2013年1月29日火曜日

2013.01.26 横澤 彪 『テレビの貧格』


書名 テレビの貧格
著者 横澤 彪
発行所 東洋経済新報社
発行年月日 2008.06.26
価格(税別) 1,400円

● テレビ番組(主にはお笑い,バラエティー)への感想,寸評をまとめたもの。すでに終了している番組もある。もともとネットに載せていたものだから,新鮮さが命で,本としての寿命は短いものになるだろう。
 が,古くなると読むに耐えないかというと,そんなこともない。あ,そういえばこんな番組があったな,と,懐メロを聴くような感じで読んでいける。
 そうか,こんな切り口もあるのか,と教えられることも多々あり。

● この種の本から引用するのは,われながらあまり感心しないけれども,いくつか引いておく。
 落語というのは客をどれだけ自分の世界へ引き込めるかが勝負だから,「お客さんと戦っている」という感覚がないといけない。そうじゃないと芸がハネない。今は客と勝負しない,客に甘えている芸人が多いんだけど,円楽は「客と勝負する」という意識を持っていた。(p61)
 結果を出す,ということにさぞかしこだわっているのかと思っていたが,イチローはそれ以上の美学を追っていることを初めて知った。単にヒットを打てばいい,ということじゃないんだ。 どういう美学かというと,相手投手が持っている一番いい決め球を打つ,というものだそうだ。(p76)
 (安住紳一郎について)今ひとつ人気が爆発しない。器用貧乏というか,腰が定まらない感じがする。 なぜか。一番大きな原因は“てめぇがアホになれない”ということだ。どうしても利口になっちゃうところがある。「俺はアナウンサーだ」みたいな意識があるのかもしれないし,「こんな仕事したくない」という気持ちがあるのかもしれない。まだ,吹っ切れていないのだ。せっかく期待されているのに,このままじゃモッタイナイよ。(p151)
 (宮崎駿について)ものを作るために集中していく段階で不機嫌になっていくから,「不機嫌でいることが大事」というのが彼の考え方なんだね。 その姿勢には「ものづくりの原点」が表れていて,心が動かされたな。(p159)

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