ある程度貯まらないと使い勝手がでないものだ,と。自分が何がしかの興味,関心を持っているモノやコトについての情報は,断片をたくさん集めて固まりにしないと使えないものだ,と。

● 本書にも詳しく紹介されているけれども,東日本大震災のような未曾有の災害が起こったとき,ツイッターは大いに役に立った。フローとしての情報が生死を分けるほどの意味を持った。
 が,平時においてすぐに消える情報が役に立つとは思いにくい。たとえば,今どこそこにいるんだけど,近くに美味しいレストランはないかと投げかけて,それならこの店がいいよっていう情報をもらったとして,それが何だというのだ。どうだっていいじゃないか,そんなこと。

● 本書を読んでもなお,SNSに手を染めてみようかとは思わなかった。引きこもり傾向が強くて,あまり人とのコミュニケーションを望んでいないから,と自己分析してるんだけどね。

2013.06.19 村上 龍 『無趣味のすすめ』

書名 無趣味のすすめ
著者 村上 龍
発行所 幻冬舎
発行年月日 2009.03.25
価格(税別) 1,200円

● サラリーマン向けのビジネスエッセイ的なもの。始めはワクワクするほど面白かったんだけど,だんだん失速。
 リーマン・ショックがまだ生々しかった頃に書かれたものだが,渦中にいる時期は,対象の外延や影響力を的確に捉えることは難しいようだ。

● そんなに新味はない。誰かがすでに語っていることだと思う。だからといって,価値がないわけではない。
 問題は,こういうものをいくら読んでも,変われる人はほとんどいないってことだ。少なくとも,ぼくはそうだ。

2013.06.19 三好和義 『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』

書名 死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート
著者 三好和義
発行所 PHP
発行年月日 2013.05.02
価格(税別) 1,300円

● 超高級なリゾートホテルとかリゾート地の風景の写真に説明文(たかせ藍沙さんによる)を添えてある。途中から説明文はパスして写真だけを見ていった。

● 子どもが小さいときには,海外も含めてソチコチ家族で出歩いていた。が,今はすっかり出歩かなくなった。
 そうなると,出歩かないことがデフォルトになる。あるいは,出かけることに関する慣性が消滅している。
 要するに,出かけるのが億劫になっている。リゾート地に対するいいなぁって気持ちも目減りしている。
 ぼくにはまず手が届かないホテルだから,そもそもが宿泊できる可能性はゼロに近いんだけどね。

● なので,写真を眺めるだけで満足。生意気な言い方をすると,行かなくても見当がついてしまうっていうか。
 実際にその場に立ったときの自分の気持ちの高ぶり(あるいは,高ぶらなさ)まで想像できてしまう。だったら,わざわざ行くこともないよな,と。負け惜しみを含めて言ってるわけだけど。

2013年6月18日火曜日

2013.06.17 A-Works編 『人生で最高の1日』

書名 人生で最高の1日
編者 A-Works
発行所 A-Works
発行年月日 2012.10.10
価格(税別) 1,400円

● 副題が「極上のハッピーに包まれる旅のストーリー88選」。愚にもつかないことをさも大事そうに語っている文章が78個集められている。78というのは,10個ほどはマトモなものだったからだ。

● 沸点が低い。騙されたがっているとしか思えない。最初から感動しようと構えているから,どうでもいいことにまで感動してしまう。テレビのバラエティ番組ですぐに笑うスタジオ席のお客さんがいるじゃないですか。あれと同じ。
 読み始めてしまったので最後まで読んだけれども,旅ってさほどにたいしたものでもないのかもしれないなぁ,と思った。

2013年6月17日月曜日

2013.06.15 ヒヨコ舎編 『机』

書名 机
編者 ヒヨコ舎
発行所 アスペクト
発行年月日 2009.01.07
価格(税別) 1,800円

● 各界を代表する人たちの仕事机を写真とインタビュー記事で紹介する。
 登場する人たちは次のとおり(目次を転載)。当然ながらというか,サラリーマンはひとりも出てこない。

