2013年8月15日木曜日

2013.08.15 河合敦監修 『最新トピックで歴史を見直す 日本史』

書名 最新トピックで歴史を見直す 日本史
監修者 河合 敦
発行所 池田書店
発行年月日 2013.06.27
価格(税別) 1,300円

● 高校の日本史の教科書のような体裁。山川出版社の高校の社会科の教科書が,一般向けに手直しされて,「もういちど読む」シリーズとして市販されているけれども,それにあやかったのかもしれない。

● ぼくが高校生のときも,世界史と日本史については山川の教科書はよく知られていた。山川の「詳説世界史」にしか載っていないことが○○大学の入試問題に出題された,なんてことが言われたり。
 ちなみに,ぼくが通っている高校の教科書は世界史も日本史も山川じゃなかった。なんで山川じゃないんだよ,って思ったもんだ。
 今なら,そんなことはどうでもいいとわかるんだけど,標準以上にバカだったんでしょうね。

● 昔とは見解が変わっているところもある。一番興味があったのは聖徳太子問題なんだけど,本書でも聖徳太子の存在を前提にした叙述になっている。コラム欄でこの問題を取りあげていて,聖徳太子のモデルになった人物は少なくとも実在した,と。

● 昔から腑に落ちなかったのが白村江の戦いだ。百済復興のために,2万人とも3万人とも言われる兵団を朝鮮半島に送りだして,唐・新羅連合軍に惨敗を喫するっていうやつ。
 当時の日本列島に住んでいた人は約500万人だと言われている。それで2万や3万人の兵を一回の戦闘に投入するってのは尋常じゃない。なぜそんなことをしたのかがわからない。百済にそこまでの義理があったのか,唐や新羅をそこまで恐れる理由があったのか。それについては本書にも特に解説はない。
 好事家はいろいろ言ってるけどさ。中大兄皇子が百済の王位継承権を持っていたからだ,とか。

● 日本って四海が天然の要害なんでしょうね。守って負けたことはない。そのかわり,打って出て勝ったこともない。
 日清戦争も攻めてでたとは言いがたいし,日露戦争ははっきり守った戦争だもんね。バルチック艦隊が出張ってきてくれたおかげで勝てた。

● あと不思議なのは,その当時に朝鮮半島にそれだけの兵を輸送することができたのに,後の遣唐使船がしばしば遭難沈没していることだ。
 ルートが違うんだけど,いったん朝鮮半島の沿岸に行って,そこから南下するというルートをなぜ採らなかったのかね。そのあたりがよくわからん。

● 江戸時代の徳川綱吉に対する評価も昔とは違ってるんですね。「天和の治」と称する。この言葉は昔の日本史の教科書にはなかったと思う。あの「生類憐みの令」にもいいところはあったんだよ,ってことになっている。

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