2013年12月10日火曜日

2013.12.06 茂木健一郎 『あるとき脳は羽ばたく』

書名 あるとき脳は羽ばたく
著者 茂木健一郎
発行所 中公新書ラクレ
発行年月日 2009.12.10
価格(税別) 700円

● このシリーズ最後のエッセイ集。なぜ最後になったかといえば,連載媒体の「読売ウイークリー」が休刊(という名の廃刊)になったから。
 が,著者のエッセイは,ほかにもたくさんある。読者として困ることはない。

● 脳は暗示に弱い。成功哲学でも説かれることが多いけれど。
 脳はさまざまな性質を持っているが,とにかく「暗示」や「思い込み」に弱い。現代の脳科学によれば,脳の働きがすなわち「私」であり,脳以外に「私」の居場所はない。その「私」が,脳についてどのようなイメージを抱いているかで,脳自体の働きが制約されてしまうのである。 「私の脳にできるのはこの程度のことだ!」と思い込んでしまえば,本当にその程度の脳になってしまう。「私には,まだまだ可能性がある」と多少強引でも暗示をかけていると,それに対応して「のびしろ」が増える。(p12)
● 「いま,ここ」に生きること。刹那に生きるという言い方で仏教者が説くところでもある。
 昨今は格差社会などというが,結局人間の幸せを決めるのは,自分の「いま,ここ」を引き受ける覚悟。そして与えられた条件の中で少しでも楽しく過ごそうという工夫ではないか。「今日のシャンパンの銘柄は何にしよう。キャビアはベルーガにしようか,それともオシェトラにしようか」などと迷っているお金持ちと,「今晩の発泡酒は何にしよう。つまみは,ポテトチップスがいいかな,それとも,海苔せんべいにしようか」と思案する庶民で,幸せの総量はさほど変わりはしない。(p64)

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