 浦沢直樹(漫画家)
 中村好文(建築家)
 大平貫之(プラネタリウムクリエイター)
 ひびのこづえ(コスチュームアーティスト)
 小林紀晴(写真家)
 松井龍哉(ロボットデザイナー)
 鈴木成一(ブックデザイナー)
 四谷シモン(人形作家)
 箭内道彦(クリエイティブディレクター)
 成沢匡史(ルアービルダー)
 長谷川弘(自転車店店主)
 宮沢章夫(劇作家)
 寄藤文平(イラストレーター)

● ユニークな仕事をしている人たちの机の様を知ったからとて,自分がユニークになれるはずもないわけだけど,やはり覗き見趣味を満足させてもらえるっていうか。

2013.06.14 永江 朗 『そうだ,京都に住もう。』

書名 そうだ,京都に住もう。
著者 永江 朗
発行所 京阪神エルマガジン社
発行年月日 2011.07.20
価格(税別) 1,400円

● 著者は京都に家を買うことにした。その理由から,実際に完成するまでの経過を詳細に綴ったもの。もちろん,単なる経過報告ではなく,読みものとしても充分に楽しめる。

● 売りに出ていた町家を買って,リノベーションすることになるんだけど,不動産屋,設計技師,工務店とのやりとりが,とても面白い。
 その面白さを支えているのが,著者自身の関与の深さだ。細部までゆるがせにしないんですね。こだわりを貫くというか。自分なら白紙委任しちゃうだろうなぁと思うんですけどね。

● 京都に住みたいと思ったそもそもの理由は,茶室が欲しいってこと。それだけだったら,別に京都じゃなくてもいいわけだけど,そこはそれ,いろんな偶然や成り行きがある。
 著者もまた普段の生活っていうか,食べることや住まうことを,ゆるがせにしないタイプ。だから面白いわけで。なんでもいいや,っていうんじゃね。

2013年6月14日金曜日

2013.06.14 番外:Associe 2013年7月号-ノートの極意

編者 坂巻正伸
発行所 日経BP社
発行年月日 2012.06.10
価格(税別) 600円

● 手帳の次はノート。
 といっても,ノートに何かを書いていたのは学生だった間だけ。社会人になってから1冊のノートを使い切ったという経験はない。必要なことは会議で渡された資料に書きこむ。それですんできた。っていうか,すませてきた。ひょっとすると(ひょっとしなくても),社会人失格かもしれない。
 メモを取る習慣もあまりないんだけど,連絡メモや備忘メモは,A4反故紙を4つに切って,その裏側を使ってきた。ノートが要るなと思ったことはない。

● ノートっていうと,あらためて何かを勉強するために使うものっていうイメージがある。そうではなくて,落書き帳的に気軽に使えばいいんでしょうね。
 ぼくはもう手遅れだけど,あまり方法論を考えないで,まず使ってみればいいのだと思う。

● とはいっても,プライベートではぼくはわりと文字を書く方だと思う。こんな埒のないブログまで書いているくらいだから。
 ただ,どうしたってパソコンで書くわけで,ノートとペンを使うことはない。手書きの方が,図でもイラストでも自由に書けるから,発想段階ではパソコンは不向きという意見も聞くことがあるんだけど,ぼくは図やイラストなんか書くことはない。最初から文字。エディタで思いつく単語を入れていって,どうにかこうにか文章にしていく。

● でも,まぁ,本号を見ると,できる人はノートを使ってますな。いや,ノートを使っている人の中から,絵になるできる人を選んでるんだろうけど,いろんな使い方があって,見てると楽しい。
 1日の行動を分単位でノートに記録して,就寝前にiPhone(「My Stats」)に入れるという人もいる。究極のライフログ。
 これを何日間が続けてみると,自分がいかに時間を捨てているかがわかるんだろうな。しかし,これをやれること自体がすごい。

