2013年11月14日木曜日

2013.11.11 竹内 薫 『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』

書名 自分はバカかもしれないと思ったときに読む本
著者 竹内 薫
発行所 河出書房新社
発行年月日 2013.03.30
価格(税別) 1,200円

● 河出書房新社の「14歳の世渡り術」シリーズの1冊。中学生をなめちゃいけないですよね。中学生向けの書籍や図鑑って,大人が読んでも面白い。有用だ。

● バカをこじらせないこと,という言い方が何度も出てくる。巧い言い方ですね。バカもこじらせると慢性化してしまうことがあるんでしょうかねぇ。
 まわりからバカだと思われてると,人間っていうのはバカになっちゃう。這い上がれないんですよ。抜け出せないんですよ。ホントに不思議なことなんですけど,他者からのイメージによって自己イメージがゆがめられちゃうんですよね。(p28)
● 努力を継続することが,持って生まれた才能より大事だってこと。努力に勝る天才なし,って昔から言われているけど。
 才能よりも,努力を続けられるかどうかのほうが重要です。継続できる人のほうが結果的には伸びることが多いんですね。もちろん,すごく才能のある人にすごく努力されてしまうと,凡人は追いつけません。けれど,才能がある人って意外に努力しないんですね,たいていのことはできちゃうから。怠けることも多いんです。 そういう意味では,ほんとうの才能とは継続する力。でも,継続するためにはある程度自分を信じる必要があるんですね。バカだと思っていると何も始まらない。(p29)
● 多様性が大事。これもはるか昔から言われてきたことだと思う。が,統一が好きな人って,ほんと多い。「統一=チームワーク=勝利」という等式しか持っていないやつ。すなわち,バカ。
 基本的に,多様性が失われるとバカになるからです。個々人がバラついて見えるので,統一したがるのですが,実は多様性が確保されているほうがバカじゃない。(中略) 文化もそうです。文化の多様性が失われて考え方が統一され始めると,だんだん社会がバカな方向に進んでいくんですよ。(p66)
 どんなに客観的に見える文章だって,誰かが書いたものである以上,書いたときの文化的,歴史的制約を受けています。(p71)
● この文章の前に例としてあげられているのは大学の先生。いまどきだから,大学教授を賢いと思っている人はさほどいないとも思うんだけどね。大学教授しか務まらないヤツが大学教授になっているんだもんな。例外はあるんだろうけど。
 この社会のなかでバカかそうでないかを分けるのは,どれだけフィードバックを受けられるかってことなんですね。フィードバックを受けることによって自己修正がどれぐらいできるか,行動をどれぐらい変えられるかということで,たぶんバカかそうでないかが決まるんですよ。 自己修正のサイクルを止めてしまったときに,バカが始まるといってもいい。(p100)
● 以下も特に目新しいことではないけれども,時々誰かに言ってもらう必要がある。バカの意見は有害だし,バカどおしの議論は百害あって一利もない。
 この社会にはいろんな問題が次々と出てくるわけじゃないですか。経済の問題とか,原発の問題とか,領土の問題とか。それらについていろんな人がいろんな意見をいって論じるんだけれども,まず正確な情報に基づいて論じていない人がほんとうに多いんですよね。(中略) そういう議論(もどき)には,ひとつの特徴があります。 たいてい,「~らしいですよ」って,いうんです。(p104)
● インターネットが普及してから,英語の重要性は突出した感がある。ぼくは手を拱いているけど。
 玉石混淆の情報が溢れかえるこの現代社会において,インターネット社会,情報化社会といわれますね,精度の高い情報っていうのは,どうしても英語に偏っているんです。(p106)
● インターネットは便利だけれども,便利なネットを使いこなすには,使いこなすだけの条件がある。
 読書の基本的な役割のひとつに,知識を仕入れるということがありますが,知識の絶対量が少ないとどうしても人はバカになっちゃうんですよ。 知識を増やすためにインターネットをやる? それもいいけれども,インターネットで適切に検索し,インチキ情報をかいくぐって,信頼に足る情報にたどりつくには,その手前で,ある程度の知識の基本量が必要なんです。(p123)
● 瞬発力とスタミナ。サラリーマンと呼ばれる人たちに求められるのは,後者の方。
 このあいだ,銀行に勤めている友人がしみじみいっていたんですが,社会に出て必要なアタマの力は,耐久力だっていうんですね。つまり,持続してずっと使い続けてもへたらない力ですね。学生時代の受験勉強のように,決められた時間内に問題を解くというような能力はいっさい効かない,と。(p133)
● 天才とはなろうしてなれるものではないということ。
 いわゆる天才を見ているとですね,集中の時期がほんとうにすごいんですよ。ただね,自分で進んで集中する時間を確保しているんじゃないように思えるんです。(中略) なんといえばいいのか,天才というのはそういう運命の下に生まれてるんですね。集中する時間が降りてくる。(p140)
● 以下は,いくつかのティプス。ティプスというには,基本的な事項だと思うんですけどね。
 人間って,どんなにアタマがよくてもアタマのなかだけで考えることには限界があるんです。考えているうちに,なにやらごちゃごちゃしてきて,何を考えていたのかわからなくなることはありませんか? そんなときにはアタマのなかにあることを,ちょっと外に出してあげると,びっくりするくらい物事が整理されて見えてくることがあります。(p145)
 ● これも知っておくべき大切なことだ。努力の成果は,時間の経過とともに一様に現れるものではない,ということだ。
 成功している人はやっぱり根気があるんです。諦めない。諦めた瞬間にもうそれは達成できなくなるからです。(中略) なぜ途中で諦めてしまうのか。 一番の理由は,達成感がないから。いいかえると,成果が出ないから。 そうなんですけれど,ここに大きな勘違いがひそんでいます。 成果というのは,比例関係にはないんです。(p173)
 特殊技能を必要とする職業,たとえば野球選手とかピアニストとかカメラマンとかになるために必要な修行期間はだいたい1万時間だといわれています。子どものときピアノを習ったけど,うまく弾きこなせない人は,せいぜい練習時間が数千時間止まりだったのでしょう。(中略) でも,やってできない時間じゃない。あとは,根気が続くかどうかです。(p182)
 ● これは正直,耳が痛い。ぼくは職業人スタートの時点で,この点を誤ってしまった。バカの極みというべきだ。
 仕事ってすべてそうだなと思うんですよね。たくさんの人が関わっているんだけど,ひとりでもこだわりが足りない人がいると全体がダメになっちゃうことがある。(p193)
 仕事ができる人は何がちがうのか。 ぼくもいろいろな人を見てきましたが,できる人は,「つまらない」という状態に陥らないですね。どんな仕事にもそれなりのおもしろさというのを見出す。そういうふうに見える角度を探し出すんです。 ダメな人は逆ですね。その仕事のネガティブな面ばっかりに注目するんですよ。しかもその一方向からしかものを見ることができない。(p194)

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