2013年5月14日火曜日

2013.05.11 森 博嗣 『TRUCK&TROLL』


書名 TRUCK&TROLL
著者 森 博嗣
発行所 講談社文庫
発行年月日 2012.06.15(単行本:2010.03)
価格(税別) 648円

● 『DOG&DOLL』に続く,音楽(を素材にした)エッセイの2冊目。面白いエッセイを読む時間を持てるのは,なんだかんだいって,かなり上質な幸せというものだろう。
 読んで,自分の何かが変わるわけではないけれども。ただし,著者は次のように言っている。
僕が観察したところ,多くの人の自由を奪っているのは,その人自身の「きっと自分には無理だから」という錯覚である。(p154)
● いくつかを転載。
 たとえば,勉強した方が自分のためになるとわかっているのに,ついサボってしまう。ダイエットしたいと真剣に考えているつもりでも,つい甘いものを食べてしまう。この場合,サボることや食べたいものを食べることが自由だと考えがちだが,違う。それは,自分の意志が,なにかに負けているわけだ。よく,「意志が弱くてね・・・・・・」などと言い訳をする。これは,意志に優るなにものかに支配されている証拠である。支配されている,ということは,すなわち自由ではない。(p152)
 著者の屋台骨のひとつが,この「自由」だ。何ものにもとらわれないこと。世間や常識やマスコミや過去の自分や。
 ブログがここまで増えすぎてしまうと,これはもうみんながいっせいに歌いだしたカラオケ大会みたいなもので,「誰も聴いていない」状態になっていることは,数の原理からいって確実だ。(中略) 誰も読まない文章をこれほどまでに量産した時代はかつてなかったはずである。文章はゴミにならないから環境を汚すわけではないけれど,ネット上での検索の障害にはなっている。ま,いいけど・・・・・・(p156)
 このブログの話もすでに何度か出てきている。ごもっともな話で,このままいけば書く人ばかりで読む人がいなくなる。書き手自身が唯一の読者ってこともあるだろう。ブログの書き手は,このことは拳々服膺しておくべきでしょうね。

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