2013年6月13日木曜日

2013.06.13 番外:Associe 2012年11月号-手帳術2013

編者 坂巻正伸
発行所 日経BP社
発行年月日 2012.10.10
価格(税別) 657円

● 『Associe』の手帳特集。これも昨年のうちに買って,そのまま放っておいたもの。

● 人の手帳を覗く楽しみ。その楽しさも逓減してきた。老化現象のひとつだと思っている。たかが手帳だろって考えちゃう。
 その下には,もはや自分が何者でもないことが明瞭になって,今さら何をしたってな,ってのがある。老化現象だよねぇ。

● もうひとつ,自分の手帳の使い方が固定していること。そして,それを変えるつもりがないこと。また,変えなければならないような外的条件の変化がないこと。
 それも老化現象なんじゃないのって言われると,たしかにそうかもしれない。いい意味でも悪い意味でも,手帳に関しては安定している。

● それと,ぼくにメモを取る習慣がないってのもあるかもしれない。メモを取らないってことは,手帳に求める用途の主要なひとつを欠くってことだから,手帳への思い入れもその分低いかもしれない。
 でも,メモを取る人ってすごいなぁと思う。ぼくの考えるメモは思いつきを書きつけるってものなんだけど,思いつきがあるってことがまずすごいし,それを手帳なりメモ帳に書くってのがすごい。
 芸人って,ネタ帳を持ってるだけで,大したものだと思っている。

● 電車の中でノートパソコンを開いて仕事(だと思う)をしている人を見ても,何も感じなくなった。田舎でも珍しい光景ではなくなっている。
 けれども,そういう人たちを見て,できそうな人だと感じたためしはない。効率の悪い仕事をしてるんじゃないかと見えてしまうんですね。根拠は何もないんですけどね。
 手帳にびっしりと何かを書いてる人を見かけると,たぶん同じ印象を持つんじゃないかと思う。

● 糸井重里さんのインタビュー記事があって,それが本特集の白眉といっていいだろう。そこから引用。
 当時,社員が他者の手帳を調べようとしたので,「それはやめよう。横をみてはいけない」と言いました。普通の発想だとマーケティング調査をしたくなる。でも,横を見ると,それだけで仕事をした気になっちゃうんですよね。そこから生まれてくるものはほとんどなくて,まず自分の頭で考えることが大切なんです。 ユーザーの声は本当に聞きます。でもそれを反映するかどうかは,検証していくほど道筋は限られてくる。ユーザーの声と僕らの声って大体同じなんです。改良してほしい,利便性を高めてほしいという要望は,僕らも既に試作をして,やっぱり違うとボツになったものが少なくない。

2013年6月12日水曜日

2013.06.12 番外:携帯ツール百科 flick!特別編集

書名 携帯ツール百科
編者 村上琢太
発行所 枻出版社
発行年月日 2013.03.10
価格(税別) 760円

● 雑誌。「あなたのデジタルデバイス見せて下さい」というのが副題。42人に「カバンの中身見せて下さい」とお願いして,どんなデジタルデバイスを使っているか教えてもらうという趣向。
 MicrosoftやSONYの社員も登場する。普段は持ち歩かないであろう,両社製品の宣伝が,広告ではなく記事本体に侵入するのは,仕方のないところ。

● 登場する42人は,女優や芸人から自営のライターやITエンジニア,ビジネスマンまで。デジタルギアを使っていない人じゃしようがない。これだけ集めると圧巻っちゃ圧巻ですな。
 具体的には以下の人たち。

