2013年4月4日木曜日

2013.04.03 伊集院 静 『旅だから出逢えた言葉』


書名 旅だから出逢えた言葉
著者 伊集院 静
発行所 小学館
発行年月日 2013.03.13
価格(税別) 1,400円

● 短いエッセイの連載を1冊にしたもの。しみじみ読める佳品だと思う。

● 以下にいくつか転載。
 子供の描いた風刺画はすぐに誉められ,小遣い稼ぎにもなる。しかしそれはすぐに失せてしまう類いのものだ。“すぐに役に立つものはすぐに役に立たなくなる”,至言である。(p73)
 今の若者はあまり旅に出ないと言われているが,私はそれはいっときの風潮であり,そう心配することでもないように思う。 人類が最初にアフリカの大地に立って以来,人間はずっと旅をしてきたのだし,人間の身体,こころの中には旅をせざるを得ない何かが宿っているような気がする。(p83)
 フランス人はきわめて個人的主張が強く,自己本位と言われる時があるが,いったん友と認めればヨーロッパで一,二の愛情の絆の強い人々でもある。(p95)
 「世紀末というのは,この前の世紀末だった明治二十四年頃も世界中で騒いでいたようです。世間とはそういうもののようです。それを異常気象と騒ぐ向きもあるようですが,私どもは商売柄,夏が暑く,冬が寒くないと扇風機,クーラー,そして暖房具の売れ行きに直接影響がありまして,毎年天候に左右されてきました。長い間,天候とつき合ってきましたが一度として同じ夏も,冬もございませんでした。それを異常と呼ぶなら,毎年異常ということです。大切なのは人々がそんなことで不安にならないことです」 それを聞いていて,なるほど苦節を乗り越えてきた人物(松下幸之助)は違うと思った。 以来,異常気象を考え込まないできた。(p146)

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