2013年11月18日月曜日

2013.11.17 森 博嗣 『「やりがいのある仕事」という幻想』

書名 「やりがいのある仕事」という幻想
著者 森 博嗣
発行所 朝日新書
発行年月日 2013.05.30
価格(税別) 760円

● 久しぶりに著者のエッセイ?を読んだ。痛快無比。エゴという意味ではなく,徹底した自分中心主義が心地いい。ここがグラついていると,何事も始まらない。
 けれども,それが難しい。周囲に流されがちなものだから。

● 多すぎるかもしれない転載。まず,仕事の価値について。
 僕の仕事に対する第一原理というのは,(中略)「人は働くために生きているのではない」ということだ。(p9)
 ● 仕事が大変だと大人は言いたがるけど,それは本当か。
 子供は,学校でけっこう苦労している。勉強も大変である。僕は,社会人のしている仕事の方が,学業よりも楽だと考えている。どちらかといえば,子供の方が大変だと思う。(中略) 大人の何が楽かといって,仕事は辞められるが,子供は学校は辞められない。また,事実上,子供の自由で学校は選べない。大人は仕事を選べる。それだけを取っても,子供の方が過酷である。(p47)
 ● 他人とのつきあい方,あるいは,つきあわない方。
 僕は孤独が大好きなので,「堪え難い賑やかさ」ならわかるが,「堪え難い孤独」というものが理解できない。(p163)
 人間関係が酒の席で築けるなんて言うけれど,酒の席で壊れた人間関係の方がずっと多い。勘違いしないでもらいたい,と僕は常々思う。(p190)
 ● 情報とのつきあい方。
 やはり二十年くらいまえに,アップルという企業は凄いと思った。しかし,当時はそんなことを言うのは超マイナな人間だけで,みんな「アップルなんか風前の灯火じゃないか」「使っているのは,オタクなファンだけ」「やっぱりパソコンはNECだよ」と豪語していた。近いところではiPhoneが出たとき,僕はすぐに買ったのだけれど,そのとき周囲では「あのタッチパネルは駄目だよ,日本人は指でキィを押すのが好きなんです」なんて否定された。 どうしてそういうものの見方をするのかな,と考えれば,簡単である。「どうなるのか」を見ている人は少なくて,みんな,「こうであってほしい」「こうなってほしい」という見方をしているのだ。新しいものに対しても,「いや,そんなものが台頭してもらっては困る」というふうに見る。(p99)
 ● スタイルにこだわるのは愚劣。
 たとえば,新幹線の中で,パソコンを広げて仕事をしているビジネスマンがいる。きっと,ああいうスタイルが格好良いと思っているのだろな,と僕などは見てしまう。(中略) この「スタイルに拘る」というのが一番下のレベルで,その次が,「手法に拘る」というものだ。これも,まだ本質ではない。最も大事なことは,手法にもスタイルにも拘らず臨機応変に選択できる「自由さ」であり,拘るべきは,結果のコンテンツである。(p159)

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