1 ENTER・TAINER
  いとうまい子 サンプラザ中野くん 古坂大魔王 まつゆう* 弓月ひろみ

2 MAKER1
  横井伸好 森繁樹 外村仁 西山和宏

3 PROFESSIONAL1
  四角大輔 浮川和宣・初子 浅田祐介 高畑正幸 宮城光 古川亨 倉園圭三

4 JOURANALIST&WRITER
  林信行 いしたにまさき 松村太郎 荻窪圭 大谷和利

5 PROFESSIONAL2
  南一哉 三井公一 田辺恵二 佐藤豊彦 閑歳孝子 山木隆一郎 アブルカ 霜田憲一

6 MAKER2
  佐藤友和 橋本健志 安藤省吾 入澤麗子 中村文子

7 WRITER&EDITOR
  ムラタユキ 川村和弘 戸津弘貴 飯塚敦 山田道夫 村上タクタ 山本大介 安井克至

● ぼくなんぞは,持ち歩くものは極力少なくしたいタイプ。それ以前に,できるだけモノを持ちたくないと思っている。デジタルデバイスも持つのは必要最小限にしたい。
 で,本書に登場する範囲で自分が持っているモノをあげると,ノートパソコン,スマートフォン,パソコン用外付けスピーカー,ドキュメントスキャナ,スマホの充電用ケーブル,パソコンとスマホの接続ケーブル。以上ですべてだ。このうち,持ち歩くのはスマートフォンのみ。

● 大方のサラリーマンは同じようなものだと思う。しかし,本書に登場する人たちの多くは,フリーランサーだったり,出張が多いビジネスマンだったりする。
 ぼくの移動は自宅と職場の往復に限られ,しかも職場以外のところで仕事をすることはない。そうではない人たちは,パソコンを持ち歩かないと仕事にならないことが多いんだね。

● ぼくは,通話もメールも音楽を聴くのも,すべてスマートフォンでやってしまいたい。そうすれば,スマホ以外に何も持たなくてすむ。
 でも,これって,それじたいがユルイのかもしれないねぇ。たとえば,フリーランサーだったら電話を受ける頻度も多いはず。音楽を聴いている間にしばしば着信があったのでは,まるで落ち着かない。音楽を聴くための器具と通話のための器具は,分けた方がいい。そういうことなんでしょうね。

● にしても。ほんとにこんなに持ち歩いているのかよ。デジタルガジェットが大好きで,いつも手元に置いておかないと落ち着かないっていう神経症的状態になってるんじゃないのか,と突っこみたくなる人もいますな。「編集」が加わっているのかもしれないけどさ。
 それだけ持ち歩いたんじゃ,行動じたいが制約されちゃうんじゃないのと疑いたくなりますな。ひょっとすると,はた迷惑かもしれない。
 でも,まぁ,皆さん,色々と工夫してるんでしょうね。

● 全体的にMacユーザーが多い。Macじゃないパソコンを持ち歩いているのは,MicrosoftやSONYの社員以外では,浮川初子さんとメーカーに勤めている橋本健志さんと安藤省吾さん,それとフリーライターの山本大介さんの4人だけ。
 タブレットやスマートフォンを含めて,Appleの製品を持っていないのは宮城光さんただひとり。こんなものなの? ちょっとAppleに偏りすぎているような気がするけど。

● 痛快なのは古川亨さん。日本マイクロソフトの立役者だったのに,現在使っているガジェットはAppleオンリー。Macを2台持ち歩いてる。こういう人,いいですな。
 もういい歳になると思うんだけど,行動力っていうかバイタリティがハンパない感じ。

● ぼくのようにモノを減らしたい人って,ひょっとすると生命力が弱いのかもしれないと思った。委細かまわずガンガン持ち歩いて,ガシガシ使う方がかっこいいかも。

2013.06.11 遠藤 功 『新幹線お掃除の天使たち』

書名 新幹線お掃除の天使たち
著者 遠藤 功
発行所 あさ出版
発行年月日 2012.08.28
価格(税別) 1,400円

● 舞台はJR東日本のグループ会社のひとつである鉄道整備株式会社。かなり有名になりましたよね。

● ディズニーランドを直接お手本にしたってことはないんだろうけど,すべてのサービス業に何がしかの影響は与えてるでしょうね,ディズニーランド。

● 今の鉄道整備株式会社になるにあたっては,やはりひとりの仕掛人がいた。自然発生的にこんな最適化ができるはずもないから,革命の引き金を引いた誰かがいるのは当然なんだけど,その誰かが接客のプロじゃなったってのがミソ。

