2013年3月21日木曜日

2013.03.20 隈 研吾・清野由美 『新・ムラ論TOKYO』


書名 新・ムラ論TOKYO
著者 隈 研吾・清野由美
発行所 集英社新書
発行年月日 2011.07.20
価格(税別) 760円

● 本書でいう「ムラ」とは「その場所と密着した暮らしがある場所すべて」(p22)。「ムラ」に着目する問題意識は次のとおり。
 二〇世紀初頭,弱者は「建築」によって救出可能であると人々は信じた。建築は神の代用品ですらあった。誰でも「持ち家」という建築を与えられることで救われる。公共建築によって,その工事プロセスが生み出す雇用によって,弱者を救済することができる,と人々は信じた。 しかし結局のところ,「空間の商品化」は誰も救うことができなかった。全員が傷つき,ヤケドをした。土地というもの,それと切り離しがたい建築というものを商品化したことのツケは大きかった。商品の本質は流動性にある。売買自由で空中を漂い続ける商品という存在へと化したことで,土地も建築も,人間から切り離されて,フラフラとあてどもなく漂い始め,それはもはや人々の手には負えない危険な浮遊物となってしまった。(p20)
● 著者二人が,下北沢,高円寺,秋葉原,小布施(長野県)を訪ねて,現地を歩きながら,言葉を交わしていく。清野さんの合いの手が絶妙で,小気味よく話が展開していく。
 話題は都市や建築ということになるわけだけど,四方八方に飛ぶ。本書に収録されなかった部分が相当以上にあるに違いない。それも読んでみたい。

● 隈さんは,まことにもって博覧強記。この言葉は今はあまり褒め言葉にはならないのかもしれないが,自分の足でスックと立って,自分の頭で世間と対峙している感じ。かっこいいねぇ。

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