● 最後に著者が,次のように総括している。
 強い現場,輝く現場に共通するのは,自主性,自発性,自律性である。これを生み出し,定着させるために不可欠な要素が,リスペクトとプライドなのです。この二つがお互いに影響を及ぼし合い,好循環を生み出したとき,「普通の会社」は「キラキラ輝く普通の会社」へと変身するのです。(p188)
 言葉にすると,このように陳腐きわまるものになる。

2013年6月11日火曜日

2013.06.11 森 博嗣 『森博嗣の半熟セミナ 博士,質問があります』

書名 森博嗣の半熟セミナ 博士,質問があります
著者 森 博嗣
発行所 講談社
発行年月日 2008.12.18
価格(税別) 1,800円

● 2005年10月から2008年3月まで『日経パソコン』に連載されたもの。ヘリコプターはなぜ前進できるのか,ブーメランが戻ってくるのにあの形は関係あるのか,といった疑問に答える。
 っていうか,そうした疑問じたいに,言われて初めて気づくわけだけど。

● いくつか引用。
 テクノロジィは,それまで人間がやっていたことを機械に任せるとき,まず人間の動作を真似るんだね。それが一番,受け入れられる。でも,必ずしもそれが最適な作業ではない。次に,機械としての合理的な形へ移行する。(p91)
 人間のセンスで格好が良いと感じるレベルを,既に超えた感じはするね。やはり,人間は,自然界のものを観察して,魚や鳥の形などから流線型をイメージしているのかもしれない。つまり,それほど速くないレベルにおける流線型というわけだね。(p92)
 まぁ,超能力っていうのは,たいてい大したことはできないものと相場が決まっている。(p124)

2013年6月10日月曜日

2013.06.08 鎌田 洋 『ディズニーの絆力』

書名 ディズニーの絆力
著者 鎌田 洋
発行所 アスコム
発行年月日 2012.03.02
価格(税別) 1,300円

● お金を使ってする遊びは必ず飽きる。
 近い過去にシティホテルブームってのがあった。ちょっとしたミニバブルの趣もあったかもね。独身女性が中心だったのだと思うけど,がんばった自分へのご褒美と称して,週末に都内の一流ホテルに宿泊する。
 こういうものは,集中してやってしまうと短期間で飽きる。飽きると,ホテルをさらにグレードアップしていくことになるんだろうけど,しかし,それにも飽きてくる。

● 飽きないで続くのは,タダでできる遊びだ。文字どおりの無料じゃなくても,少額の出費ですむ遊び。
 お金を使ってする遊びもダラダラやれば飽きない。あるいは,ちょびっとずつやってる分にはなかなか飽きがこない。
 けれど,タダでできる遊びは,ガンガンやっても飽きない。ただし,遊びの方が人を選ぶところがあるかもしれない。選ばれない人はどうあがいても選んでもらえない。男女関係と同じだ。だから,老いてから始めるのでは遅いのだ。

● ディズニーランドもしかり。集中して行ってしまうと飽きる。
 じつは,ぼく,ディズニーランドには200回くらい行っている。年5回行くのを40年続けても,ディズニーランドだったらたぶん飽きることはないだろう。
 けれども,年50回を4年続ければ,たいてい飽きる。

● のだが,本書を読むと,それでも飽きない人がいるのかもしれないと思えてくる。少なくとも,著者は飽きない人かも。
 著者はディズニーの内部にいた人だ。きれい事だけではない現場を知り尽くしているだろう。それでも著者の語り口からは,リスペクトを超えてディズニーに心酔していると思われるのだ。
 なんか,不思議なものを見るような気がしている。

2013.06.08 鎌田 洋 『ディズニー ありがとうの神様が教えてくれたこと』

書名 ディズニー ありがとうの神様が教えてくれたこと
著者 鎌田 洋
発行所 ソフトバンククリエイティブ
発行年月日 2013.04.18
価格(税別) 1,100円

● 『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』と同様に,ディズニーランドを舞台にした小説仕立てのおとぎ話が3話。
 著者はストーリーテラーの才能があることは間違いない。この程度の作りものになんで泣くんだよ,オレ,と思いながらも,読みながら泣いてしまった。

● 福祉とか医療,教育の現場で働く人に,読んでもらいたいとチラッと思った。福祉原論などという固い本を読むより,よっぽど勉強になるかも,と。

2013.06.08 松浦弥太郎 『愛さなくてはいけないふたつのこと』

書名 愛さなくてはいけないふたつのこと
著者 松浦弥太郎
発行所 PHP
発行年月日 2012.01.10
価格(税別) 1,200円

● 人生論っていうか,上手な生き方を説く本は,佃煮にするほどたくさん出ているだろう。本書もその中の1冊ということになる。
 たぶん,松浦さん,本書を書くためにではなく,自身の人生でいろんなことがあるたびに,佃煮の中から何冊もの本を読んできたに違いない。成功哲学的なものも読んでいるだろう。

● それと自分の体験を化合させて本書が生まれている。佃煮のひとかけらとはいっても,そこは松浦流だ。言葉の上滑りや観念先行はない。読むに値するものだと思う。

2013年6月7日金曜日

2013.06.07 番外:DIME 2012年10月16日号-365日右肩上がりの手帳術

● 「365日右肩上がりの手帳術」という手帳特集。
 次の年の手帳が文具店や書店に並ぶ時期って,どんどん早くなってる。9月にはもう出てきてない? せっかちだねぇ。悪いことじゃないけど。

● その時期に,雑誌が手帳の特集を組むのも,例年の約束事。売れるんでしょうね。
 でも,毎年毎年,次から次へとこうした雑誌特集とか手帳本が刊行されるのは,要するに決定版はないってことの証明でもある。

● どうなんだろ? こういうものを実用記事として読んでる人と,この種の記事を読むこと自体が好きっていう人と,どちらが多いんだろう。
 ぼくはどちらかというと,後者に属すると思う。どの手帳を買うかは決まっている。毎年同じものを使っていて,変える気はサラサラない。進取の気性に乏しい。

● でも,こうした記事を読むのは好きだ。ま,昨年10月に買ったのを,今まで放っておいたくらいだから,好きといっても度合いはしれているんだけどさ。
 人さまがどんな手帳をどんなふうに使っているのかって,興味がありますよね。かなり下世話な覗き趣味ではありますけどね。

● この気分をさらに掘りさげると,手帳が人生を変えるって,どこかで思っているのかもしれない。手帳の使い方にもデキる人の共通点があって,それを知れば,そしてそれを真似れば,自分もデキる人になれるかもしれないと思っている,と。
 んなこたぁ,ないわけですけどね。

● こうした雑誌特集って,どうしたって宣伝臭が入りこむことは避けられない。メーカーからお金が出ているんだろうからね。
 それでもちゃんと読ませる誌面作りのノウハウは,各社とも蓄えているんでしょうねぇ。

2013.06.07 松浦弥太郎 『暮らしのヒント集2』

書名 暮らしのヒント集2
著者 松浦弥太郎
発行所 暮しの手帖社
発行年月日 2010.09.17
価格(税別) 1,200円

● 文字どおり,日々の暮らしのためのTipsを集めたもの。
 どのように書いているのかといいますと,毎日,朝起きたときから,小さなカードのようなメモ用紙とペンを,ポケットの中に入れておきます。 朝から夜寝るまでの間,ふと思いつくような,「ああ,こんな風にできたらいいな」とか,目の前にいる誰かのちょっとした仕草で感じた「すてきだな」と思うこと,うれしくて感動したこと,発見したり学んだことや,暮らしのなかで自分が感心を持ったこと,好奇心の先にあったことを,こつこつと小さなカードに書きます。一日の終わりになると,真っ白だったカードは,あたかも小さな日記のように,ヒントのかけらでいっぱいになります。そんなヒントのかけらを整理して記事にまとめているのです。(p5)
 これが一番のTipsかもしれない。プリミティブで誰にでもできる方法論なんだけど,実際にできる人はごく少ない。

● 読者対象は主に女性のようだ。『暮しの手帖』を読むのは女性が多いだろうから,当然といえば当然なのだが,著者は『暮しの手帖』に携わる前から,女性的視点を豊富に持っていた人のように思われる。

2013年6月5日水曜日

2013.06.05 本田直之 『ノマドライフ』

書名 ノマドライフ
著者 本田直之
発行所 朝日新聞出版
発行年月日 2012.03.30
価格(税別) 1,400円

● ノマドライフかぁ。ぼくはもう手遅れだろうな。年齢的に。年齢そのものというより,この年になるまでダラダラとやってきてしまったから,蓄積がないんですよね。

● っていうか,これ,やっぱり恵まれた強者の発想っていうか(著者はそうではないと繰り返し言ってるんだけど),できる人とできない人がいる(これは著者も認めている)。
 で,できない人の方が圧倒的多数。

● 以下にいくつか転載。
わたしは以前,何回も秘書を雇おうと思ったことがありましたが,iPhoneのおかげでまったく必要性を感じなくなりました。(p72)
 パソコンの黎明期から,パソコンがあれば秘書いらず的なことは言われていた。PIMはソフトにおけるひとつのジャンルを形成していたくらいだ。
 でも,なかなか秘書に取って代わることはできなかったようだ。っていうか,ユーザーのほとんどは,そもそも秘書を必要とするほどの環境にはいなかったんだろうけどさ。
 ちなみに,ぼくは「Sidekick」をかなり気にいって愛用してた。PIM機能は使わなかったんですけどね。「メモ帳」と簡易データベース機能がぼくのような者にも使いやすくてね。MSのOutlookが出てから消えてしまいましたね。
わたしが常に最新のデバイスに買い替えているのは,0.1秒でも遅いのが耐えられないからです。積み重なれば,多大な損失になると認識しています。 デバイスは仕事に深く関わるものであり,社員代わりと思えば安い投資。わずか6,7万円で1年半程度,24時間365日,フルに働いてくれる社員はいません。(中略) 3年前のPCを使っている人も,わたしには理解できません。特にノマドワークをしようと思うなら,呑気に古いものを使っている場合ではありません。最新のテクノロジーに対する知識をたくわえるためにも,積極的に投資していきましょう。(p88)
 ぼくは3年前どころか6年前のPCを使用中。スマホも3年目に入った。それで不都合を感じていない。
 っていうのは,つまり,著者のいうノマドライフに向かうスタート地点に立てていないってことだろう。そもそもが,ノマドライフに向かないっていうか,そういうことをする必要がない人種ってことだ。
 見落としがちですが重要なのは,スマートフォンで指をスライドさせて文字を入力するフリック入力。(中略)スピーディーにストレスなく入力できるようにしておかないと,せっかくのスマートフォンも,ノマド的に使えなくなってしまいます。 これについては練習あるのみ。(中略)ぜひ侮らず訓練していただきたいものです。(p89)
 これもやりたくないないなぁ。スマホは文字入力には徹底的に向かない。やるとすれば,たぶんタブレットを買うことになると思うんだけど,何とかキーボードを使うことを考えたい。
 あるいは,ノートパソコン。バッテリィのモチが劇的に向上することを期待しちゃう。
 いや,練習した方がいいのか,フリック入力。女子高校生になったつもりで,チャレンジしてみようか。
 バリューのあるものを提供してはじめて,何かにつながることができます。この場合の「何か」とは,お金ではありません。集金ツールを目指すのはやめて,あくまで自分の思考を高め,情報をシェアする意識を持ちましょう。セルフメディアとは,極論すれば,高額のギャラが発生するくらい質の高い情報を無料で提供していくことによってバリューが出るものです。 ノマドライフのベースは個人ですが,会社組織と互角くらいの大きな力を持つためにはセルフメディアを持つべきです。(p156)
 うぅーん。「高額のギャラが発生するくらい質の高い情報」かぁ。想像が及ばないな,自分の場合。類は友を呼ぶ状態だから,自分の周囲にもいそうにないな。著者はSNSを駆使しているそうなんだけど,ツール以前の問題だよなぁ。
 結局,この種の本っていうのはさ,無能者の憧れに支えられて売れているものかねぇ。自分もツールを使えば著者と同じことができるかもしれない,っていうあり得ない妄想に。

2013年6月4日火曜日

2013.06.04 座右の銘研究会編 『座右の銘 1500』

書名 座右の銘 1500
編者 座右の銘研究会
発行所 笹倉出版社
発行年月日 2012.09.18
価格(税別) 752円

● 心の「薬言」を多数掲載!,脳と心にビビッと響く!,というのが販促コピー。箴言を集めたもの。

● 箴言といえば,ラ・ロシュフコーの箴言集(岩波文庫)がよく読まれているものだろう。ぼくも若い頃に読み始めたんだけど,恥ずかしながら最後までは読み通せなかった。また,挑戦してみよう。

● 箴言って,寸鉄人を殺す的な印象がある。短い言葉で世の中の諸相の本質を抉る的な。だから,パフォーマンスのいい読書の代表例と考えられる向きもあるかもしれない。少ない時間と労力で,多くの成果を得ることができる,と。ちょっとの間にだいぶ賢くなったと思わせるっていうか。
 が,当然だけど,それは錯覚だよね。箴言に踊らされないってのは,最低限の知性でしょうね。

● 人生の終わりにさしかかった頃に,たとえば本書を読んでみて,箴言批評のようなことをやってみるのは面白いかもしれない。

2013年6月3日月曜日

2013.06.02 清水義博編 『Googleの説明書』

書名 Googleの説明書
編者 清水義博
発行所 インターナショナル・ラグジュアリー・メディア
発行年月日 2012.06.05
価格(税別) 1,200円

● Googleがやっていること,やろうとしていることを追っていけば,これからITがどこに向かうのかを見当づけることができるんじゃないかと思っている。
 それには,実際にGoogleのサービスを使ってみるのがいい。

● のだが,ブラウザはChrome,ブログサービスは「Blogger」,メールはGmail,YouTubeで動画視聴,といった程度にしかGoogleを使っていない。Google依存症になりたいと思ってるんだけど,とてものこと依存症にはほど遠い。
 スケジュール管理は紙の手帳を使いたいから,Googleカレンダーは使っていないし,あまり出歩かないからGoogleマップもさほどに使うことがない。Google Earth もしかり。

● Google+ の何たるかもよくわからない。わかるためには使ってみるのが一番なわけだが,SNSなんぞに興味がないので,これも使わずじまい。
 Googleドキュメントも便利そうなんだけど,設定をするときに英語しか表示されないようなので,何となく気後れしている。
 
● 結局,ITのこれからについての関心もその程度にしか持っていないわけだね。
 ただ,最近,パソコンが壊れて替えたんだけど,Chromeを立ちあげたら,以前の設定がそのままになってて,使い勝手がいささかも損なわれていないことに驚いた。これがクラウドの威力かぁ,ってね。
 端末にデータを溜めておく時代は過ぎたんだなぁと思わされた。

● で,本書によって,Googleでできることを確認しておこうと思った次第。細かい設定の仕方などは,具体的にそのサービスを使うときにあらためて確認すればいいから,できることを確認するためにササッと目をとおしただけ。
 まぁ,いろんなことがGoogleだけでできてしまうんだねぇ。Googleって便利。素晴らしい。

● とか言ってると,君の個人情報をそっくりGoogleに預けることになるよ,それでもいいのかい,とか訊かれそうだな。
 いいと思っている。なぜなら,ぼくの個人情報なんか知ったところで,何も使いようがないと思うからだ。預金通帳の口座番号を知られたってかまわない。残金がないんだからね。何もされようがない。
 その前に,そもそもぼくの個人情報なんぞに興味を持つ人なんているはずがない。政治家だったり売れっ子のタレントでもあれば別だけれども,何の取り柄もないタダの人の個人情報に,誰が関心を抱くというのだ?